【第2回ロンドン治験⑧】ロンドン治験に最後まで参加した反省・感想・まとめ
今回、ロンドンの治験で投薬を受け、報酬を受け取るところまで経験する事ができました。
そこで、この記事では、英語力中学生以下の私が、海外(ロンドン)で治験を受けた際の経験について、「準備・渡航・検査・観光・帰国・事後処理など、全体の総括」をします。
「ロンドンの治験に興味がある方」「英語力は無いけど、海外で治験に参加したい方」などの参考になれば嬉しいです。
ロンドン治験参加の流れ
念のため、まず大まかな治験参加の流れをまとめます。
実は今回、海外治験は2度目であり、前回参加のグループで落ちてしまってから、後続のグループでの参加となりました。
前回の治験からの流れをまとめると、以下のようになります。
- 12月下旬:会員登録して治験に応募
- 1月中旬:延期のお知らせが来る(2回ありました。日本で延期の経験は無かったので驚きました)
- 1月下旬:新しい日程が確定
- 2月上旬:航空券の予約の指示が来たので、担当者と認識併せして予約
- 3月上旬:予約からほぼ1カ月経過し、出国日の16日前、音沙汰が長期で無かったので進捗確認。詳細な日程と宿泊の予約の指示が来る(既に宿泊が確定している人もいるような文面でした。他の人のブログでも、3週間ほど前に自分から問い合わせたら返答が来たとの情報があります。早目に問い合わせた方が、健康診断の優先順位が上がるかも?)
- 3月上旬~中旬:宿泊の予約(これは担当者との認識併せ不要)・荷物の準備・イギリス渡航に関する情報収集を始める
- 3月中旬:日本出発~イギリス到着
- 3月下旬:到着から4日後、事前検診を実施。健康診断の結果取得に時間がかかるため、数日の延泊の指示あり
- 3月下旬:健康診断の結果によって、更に数日の延泊の指示
- 3月下旬:メールにて問診
- 3月下旬:入所予定日の4日ほど前に「宿泊先で待機」の指示が来て、そこまで延泊の指示
- 3月下旬:入所予定日の夕方に「待機解除」の指示が来て、更に延泊と航空券予約の指示
- 4月上旬:帰国前に2.5日ほど観光(運動制限に引っかかる可能性があるため、帰国が確定するまで観光は控えてました)
- 4月上旬:待機解除(入所予定日)から3日後、イギリス出国~日本到着
- 4月中旬:帰国から10日程で経費の申請期限(ここまでで1回目の治験が終了)
- 4月下旬:後続グループでの参加を調整。宿泊、航空券の予約、荷物の準備を一気に進める。前回の経費を受け取る。
- 5月上旬:日本出発~イギリス到着
- 5月中旬:到着から3日後、事前検診を実施(前回受けているので、検査内容が少なかった)
- 5月中旬:参加確定の通知あり
- 5月下旬:入所して健康診断。翌日までの検査の結果、投薬対象者となる(ここで落ちたら、帰国の流れ)
- 6月中旬:入院期間が終了し、退院。
- 6月中旬:退院から数日後に事後検診。
- 6月中旬~下旬:観光(約10日間)
- 6月下旬:イギリス出発~日本到着
- 6月下旬:帰国から10日程で経費の申請期限
- 7月中旬:報酬をGET!
