【ウェブデザイン技能検定2級】勉強開始前~受験までに実際にやったこと
2019年5月26日に受験した「令和元年第1回 ウェブデザイン技能検定2級」について「学習開始前から受験完了までに実際にやったこと」をまとめておきます。
今後、ウェブデザイン技能検定2級の合格を目指す人の参考にして頂ければ幸いです。
- 試験日:
1級学科:11月下旬頃
1級実技:2月下旬頃
2・3級:5月下旬頃、8月下旬頃、11月中旬頃、2月下旬頃の年4回 - 申込日:
1級学科:10月上旬~下旬頃
1級実技:12月下旬~翌年1月中旬頃
2・3級:4月上旬~下旬頃、7月上旬~下旬頃、10月上旬~下旬頃、12月下旬~翌1年月中旬頃の年4回 - 合格発表:
1級学科:12月中旬頃
1級実技:3月中旬頃
2・3級:6月下旬頃、9月下旬頃、12月中旬頃、3月下旬頃 - 試験時間:
1級:学科90分、実技180分、ペーパー実技60分
2級:学科60分、実技120分
3級:学科45分、実技60分 - 受験料:
1級:学科7,000円、実技25,000円
2級:学科6,000円、実技12,500円(35歳未満は実技7,000円)
3級:学科5,000円、実技5,000円(35歳未満は実技3,000円) - 合格基準:全ての試験で70点/100点以上(ただし、実技は試験要項に示す各作業分類で60%以上の得点が必要)
- 受験資格:
1級:実務経験必須
2級:実務経験、大学での学習経験、3級合格など
3級:とくになし - 想定勉強時間:
1級:不明(難易度はかなり高い)
2級:50~100時間程度(未経験から学習する場合)
3級:15~30時間程度(未経験から学習する場合) - 公式サイトはこちら
結論。合格までの道のり
- 勉強時間は合計25~45時間程度。学科が推定20~40時間程。実技5時間。
- 勉強期間は2ヶ月程度
- 費用は15,000円未満(受験料+往復の交通費+紙数枚の印刷費)
- 学習方法は学科も実技も主に過去問演習
- 技術系分野(HTML・CSS・JavaScriptなど)だけは別途専用で学習した方が無難だった

前提条件。狒々山受験時のスペック
まず、私の受験勉強前のスペックについて解説いたします。
- HTML・CSS・JavaScriptなど:ほぼ初心者。WordPressでサイト運営してるけど、プラグインとかテーマの機能で誤魔化している。
- プログラミング:Javaの入門書なら3年以上前に読んだ。その前は大学時代に入門レベルをかじった程度。まともな経験のある言語はJava、C、アセンブラ。
- ネットワーク:CCNP TSHOOTを2年9ヶ月前に受験し、CCNP取得。実務経験はあるが、保守担当なので設計的な経験なし。サーバの知識なし。
- データベース:情報処理技術者試験での勉強経験のみ(4年以上前。操作経験なし)
- 法律関係:知的財産管理技能検定3級に合格(8年程前)。行政書士試験に合格(4年9か月程前)。最後に学習したのは社内研修(資料を読み飛ばしても受講完了できる内容)。
- ソフトの操作:Photoshopは名前なら知ってる。Adobe Dreamweaver? なにそれ?
要約すると「幅広く学習経験はあるが、長期的なブランクがある状態」です。勉強開始時点では問題が解けないけど、理解は早いかなと判断しました。
受験した動機(4月上旬)
受験を思い立ったのは2019年の4月上旬。サイトの運営を開始し、当時の自分はこんなことを考えていました。

そこで、簡単に「サイト運営」に関する資格を調べました。「Web検定」や「ウェブ解析士」など、ウェブ業界の資格はちょっと調べただけでも10種類以上あります。
数あるウェブ業界の資格の中で、私が「ウェブデザイン技能検定2級」を受験したのは、以下の理由です。
- 金銭的な負担があまり大きくない
- 試験の日程が近い(近いものであれば、試験日の制約があるものを優先)
- 難易度がそこそこ高い
- 学習内容が欲しい能力とマッチしている
金銭的な負担があまり大きくない
ウェブデザイン技能検定2級は、学科と実技あわせて35歳未満の受験であれば13,000円となります。特別安くはありませんが、他の試験と比べて高額ではありません。
また、参考書も「試験用」の物は古く、充実していないため、あえて購入する必要がありません。試験用の参考書無しで合格可能と考えると、比較的安い費用でも合格可能と考えました。
一方「ウェブ解析士」などは費用が高くなってしまうため、優先順位は低いと判断し、このタイミングで受験対象から除外しました。
試験の日程が近い
ウェブデザイン技能検定の試験日は、直近で5月26日と比較的近く、まだ申込も間に合うタイミングとなっていました。一方、他の試験の多くはCBT方式であるため、いつでも受験可能であり、あえてこのタイミングで受験する必要性は低いと判断しました。
難易度
いくら初心者とは言え、あまりに難易度が低い試験を受験しても意味がありません。社会的な価値はもちろん、自分自身の勉強にならないでしょう。
ウェブデザイン技能検定2級はウェブ業界の資格としては高めの難易度であった為、受験する価値はあると判断しました。
試験の内容
ウェブデザイン技能検定の内容は、かなり幅広い分野から出題されます。
私としては、知識を広く浅く付けたかったため、特定の分野に偏った試験よりも適していると判断しました。
また、HTMLやCSSの知識は職場でも利用ができたため、これらの技術的な面の学習もできるという点で、ウェブデザイン技能検定2級の優先度が高いと判断しました。
ウェブデザイン技能検定2級の受験資格と確認について
ウェブデザイン技能検定2級には、以下の通り受験資格があります。
・2年以上の実務経験(※2)を有する者
・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了(※3)した者
・大学(※3)を卒業した者
・高度職業訓練(※3)を修了した者
・3級の技能検定に合格した者※2:実務経験とは、ウェブの作成や運営に関する業務に携わった経験のことである。
※3:学校卒業、訓練修了については、卒業あるいは修了した該当科に協会が定めたウェブの作成や運営に関する科目等が含まれると協会が認めたものに限る。引用: https://www.webdesign.gr.jp/summery/conditions/
私は「大学を卒業した者」として認められると思いましたが、「※3」部分が気になりました。
そこで、さっそく検定事務局にメールで問い合わせてみました。
だいたいこんなやり取りです。

