ロンドンからの長距離バスの乗り方と、実際に乗った体験談(National Express)
イギリスの観光中で課題の一つになるのが交通費。割引の利いていない鉄道のチケットを使った場合、新宿~熱海ほどの距離を往復するだけで、1~2万円かかる事もあり得ます(小田急ロマンスカーとJR東海道線を使った場合、5,000円もかかりません)。
そこで節約するなら必須になってくるのが長距離バス。高額な鉄道チケットと比べれば1/6以下に費用を圧縮できることもあり、割引されたチケットと比較しても1/2近くまで交通費を節約できることがあります。
今回は、そんな長距離バスの予約方法と乗り方について、中学生以下の英語力で乗車した体験談も交えてまとめます。
長距離バスの予約
長距離バスの主な予約方法は、「バス会社のHPから予約」するか「交通系の予約アプリを利用」の二つがあります。
ロンドンから出発する場合は、主な長距離バスの会社は「National Express」「Megabus」「Flixbus」。私が利用した「ヴィクトリア・コーチ・ステーション」の電光掲示板を見た限りでは、「National Express」のバスが多かったです。
基本的には、バス会社のHPから予約する場合は、「National Express」でバスを探し、どうしても見つからなければ他の会社を利用する形でいいでしょう。
また、交通系のアプリでは、私が旅行している間に知り合った人では「Omio」を利用している多かったです。
Omioは、交通会社に関係なく、鉄道・長距離バス・航空機・フェリーでの移動時間や料金を比較でき、一つのアプリで複数のサービスを利用できるため、旅行慣れしている人ほど、個別の交通会社のサイトよりはOmioを使っている印象でした。
予約の流れはアプリもバス会社のHPもほぼ同様で、ほとんど直感的にわかります。
- 「出発場所」「行き先」「出発日」「人数」などを入れて検索
- 検索結果の中から、料金と時間帯などの条件を比較し、乗車するバスを選択
- オプションを選択(キャンセル時の返金、予約変更、荷物の量、座席指定など)
- 必要事項を入力して、料金を支払う
- 入力したメールに、乗車券のQRコードが送られてくる
予約後、送られてきたQRコードを乗車時に見せればOKです。
長距離バスのチケットを現地で購入する場合
あまりおすすめはしませんが、現地のチケットカウンターでも長距離バスのチケットを購入することもできます。
例えばロンドンから長距離バスを利用する場合によく使われる「ヴィクトリア・コーチ・ステーション」では、ほとんどのバス会社のチケットを、チケットホールで購入できるようになっています。
ただし、チケットオフィスの営業時間は8:00~20:00までです。また、バスの出発時刻まで1時間は余裕を持って到着するようにと公式HPに書かれているため、朝9:00以降に出発するバス以外では利用しない方がいいでしょう。
また、当たり前の話ですが、現地カウンターでのやり取りでは英会話が必要になります。自動販売機もありましたが、私の中学レベルの英語力では、行き先を見つけ出すことすらできませんでした(そもそも、自動販売機は行き先が限定されていたのかも)。英語力に自信が無い人は、無理せず直感的に操作しやすいネット予約をおすすめします。
長距離バスの乗り方(ヴィクトリア・コーチ・ステーションから往復した実体験)
ロンドンから長距離バスで移動する場合、ヴィクトリア・コーチ・ステーションを利用する方が多いかと思います。
今回、私は「ソールズベリー駅」と「バース駅」までの移動に長距離バスを利用しましたので、その際の経験を交えて長距離バスの乗り方を解説します。
ヴィクトリア・コーチ・ステーションへの行き方
「ヴィクトリア・コーチ・ステーション」は、ヴィクトリア駅から徒歩で10分弱程度の距離にあります。
大きな建物ですので、Googleマップを使って向かえば、まず迷うことはないと思います。
公式HPの案内では、チケットを現地で購入する場合は出発の1時間前、夜行バスは出発の20分前に到着するようにとのことでした。鉄道の遅延なども日本より起こりやすいですので、ネットで予約した場合でも遅くても30分、できればそれ以上前に到着する予定で行動しましょう。
搭乗ゲートの探し方
先ほどの正面玄関を入ると、バスの情報が表示された電光掲示板があります。電光掲示板は、アルファベット順に表示されています(一度に全ては表示できないため、一定時間ごとに次の表示に切り替わります)。
この日、私は「Bath」行きの「National Express」で「7:00発」の「403」番のバスでした。この4つの情報があれば、掲示板から該当のバスを絞り込むことができます。
