海外旅行保険をクレジットカード付帯ですませる際の注意点
この記事では、海外旅行に行く際に、実際に「海外旅行保険をどうしたか?」についてまとめます。
海外旅行保険は「クレジットカード付帯」にするか「保険会社」にするか
海外旅行保険の選択肢としては「クレジットカード付帯の海外旅行保険」と「民間の保険会社の保険」の2つの選択肢が出てきます。
クレジットカード付帯の海外旅行保険の視点から、相対的なメリット・デメリットをまとめると、以下の様になります。
- クレジットカードの方が料金が安い(保険料が年会費に含まれる場合が多く、年会費が無料なら保険料も無料)
- 申込手続きが不要(日本からの出国の度に利用可能。ただし、利用付帯の場合、クレジットカードを使って旅行代金の支払いをする必要がある)
- クレジットカードの場合、補償期間は基本的に90日間まで(ただし、延長する方法もある)
- クレジットカードの方が、補償範囲が狭いことがある(保険の内容による)
- 補償額は民間の保険会社の方が手厚い(ただし、複数のクレジットカードで手厚くできる)
上記の様なメリット・デメリットを考慮した上で、滞在期間に合わせて海外旅行保険を検討することになります。
海外旅行保険の補償額はどのくらい必要か?
2014年の情報ですが、実際の補償額に関する情報が見つかりました。国によって異なると思いますが、おおまかに以下の様になります。
- 「治療・救援費用」が500万円を超えたケースは2万5000人に1人
- 高額医療事故の過半数は、65歳以上の高齢者
つまり、若年層で500万円程度の補償額が必要になる確率は、多めに見ても2万5000人に1人よりも少ないと考えられます。そういった意味では、500万円程の補償額(年会費無料のクレジットカードで3枚程度)があれば、ほとんどの場合はカバーできる可能性が高くなります。
もちろん、数万分の一とはいえ、数千万円の医療費がかかってしまう可能性はあります。私はそこまでの低い確率は気にしない事にしましたが、家庭があるなど、リスクを徹底的に排除したい方であれば、より手厚い保険に入った方が安心ではあるかと思います。
私が使ったのは「保険会社」と「クレジットカード付帯」のどちらか?
私の場合、滞在スケジュール上、滞在期間は1.5カ月程度であり、補償額もクレジットカード付帯で充分と判断しました。
この点については、90日を超えて滞在する可能性がある場合、クレジットカードだけではカバーが難しい可能性もありますので(一応、延長方法はあります)、状況に応じて判断すると良いかと思います。
ここからは「私が実際に調査した、クレジットカード付帯の海外旅行保険」についてまとめていきます。
クレジットカード付帯の海外旅行保険について
クレジットカードの海外旅行保険には、「自動付帯」と「利用付帯」がある
クレジットカードの海外旅行保険には「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があります。それぞれ簡単にまとめると、以下のようになります。
- 自動付帯:出国に伴い自動で、保険が適用される
- 利用付帯:海外旅行に対して、該当のクレジットカードで支払いを行うと、保険が適用される
このため、「利用付帯のカードしか持っておらず、しかも利用していなかった」となってしまうと、万が一の時に保険が適用されませんので注意が必要です。
また、利用付帯の場合、利用に対する条件の詳細はカードによって異なるので要注意です。例えば、楽天カードの場合は「日本を出国する以前に 『募集型企画旅行の料金』 に該当する代金を 利用条件のある楽天カード で支払っていること(2023年2月18日時点)」となっているため、渡航後に利用しても保険は適用されません。
利用付帯を使った、保険の延長
先述の通り、利用付帯の保険が適用されるのは「クレジットカードで支払いが行われた場合」です。そのため、以下の様な方法で保険の延長ができる可能性があります。
- 自動付帯のカードで、保険を適用する(多くのものは、出国から90日か3カ月まで適用される)
- 保険が切れる直前で、まだ利用していない利用付帯のカードを使用する
- 更に保険が切れる直前で、まだ利用していない利用付帯のカードを使用する
- 更に更に保険が切れる直前で……
とはいえ、利用付帯の保険の場合も以下の様な条件があるため、現実的には繰り返し延長することは困難です。