最初の調整開始から、報酬をGETするまで、実に半年以上かかりました。実際にイギリスに滞在したのは70日ほどです。
激しい運動や長距離の歩行をしなければ、観光に出ることは可能ですので、私は今回の治験で2週間は観光に使うことができました。たぶん、計画的に近くの博物館巡りなどをしていれば、もっと観光に使えたと思います。
また、前回落ちた理由として、「まさか英語力の問題では……」と、思っていましたが、英語力は中学生以下でも大丈夫でした。「今日は朝食を食べていません」を「I eat no food this morning」と言うので精一杯なレベルでも、合格できましたので、間違いないかと思います(自分より酷い英語力の人に、イギリスで会ったこと無いです)。
ロンドン治験の反省点
事前準備の反省点
前回「絆創膏」「筆記用具」「爪切り」「耳かき」を持っていかなかったのが反省点でしたが、今回は「パンツ」です。
日本の治験ほどに洗濯ができる環境がないため、パンツはもう少し持っていくべきだったと反省しました(ちなみに、普段の生活の話ですが、コインランドリーなどで洗濯気・乾燥機の両方を使うと、1週間で2,000円程かかります)。
また、日本の治験では絶対に防寒着を持って行かない私が、海外治験では夏でも防寒着は持って行くべきだと感じました(建物内の空調が、日本ほど細かく調整できない事が多いため)。
ちなみに、今回改めて契約した「楽天モバイル」のSIMが、想像以上に活躍してくれたので、プリペイドSIMはお守り程度で良かったです。
楽天モバイルは、私が利用した時点では海外で毎月2GBの通信までは可能ですし、その後も最大128kbpsの低速通信が使えます。
今回の滞在期間は2か月でしたが、滞在中の通信は楽天モバイルでほぼ対応できてしまったため、結局プリペイドSIMは1か月分しか使わず、それもほとんど役に立つ場面がありませんでした。
宿泊場所の反省点
MixBは、かなり返信率が低い
実は今回、宿泊先のオーナー様の体調不良により、予定外に1回宿泊先を変えています。
で、その際にMixBを使って検討していたのですが、これがかなり返信率が低いです。4件ほど問い合わせて、連絡が来たのは僅か1件でした(毎日情報更新してるような物件でさえ、連絡が来なかった)。
そのため「返信を待ってから、次の場所に問い合わせるべきか?」で迷う場面が度々ありました。
MixBを利用する場合は、同時並行で連絡しても問題ないような文面のメールを心がけましょう。
また、イギリス(というか、多くの海外)ではメールの返信を忘れる(しない?)というのが、日本よりも当たり前です。どうしても返信を貰いたい場合は、早目にリマインドのメールを送っておいた方がいいでしょう。
万が一に備えて、Airbnbの登録はしておく
MixBの返信が来ない事に心配になった私は、当初使う予定の無かったAirbnbも使う可能性を考慮し始めました。
そこで、Airbnbの登録もしたのですが、これが思った以上に手間で、スムーズに予約を成立させるためにプロフィールの詳細を埋める事が必要になりました。
大きく時間を取られる内容ではありませんが、現地で宿探しに困って時間が無い環境では、この時間がけっこう大きく影響してきます。
できれば、日本出国前の段階で、Arirbnbの最低限の設定は進めておいた方がいいでしょう。
困ったら、とりあえず問い合わせておくのも手
渡英前から知っていたのですが、空きが無かったロンドン・アップルハウス。
無理を承知で調べてみて、メールで問い合わせてみたら「予定外に空きができている」ということで、何と宿泊させてもらえました。
おかげで、日本語環境で安心して宿泊することができ、経費も補償範囲内で済ますことに成功しました。
一度ダメだった場所でも、念のため状況を問い合わせるくらいのメールであれば失礼ではないと思いますので、念のためメールしておくことも検討しましょう。
交通関連の反省点
長距離バスを失念していた
「イギリスの鉄道は高額。でも、自動車も運転できないし…」と、思い、最初は鉄道での旅を計画していたのですが、長距離バスでの移動があることを失念していました。
イギリスの長距離バスは、夜行バス以外も充実している(中には、イギリス国外まで行くものも)上に、価格もかなり安く、鉄道での移動の半額以下になる事もあります。
もちろん、バスでの移動は時間がかなりかかるというデメリットはありますが、移動経路や時間帯の選択肢が増え、柔軟な旅行計画を立てる事も可能になります。
そんなわけで、私も実際に「ストーンヘンジ」と「バース」については、長距離バスで観光してきました。
チケットが必要な電車もある
今回、ロンドン市内からカンタベリー(ロンドン外。イギリスの南東の方)まで鉄道で一度行ったのですが、この鉄道ではチケットのチェックがありました。
改札はクレジットカードでも抜けることができてしまうのですが、高確率で車内でチケットのチェックが行われるため、必ずチケットの購入をしてから乗車しましょう。
この他にも、チケットが必要な鉄道もあるかと思いますので、ロンドン外まで鉄道で移動する場合は、チケットが必要か確認しておいた方が無難です。
乗り換えでタッチしないと罰金!
