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【世界遺産】「ローマン・バス」の観光情報と、実際に観光した感想

8月 23, 2023海外旅行【海外】世界遺産,【海外】博物館,【海外】古代,【海外】廃墟

この記事では、世界遺産であるバース市街にある「ローマン・バス」の観光情報と、中学生以下の英語力で観光した際の感想をまとめます。

「バース市街に行く予定の方」「ローマン・バスに興味がある方」などの参考になれば嬉しいです。

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ローマン・バスの観光情報

ローマン・バスの観光情報

  • 営業時間:9:00~18:00(最終入場17:00)。季節により変化し、夏は夜10時まで営業の時期もあります(詳細は公式HPをご確認ください)。
  • 定休日:12月25~26日
  • 見学料金:19歳以上は平日23.5ポンド、週末26ポンド。その他複数の料金形態あり(詳細はこちら)。日本語バスツアーでの入場も可能。
  • ガイド:日本語音声ガイドあり
  • 所要時間:早足で1時間、じっくりだと3時間以上。私はオーディオガイドに従って進み、細かい展示は気になった部分だけ見て、2時間20分。
  • 写真撮影:可

※詳細は変更の可能性もあるため、訪問前には公式HPなどの情報をご確認ください

ローマン・バスまでのアクセス

バース市街の中でも中央あたりに位置する「ローマン・バス」の住所は「Abbey Churchyard, Bath BA1 1LZ イギリス」です(世界遺産「バース市街」の登録範囲はこちら)。

最寄りの「バース・スパ駅」は、ロンドン中心部にある「パディントン駅」から1本で移動でき、所要時間も90分ほどなので、比較的行きやすい観光地です。

ただし、鉄道での移動は高額になるため、お金を節約したい場合は、長距離バスでの移動がおすすめ。平日の通勤時間帯だと、費用を1/3以下に圧縮できる可能性があります。ただし、移動時間はビクトリア・コーチス・テーションからだと片道3時間ほどかかるため、ロンドンから往復すると、バスの乗車時間だけで1日6時間取られます。

「ストーンヘンジ」や「ウィンザー城」などと一緒に観光する場合は、日本語バスガイドツアーがおすすめです。ただし、この場合バースでの滞在時間が2時間ほどになります。ローマン・バスだけでもゆっくり観光しにくい時間なので、「バース市街の見どころをじっくり観光して回りたい!」という人であれば、鉄道や長距離バスを使っての旅行がおすすめです。

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  • Omioに登録するだけで、複数の会社のサービスが利用できる
  • 日本語で利用できる

とくに、イギリスの場合は鉄道の料金が高いため、私の出会った海外旅行者のほとんどは、Omioを使って複数のルートを比較していました。長距離移動を伴う旅行を計画している場合、利用することをおすすめします。

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ローマン・バスとは?

ローマン・バスとは「1世紀頃からのローマ帝国の支配下で繁栄した温泉施設」です。

ローマ人がブリテン支配をした直後から温泉地として開発されており、支配前から温泉の存在を知っていたとも考えられています。公衆浴場として利用された他、隣接地には神殿も建てられており、この神殿ではローマ人が支配する前から、ローマ神話の女神ミネルウァと同一視さる女神スリスが祀られていました。ローマ人が利用していた頃の建物は、温泉だけでなく、サウナやトレーニングルーム、温水プールの様な部屋もあり、現在のスパ施設の様に利用されていました。

その後、西暦400年頃にローマ軍がブリテン島から撤退を始めるとともに衰退し、洪水の土砂によって温泉施設の多くが土の中に埋まってしまいました。その後、度々再開発が行われ、18世紀にアン女王がバースを訪れた際、周辺含めて温泉保養地として大規模な再開発が行われると、街は社交場としても利用されるようになります。それ以降、古代の史跡に対する発掘調査が300年以上かけて行われており、まだ調査は継続しています。

現在もローマン・バスの施設内に天然温泉が流れていますが、感染症の関係もあり、入浴はできなくなっています。施設としては、博物館と史跡の複合施設として運営されており、隣接している18世紀に作られた社交場の「パンプ・ルーム」は、レストランとして運営されています。