該当のバスを確認すると、電光掲示板に表示されていたゲートは「6」です。なので、6番のゲートに向かいます。
建物の天井からは、所々に上の写真のような看板がぶら下がっています。建物内の構造も単純なので、迷うことは無いかと思います。看板だけでなく、柱などにもゲートの番号が書かれています。6番ゲート前に到着しました。まだ40分前なので、ゲート前には一つ前のバスを待つ人達が待機していました。
駅構内の施設
万が一に備えて、駅にはバスの出発よりかなり前の時刻に到着する事になると思います。
駅構内には、スターバックスなどの食事ができる場所や、ちょっとした売店、お弁当の自動販売機などもありますので、休憩や昼食の準備に利用してもいいでしょう(十分な時間があるなら、近隣のスーパーで買い物をした方が安い可能性はあります)。
また、手荷物の預り所もあるので、余計な荷物を減らすこともできます(ただし、有料です)。
トイレもあり、私が訪れた際は無料で利用できました(ソールズベリー駅のトイレは50ペンスでした)。
運行しているバス会社
私が確認した時点では、以下のバス会社がヴィクトリア・コーチ・ステーションで運行していました
会社数はかなり多いですが、ヴィクトリア・コーチ・ステーションから出発する長距離バスの多くが「National Express」「Megabus」「FlixBus」です(とくに「National Express」が多い)
また、バスツアーの場合は「Evan Evans」か「Premium Tours」になるかと思いますが、日本語のバスツアーは3種類で、全て「Evan Evans」でした。GetYourGuideなどで日本語バスツアーに参加した場合、バス会社は「Evan Evans」になるかと思います(Evan Evansのバスツアー体験談はこちら)。
長距離バスの乗車の流れ
係員が現れて、チケットの確認が始まると、ゲート前の人が列を作り始めるので、それに並びます。
係員が一人ずつチケットの確認をしますので、「Hello」とかの挨拶をしつつ、購入したチケット(QRコード)を見せれば乗車できます。
また、チケットの確認の際、行き先を聞かれる事もあります(途中下車も可能なので)。英語に自信がない場合は、前もって受け答え用の簡単な英文を暗記し、スマホなどで場所を指し示すことができるようにしておきましょう(私は、知らなかったので、かなり慌てました)。
大き目の荷物がある場合は、バスの下部に積んでもらう事も出来ます(サイズによっては追加料金が必要)。
長距離バスの設備(主にNational Express)
長距離バスは基本的にトイレがあります。私の経験では、左後方に設置されていました(Evan Evansの時はか中央右側)。
ちなみに、「ヴィクトリア・コーチ・ステーション」から出発する場合に利用者が多いと思われる「National Express」と「Megabus」は、公式HPの情報で「全てのバスにトイレがついている」との説明がありました。
トイレがあるため、基本的にはバスが途中休憩で停車する事はありません。ただし、バースからロンドンに戻る途中で、私は一度休憩がありました。途中で休憩があるかどうかは、時刻表から確認ができるようになっています(National Expressの場合)。
また、バス内には無料Wi-Fiがありました。ただし、あまり通信速度が良くなかったので、私は電子書籍を読んで時間を潰していました。
長距離バスの到着後と、帰り方
到着までの間に、複数の場所に立ち寄る事もありますので、降りる場所は間違えないように注意しましょう。
到着時は、下車時に「Thank you」と言って挨拶すればOKです。特別な手続きはありませんでした。荷物を預けている場合は、忘れず受け取りましょう。
ちなみに、私が利用した「バース駅」と「ソールズベリー駅」は下の画像の通りです。
こちらは、「バース駅」の外観。世界遺産であるバース市街を観光した際に利用しました。
構内には複数のゲートがあります。電光掲示板もあったのですが、何故かヴィクトリア・コーチ・ステーションまでの帰りのバスは表示されていませんでした。ただ、ヴィクトリア・コーチ・ステーション行きのゲートが一つだったので、そこで待機していたら無事に帰る事ができました(乗車方法は、チケットを見せるだけ)。
上の写真は「ソールズベリー駅」。ストーンヘンジを訪れた際に利用しました。
バスステーションとしての建物は無く、上の写真の赤い扉は全てトイレです(有料で50ペンス。クレジット払いができるものもありました)。電光掲示板もなく、帰りの際は上の写真と同様にバスが建物前で停車したので、係員にチケットを見せて乗車しました。ちなみに、電車の「ソールズベリー駅」までは、ここから少し歩いて移動する必要があります。