ウェブデザイン技能検定3級・2級の学習スケジュール例 ー事前調査から資格の活用までー
この記事では、主に以下の内容を中心に解説します。
- ウェブデザイン技能検定3級・2級の勉強計画の立て方
- ウェブデザイン技能検定3級・2級にかかわる各種日程
- ウェブデザイン技能検定3級・2級の受験前後の流れ
・試験対策のスケジュールを立てたい人
におすすめの記事です。
ステップ1:ウェブデザイン検定の事前調査を行う(2~10時間)
まずは試験そのものについて調査を行いましょう。最低限以下の内容については確認してから、受験するかを検討するようにしましょう。
- 他のウェブ関連の資格との違い
- 試験取得のメリット
- 受験資格
- 試験の難易度(1~3級のそれぞれについて)
- 試験の日程
他のウェブ関連の資格との違い
出題範囲については、公式のサイトの「試験日程等」を確認すると詳細がわかります。
ウェブデザイン技能検定は、かなり広範囲からの出題が行われます。インターネット全般の仕組みや技術からの出題や、知的財産権などの法令、HTMLやCSS、ユーザビリティやウェブサイトの設計などです。
一方、それぞれの範囲が広いため、それぞれの問題に特化した試験ではありません。
解析関係であれば「ウェブ解析士」、法律関係なら「ビジネス実務法務検定試験」や「知的財産管理技能検定」、より広範囲のIT関連の知識を求めるのであれば「ITパスポート試験」や「基本情報技術者試験」などを受験した方が適切な可能性があります。
取得のメリット
ウェブデザイン技能検定は、評価が高い資格試験ではありません。
ウェブ業界で働くのであれば、20代のうちに2級以上を取得できれば、会社から評価を得られる可能性はありますが、30代にもなると「未経験からの転職なら、ないよりまし」程度だと思ったほうがいい資格です。
また、3級は難易度がかなり低いため「新卒ならないよりまし」程度に考えましょう。面接の際の話題作りには使えるかもしれません。
受験資格
受験資格については、以下のようになっています。
1級 【実技試験】
・1級の技能検定において、学科試験に合格した者(※1)
【学科試験】
・7年以上の実務経験(※2)を有する者
・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了(※3)後、5年以上の実務経験(※2)を有する者
・大学(※3)卒業後、3年以上の実務経験(※2)を有する者
・高度職業訓練修了(※3)後、1年以上の実務経験(※2)を有する者
・2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験(※2)を有する者2級 ・2年以上の実務経験(※2)を有する者
・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了(※3)した者
・大学(※3)を卒業した者
・高度職業訓練(※3)を修了した者
・3級の技能検定に合格した者3級 ・ウェブの作成や運営に関する業務に従事している者及び従事しようとしている者 ※1:当該実技試験が行われる日が、学科試験の合格日より2年以内である場合に限る。
※2:実務経験とは、ウェブの作成や運営に関する業務に携わった経験のことである。
※3:学校卒業、訓練修了については、卒業あるいは修了した該当科に協会が定めたウェブの作成や運営に関する科目等が含まれると協会が認めたものに限る。引用:http://www.webdesign.gr.jp/kentei/guide.html#shikaku
2級については、IT関連の学校を卒業している場合、受験資格がある可能性が高いです。自分がIT関連の学校を卒業している場合は、検定事務局に問い合わせましょう。
3級は一応受験資格が書かれてはいますが、実質的に誰でも受験することが可能です。
2級を学生が就職活動で利用したい場合は、以下の条件にあてはまる必要があります。3級取得以外は判断が難しいと思いますので、検定事務局に問い合わせてから判断しましょう。
試験の難易度
ウェブデザイン技能検定は、1~3級にわかれます。
3級は未経験の受験も想定しているため、比較的簡単な試験です。毎日1時間、1ヶ月も勉強すれば十分合格できる可能性が高い試験です。
