【世界遺産】「国立海洋博物館」の観光情報と、実際に観光した感想
この記事では、世界遺産である海事都市グリニッジにある施設「国立海洋博物館」の観光情報と、中学生以下の英語力で観光した際の内容をまとめます。
「海事都市グリニッジを観光予定の方」「国立海洋博物館に興味がある方」などの参考になれば嬉しいです。
国立海洋博物館の基本情報
- 費用:無料(企画展やイベント、ツアーは有料)
- 所要時間:60~120分。私は企画展以外の全フロアを回りましたが、かなり早足だったので70分。ロンドンで知り合った海洋関係が好きな人の話では、ここだけグリニッジ観光が1日潰れたそうです。
- ガイド:日本語なし。英語のガイドアプリやガイドブックはあります。
- 見学日時:10:00~17:00(12月24日~26日はクリスマス休暇)
- 写真撮影:個人的な撮影は申請不要で可(三脚、フラッシュなどは不可。撮影に関する詳細はこちら)
※詳細は変更の可能性もあるため、訪問前には公式HPなどの情報をご確認ください
国立海洋博物館までのアクセス
国立海洋博物館の住所は「Romney Rd, London SE10 9NF イギリス」です。世界遺産としては、周辺含めたエリアとして登録されています(詳細はこちら)。
最寄り駅は「Greenwich」または「Maze Hill」。ロンドンの中心地の方からだと「Greenwich」の方が近いため、鉄道で訪れるなら「Greenwich」側かなと思います(バスを使った方が最寄まで行けて安い可能性はあります)。
海事都市グリニッジは、ロンドンの中心地から西に離れた位置ですが、それほど距離があるわけでもなく、ロンドンブリッジ駅からなら10分ほどで到着できます。ロンドンに滞在中なら、宿泊先からバスや鉄道で簡単に行ける範囲です。
また、時間もお金もかかるため、あえて利用する必要はありませんが、ロイヤルドッグからノースグリニッジまでのIFSケーブルカーが通っています。オイスターカードが利用でき、往復で12ポンド。テムズ川上空90メートルの高さからの眺めを楽しむことができますので、景色を楽しみたい人であれば、利用してもいいでしょう。
ちなみに、Greenwich駅の外観はこんな感じです。
改札は無く、入り口と駅構内に下の写真のようなカードをタッチできる部分があるので、乗車時はそこにOysterカードなどをタッチします(タッチを忘れると罰金を取られます。ヨーロッパは改札が無いところが多いです)。
国立海洋博物館とは?
国立海洋博物館は「イギリスと海洋との関係性を中心とした世界でも最大規模の海洋博物館」です。展示内容はイギリスを中心とはしていますが、海洋の歴史ということもあり、海外との文化の交流を示す資料も含まれています。
海洋に関するコレクションだけでなく、海事の歴史図書館としても機能しており、施設にはケアード図書館も含まれています。
コレクションの点数は260万点以上(2019年時点の資料)あり、10万点の書籍、39万点の写本、9万枚の海図、4千枚の油絵、100万点の船舶計画、100万点の写真、その他、印刷物やコイン、メダル、船首像、イコン、時計器具、制服、武器など、海洋に関係のあるものであれば多岐にわたります。
1934年の議会法によって設立が決められ、1937年にクイーンズ・ハウスの隣接する建物に開館する運びとなりました。建物自体は更に古く、18世紀まで遡ります。1800年代初頭は、王立海軍精神病院として利用され、1821年からはグリニッジ病院に引き継がれ、グリニッジ病院学校として利用されていました。1933年に学校が移転したのち、博物館として利用されるために改装され、その後も改装などが行われながら現代に至ります。
最近の変更では、2018年に旧ケアード図書館と事務室だったスペースが、4つの新しいギャラリーとなり、16~20世紀の海洋探検に関する1,100点の資料が展示されています。
実際に「国立海洋博物館」を観光してみた(所要時間1時間10分ほど)
実は、今回ネット情報で「原則撮影禁止」との情報を見ていたため、途中までうっかり写真撮影を行っていませんでした。そのため、今回は写真少な目で現地の状況をご報告いたします。
ちなみに、最新の状況では、個人撮影であれば可能(フラッシュ、三脚などは不可)となっていました。ロンドンの観光地の多くで、昔は撮影不可だった施設が、条件付きで撮影可能になっていますので、訪問前に公式での撮影条件(photography policyなど)を確認しておくと、意外と撮影可能になっていることもあります。ただし、日本語ページが公式で用意されている場合、稀に更新が遅れている事もあるので注意です(ウェストミンスター寺院は、日本語の撮影ポリシーが古いままで、原則撮影不可になっていました)。
国立海洋博物館の外観
こちらは、玄関正面。平日でしたが、けっこう賑わっています(2009年のデータでは、年間訪問者は236万人以上)。
こちらは、庭にあったオブジェ。何を示していたのかはよくわかりませんでした。
国立海洋博物館の入場方法
入場料無料で、とくに入場時の手続きの様な物もありませんでした。
入口で入場者数をカウントしてるっぽい人はいましたが、ほぼ無言でスルーです。
正面にカウンターはありましたが、とくにそこでの会話もありません(入口から、正面カウンター右手でお土産を売っているので、購入時はここで手続きします)。
国立海洋博物館の内部
