【世界遺産】「ウェストミンスター寺院」の観光情報と、実際に観光した感想
この記事では、世界遺産である「ウェストミンスター寺院」の観光情報と、中学生並みの英語力で観光してみた際の内容をまとめます。
「ロンドンを観光予定の方」「ウェストミンスター寺院に興味がある方」などの参考になれば嬉しいです。
ウェストミンスター寺院の基本情報
- 費用:大人27ポンド。クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリーは5ポンド。詳細は公式でご確認ください。
- 営業時間:月~金曜日は9:30~15:30、土曜日は9:00~15:00。最終入場は閉館の1時間前まで。詳細は日によって変わりますので、公式HPをご参照ください。
- 休業日:日曜日(礼拝での入場は可能)
- 所要時間:2~3時間ほど。私はクイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリーも見て3時間(入場待ち時間と敷地外から外観を見学した時間を除く)。
- ガイド:日本語含むマルチメディアガイドあり。アプリ版もダウンロードできます(詳細はこちら)。日本語ガイドブックが6ポンド。
- 写真撮影:「セントエドワード懺悔王聖堂」「セントフェイス礼拝堂」「クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリー」は不可(私が確認した時点では、公式の日本語ページに「回廊、チャプターハウス、カレッジ・ガーデンのみ可」と記載されていましたが情報が古かったです。英語ページでの写真撮影の条件はこちら)
- 備考:クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリーズの見学は追加料金が必要。
※詳細は変更の可能性もあるため、訪問前には公式HPなどの情報をご確認ください
ウェストミンスター寺院までのアクセス
住所は「Dean’s Yard, London SW1P 3PA イギリス」。
最寄り駅は「Westminster」か「St. James’ Park」。どちらの駅からでも徒歩5分程度で到着できます。
ロンドンの中心部あたりにある為、ロンドン観光中であれば近くに立ち寄る機会もあるかと思います。せめて外観だけでも楽しみたい場所です。
ウェストミンスター寺院の注意点
開館時間直後は、入場待ちの行列が発生し、混雑する可能性があります。
あくまで私が観光した際の話になりますが、6月中旬の平日で開館時間5分前に到着したところ、入れたのは開館時間の30分後となりました。
ウェストミンスター地区は観光地が多いため、タイトなスケジュールを組む方もいるかと思いますが、スムーズに入館できない事も考慮してスケジュールを組むことをおすすめします。
ウェストミンスター寺院とは?
ウェストミンスター寺院とは「ウィリアム1世以降、歴代イギリス国王の戴冠式が行われた教会」です(エドワード5世、エドワード8世を除く)。2023年5月6日、国王チャールズ3世の戴冠式もここで行われました。この他にも、王室行事で利用されています。
教会の起源は不明ですが、少なくとも1000年以上の歴史はあり、古い説ではイースト・サクソンの王であったセベルトが604年に教会を建てたとする説があります。ただし、この説はイーストミンスターとも呼ばれるセント・ポール大聖堂よりも、ウェストミンスターの方が歴史的に古い事を証明するために、修道士が作った逸話と考えられています。確実な歴史としては、960年にロンドン司教であったダンスタンがウェストミンスターに修道院を作り、エドワード懴悔王が教会を建てたことが始まりとされています(「懺悔王」はカトリック教会において「殉教はしなかったが、迫害に屈せず信仰を守った聖人」の称号)。
建築様式は、11世紀にエドワード懺悔王が教会を建てた時点ではイギリス中世のゴシック様式。その後、1245年にはヘンリー3世によりフランスのゴシック建築にならって改装され、20世紀まで様々な様式での増改築が行われています。イギリスで有名な建築家であるクリストファー・レンの弟子、ニコラス・ホークスムアーの設計による西塔が1745年に完成した頃にはほぼ現在と同じ外観となりますが、第二次世界大戦では爆撃で多くの場所が破壊され、また1960年代までは寺院内の多くの場所が暗く汚れていたそうです。
墓地としては、歴代の王、女王、政治家、学者、詩人、第一次世界大戦の身元不明の戦死者など、埋葬者は3千人以上になり、すでにほぼ満杯の状態です。
現在でも教会と国との関係性の象徴にもなっており、外国の元首や要人の訪問を歓迎している他、国家規模での祝賀行事・葬儀などの特別な礼拝も行われています。