・基礎情報技術
・Web技術基礎
・情報ネットワーク概論
・コンピュータサイエンス概論
・コンピュータ概論



スムーズなやり取りを行うのであれば、卒業年度も一緒に連絡したほうが良さそうですね。私は申込み期限ギリギリの問い合わせとなり、シフト勤務の関係上時間も限られていたため、あと1回メールのやり取りが多かったら危なかったです。
教材の選定
学科試験の教材
ウェブデザイン技能検定2級は、非常に参考書が充実していない試験です。
公式のテキストと問題集はありますが、はっきりいって古い。過去問も公式サイトに掲載されていますが、3回分までです。しかも解説がない。
そこで学習教材として選んだのが「過去問クラブ」でした。
こちらのサイトであれば、2011年度の第2回試験まで遡って学習が可能でした。残念ながら、解説は充実していませんが、過去問を利用して学習するならば、最も充実しているサイトといえます。しかも無料。
この他に、技術面(HTML、CSS、JavaScriptなど)は別途専用の参考書などで学習しようと思いましたが、結局は試験当日まで時間が確保できず、ほぼ「過去問クラブ」を利用して学習し、わからない知識をネットで検索という方法で学科試験対策を進めました。
実技試験の教材
実技の教材は、以下のとおりです。
- ネットの過去問解説動画
- 公式サイトに掲載されていた過去問
- Adobe Creative Cloud(7日間の無料体験版)
- ダウンロード可能な問題集に付属している実技試験用の資料
- Styleオブジェクトのプロパティ一覧
全て無料(Adobe Creative Cloudは7日間に解約する必要あり)。このうち、主な学習用の教材は「ネットの過去問解説動画」です。
学科試験の学習
学習の流れ ~「過去問クラブ」で全ての問題を正解するまで解き、その後はランダムで高速に解きまくる~
意図せずですが、「過去問クラブ」の出題設定を「1回正解すると合格とし、合格になった問題は出題しない」状態で勉強していました(設定画面上だと下図のとおり)。何回か正解していた問題もあったので、たぶん途中からこの設定になってしまったのだと思います。