「改札が無く、カードリーダーにタッチしないで電車に乗ると罰金!」という駅については、ヨーロッパに多くあることは知っていましたが、同じ原理で「乗り換えの際にタッチしないと罰金!」という駅があり、危うく罰金を取られるところでした。
大きな駅では、乗り換え用の改札があるかと思いますが、地下鉄と鉄道の乗り換えを中規模の駅でやる場合は、改札を抜けたかに注意しましょう。改札が無い場合は、どこかにカードリーダーがあるかと思います。
ロンドン生活の反省点
ロンドンでの生活中については、新しい反省点はとくにありません。
英語がほぼ話せないため、いつも通りほぼ無言でスーパーで買い物して帰るくらいです。
ちなみに、初めてのロンドン生活での反省点は、前回の記事をご参照ください。
事前検診~入所に選ばれた際の反省点
運動と観光のバランスに注意
これは前回も少し触れた事ですが、「事前検診」や「入所時」の健康診断で悪影響がでないよう、運動には注意が必要です。
とくに注意が必要なのが「ウォーキング」です。観光に出ると、バスツアーであっても1.5~2万歩くらいになる事も多いため、できれば3日前からは避けたいところです。
どうしても観光したい場合、おすすめは「近隣の無料の博物館・美術館」です。これであれば、歩数は帰宅までに1万歩前後で済む可能性が高いですし、もしも多くなりそうになったら、さっさと帰宅するという決断もしやすいです(入場料無料なので)。交通費が高いため、その点でもったいない感じはしますが、治験に影響を与えないためには、このくらいはやむを得ない判断です。
また、これも前回触れましたが、「入所者が他の人に決まり、自分は帰国するよう指示を受けた」場合でも、念のためその日の夜までは運動を控えましょう。突然の体調不良などが原因で、待機解除の後になって急遽追加の人員が募集される事もあります。
入所前の片付けに注意
入所日は、朝早くから病院に行くことになる事もあります。
この際、シェアハウスに宿泊している場合、施設によっては退去前に掃除や片づけを求められることもあります。
とくに厄介なのが洗濯で、ベッドシーツなどの洗濯が必要な場合は、起床後に洗濯となってしまう事から、入所に遅れてしまう可能性も出てきます。
このあたりは、対応についてオーナーの方と調整しておき、どうしてもという場合は朝3時起きなど、超早起きで対応しましょう。
入所と言っても、確定で投薬ではない
「入所」となって呼び出されたからと言って「投薬」が確定しているわけではありません。
そのため、一番急な予定変更があり得るのが「入所になったが、健康診断や優先順のため、投薬対象に選ばれなかった」パターンです。
このパターンの場合、突然その日のうちに宿を探さないといけなくなるため、安いシェアハウスなどを探す事も困難です。当然、日本語環境の宿などは直ぐに泊まれる可能性も低いため、せいぜいロンドン内の比較的環境の良さそうなドミトリーに宿泊するか、即予約を入れられるAirbnbの物件を使う可能性が高いです。
こういった場合にも備えて、英語でも宿泊ができるよう、とくに英語に自信が無い方は宿泊先の候補選びや、宿泊時の簡単な英会話を調べておいた方が無難です。
観光についての反省点
予約は計画的に
観光の予約は、早目かつ綿密にというのが当たり前ですが、今回もこれが反省点。
例えば、バスツアーの料金については、1週間予約が早いか、遅いかで値段に差がついていました。
また、観光地によってはバスツアーの予約が長期的に埋まってしまう事もあるため、利用したい場合は早めに予約しましょう。
今回最大の反省点は、交通機関と観光施設の両方を把握してから予約しなかった事。