ローマン・バスを観光してみた(所要時間2時間20分ほど)

上の写真はローマン・バスの入口です。それほど大きくない建物に見えますが、遺構が周囲より低くなっている関係で、施設も周囲より低い作りになっています。中に入って見学すると、オーディオガイドに従って進むだけで2時間は楽しめます。

こちらは入ってすぐのホール。ここに受付カウンターがあり、オーディオガイドを受け取って、入場します。

ちなみにこちらのオーディオガイドは、画面のあるマルチメディアガイドではなく、電話機のようなタイプでした。案内看板などにある番号を入力すると、該当の音声が流れるのですが、初期設定で言語を選ぶ必要があります。受付カウンターでオーディオガイドを受け取る時に、日本語を指定しましょう(ただし、主に子供向けと思われる一部のガイドは日本語未対応です)。

入ってすぐに、最大の見どころである浴場部分が上から覗き込めます。現在は天井がありませんが、昔は高さ20メートルほどのドーム状の天井に覆われていました。

テラス部分には、多くの像が飾られています。酸性雨の影響を避けるため、数年ごとに洗浄される身代わりのカバーで保護されています。

テラスを抜けると、博物館スペースに入ります。

上の写真は、昔を再現した模型。左が温泉部分で、右が神殿部分です。

上の展示は、神殿のペディメント(妻側屋根下部と水平材に囲まれた三角形の部分)にあった彫刻。1790年、現在のパンプ・ルームを建設していた際に発見されました。中央はゴルゴーンを表していると考えられていますが、明らかに男性として描かれており、それが何を意味するのかは様々な説があります。

発掘されたものには、大量のコインもありました。これらの価値がいくらになるのか、いったい何のために蓄えられていたのかも謎です。オーディオガイドによると、これに関する書籍がお土産屋で売られているそうです。

こちらは3~4世紀頃の物と思われるモザイク床。海獣のデザインは銭湯で人気でした。

こちらは先のゴルゴーンと同様、神殿のペディメントの彫刻で、女神ルナを表してします。背景の円盤は月を表し、右にあるP型の物は、空を走る戦車を動かすための鞭です。

こちらは、呪いの板です。ローマン・バスからは、130の呪いの板が見つかっています。呪いの板の多くは、比較的軽い盗難に対する女神への告発文で、犯人に対する報復を願った内容になっています。

中には、しっかりと文字が識別できそうな呪いの板もありました。 博物館の途中では、当時の遺跡の基礎部分も見られます。 上の写真は、神殿にたっていたスリス・ミネルバ像の頭部

後頭部部分のパーツは無く、頭の中が見える状態になっていました。

博物館内から見える温泉部分。このスペースは現在も温泉が湧き出ており、下からは気泡が上がってきていました。メインの浴場へは、ここからパイプを通って温泉が流れていきます。 古い排水溝が博物館内を通っており、その一部を見る事もできます。 博物館スペースを抜けると、浴場の遺構に辿り着きます。ちなみに、浴場は入るだけでなく触れる事も禁止。感染症の危険性があり、1978年には、ここで泳いだ地元の水泳クラブの少女が死亡しています。調査を行ったところ、殺人アメーバとも呼ばれるフォーラーネグレリアが発見されたそうです。

周囲にはいくつもベンチがありますので、ゆったり見ながらオーディオガイドの解説を聞くことができます。 見上げると、当時の入浴者気分でテラスの彫像を見る事もできます(昔は天井に覆われていましたが)。 施設の外にある、近隣のバース寺院も良く見えました。 柱にはトーチがあり、夏(7月下旬~8月末頃)にはここに炎が灯され、幻想的な雰囲気の中22時まで営業されています(詳細はこちら)。近隣に宿泊される場合は、あえて夜訪れてみてもいいでしょう(ただし、日本よりも日没が遅い為、日没時刻に注意)。 大浴場の周辺には、サウナ、温水プール、運動場などの部屋があります。上の写真は、プール部分です。上の写真はサウナなどに使われる床下の構造。ここに熱した熱い空気を流すことで、部屋全体を温めました。

出口付近では、温泉の水が飲めるようになっていました。匂いや味にはとくに癖はなかったです。

出口はお土産屋から。ちょっとローマン・バスのバスタオルが欲しくなりましたが、けっこうなお値段だったのでやめました。

ローマン・バス関連の観光地

ローマン・バスの周辺を観光するなら?

