基本情報技術者試験

【基本情報技術者試験】午前試験の特徴とおすすめの勉強方法

基本情報技術者試験を初めて学習するにあたり、最初に気になるところが「午前と午後の試験ってどう違うの?」「午前と午後で勉強方法はどうするべき?」というところだと思います。

私も学生時代、初めて試験勉強を行うにあたり、午前と午後の試験の違いや、勉強時間の配分について悩み、結果として1回目の試験では失敗してしまいました(勉強をさぼったのが最大の敗因ですが…)。

そこで今回は

  • 基本情報技術者試験の午前試験の特徴
  • 基本情報技術者試験の午前試験の対策
  • 基本情報技術者試験の午前試験の裏技

この3点を中心に解説していきたいと思います。

「午後試験の特徴と対策」について気になる方は、こちらの記事をご参照いただければと思います。

【基本情報技術者試験】午後試験の特徴とおすすめの勉強方法基本情報技術者試験において、難関になりやすい午後試験。とくにIT関連未経験の方にとって、一番高いハードルである「データ構造及びアルゴリズム」と「プログラミング」の出題があるのが、この午後試験となります。今回は、この午後試験の特徴と対策を解説していきたいと思います。...

基本情報技術者試験の概要

まずは念のため基本情報技術者試験の概要から確認します。試験対策から確認したい人は、読み飛ばしてしまっても問題ありません。

基本情報技術者試験の概要(2019年10月時点)

  • 試験日:
    4月第3日曜(春期)
    10月第3日曜(秋期)
  • 申込日:
    1月中旬~2月中旬頃(春期)
    7月中旬~8月中旬頃(秋期)
  • 合格発表:
    5月中旬頃(春期)
    11月中旬頃(秋期)
  • 試験時間:
    9:30~12:00(150分)
    13:00~15:30(150分)
  • 受験料: 5,700円
  • 合格基準:午前・午後共に60点以上(難易度により前後する可能性あり)
  • 受験資格:なし
  • 想定勉強時間:150~200時間(初心者が安全に合格を狙う場合)
  • 公式サイトはこちら

基本情報技術者試験で、期待される技術水準

基本情報技術者試験は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)によって、以下のように期待される技術水準が設定されています。

1 情報技術を活用した戦略立案に関し、担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。
① 対象とする業種・業務に関する基本的な事項を理解し、担当業務に活用できる。
② 上位者の指導の下に、情報戦略に関する予測・分析・評価ができる。
③ 上位者の指導の下に、提案活動に参加できる。

2 システムの設計・開発・運用に関し、担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。
① 情報技術全般に関する基本的な事項を理解し、担当業務に活用できる。
② 上位者の指導の下に、システムの設計・開発・運用ができる。
③ 上位者の指導の下に、ソフトウェアを設計できる。
④ 上位者の方針を理解し、自らソフトウェアを開発できる。

何となく「難しいことが出来る人」という印象ですが、ちょっとわかりにくいですね。

ようするに、社会人としての常識としてのIT知識のみならず、IT関連での業務に当たるための基礎知識や技能、実践的な能力が求められます(とはいえ、実務経験が全く無くても十分合格できます)。

当然のことですが、「日頃からPCを使っている(ネットサーフィンレベル)」「excelやwordならある程度使いこなせる」という程度では午前・午後の合格レベルには達しないので注意してください。

基本情報技術者試験の合格点・試験時間・問題数

合格点

合格のためには、午前・午後両方で60%以上の得点を取る必要があります。

午前と午後の平均で60%以上に達していても、午前・午後のどちらかの得点が60%を下回ってしまった場合は不合格となりますので、注意が必要です。

また、難易度によって若干合格点が前後することもあります。60%ピッタリでは不合格になる可能性もあるので注意が必要です。

ちなみに、午前試験は40~50%程度の人が合格基準に達しますが、午後試験は30%を下回ることもあります。特にIT関連が未経験の方は、午後試験の対策を万全にしておく必要があるでしょう

