【史跡】「ブルー・プラーク」を巡ってみた①(カムデン、ロンドンブリッジ、カンタベリー周辺など)
イギリスを歩いていると、たまに見つける青い丸看板(たまに青以外もある)。これは、著名人が利用していた家などにつけられる「ブルー・プラーク」という史跡を示すものです。
今回は「大英博物館周辺(カムデン)」「ロンドンブリッジ駅周辺」「バーネット(ロンドンの北の方)」「カンタベリー」の4か所にあるいくつかの「ブルー・プラーク」を巡ってきましたので、その内容をまとめます。
「イギリス旅行(とくにロンドン)を予定している方」「ブルー・プラーク巡りをやってみたい方」などの参考になれば嬉しいです。
実際にブルー・プラーク巡りをやってみた
大英博物館周辺(カムデン)
Lilian Lindsay
リリアン・リンゼイは、イギリスで最初の資格のある女性歯科医です。他にも、司書や作家としての側面も持っています。歯科医を目指す際に大学の校長と口論になり、奨学金を失った上に1889年に退学。そこからも女性であることが歯科医を目指す上での困難となりますが、1895年にイギリスで初の歯科医の資格を女性となりました。
Lord Eldon
初代エルドン伯爵であるジョン・スコットは、1801~1806年と1807~1827年にイギリスの大法官を務めた人物です(途中、1年程トマス・アースキンが勤めています)。ちなみに、現代のエルドン伯爵家は現代も残っており、第6代エルドン伯爵ジョン・フランシス・スコットが爵位を継承しています。
Sir Harry Ricardo
ハリー・リカルドは、イギリスのエンジニアで、初期の内燃機関の開発で、優れた功績を残しました。車や航空機などのエンジン開発に関わり、スワールチャンバー(渦巻室)は、発明者がリカルドであることから、リカルド・チャンバーとも呼ばれます。
Dame Millicent Garrett Fawcett
ミリセント・ギャレット・フォーセットは、女性参政権運動家で、経済学者です。フォーセットは人生の大半を女性参政権運動のために費やし、1918年に制限付きの女性参政権を獲得することに貢献しました。
John Nash(Architect)
19世紀初頭の建築家であるジョン・ナッシュは、当時のロンドンで唯一人の宮廷都市計画者でした。バッキンガム宮殿や、キュー王立植物園のナッシュ温室などの設計にも関わっています。ちなみに、数学者のジョン・ナッシュとは別の人です。
Dr Robert Willian
ロバート・ウィランは、皮膚科の創始者として知られています。解剖学的見地から皮膚疾患を分類する世界初の試に取り組みました。このブルー・プラークについてはGoogleマップの検索には引っかからず、現地で偶然発見しました。
ロンドンブリッジ駅周辺
ロンドンの中心地の方にあるロンドンブリッジですが、周辺にあるブルー・プラークは少ないです。
Dreak Jarman
デレク・ジャーマンは、映画監督、舞台デザイナー、作家、園芸家と、幅広く活動しました。とくに映画監督、同性愛者の権利運動家として知られており、作品のテーマにも同性愛が取り入れられているものがあります。ブルー・プラークの位置は観光地からやや離れますが、上の写真の通り、ロンドンタワーが見える位置に看板が取り付けられています。
バーネット(ロンドンの北の方)
ロンドンのバーネットにあるブルー・プラークは、Googleマップで検索した限りでは2件となりました。ロンドンの中心地からはやや離れた位置であるため、近隣に宿泊した時以外はあえて訪れることの無い場所かなと思います(私は、宿泊した際に1件行って来ました)。
Sir Karl Popper
カール・ポッパーはイギリスの哲学者です。ウィーンで生まれ、第二次大戦中にニュージーランドに移住し、第二次大戦後にイギリスで教授を務め、1994年に亡くなるまで学術的に影響力を持ちました。
カール・ポッパーのブルー・プラークの他に、「グラハム・ヒル」のブルー・プラークがありましたが、位置がかなり遠い為、両方を見るためにはバスや鉄道が必要です。
カンタベリー大聖堂周辺(イギリス南東の方)
James Simmons blue plaque
ジェームズ・シモンズは、カンタベリーの地方自治体で活動した政治家です。 カンタベリーの保安官、カンタベリー市長などを経て、晩年、1806~1807年は庶民院議員を務めました。
Philosophical and Literary Institution blue plaque
「哲学文学研究所」があった場所みたいです。1825年に開設され、1899年にビーニー研究所に移転したそうです。
Louis Zborowski blue plaque
ルイ・ズボロウスキーは、自動車エンジニアで、本人もレーサーです。
あまり有名ではないと思いますが、航空エンジンを搭載したレーシングカーを製造し、「チッティ・バン・バン」と呼ばれる自動車で有名。007シリーズの原作者、イアン・フレミングの童話「チキチキバンバン」にも影響を与えました。
William Sealy Gosset blue plaque(未発見)
ウィリアム・シーリー・ゴセットは、イギリスの統計学者で、推計統計学の開拓者です。
日本語のWikipediaのページがある程度には有名な人物ですが、本名よりもペンネームのスチューデント (Student) の方が有名だそうです。
今回、対象の家を隣の家も含めて2周したのですが、看板は見受けられず、未発見となります。