カンタベリー大聖堂を平日早目の時間帯に予約した後になって、該当時間帯の鉄道料金が物凄く高く、入場料を2回払っても休日の方が総合的に安くなることに気付きました。更に、カンタベリー大聖堂の予約を休日で取り直し、鉄道の予約もしたら、今度は長距離バスを使えば、もっと安くて予約の取り直しも不要だった事が判明。結果的に、最安値で行動した場合の倍以上料金がかかってしまいました(それでも、平日朝早い電車で移動するよりはマシでしたが)。
毎日観光は流石に疲れる
今回、帰国前の10日間で訪れた観光地は以下の通りです。
- ロンドン自然史博物館
- 科学博物館
- キュー王立植物園
- 海事都市グリニッジ
- ウェストミンスター寺院・ウェストミンスター宮殿・聖マーガレット教会
- ストーンヘンジ(ロンドン外)
- バース市街(ロンドン外)
正直、毎日歩き回るとかなり消耗します。8時間程度の観光でも、普通に2万歩以上になる事も多いため、毎日長時間の観光をするのは、もはや修行のレベルです。
また、夏はけっこうな汗をかきます。イギリスの夏は日本よりも快適とは言え、それなりに暑いですし、喉も渇いてきます。
博物館の中なども、日本ほどに快適な空調では無い事が多いため、かなり喉が渇いてくるのですが、飲み物が300mlで700円くらいしてしまうなど、日本の観光地価格と比べても尋常じゃない価格です。そのため、お金を節約してしまい、結果的に体力を更に消耗します。
結果的に、当初の予定していた博物館1件、美術館3件、宮殿2件については、観光を諦めざるを得ませんでした。いくらイギリス滞在は滅多にできないとはいえ、体力も考えて観光スケジュールは組んだ方が良かったです。
帰国の反省点
帰国は、指示を受けてから僅か4日足らずで飛行機に乗るという流れは、前回同様です。
反省点はとくになく、スムーズに帰国することはできました。
ただ「帰国途中で観光地に行くことも可」だったので(若干、経費の補助範囲が狭くなりますが)、英語がもっと話せれば、イギリスやその他のヨーロッパ観光をしてから帰国するという選択肢もあったなあと思います。
費用申請の反省点
今回もとくにありません。
費用申請は今回もスムーズで、トラブルもありませんでした。
前回同様、Oysterカードの履歴は事前に取得済みで、またVPNの契約もしていたので、日本からの取得も可能でした。
ロンドン治験の総括
ロンドン治験に参加した感想
人との出会いが楽しすぎる!
一番意外だったのが「人との出会いが楽しかった」こと。
もちろん、英語が喋れないため、基本的には日本人との出会いとなりますが、宿泊先の大家さん方、宿泊していた同居人、大家さんに紹介されたイギリス人(日本語喋れないですが、お宅にお邪魔しました)、バスツアーで知り合った旅行者の方、治験に一緒に参加していた方々など、日本にいたらまず出会うことが無いであろう人と多く出会えたのが良かったです。
やはり、わざわざイギリスまで来ているだけあって、それぞれ事情は様々です。「何でイギリスに?」「イギリスで今何しているの?」といった情報や、ヨーロッパ圏での生活、イギリスの経済や社会の事情、ヨーロッパでの観光情報など、色々と興味深いことを話すことができました。
ただし、入所期間の会話が弾むかについては、入所したメンバーにもよります。私は「海外旅行者」「現地滞在者」メインのメンバーで和気あいあいと会話(時にはボードゲーム。モノポリーが熱かった)していましたが、プロチケラー中心になると「いつもの事だから会話が面倒」という感じになる事もあるそうです。
英会話ができなくても治験と観光はできた。でも英会話できたら絶対に面白い!