国立海洋博物館内の展示スペースは、中央のスペースと、その周囲を囲む四方の壁のスペースで、展示が別れている感じです。
0階(日本人感覚で1階)は、主に中央のスペースに展示があり(四方の壁のスペースにも展示があり、南側は企画展をやっていました)、1~2階(日本人感覚で2~3階)は、主に四方の壁のスペースが展示室になっています。
図で表すと、下の写真の様な漢字です(下の写真は2階の地図)。
中央のスペースと、四方の壁のスペースの間は吹き抜けになっていて(中央部分も、2階から上は吹き抜け)、1階はそのスペースにも展示がされていました。
こちらは、0~2階まで吹き抜けになっている南側の壁にある船首像。古い記事でもこちらの写真はよく見受けられたので、恐らくこの吹き抜けのスペースは、昔から写真撮影可能だったのかなと思います。
1階では、グリニッジ周辺の海事に関連する展示や、そもそも「人間にとっての水は何か?」といったような展示がありました。
海事に関係があれば、上の写真の様な凝った意匠の武器なども展示がありました。
上の写真は、0階の南側階段を上がって、すぐにある1階の展示。彫刻されたクジラの歯や、ローマ時代の石の錨、タイタニック 号事故の犠牲者が身に着けていた懐中時計などがあります。
展示物には、体験型のものもありました。上の写真は、紋章の展示と、紋章を自作して一緒に飾るコーナー。
こちらは、先ほどの部屋から少し進んだ展示室の投票箱。「反乱」か「忠実に過ごす」かでは、「反乱」が勝っていました。「なんでこんなものが?」と思った木製の魚。イギリス領のピトケアン島で使われていた木製の皿だそうです。
このピトケアン島は、(イギリスでは)有名な「バウンティ号の反乱」に参加した軍人と、タヒチ島の現地人(誘拐同然で連れ去られた人もいる)が辿り着き、その子孫が現在も主な住人だそうです。
展示の途中には、けっこうな点数の油絵も飾られていました。上の写真は、ニュージーランドとソシエテ諸島の風景を描いたもの。作者はウィリアム・ホッジスで、ジェームズ・クックの第2回探検航海に博物画家として同行しました。ホッジスはこれらの絵画の他、イースター島や南極圏も描いています。こちらは、タヒチの戦争用のカヌーを描いたもの(作者は忘れました)。当時の戦争用のカヌーは、ヨーロッパの船と同等の大きさがあったそうですが、そんな事より何故か中央で頭部が発光しているように見える人物が気になりました。
大砲などの展示もありました。こちらは、元はロンドンのバルチック海運取引所の階段の上に設置されていたガラスで、第一次世界大戦直後に作られたものです。
上の写真は、17~19世紀の大西洋に関する展示。船の模型や、当時の物品、生活や文化に関するものが、イギリス以外も含めて幅広く展示されていました。
この他、チューダー朝とスチュアート朝時代の展示(この頃、ヨーロッパでは商業・植民地獲得競争が激しく、そんな中でイギリスが海洋大国として台頭した)や、極地探検における現代の装備の展示、ネルソン提督やトラファルガーの戦いに関する展示(ネルソン提督が着用していた軍服がある)、東インド会社の活動に関する展示など、大航海時代以降のイギリスと海洋の密接な関係を学ぶことができます(かなり、駆け足で観光してしまい、2階については一切撮影できなかったので、又行きたいです)。
国立海洋博物館周辺の見どころは?
国立海洋博物館を含む世界遺産「海事都市グリニッジ」の他の見どころは、主に以下の4か所になります
10:00~17:00までフルで利用し、昼食の時間を短めにすれば1日で全て観光する事は可能です(私も、実際やりました)。
ただし、1か所あたりの観光時間が短くなってしまう為、じっくり見てみたいなら2日以上かけるつもりで行動した方がいいでしょう。
ちなみにカティーサークとグリニッジ天文台がセットで予約して割引されるため、じっくり観光する場合もこの2か所は1日で一気に見学するといいでしょう。
一方、じっくり見学すると一番時間がかかる「国立海洋博物館」は、特別展以外は無料なため「1回目は無料の施設はサクっと観光しつつ全体を巡り、気に入ったら無料の施設をじっくり見学するため再訪する」といった選択もありです。
国立海洋博物館で必要だった英会話
- ガイドブックを買うために、カウンターで挨拶した時:Hi!
- 「他の建物の奴と2冊買ったら割引になるよ~」って(たぶん)言われた時:あー(指を一本たてて)、One. Please
- ガイドブックを受け取った時:Thank you
- 人にぶつかった時:Sorry
国立海洋博物館は無料で入場可能な施設なので、基本的に英会話は不要です。せいぜい、混雑するので、人にぶつかったら「Sorry」と言って謝りました。
また、私の場合、ガイドブックをお土産に購入したので、そのタイミングで別途会話が必要になりました。
ガイドブックは「グリニッジ全体」と「主要な施設5種類」の合計6冊が売られており、1冊だと6ポンドなのですが、2冊目は4ポンドで購入できます(時々思うけど、イギリスの物価を考えると、フルカラーのガイドブックは安いと思う)。
私はグリニッジ全体のものだけを購入したのですが、カウンターで「二冊目を買うとお安くなりますよ~」的なことを言われました(状況と、聞き取れた僅かな単語から判断したので、実際なんだったのか不明)。こういう場合の正しい返答がわからなかったのですが、「一つでお願いします」というつもりで「One. Please」といったら、無事欲しかったガイドブックが購入できました。