試験時間

試験時間は午前・午後ともに150分間となっています。時間帯は以下の通りです。

  • 午前は9:30~12:00
  • 午後は13:00~15:30

昼食については、途中の1時間でとる必要があります。試験会場は大学の場合が多く、キャンパス内のコンビニが利用できるかと思いますが、慣れない環境で購入までに時間がかかる可能性もありますので、試験前に購入しておくことを推奨します

また、慣れない会場であった場合、不測の事態に遭遇することも考えて早めに到着できるよう注意しましょう。

問題数

問題数については、午前が小問(四肢択一)が80問。午後が大問13問から7問を選択する形式となります。

午後試験については、2020年春試験からは、11問から5問を選択する形式となります。1問あたりの文章量や難易度が上昇する可能性がありますので、注意が必要です。

基本情報技術者試験の概要をもっと詳しく

試験の概要については、こちらの以下の記事でより詳細に解説しています。

詳しい情報を確認したいという方は、こちらの記事をご参照ください。

【2019年版】IT業界の登竜門 就職にも有利な基本情報技術者試験とはIT関連の大学に入学ばかりだったり、文系からIT業界に入った新入社員の方には「基本情報技術者試験ってどんな内容の試験?」「自分も受けるべき?」「どんな勉強が必要?」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。今回は、IT業界の登竜門ともいえる、基本情報技術者試験について「試験の概要・特徴・難易度・おすすめの人物像」を解説したいと思います。...

基本情報技術者試験の午前試験の特徴は?

午前試験の出題範囲

午前試験80問の出題範囲は、以下のようになっています。

午前試験の内容

  • 問1~50:テクノロジ系
  • 問51~60:マネジメント系
  • 問61~80:ストラテジ系

基本情報技術者試験のシラバスを確認すると、より詳細な分類もありますが、試験の勉強を進めるにあたり、出題範囲の詳細な分類までは把握しておく必要はありません

私自身、基本情報技術者試験に合格した際、出題範囲については意識せず勉強を進めていましたが、不都合を感じることはありませんでした(勉強していると、何となく出題範囲の詳細がわかってきます)。

出題内容について、簡単に掘り下げると以下の通りになります。

出題内容

  • テクノロジ系:理系的(数学、アルゴリズム、ソフトウェア、ハードウェアなど)
  • マネジメント系:文系的(プロジェクトの管理、マネジメント、監査など)
  • ストラテジ系:文系的(経営戦略、企業法務など)

未経験・文系の方はマネジメント系・ストラテジ系の方が回答しやすいかと思いますが、午前試験の勉強は午後試験の基礎知識対策にもなるため、特定の分野を捨てることなく、全体的に学習を進めていく必要があります

狒々山
狒々山
とくに配点のアルゴリズムや数学に関する問題は、今後重視されていきますので、苦手でも捨てないようにしましょう。

2019年秋期以降の試験変更について

2019年秋試験以降は新基準での出題となり、出題比率の見直しが実施されました。プレス発表の一部を抜粋すると、以下の通りです。

今後のAI時代を見据えて、午後試験の出題構成、午前試験の出題比率を見直します。これはAIの社会実装が進展していること、政府の「未来投資戦略2018」の中でプログラミング能力及び理数能力の重要性が示されていること等を踏まえたものです。

中略

(3)午前試験での数学に関する出題比率の見直し(適用時期:2019年の秋期試験から)
理数能力を重視し、線形代数、確率・統計等、数学に関する出題比率を向上

引用:プレス発表 基本情報技術者試験における出題を見直し

内容から、最新技術分野からの出題が若干増加することがうかがえます

優先度としては、あくまで基礎的な知識の学習を行うことがおすすめ。一方、AI、ビッグデータ、フィンテック、ブロックチェーンなどの最新技術や、2018年から導入された「サンドボックス制度」などは基本情報技術者試験に関わらず、IT業界の常識として、基礎知識だけでも抑えておくといいでしょう。

