【世界遺産】「カティーサーク」の観光情報と、実際に観光した感想
この記事では、世界遺産である海事都市グリニッジにある船「カティーサーク」の観光情報と、中学生以下の英語力で観光した際の内容をまとめます。
「グリニッジを観光予定の方」「カティーサークに興味がある方」などの参考になれば嬉しいです。
カティーサークの観光情報
- 費用:大人18ポンド。グリニッジ天文台とセットで購入したほうがお得です。その他、マストに登れる「RIG CLIMB」は大人52ポンド、アフタヌーンティーが38ポンドと、入場料より高いです。
- 所要時間:60~90分程。私はあまり翻訳アプリを使わず、早めに回って60分。
- ガイド:日本語なし。アプリで英語のオーディオガイドあり。
- 見学日時:10:00~17:00(クリスマス休暇以外に、不定期休館があります)
- 写真撮影:個人的な撮影は申請不要で可(三脚、フラッシュなどは不可。撮影に関する詳細はこちら)
※詳細は変更の可能性もあるため、訪問前には公式HPなどの情報をご確認ください
カティーサークまでのアクセス
カティーサークの住所は「King William Walk, London SE10 9HT イギリス」です。世界遺産「海事都市グリニッジ」のエリアの一部にあります(詳細はこちら)。
最寄りの駅は「Greenwich」か「Maze Hill」。ロンドンの中心地を経由してくる場合は、「Greenwich」駅で降りる事になるかと思いますが、位置によっては別の電車の駅で降りて、バスで移動した方が安くて早い可能性はあります。
また、このルートはかなり利用者が限られるかと思いますが、テムズ川北側からグリニッジ・フット・トンネルが川の下を通っており、南側の出口までくるとカティーサークの船首近くに来ることができます。
カティーサークとは?
カティーサークは「世界で唯一現存しているティー・クリッパー(19世紀の紅茶貿易や羊毛貿易で使われていた快速帆船)」です。1日に最高363海里(約672km)を航行し、最高速度は17.5ノット(約時速32.4km)に達しました。
1869年に建造されたものの、タイミング悪く同年にスエズ運河が開通し、カティーサークをはじめとする快速帆船による紅茶貿易は衰退していきます。
その後はオーストラリアとの羊毛輸送を行うウールクリッパーとして活躍しましたが、1895年、船の収益が上がらなくなってきた事に伴い、カティーサークはポルトガルのフェレイラ商会に売り渡され、フェレイラと名付けられました。フェレイラ時代には、ブラジル、アメリカ、イギリス、東アフリカなどで貨物を運びました。
その後、1922年にイギリス人のウィルフレッド・ドウマン船長が買い戻し、1938年にはテムズ航海訓練学校の訓練船として、テムズ川下流のグリーンハイスまで運ばれてきました。そして、訓練船としての役目を終え、1952年にカティーサーク保存協会がその存続を保証し、度々の修復(2007年の火災の後の大規模修復など)を行われながら、現在に至っています。ちなみに、当初は30年間使用する目的で設計されていたことを考えると、使用目的は違えど寿命の5倍働いています。
ちなみに、現在は内部が博物館として活用され、上部は観光およびマスト登りの体験、船の下は2012年から地上3メートル程度の高さに浮き上がり、レストラン・展示・イベントなどのスペースとなっています。
実際に「カティーサーク」を観光してみた(所要時間1時間ほど)
カティーサークの見学の概要
個別の入場券は18ポンドでしたが、グリニッジ天文台とセットのチケットが27ポンドでした。グリニッジ天文台のみのチケットが18ポンドなので、両方訪れるならセットの方が9ポンド安くなります。
残念ながら、日本語対応のガイドはありません。ただ、写真撮影可能なので、展示の英語解説を翻訳アプリで読む事はできます。
上は、カティーサークの外観の写真。船の底の部分を覆うように、建物が建っています。
休日の為か、周囲には出店があったり、大道芸が行われたりしていました(写真の白い服の集団が大道芸をやっていました)。
入り口は船尾側。入るとお土産屋コーナーと、受付のカウンターがあります。受付カウンターで事前に予約した画面を表示して「Hello!」と言えば、画面をスキャンしてあっさり通してくれました。
カティーサークだけではありませんが、グリニッジ王立美術館関連の建物(「グリニッジ天文台」「国立海洋博物館」「クイーンズ・ハウス」)は、たいていオーディオツアーがあります。英語のリスニング能力に自信がある方は利用しましょう。