- 海外旅行前に利用しないと、保険の適用範囲外のカードがある
- 出国から90日間以外は保証期間として認めないカードがある
クレジットカードの申請は、何カ月前くらいから必要?(1.5カ月は余裕があると良い)
申請にかかる期間は、クレジットカードの内容や審査内容にもよるかと思います。
私が横浜インビテーションカードを申請した際は、審査に1カ月程度かかりました。申し込みから審査までにかかる時間もありますし、審査完了から手元にかかる時間も考えると、できれば出国まで1.5カ月以上は余裕を持って申請しておくといいかと思います。
年会費無料で補償額が高めのクレジットカード
年会費無料で補償額が高めのクレジットカードを以下にまとめます。無料で海外旅行保険を活用したい場合は、以下のカードで検討するといいでしょう。
横浜インビテーションカード(自動付帯)
障害治療費用と疾病治療費用がともに200万円と、年会費無料のなかでは補償金額上限が高いです。更に、「障害死亡・後遺症障害」の補償金額も上限2000万円と、無料の中では上限が高めです。
エポスカードと併せると
- 障害治療費用:400万円
- 疾病治療費用:470万円
- 障害死亡・後遺症障害:2000万円
と、90日間の海外旅行であれば、カード2枚だけでかなり手厚く補償されます。
学生専用ライフカード(自動付帯。満18歳から25歳以下で在学中のみ)
補償額は、障害治療費用と疾病治療費用がともに200万円、「障害死亡・後遺症障害」の補償金額が上限2000万円と横浜インビテーションカードと同等の条件です。ただし、その名の通り学生専用と条件が厳しいです。学生であれば、このカードも準備して3枚で補償金額600万円まで強化をねらえます。
エポスカード(利用付帯)
障害死亡・後遺障害が3000万円、障害治療費用200万円と疾病治療費用270万円と、年会費無料の中では最高レベルです。
利用付帯の適用条件は旅行代金(ツアー料金や交通費等)を対象カードで支払うこと。対象は電車・バス・タクシー・航空券・パッケージツアーなどで、自宅出発前の支払いでも、海外到着後の支払いでも適用となります。対象期間は旅行期間90日までで、日数のカウントは住居出発からになります。ですので、例えば自宅から空港までの移動で利用しても、現地到着後60日目に利用しても、対象期間に変更はないので注意しましょう。
ちなみに、2023年9月までは自動付帯でしたが、2023年10月1日から利用付帯になりましたので、以前から海外旅行保険に使っていた方は注意しましょう。
楽天カード(利用付帯)
補償額は、障害治療費用と疾病治療費用がともに200万円、「障害死亡・後遺症障害」の補償金額が上限2000万円と横浜インビテーションカードと同等の条件です。
ただし「日本を出国する以前に 『募集型企画旅行の料金』 に該当する代金を、利用条件のある楽天カードで支払っていることが条件」となっているため、利用の条件が厳しいところがデメリットです。
三菱UFJカード VIASOカード(利用付帯)
障害治療費用・疾病治療費用が、それぞれ100万円になります。
また、補償期間が「日本出国後に公共交通乗用具の料金のお支払いに本カードをご利用いただいた場合は、最初の利用時から90日後の午後12時までの旅行期間」となっているため、出国後からでも適用でき、補償期間の延長にも活用できます。
リクルートカード(利用付帯)
障害治療費用・疾病治療費用の保険金額上限が、それぞれ100万円。補償期間についても出国後からで認められるため、ほぼ「三菱UFJカード VIASOカード」と同様です。併せて使うと、万が一の時、治療費が200万円分が延長できるため、90日を超えて滞在する場合には考慮してもいいでしょう。
私が準備した海外旅行保険
結局、私が準備した海外旅行保険は「エポスカード」と「横浜インビテーションカード」に付帯する海外旅行保険となりました。
理由としては、以下の通りです。
- 滞在期間が1.5カ月程度(カバーできる期間の90日間より少ない)
- 障害治療費用が400万円、疾病治療費用が470万円補償されるため、カバーできない確率が極端に低い(1/10000以下程度)
- 「エポスカード」と「横浜インビテーションカード」なら無料で使える
滞在期間が自動付帯の限界である90日を超える可能性がある場合は、追加で「三菱UFJカード VIASOカード」と「リクルートカード」を準備していたかなと思います。