2級はウェブ関連の資格の中では難易度が高めですが、資格試験としてはそれほど難関ではありません。地道に50時間以上勉強する時間を確保できれば、実質未経験からでも合格できる可能性はあります。
ちなみに、1級は実務経験が必須であり、難易度もかなり高いです。若いうちからウェブ関連の仕事をしている人が転職で取得する場合や、腕試しとしての受験として利用するといいでしょう。
試験日程
試験の日程は以下の通りです。1級は年に1回、2・3級は年に4回となります。
- 試験日:
1級学科:11月下旬頃
1級実技:2月下旬頃
2・3級:5月下旬頃、8月下旬頃、11月中旬頃、2月下旬頃の年4回 - 申込日:
1級学科:10月上旬~下旬頃
1級実技:12月下旬~翌年1月中旬頃
2・3級:4月上旬~下旬頃、7月上旬~下旬頃、10月上旬~下旬頃、12月下旬~翌1年月中旬頃の年4回 - 合格発表:
1級学科:12月中旬頃
1級実技:3月中旬頃
2・3級:6月下旬頃、9月下旬頃、12月中旬頃、3月下旬頃
3級・2級については、年4回と比較的チャンスが多い試験となります。就職活動など、明確な目的があって取得したい場合は、利用するまでに合格発表が行われるタイミングでの受験を考えましょう。
ステップ2:学習スケジュールをたてる
ウェブ関連の学習未経験の場合、想定される勉強時間は、おおむね以下のとおりです。
- 3級:15~30時間
- 2級:50~100時間
この勉強時間を確保できるように、試験までのスケジュールをたてるといいでしょう。
3級については、忙しい社会人でも1日1時間、1ヶ月で合格を目指せるため、比較的スケジュールの調整が簡単かと思います。
2級については、忙しいと数か月かかる可能性がありますが、集中すれば1ヶ月未満での合格も可能です。試験日に合わせて1日あたりの学習時間を調整するといいでしょう。
ステップ3:ウェブデザイン技能検定の学習を行う
ウェブデザイン技能検定の3級・2級は、学科試験の方が難易度が高く、勉強時間がとられます。合格発表を見ても、学科と実技試験の合格者では、実技試験のみの合格者の方が多く、3級では2倍以上、2級では5倍以上になることが多いです。
体系的に知識をつけたい場合、HTMLやCSSなどの専門的な書籍やサイトで学習した方が効果的ですが、合格だけを考えて効率を上げるのであれば、過去問を利用して学習すると効果的です。
実技試験については、3級も2級も過去問と似た内容(ほぼ同じですが、細部の指示が毎回変わります)が出題されますので、直前に集中して学習しても対応可能です。
2級の場合、元からPhotoshopやDreamweaverを持っている人以外は、新しくAdobe Creative Cloudをインストールする必要があるかと思います。この場合、無料体験版か1ヶ月プランでの購入を行うことになると思いますので、直前までは学習ができないかと思います(もちろん、これを機に本格的に取り組みたい場合は、1年プランで購入してもOKです)。
ウェブデザイン技能検定の参考書や学習に使えるサイトについては、以下の記事にまとめてありますので、参考にして頂ければと思います。
ステップ4:試験の申込(0~2時間程度)
試験の申し込みは、おおむね試験の1ヶ月前頃には終了します。忘れず申し込みを実施しましょう。
試験の申込にあたって「自分に2級の受験資格があるのか?」がわからない人は、検定事務局に問いあわせて確認しましょう。
また、ウェブデザイン技能検定には「試験免除基準」があります。多くの場合、一度ウェブデザイン技能検定を受験して、学科か実技のどちらかの合格点を取っていないと、条件に当てはまらないと思いますが、当てはまる場合は忘れず申請しましょう。
万が一、試験の免除申請を忘れたまま残りの科目に合格した場合、学科・実技の両方の免除申請を行い、合格証書を取得することが可能です。この場合、手数料が2,000円かかります。
ステップ5:受験票を受け取る
受験票の送付時期については「試験要項」に記載があります。おおむね2週間以上まえに送付されるようです。
記載されている受験票送付予定日から7日経過しても受験票が届かない場合は、検定事務局へ連絡し、再発行の手続きをしてもらう必要があります。万が一に備えて、受験票の送付時期をカレンダーなどに書き込み、忘れないようにしましょう。