こちらはカティーサークの案内看板。「0階→1階→2階→-1階」の順でルートが決まっていますので、意識しなくても迷うことはありません。
日本語オーディオガイドは無い代わりに、案内看板は充実しています。翻訳アプリを使えば、だいたいの内容はわかります。
カティーサークの0階
0階は、主に紅茶と紅茶貿易に関する展示が行われていました。
「貴重な資料」といったような展示はほとんどありませんが、壁にある紅茶や紅茶貿易に関するパネルは、17~19世紀頃のイギリス史の良い勉強になります。
また、大型モニターでは、英語字幕付きで紅茶貿易とカティーサークに関する解説動画が流れていました。
紅茶関連以外では、0階は船体の木材や鉄骨部分が良く見られます。これらは建造当初のオリジナルの部分も多いです。
上の写真の白い鉄骨部分はオリジナルの鉄骨の一部で、1869年の物。一部、補助の金属加工でグレーのものが取り付けられています。
カティーサークの1階
1階は、カティーサークの歴史や、乗組員についてなどの展示が行われていました。こちらは「ザ・スター・オブ・インディア」という船の船尾にあった装飾。
「インド」で「星」というと、私はインド版巨人の星「スーラジ・ザ・ライジング・スター」を思い出しましたが全く関係なく、インドの植民地時代にあった「インドの星騎士団員章」を表したもので、インド海兵隊のために建造された船からコピーされたものだそうです。
こちらの鐘は、船がポルトガルの手に渡った後、1903年頃にカティーサークで勤務していた士官に盗まれたものです。1922年にカティーサークがドウマン船長に買われた時に、鐘を返還すると申し出があり、戻ってきたそうです。
カティーサークの2階
2階に上がると甲板に出てきます。
ここは、単に甲板が見学できるだけでなく、船の生活を再現した部屋の展示や、マストに登れる「RIG CLIMB」もあります(小さいですが、上の写真のマストに人が乗ってます)。
「RIG CLIMB」は、見学ルートの先にある「-1階」に受付カウンターがあるので、そこで申し込みできますが、ネットで確認した限り大人52ポンドとかなりの高額です(私が観光した時点のレートで、1万円弱)。
こちらは船首側からの写真。目の前に広がっているのがテムズ川です。こちらはカティーサークの入口前あたりの写真。出店や大道芸で賑わっていました。 これは船尾側にあった舵輪です。この写真の奥左側に、船内に入れる階段があり、船室が再現されています。
カティーサークの-1階
階段を一気に下って-1階へ移動。ここはカティーサークの下にある空間で、レストランや展示スペースがあります。
こちらは船首側です。船首側には階段があり、登って撮影できます。
船首側の階段下にあった船首像の展示。ちなみに、現在船首に取り付けられている物は、2021年に作られたものだそうです。
レストランスペースはガラガラかと思ったら、かなりの席が予約で埋まっていました。ちなみに、アフタヌーンティーの予約は38ポンドです(庶民には手が出せない……)。
こちらはマストに登れる「RIG CLIMB」の受付カウンター。このカウンター正面に階段があり、出口(入口のお土産コーナー)に続いています。
カティーサーク周辺の見どころは?
カティーサークを含む世界遺産「海事都市グリニッジ」の他の見どころは、主に以下の4か所になります
10:00~17:00までフルで利用し、昼食の時間を短めにすれば1日で全て観光する事は可能です(私も、実際やりました)。
ただし、1か所あたりの観光時間が短くなってしまう為、じっくり見てみたいなら2日以上かけるつもりで行動した方がいいでしょう。
ちなみにカティーサークとグリニッジ天文台がセットで予約して割引されるため、じっくり観光する場合もこの2か所は1日で一気に見学するといいでしょう。
一方、じっくり見学すると一番時間がかかる「国立海洋博物館」は、特別展以外は無料なため「1回目は無料の施設はサクっと観光しつつ全体を巡り、気に入ったら無料の施設をじっくり見学するため再訪する」といった選択もありです。
カティーサークで必要だった英会話
- チケットを見せるとき:Hello
- チケットを見せ終わった後:Thank you
ほぼ無言でした。
レストランで飲食したり、マストに登る「RIG CLIMB」をやろうとするならもっと英語が必要ですが(とくに「RIG CLIMB」は安全の為にもしっかり英会話できる必要あり)、単に中を観光するだけなら英語ができなくても大丈夫です。
しかし、日本語オーディオガイドや、日本語ガイドブックはありませんので、しっかりと展示を楽しむならある程度の英文読解力があった方が良いでしょう。