東のトリフォリウム(南北の周歩廊の上部)は1250年頃に建てられてから、約800年間一般公開されておりませんでしたが、エリザベス上の在位60周年記念(ダイヤモンド・ジュビリー)により、2018年にクイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリーズとして一般公開されるようになり、現在は寺院の宝物の多くが展示され、寺院内部も見渡すことができます(ただし、別途入場料が必要)。
凄くどうでもいいですが、個人的にウェストミンスター寺院の「404 Error – Page not found」のセンスが好きです。
実際に「ウェストミンスター寺院」を観光してみた(所要時間3時間40分)
今回、ウェストミンスター寺院の観光について解説いたしますが、同じ敷地内にある「聖マーガレット教会」については解説を省いています(別の記事でまとめます)。
その為、両方あわせて観光する場合は、所要時間を更に多く見積もるようにしてください。
ウェストミンスター寺院に入るまで
今回、「St. James’ Park」駅からウェストミンスター寺院まで向かいました。徒歩5分の距離ですし、ほぼ一本道なのでGoogleマップを使えば迷うことはまずありません。
こちらは西門側から撮影した写真。写真の西門の左側に、柵の開いている部分があるので、そこから敷地内に入ります(西門自体は出口です)。柵の前にスタッフの方がいましたが、予約したチケットを見せつつ「Hello!」と声をかけたら通してくれました。
こちらは柵を抜けた通路で撮影した物。右側がウェストミンスター寺院です(下の方は、工事中なのか、建物の壁面を模したような壁で覆われていました)。写真奥のやや左側にある建物は、聖マーガレット教会で、こちらも一緒に世界遺産として登録されています。
通路の奥の方にセキュリティチェックがありますので、「Hello!」と声をかけ、リュックなどの中身を見せて通過しました(危険物は持ってこないようにしましょう)。
上の写真は入口の北門。まだ開館時間の5分前だったので、門は閉まっていますが、人はかなり行列になっており、結局中に入れたのは、開館時刻から30分後でした。
入口に写真撮影に関する条件が置かれていました。2023年6月時点で、撮影できない場所は「セントエドワード懺悔王聖堂」「セントフェイス礼拝堂」「クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリー」ですが、この3か所は「通常の見学では入れない場所」か「有料の場所」になります。
ちなみに、ウェストミンスター寺院内は、見学ルートが存在するため(省略やある程度の逆走は可能)、オーディオガイドや入口付近で貰えるマップを参考に進めば、迷うことはありません。
オーディオガイドの受け取り・返却
オーディオガイドは、入口正面で貸し出しており、ヘッドホンは入り口左のケースで貸し出していました(。
対応している言語は非常に多く、日本語もあります。
ツアーについては、フル・ツアー、家族(大人用)、家族(子供用)の3種類。フル・ツアーは35分ですが、ガイド以外にも色々と見どころがあるため、じっくり見学していくと3時間くらいはかかります。
オーディオガイドに見学ルートと、ルート上でのガイドの位置の表示があります。ちなみに、オーディオガイドは南翼廊(写真の17番の位置)で終わってしまう為、外にある回廊やチャプターハウスなどはガイド対象外です。
ウェストミンスター寺院の外観
内部の前に、外観を紹介します。
上の写真は、西門です。中央下の扉は見学終了後の出口になっています。西塔は、ニコラス・ホークスムアーの設計で作られました。現在の入口である北門上の彫刻。かなり細かいです。北側側廊の外壁。身廊を支えるフライングバットレスが見事。
ヘンリー7世の聖母の礼拝堂側の外壁。こちらのフライングバットレスは、身廊より更にデザインが細かいです。ちなみに、この部分は敷地外から撮影できます。
聖母の礼拝堂を撮影した場所付近から、「クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリー」へ入る際に使う階段部分が見えます(上の写真の黒い階段部分)。同じ地点から撮影できるチャプターハウス(参議会室)の外観。周囲の柱も含めて、かなりどっしりした印象を受ける建物です。
北翼廊
北門から寺院内部に入ると、すぐに荘厳な高い天井と、ステンドグラスが見えてきます。
アーチ形天井の高さは約31メートル。バラ窓(円形ステンドグラス)は、1722年に設置され、ユダを除くイエス・キリストを信奉する使途が描かれています。
入口左右にある彫像も見ごたえがあります。北翼廊にある「政治家の側廊」には、18~19世紀の歴代首相の像(本人より大きい)が置かれており、
身廊
西側にある身廊は長めに設計されており、これはイングランド式工法の特徴だそうです(東側はフランス式工法が見られる)。