また、プレス発表の内容から、今後は数学に関する出題比率が上がります。難関な計算問題の出題はありませんが、苦手意識がある人は重点的に対策をおこなうといいでしょう。

今回の新基準への変更によって、難易度が急上昇する可能性は低いと思います。新基準が適用されることは、頭の片隅で意識して、余裕がある人は未来投資戦略2018にも軽く目を通すといいでしょう(試験合格を優先するなら無視していいですが、IT業界で働くのであれば、テクノロジーに対する国の方針や社会の流れは把握するようにしましょう)。

午前は試験を免除する制度が利用できる

基本情報技術者試験には、午前試験の免除制度があります

この制度を利用するためには、講座の受講や修了試験(年4回開催)に合格する必要があり、余計に勉強時間や費用がかかる可能性があるので、誰にでもおすすめできる制度ではありません

しかし、免除制度を利用することには、以下のようなメリットもあります

  • 直前の勉強時間は、午後試験の対策に集中できる
  • 試験直前が仕事などで忙しくても、少ない勉強時間で合格を目指せる

確実に合格させる必要がある人や、試験直前が忙しくなることがわかっている人の場合は、この制度を利用してみる価値はあるかと思います

免除制度の詳細については、IPAの「基本情報技術者試験(FE)の午前試験が免除される制度について」をご参照頂ければと思います。

制限時間を気にする必要はない

制限時間150分で80問を解く必要があるため、1問あたり2分弱で解答していく必要があります

実際にやってみるとわかりますが、1問あたり2分以上かかる問題は稀です。午前の問題の大半は、知識を問う問題となっているため、問題文と解答を見比べれば直ぐに解答ができるからです。

十分に学習を進めていれば、全ての問題を解き終わった後に、もう一度全ての問題を確認するくらいの余裕はありますので、制限時間を気にする必要は無いでしょう。

できれば、少し余裕をもって見直しまで終了させ、途中退室することによって、空き時間を午後試験の勉強に活用したいところです。

基本情報技術者試験の午前試験の勉強方法は?

午前試験は徹底的な過去問対策が必要

午前試験は過去問の使い回しが大半です。上位の試験である「応用情報技術者試験」などからの使い回しも含めると、55~65%程度が使いまわしという状況です。

つまり、午前試験は過去問対策だけで十分攻略できます。

完全な流用だけで出題数の半数以上ですが、過去問を解いた知識で解ける問題も多いのが基本情報技術者試験の特徴です。過去問を徹底するだけでも十分合格点を超える知識を身につけることができるのです。

IT分野ということもあり、AIなどの全く新しい分野からの出題もありますが、そういった問題は、常識の範囲で解き、わからなければ捨ててしまっても合格するだけなら大丈夫です。

詳細な過去問の傾向は「基本情報技術者試験ドットコム 合格率/その他統計資料」に掲載されているものが参考になります。試験ごとの過去問流用率や、元になった試験まで把握できますので、気になる方は参考にしてみてください。

正解の選択肢から覚えて、不正解の選択肢は余裕があったら覚える

勉強の際は「正解の選択肢から覚えて、不正解の選択肢は余裕があったら覚える」ことを意識してください。

正解の選択肢は形を変えて本番でも登場する可能性が高いですが、不正解の選択肢には、基本情報技術者試験レベルでは理解する必要の無いものも含まれています。

不正解の選択肢については、過去問で登場回数が多いものから暗記し、回数が少ない物は最後まで暗記しなくても大丈夫です。

狒々山
狒々山
ちなみに、同じ情報処理技術者試験の最難関である「高度情報処理技術者試験」では、間違いの選択肢も含めて理解を深める必要性があります。

IT関連経験者と未経験者。それぞれの勉強方法

基本は過去問で十分とはいえ、IT関連の経験者・未経験者で勉強方法は若干違います

IT関連経験者の勉強方法

最初から過去問を解きまくるのがおすすめです。

IT関連の経験者であり、基礎的な知識を持っている場合、「テキストは必要ない」と私は思います。事実私の場合、IT関連を大学で半年学習した時点で、テキストがなくても学習を進めることは十分可能でした。