http://www.webdesign.gr.jp/kentei/items.html#yoko
また、2級を受験する場合、アプリケーションのバージョンについては「CS6以降」が想定されていますが、会場によっては下位のバージョンとなる可能性があります。この場合、受験票にその旨の記載がありますので、しっかりと読み込んでおくといいでしょう。
ステップ6:試験前日の勉強(0~10時間程度)
おすすめは「よく間違える問題を潰すこと」と「実技試験対策」です。
とくに3級・2級の「実技試験」は過去問がそのまま利用できるため、ノーミスで解答できるくらいまで短時間で仕上げられるかと思います。直前から実技試験対策を始めたのであれば、しっかりラストスパートをかけましょう。
ステップ7:試験前日の準備(0~2時間程度)
試験当日に必要な持参品は、以下のとおりです。
- 受験票
- 身分証明書
- 筆記用具(HB程度の鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム)
とくに身分証明書が必要になる点については注意が必要です。身分証明書としては、運転免許証、パスポート、学生証、社員証、その他公共機関発行の顔写真付身分証が利用できます(全て試験当日に有効なものに限ります)。
また、受験票に受験会場周辺の地図が同封されていると思いますので、念のため持っていきましょう。
試験対策として「実技試験のコーディングが心配…」という人は、現地で試験直前まで解答を確認できるように準備をしておきましょう。スマホで確認できる環境を作っておいてもいいですし、内容が少ないので紙で印刷してしまってもいいでしょう。
ステップ8:試験当日(3~5.5時間程度)
2級・3級の当日のスケジュールは以下のとおりです。
2級 | 学科受付:09:30~ 学科説明:10:00~ 学科試験:10:30~11:30(60分) 学科受付:12:00~ 学科説明:12:15~ 実技試験:12:45~14:45(120分) |
3級 | 実技受付:09:30~ 実技説明:10:00~ 実技試験:10:30~11:30(60分) 学科受付:11:45~ 学科説明:12:00~ 学科試験:12:15~13:00(45分) |
試験開始の30分前には試験の説明が始まるため、その時刻には間に合うように注意しましょう。
また、試験開始30分経過以降は入室できませんが、それまでであれば入室できる可能性があります。万が一遅刻してしまった場合も、30分未満であれば、現地に向かってみましょう。
ステップ9:ウェブデザイン技能検定の解答速報
解答速報については、翌日に公式で発表が行われます。
問題用紙は持ち帰り可能ですので、答えを控えておいて自己採点を行いましょう。
ステップ10:ウェブデザイン技能検定の合格発表と合格証書の受け取り
合格発表は、受験日のおおむね1か月後になります。
受験票を保管しておき、合格しているかを確認しましょう。
また、合格証書の発行は、合格発表と同時に行われます。万が一、合格証書をなくしてしまった場合は、再発行が可能です。
ステップ11:履歴書の書き方
ウェブデザイン技能検定に合格した場合、技能士資格であるため、厚生労働省の指導に基づいた記載が必要となります。
具体的には「等級」「正式職種名」「技能士」の順で表示することとされているため「〇級ウェブデザイン技能士」と記載する必要があります。
また、英語表記の場合、1~3級について、以下のように記載が必要です。
- 1st grade Certified Skilled Worker of Web Design
- 2nd grade Certified Skilled Worker of Web Design
- 3rd grade Certified Skilled Worker of Web Design
ウェブデザイン技能検定の3級・2級合格までに使う時間は、20~180時間ほど
今回まとめた内容では、未経験から3級合格の場合で20~60時間、2級合格の場合で55~130時間となりました。
2級を受験する場合、学習経験ありの人が多いと思いますので、実際には55時間未満で合格できる人が多いのではないかと思いますが、できれば基礎から体系的に知識を身につけることを優先し、試験にとどまらない実力を身につけられるようにしましょう。