身廊には、各分野の墓や碑が多く集まっており(側廊も含む)、有名どころではアイザック・ニュートン、スティーヴン・ホーキング、チャールズ・ダーウィンの碑もありました。
こちらは、1920年に埋葬された無名戦士の墓。身廊の西端にあるこの墓は、絹製の赤いポピーの花で囲まれており、寺院の床にある墓で唯一踏めないようにできています。作られたのは1920年ですが、第一世界大戦だけでなく全ての戦争で亡くなった兵士を追悼しています。発案者は、従軍牧師のデイビッド・レイルトン。第一次世界大戦中、彼は「無名の英国兵士」と書かれた簡素な十字架を見つけ、戦後、その戦士を埋葬するよう提案しました。結果、政府と大衆の支持を受け、この提案が承認されたそうです。
聖歌隊席に通じる仕切りも非常に細かく作られています。左側のものは、アイザック・ニュートンの碑です。
聖歌隊席
身廊の東側にある聖歌隊席は、教会の中でも非常に重要な箇所で、修道院時代には、修道士がここで礼拝を行っていました。現在ある椅子は、ビクトリア時代(19世紀頃)のものです。現在でも、毎週8回定時になると、聖歌隊がここで聖歌を歌います。聖歌隊は12人の成人(レイ・ビッカー)と、24人の少年で構成され、少年たちは寺院付属学校に通う生徒です。この寺院付属学校は、現代のイギリスでは少年聖歌隊を教育する唯一の学校だそうです。
主祭壇
寺院の廊下が南北でクロスする部分にある主祭壇。祭壇の飾りつけは季節によっても変わるそうです。祭壇後ろにある金色の装飾は比較てき新しいもので、ビクトリア時代から設計が進められ、完成したのは1960年代です。床は1268年に敷かれたもので、教会内でもとくに貴重なものの一つです。当時の修道院長が、イタリアの教会にあったコズマーティ様式のモザイク装飾の床を再現しようと思い、職人を招いて造らせたそうです。
北周歩廊
北周歩廊(北翼廊から東側)も多くの記念碑や墓碑があります。
こちらはエリザベス・ナイチンゲール(1704-1731年)の碑。墓の下から死を象徴する骸骨が現れ、槍を構えています。ナイチンゲールを庇うようにしている像は夫です。ナイチンゲールは難産の為、1731年に亡くなりました。上の写真はイングランド国王、ヘンリー3世(1207-1272年)の墓です。ウェストミンスター寺院を現在の姿に大改築した人物でもあります。上の写真はイングランド国王、ヘンリー5世(1387-1422年)の墓。Wikipediaにある画像と同じものが、墓の前に置かれていました。ヘンリー5世は、フランス王、シャルル6世の娘キャサリンと結婚し、フランス王位継承権を認めさせた人物で、ランカスター朝の絶頂期を築きました。
ヘンリー7世の聖母の礼拝堂
ここはヘンリー7世(1457-1509年)によって建てられた聖母の礼拝堂です。寺院の東端に位置し、教会内でも、一際明るく、非常に凝った装飾に囲まれた壮麗な場所です。
建立は1503年から始まり、1516年に献堂式が行われました。ヘンリー7世は王位継承を問題視されていたため、それを認めさせるための政治的な目的も絡んで、この礼拝堂を建てました。その計画自体は失敗しましたが、テューダー朝を創立して王座を24年間維持し、息子であるヘンリー8世への王位継承にも成功しています。
天井は扇型アーチ天井。教会建築の中でも、ここまで細かなデザインの天井はなかなか見られないかと思います。
こちらは礼拝堂中央にある1935年に寄贈された祭壇です。清教徒革命で1644年に破壊されたオリジナルのルネサンス式祭壇をもとに復元されています。
上の写真は、最東端にある礼拝堂部分。1947年から英国空軍の礼拝堂となっており、ステンドグラスは1940年のイギリス本土空襲で亡くなった方々を追悼するものになっています。
聖母の礼拝堂は、南北に側廊が設けられており、そこにも墓があります。
上の写真は、南側廊にあるスコットランドの女王メアリー・ステュアート(1542-1587年)の墓。エリザベス1世の命令で処刑されたのち、息子のジェームズ1世により建てられました。ちなみに、エリザベス1世(1533-1603年)の墓は、北側廊にあり、その墓の下には異母姉であるメアリー1世(1516-1558年)も埋葬されています。
南周歩廊
北周歩廊から礼拝堂を経由し、南周歩廊側に来ると、教会の中央側に王家の墓がみられます。
上の写真は、イングランド国王、エドワード3世(1312-1377年)の墓。エドワード3世は、当初は父を廃位に追いやった母とその愛人の傀儡でしたが、1330年にクーデターを起こして実権を掌握。その後は貴族の支持を得ながら国を治めました。