ただし、当然のことではありますが、IT関連経験者でも全ての分野の知識があるわけではありません。特に学校で学んだ経験がなく、仕事でIT関連に従事している人の場合、知識に偏りがあると思った方がいいでしょう

ですので、いくら経験者であっても過去問での学習はほぼ必須と考えた方がいいでしょう。確実な合格を目指すのであれば、過去8回分で9割の得点が取れるくらいまでやっておきましょう。

狒々山
狒々山
テキストなしが心配な場合は、数年前のテキストを参考資料程度に購入するのもいいでしょう。中古で安いものであれば、500円程度でも購入できることがあります。

IT関連未経験者の勉強方法

IT関連未経験者でも、自分で調べながら学習できる人はテキストなしでも十分だと思います。過去問を繰り返し解きながら、分からなかった問題については解説を読み、それでも理解できなければネットで検索するという方法で、十分知識をつけることは可能です。

ただし、テキストがあった方が理解がしやすいことも確かですので、心配な場合は購入することをおすすめします。

過去問の正解率については、経験者と同様に、過去8回分で9割の得点が取れるくらいを目指しましょう。そこまでやりこめば午前試験に落ちることはまずありません。

狒々山
狒々山
テキストは必須ではありませんが、数千円を節約して勉強時間を長くするのは得策ではありません。自分の状況に応じて、購入を検討して頂ければと思います。

午前試験のおすすめの参考書については、以下の記事にまとめてありますので、参考にしていただければと思います。

【基本情報技術者試験】現役エンジニアが選ぶおすすめの参考書(2019年版)基本情報技術者試験はIT関連の経験を問わず受験可能であり、難易度もそれほど難しくはない資格試験です。転職に強い試験ではありませんが、就職やIT関連企業での新入社員のキャリアアップには、十分効果のある資格といえるでしょう。今回はそんな「基本情報技術者試験に独学で挑戦する際におすすめの参考書」を解説していきたいと思います。...

午前問題の裏技

ここからは午前問題の裏技について解説します。

あくまで裏技であり、若干正解率を高める程度の技です。あくまで実力で合格できるよう、勉強を怠らないように注意してください

直前の過去問は暗記せず、試験直前に解く

午前試験は過去問の流用が多いですが、直近2回の過去問からの流用はほとんどありません

多くの場合、直近3~10回の過去問からの出題が多い傾向ですので、徹底的に暗記するのであれば、直近3~10回の範囲に集中してください。

一方、流用の少ない直近2回の過去問は、直前に解いて模擬試験代わりにすると効果的です。

わからない選択肢は「ウ」が正解かも…

午前の問題は四肢択一です。そして、この四肢択一には以下の傾向があります。

  • 選択肢「ウ」は若干正解になりやすい
  • 選択肢「ア」は若干正解になりにくい

捨てた問題・自信のない問題については「ウ」で回答しておくか、「ア」以外の選択回数の少ない選択肢を選んでおけば、若干正解率があがるかもしれません。

午前試験対策は、地道な過去問対策を

基本情報技術者試験の午前試験は、午後試験に比べれば合格基準に達している割合が多く、比較的簡単ということができるでしょう。

試験対策についても「過去問を徹底的に解く」というシンプルな内容ですので、誰でも簡単にできるかと思います。

一方、過去問のやりこみが足りないと、経験者でも落ちる可能性はありますので、地道に勉強をすすめていく必要はあります。どうしても試験直前に勉強時間が取れない場合は、午前免除の制度を利用することを検討してみるのもいいでしょう。

【基本情報技術者試験】午前免除の制度とは? 制度を賢く利用し合格を目指そう!基本情報技術者試験には、午前の試験が免除される制度が存在します。午前試験で合格基準に達する人は受験者の40~55%程度。過去問の練習で突破できる午前試験とはいえ、本番で午前試験を気にせず受験ができるというのは、やはり嬉しいところではないでしょうか。そこで今回は「午前試験が免除される制度」について、解説したいと思います。...