この状態で、全ての問題に正解したのが1500問解いたあたり。
そこからの学習は速度重視で問題を解くようにし、最終的には2413問まで問題演習を行いました。

学科試験の過去問の正解率
2413問までの累積で正解率81%、ラスト4日間の高速問題演習中は約92.3%となりました。
過去問演習としては、90%を超えた時点で十分だと思いますので、そこから先は技術面の強化(試験にとらわれない学習)を行えばよかったと反省しています。
学科試験の勉強時間について
長めにみてもせいぜい40時間。恐らく20~25時間です。
ラストの829問は5時間で解きました。
残りの1584問は正確にはカウントしていませんでしたが、多めに考えても1問1分ペース(わからない問題をネットで検索した時間を含む)で30~35時間程度ではないかと思います。ですので、長めに考えると合計は35~40時間程度。体感的にはもっと短かったので、20~25時間程度だったと思います。
出題範囲ごとの手ごたえ
出題範囲と手ごたえは以下のとおりです。
インターネット概論
通信プロトコルや、セキュリティなどが問われます。
過去にCCNA、CCNP、情報セキュリティスペシャリストなどの学習経験があったおかげで、このあたりは比較的スムーズに知識が入りました。ブランクがあったので、けっこう忘れていましたが。
W3C関連の問題は初体験であり、紛らわしい問題も多かったので、覚えるのに少し苦労しました。
ワールドワイドウェブ法務
知的財産権や、インターネットにかかわる法令に関する知識が問われます。
知的財産権は「知的財産管理技能検定3級」レベルで十分通用するレベルです。インターネットにかかわる法令は、以外にも行政書士試験の一般常識問題で学習した知識が使えました。
たぶん、「知的財産」については社内研修などでも学習経験がある人が多いと思いますので、吸収はスムースに出来るかと思います。
ウェブデザイン技能
HTML、CSSなどの技術的な出題が多い分野です。恐らく初心者が学科で一番つまづく所ではないかと思います。
自分自身、基礎の知識が決定的に欠けていたため、解説のついていない過去問演習では学習に手間取りました。
受験後の感想になってしまいますが、この分野だけは過去問だけで対策しにくく、また出題数も多いため、可能であれば別途専門の参考書を用意して学習した方が良かったと思います。
ウェブ標準
ウェブサイトの構築手法についての一般的な知識を問われます。単純な暗記系で対応できるので、比較的簡単でした。
ウェブビジュアルデザイン
画像やレイアウト、動画や配信など。これも単純な暗記系が多いので、初心者ですが素早く吸収できました。
ウェブインフォメーションデザイン
サイトマップやゾーニング、ナビゲーション、ユーザビリティの他、データベースも含まれます。
基本的には簡単な単純暗記系です。データベースは何年も学習していませんが、かなり簡単な出題でした。基本情報技術者試験の午前問題で登場するデータベースの問題の方が、遙かに難しいです。
アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン
少し紛らわしい問題も出て来ますが、単純暗記系。問題が幅広く、暗記には時間がかかりましたが、じっくりやれば初心者でも、得点源にできました。
ウェブサイト設計・構築技術
「設計・構築技術」となっていますが、詳細な分類を読むと企画やサービス提供に関する問題が多く、サイトの運営者としての知識が問われます。
単純暗記系ですが、覚えていないと推測での解答がやりにくい分野だと感じました。
ウェブサイト運用・管理技術
運営者として、ログ解析や保守などに関する問題です。「設計・構築技術」と同様に、単純暗記系ですが、こっちの方が推測で解答しやすいと感じました。
安全衛視得・作業環境構築
主にVDT環境に関する出題です。初心者でしたが、内容が簡単なので得点源です。
しかし、この出題の通りに休憩を取れている職場が全国に何%あるのか謎です。1%もないのではないでしょうか…。
実技試験の学習
実技試験の学習の流れ ~手を動かしながら動画を一通り見て、後は実際に過去問演習~
実技試験で一番やっかいなのは「PhotoshopもDreamweaverも使ったことがない!」というところです。
そこで、まずは無料体験版(Adobe Creative Cloud)をインストールし、ネットで紹介されていたウェブデザイン技能検定2級の実技試験対策の動画を見ながら、その通りに手を動かして学習しました。
失敗点としては「作業2をAdobe Animateで学習してしまった」ところ。動画で紹介されていたのですが、試験案内を読むと「Adobe Animate」は使えないことがわかり、後からPhotoshopで作成する方法を学び直しました。

実技試験の学習時間
総学習時間は、5時間です。
手を動かしながら動画を見るのに2時間。後は1時間弱で過去問演習を3回。直前にまとめておいたメモを読み直して修了。正直、もう少しやった方が安全だった気もしますが、結局5時間でも難なく全問解答できました。
作業ごとの手ごたえ
実技試験は、作業1~5の全部で5問解答が必要です。ちなみに、作業5は5aと5bのどちらかに解答します。
最初に一通り学習が終わったときの手ごたえですが
- 作業1:楽勝。操作方法を念のためしっかり覚えておくこと
- 作業2:楽勝。操作方法を念のためしっかり覚えておくこと
- 作業3:普通。コーディング方法について暗記する必要あり。
- 作業4:やや楽。コーディングがスムーズに出来るよう練習すること
- 作業5b:出題内容次第。DOMのStyleオブジェクトのプロパティについては、念のため簡単なものは一通り覚えておく。
といった具合です。
試験当日の流れ
試験当日の流れについては、以下の記事にまとめました。
簡単に試験結果まとめると
- 学科は7割くらい過去問の流用・類似だったが「自信がない問題」で選択した選択肢が奇跡的に全問不正解だったので、正解率は75%
- 実技試験は使ったことのないCS6での受験となったが、現地でなんとか必要な機能を見つけることができた
となりました。
ウェブデザイン技能検定2級の受験を終えて
資格マニアと言われることのある私ですが、実をいうと、試験を受けるのは1年4ヶ月ぶりでした。
個人的には「久しぶり」ともいえる受験であり、緊張するかなあと思っていましたが、やはり過去に30程度は資格をとっていたので、良い意味でも悪い意味でも緊張感に欠ける受験となりました(夜勤に向けて調整していたこともあり、眠かったです)。
今後はHTMLやCSS、JavaScriptの学習を基礎から行うとともに、資格としてはネットワークスペシャリスト試験の受験を考えています。なかなか時間が確保できない状況が続いていますが、通勤などのスキマ時間を有効活用し、今後も力を付けていきたいと思います。