こちらはイングランド国王、リチャード2世(1367-1400年)の墓。リチャード2世は、貴族層のクーデターで追放・幽閉されて死去し、キングス・ラングリー修道院に埋葬されていましたが、1413年に即位したヘンリー5世がウェストミンスター寺院に改葬しました。父はエドワード黒太子で、1376年6月8日にウェストミンスター宮殿で亡くなりましたが、遺言にもとづき、エドワード黒太子はカンタベリー大聖堂に埋葬されました。
こちらは、南周歩廊の途中にあった像で、なんだかわかりません。
骸骨を踏みつけ、何やら偉そうな雰囲気で目を瞑っています。
ラテン語を翻訳アプリで読んだら「彼女は死んだ」「エリザベス」という文字が見受けられたので、エリザベス1世の碑なのかなと思います。
南翼廊
南翼廊側は、主に詩人達の追悼碑があります。
こちらはシェークスピアの像。有名人物らしく、他の像に囲まれるように立ってました。
こちらはゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル。顔はデスマスクから再現されたそうです。
詩人の墓所に空きがないため、新しく追悼された人は、ステンドグラスに刻まれていました。写真の中にある中で、オスカー・ワイルドは男色のために1995 年まで追悼対象にならなかったそうです。
南翼廊から回廊へ行く前の地点で、オーディオガイドの回収が行われていました。一通り聞き終わったら返却しましょう。
クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリー
南翼廊に「クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリー」の入口があります。
クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリーは、ヘンリー3世の時代に作られたトリフォリウム(南北の周歩廊の上部)上部のスペースです。ここは、1250年頃に建てられてから、約800年間一般公開されておりませんでしたが、エリザベス女王在位60周年記念(ダイヤモンド・ジュビリー)に伴い、展示スペースとして一般公開されるようになりました。
展示は有料で、入場料は5ポンド。残念ながら、オーディオガイドはありませんし、写真撮影不可のため、翻訳アプリも手動入力じゃないと厳しいです。
一応、入口で冊子は配っていますが、やはり日本語はありませんでした(後で気づいたけど、間違えてオランダ語の冊子撮影してた……)。冊子には、マップや展示の簡単な解説などが書かれているため、見学の際は英語版でも持っておいた方がいいでしょう。
撮影禁止の為、写真は掲載できませんが公式の動画で、展示の一部が確認できます。興味がある方はご覧ください。
ちなみに、このスペースは、元々礼拝堂になる予定だったそうですが、上階部分に礼拝堂を作るブームが去った事で、礼拝堂は完成することなく計画は頓挫したそうです。入場の際に使うウェストタワーは、7階建てで、250年以上前の西塔完成以降で最大の建築物になります。
ギャラリー内は主に4つのテーマに別れて配置されており、「ウェストミンスター寺院の創設からの変遷」「寺院の礼拝等の活動」「寺院と王室の関係」「著名人に対する国家的追悼と寺院の関係」に別れています。
クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリーからは、通常は公開されていない(入場箇所が痛んでいる影響もある)「セントエドワード懺悔王聖堂」を上から覗き込む事が可能です。通常の見学コースからは見えないので、折角なので見ておきましょう。
回廊
オーディオガイドを返却し、外に出ると回廊に到着します。ここからはオーディオガイドではなく、北翼廊で配布されていたマップを参考に進んでいきます。
こちらは、回廊中心の中庭。芝の上まで入り込むのは禁止で、休憩したい場合は廊下端にある腰掛けられるスペースを使います。
中庭から見える西塔側。
チャプターハウス(参議会室)
回廊の途中に、チャプターハウス(参議会室)への入口がありました。ここは、修道士が集まって、会議や行われていたスペースです。
私が訪問した際は、戴冠式に関する展示が行われていました。
入口上の装飾。いかにも「Welcome!」といった感じです。
反対側の装飾。こっちは「チョリース」といった感じの軽いポーズ(度々、この手の像を教会でみるのですが、どんな意味なんでしょう?)。
チャプターハウスは、中央に細い柱がある以外は開放的な空間になっています。周囲はステンドクラスに囲まれ、その下に戴冠式関連の展示がありました。
こちら、チャールズ3世の戴冠式のご様子。イギリス王室のレガリアである王冠、宝珠、王笏を身に着けています。ちなみにこちらの写真は、お土産でよく見かけました。
チャプターハウス外にあった扉。イギリスでも最古の扉と考えられ、1050年頃の物です。
ピクス・チェンバー