ローマン・バスを含むバース市街の範囲には、以下の様な見どころがあります。

バース市街の見どころ

  • ローマン・バス:ローマ人が築いた温泉保養施設の遺構と博物館。バース市街でも主要な観光地。
  • バース寺院:アングロサクソン時代からの歴史ある寺院。ローマン・バスのすぐ隣にある。
  • パルトニー橋:エイボン川にかかる橋。新古典主義建築家ロバート・アダムが設計。
  • グレート・パルトニー・ストリート:パルトニー橋からホルバーン美術館まで北西に伸びる通り。建築家トーマス・ボールドウィンが設計。
  • ホルバーン美術館:主にトーマス・ウィリアム・ホルバーン卿のコレクションが展示されている美術館。Netflixで配信されたドラマ「ブリジャートン家」のロケ地としても有名。
  • クイーン・スクエア:ジョージアン様式の家に囲まれた広場。中央のオベリスクは、ウェールズ皇太子のフレデリックを記念して1738年に建てられた。
  • ザ・サーカス:円環状の道路及び建築物。三か所の入口で等分に建物が区切られており、建築様式はジョージアン様式。
  • ロイヤル・クレセント:三日月形の曲線が美しい集合住宅。18世紀に作られた貴族の邸宅で、内部見学できるスペースもある(有料)。
  • アセンブリー・ルームズ:18世紀に社交場として利用されたジョージアン様式の建物。地下にはファッション博物館がある。
  • サリー・ランズ:1482年に建てられた現役としてはバースでも最古の建物で、老舗のカフェ。名物のサリー・ラン・バンが有名。地下には博物館とショップがある。
  • サーメ・バース・スパ:2006年にオープンしたスパ施設。屋上にあるルーフ・トップ・プールからは街が見渡せる。
  • プライアー・パーク:バースの南の方にある 18世紀の風景式庭園。パラディオ橋が見どころ。他の見どころから離れた場所にある点は注意。

この他、もしも「ローマン・バスを2時間ほど観光できれば、バースは十分」という人であれば、日本語バスツアーを使って「ウィンザー城」や「ストーンヘンジ」とセットで観光するのがおすすめです。交通費や移動時間などを考えると、効率的に観光できます。

「ヨーロッパの大温泉保養都市群」を巡ってみる?

「バース市街」は1987年に世界遺産登録されているのですが、その後「ヨーロッパの大温泉保養都市群」という形で、ヨーロッパの温泉地11か所が世界遺産に登録された際、バースも登録されています。

ちなみに「ヨーロッパの大温泉保養都市群」は全部で7か国。場所は以下の通りです。

「ヨーロッパの大温泉保養都市群」の場所

  • バーデン・バイ・ウィーン(オーストリア)
  • スパ(ベルギー)
  • フランティシュコヴィ・ラーズニェ(チェコ)
  • カルロヴィ・ヴァリ(チェコ)
  • マリアーンスケー・ラーズニェ(チェコ)
  • ヴィシー(フランス)
  • バート・エムス(ドイツ)
  • バーデン=バーデン(ドイツ)
  • バート・キッシンゲン(ドイツ)
  • モンテカティーニ・テルメ(イタリア)
  • バース(イギリス)

    バースの観光で必要だった英会話

    • 受付などで対応してもらうとき:Hello
    • 対応してもらった時:Thank you
    • 日本語のオーディオガイドを使いたいとき:Can I use Japanese audio guide?

    今回も、ほぼ会話がありませんでした

    日本語オーディオガイドも使えるため、仮に英語ガイドが理解できるレベルの英語力があっても、英語を使う機会はほぼ変化しなかったと思います。

    オーディオガイドは一部日本語未対応でしたが、メインの展示は全て日本語対応していましたし、日本語オーディオガイドだけでも2時間以上の滞在時間になっていたため、やはり日本語だけでも十分楽しめる施設だと思います。