ヒヤッとする場面は稀にあったものの、前回同様「英会話は中一以下」の自分でも、最後まで治験と観光を完遂することができました。
しかし、だからこそ思うのが「英会話ができたら、絶対に面白い!」ということ。
例えば、治験の最中のスタッフさんとの会話。日本人相手でもそれぞれの経歴が興味深いのですから、外国人相手なら更に予想外の人生が聞けて、絶対に面白いです。
また、観光地で外国人の方と絡むことができれば、より面白いというのは感じました。話しかけられても、英語が喋れず会話が成り立たない事が何度かありましたし、お祭りなどは一人で参加するより、誰かと会話した方が絶対に盛り上がります。
その他にも「英語がわからないから諦めた」という場面が観光中には度々ありました。とくに、ネット情報では見つけにくい観光スポットは、事前準備ができないため、英語力が無いと対応が困難です。そういった意味でも、英会話ができたら絶対にもっと楽しい観光ができたと思います。
日本は案外天国だった
これは、前回以上に感じたのですが「いくら給料安くて仕事長いからって、サービス品質良くて料金安くて治安良いんだから、日本って良い国じゃね?」という事を、より強く感じました。
「安くてサービス品質が良い」は「だからいつまでたっても給料上がらない」にもつながるところかもしれませんが、それでもコスパの観点で言えば、少なくともイギリスより日本の方が豊かだと感じました。
例えば、イギリスの平均年収は53,985米ドルですが、日本の平均年収は41,509米ドルです(2022年のOECD発表)。一方、労働時間はイギリス1532時間に対して、日本は1607時間です(2022年)。つまり、時間当たりで言えばイギリスは約35.24米ドルですが、日本は約25.83米ドルになります。
一方で、イギリスと日本では物価が異なります。物価の差を正確に割り出すことは困難ですが、おおむね1.5倍ほどと言われており、とくに庶民の家計で大きく響く家賃は、東京とロンドンの平均的な地域を比較すると約2倍になります。つまり、いくら時間あたり稼げているとはいえ、生活が楽なわけではありません(むしろ、近年は日本より苦しい傾向)。
その上、先にも述べた通り、サービス品質は正直日本の方が上の事が多いです。労働者にとってはそれが「過剰サービス」として、労働時間の長時間化にもつながっている所ですが、正直イギリスで生活していると、日本人感覚では「過少サービス」と言えるような事も多いです(修理を依頼しても来ない。忘れていたのでもう一度依頼したのに、結局来ない。とか)。
また、治安の良さは先進国の中では随一。料理のレベルも世界トップクラス。国内旅行だけで南北に気候も変化に富み、料理も郷土料理の種類が豊富とくれば、日本は住むには世界トップクラスかなあと思いました。
また、仮に日本人がヨーロッパに脱出したとしても、優秀な人でない限り、働けるのは外国人向けの職場が多いです。現地で働いてる日本人に聞いた話ですが、イギリスの休憩時間は日本よりも法律上短くすんでしまうため(24時間以内で11時間休めれば、途中休憩は20分でOK)、ほぼ休憩なしで1日中肉体労働をさせられる現場も普通にあるとのことです(それでも、日本以上にブラックな環境から逃げてきた外国人労働者が喜ぶ)。
また日本にいるから海外の悪い点が目立たないだけで、結局はどの国も社会制度や文化にデメリットと感じられる点はあります。その点を含めて考慮した上で、日本よりも自分に適した国を見つければ、その国への移住はありだと思いますが、ろくな調査もなしに「日本はダメだ、だって○○が……」という考えでは、結局海外移住しても同じ目に合うと思います。
少なくとも、以下の様な条件が揃えば日本ほどに住みやすい国はほとんど無いと感じました。
- 日本語が堪能である
- 日本人の文化・風習が嫌いではない(嫌でも避けられるレベル)
- ブラック企業・ブラック職場に勤めていない(勤める事になったら即転職)
とくに既にリタイア・セミリタイアしており、十分な資産を持っている人なら、緊急脱出用以外で海外移住を考える必要性は低いかと思います。
治験の報酬は高いが、より戦略が必要
今回、60万円以上(観光に対する補助を考えると、実質90万円以上)の収益を得る事ができましたが、治験の案件を探すところから、実際に報酬を受け取るまでに半年以上かかっています。
そういった意味では、「渡英までの待ち時間で短期のバイトをやる(リゾートバイト考えてます)」とか「渡英中もブログで収入を得る(収益化、放置してました)」なども組み合わせないと、いくら報酬が高くても、生活費を稼ぐには不十分です。
また、最近は日本国内でも高い報酬の案件もあります。私が確認した限りでは、15泊+2通院という負担の少なさで80万円をこえる報酬の案件もありました。「海外旅行よりも、収入が優先」という人であれば、海外の治験だけでなく、国内の報酬が高い治験も含めて、選択肢を増やした方が稼ぎやすいです。
ロンドン治験にはどんな人が向いているか?