ここは、回廊角のあたりに入口がある場所で、11世紀頃の部屋。14世紀初期には、祭壇が硬貨の検査代として利用されていました。
ここの上階は、昔が修道士の寄宿舎で、現在は古文書の資料館とウェストミンスター大学の大講堂として利用されています。
小回廊
回廊から暗い廊下を通っていくと、明るい庭のある小回廊に到着します。
写真は、小回廊のお庭。小回廊は、現在聖職者の住居として利用されています(回廊の所々に、関係者以外立ち入り禁止らしい扉がありました)。
聖キャサリンの庭園
写真は、小回廊から見える聖キャサリンの庭園です。入口に鎖があり、立ち入りは禁止でした。詳細な情報はガイドブックにもなく、不明です。
カレッジ・ガーデン
小回廊から行ける大きなお庭で、ここは中に入る事ができます。ベンチもありますので、歩き疲れていたらここで休憩もできます(近隣の小学生くらいと思われる集団が休憩していました)。
私もここでゆっくりベンチに座り休憩していたのですが、実はここは900年の歴史があるイングランドでも最古の庭園とのことでした。ここでは昔、薬草の栽培や、弓の練習も行われていたそうです。
ちなみに、毎日公開されているわけではなかったらしく、入れたのはラッキーでした。
拝廊
出口直前、南側廊に戴冠式で使われる椅子が展示されていました。
拝廊側にある西門を抜けると出口です。そこから左手にお土産屋があります。ガイドブックなどが欲しい場合は、こちらで購入するといいでしょう(日本語のものもあります)。
ウェストミンスター寺院の周辺を観光するなら?
ウェストミンスター地区は、ロンドンの中心地なので、周囲には観光地が多いです。
史跡巡りや世界遺産に興味がある方であれば近隣の「ウェストミンスター宮殿」と「聖マーガレット教会」は訪れたいところ。どちらもウェストミンスター宮殿とセットで世界遺産に登録されている構成資産です。
「ウェストミンスター宮殿」は「イギリスの国会議事堂として使われている宮殿」です。王の居城としても利用されていた時期もあります。内装も美しい建築物なので、是非とも観光したいところですが、観光できる日が限られており(土曜と国会の無い日)、また日本語のオーディオガイドが無い点も注意が必要です。
「聖マーガレット教会」はウェストミンスター寺院と隣り合って立っている教会です。ウェストミンスター寺院が、修道院として使われていた時代、一般人はウェストミンスター寺院への立ち入りが禁止されていたため、地域住民に向けて修道士が建てたのが聖マーガレット教会です。現在も現役の教会で、入場料は無料です(ただし、ウェストミンスター寺院と同じ柵の中にあるので、ウェストミンスター寺院のチケットを持っていた方がスムーズに入れると思います)。
ちなみに「ウェストミンスター宮殿」「聖マーガレット教会」「ウェストミンスター寺院」は近くにあるため、全て同時に撮影する事も可能です(下の写真)。
この他にも、北にはゴッホのひまわりでも有名な「ナショナル・ギャラリー」があります。入場料は無料ですので、時間に余裕があれば是非とも訪れたいところです。
また、西には「バッキンガム宮殿」もあります。午前中に訪問でき、タイミングがあえば無料で衛兵交代式を見る事ができます。また、7~9月頃に内部が一般公開されます。内部見学は有料ではありますが、限られたシーズンしか見学できないため、やはりタイミングがあえば訪れたいところです。
更に、日本人にはそれほど知名度が低いと思いますが近くにある「チャーチル博物館」には、第二次大戦中にウィンストン・チャーチルが生活し、実際に執務を行っていた執務室があります。有料の博物館ではありますが、近代史好きの方であれば訪れても損はないでしょう(旅行中に知り合った方におすすめされました)。
ウェストミンスター寺院で必要だった英会話
- チケットを見せたり、セキュリティチェックを受けるとき:Hello
- 対応が終わった後:Thank you
- クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリーのチケットを購入するとき:One adult ticket please.
入場時に会話があった以外、ほぼ無言でした。
最高難易度がクイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリーに入場した際の「One adult ticket please.」です。私はいつもオンラインで事前予約していたため、今回現地で購入したのはかなりドキドキでした。
果たして「One adult ticket please」というのが、まともな英語だったのか謎でしたが、「チケット欲しいなあ、でも英語わかんないなあ、大丈夫かなあ……」という雰囲気を漏らしながらカウンター前で迷っていたからか、スムーズに対応頂き、無事入る事ができました。受付スタッフの方に感謝です!