最後に、前回のまとめ同様に、ロンドン(海外)の治験に向いている人をまとめます。
- 時間が取れて(案件によるが、短期で1カ月程)
- 拘束期間の職歴を気にしなくて
- 数十万円以上は持っていて(旅費や宿泊費は、一旦自分で払う為。旅行費用と経費の合計で、今回私は70万円くらいの初期費用)
- リスクが取れて(薬だけでなく、金銭の損失もあり得る)
- 健康で(案件次第では家族含む病歴も影響)
- 年齢が20~40歳くらいで(案件による)
- 運動を1か月以上は辞める事ができて(長いと半年以上)
- 長期の相部屋での入院生活が許容でき(ほとんど外出できない)
- 出された食事は完食でき(激しい好き嫌いやアレルギーが無い)
- 海外旅行を1人ですることができ
- 行動力ある人
つまり、かなりハードルが高いです。無作為に駅前で100人にアンケート取って、100人全滅の可能性が高いのではないかと思います。
実際、今回に体験でわかりましたが、やはり参加者は大きく分けて「海外在住(拘束の影響を受けにくい)」「海外旅行者(拘束の影響を受けにくく、費用削減にもなる)」「プロチケラー(治験で生きてるような人達)」になるようです。
ちなみに、私は「海外旅行者」と「プロチケラー」の中間の様な存在。日本のプロチケラーと違い、海外治験のプロチケラーは、基本的に私のようなポジションになるのかなと思います(だって、海外旅行しないなんてもったいない!)。
今回のロンドン治験のまとめ
念のため、今回も治験についてのまとめを、箇条書きでまとめます。
- 英語は中1レベルの会話すら怪しくても参加できた
- 経費の申請条件には注意(そもそも、航空券などの補助が出ない案件もある)
- 航空券の予約の際は「荷物の制限」「乗り継ぎの際の条件」「渡航時間」などに注意(病院と交渉してみるのもあり)
- 出国時の経路では、念のため入国・トランジットの条件などに注意(たぶん、治験の会社からフォローしてもらえる)
- 宿の予約前に、経費申請に必要な事項の記された領収書を入手できるか確認
- 英語が苦手でも、ロンドンには日本人宿は数件ある(無理ならAirbnbやMixBなどで宿を探す)
- ロンドンの治験は、自分から定期的に状況確認のメールをした方が良い(日本の治験ほど、きめ細かな案内はない)
- 「治験」というより「海外旅行」の準備が大変
- ポンドはできれば出国前に少し入手しておく(インターバンクが安い)
- ポンドを現地で入手するなら、キャッシングして繰り上げ返済するのが安い
- 海外旅行保険は、クレジットカードでもけっこうカバーできる
- EU・イギリスについては、VPNを使えないと利用できない日本のサービスが多かった(動画配信サービス、Yahooなど)
- スマホがあっても鉄道ではネットが使えない場所も多いので注意(事前に経路などはスクショする)
- スマホはプリペイドSIMか楽天モバイルがおすすめ(観光で外出する日数が少ないなら「楽天モバイル」で充分通信量は足りました)
- 健康診断に備えて、食事や運動などには注意
- 事前検診では英語で会話もあるが、自分の誕生日も言えないレベルで充分だった(でも、便利なので簡単な会話は入院中に覚えた)
- 待機メンバーに選ばれたら、入所初日はとくに病院からの連絡に注意
- 観光も、中1レベルの英会話が怪しいレベルでOK。ただし、喋れた方が楽しい。
- 投薬メンバーに選ばれないと赤字にはなる。でも、格安で旅行はできる
- 入所メンバーに選ばれても、投薬されるとは限らない(不合格の場合、退院後、直ぐに宿を見つける必要がでるので、事前調査しておくこと)
- 入所期間・シェアハウス・観光中など、人との出会いが楽しかった!(ほぼ日本人ですが、それでも楽しいです)
- 入所3週間は、流石に長くて辛いという人が多数派(私は楽しく作業に集中できました)
- 連日の観光は体力的に厳しい!
- ロンドン外まで観光に行くなら、長距離バスが安い!
- 帰国経路も、入国・トランジットに注意!(帰国まで期間が短いため、治験会社からのフォローが手薄になる可能性があります!)
- 経費の申請は申請期限にも注意!
- 経費や報酬の受け取りは、手数料・レートに注意(私はWiseを利用)
今回、長かったような、短かったような2か月弱の渡英となりました。
帰国する頃は、もっと長く居たいと感じましたが、よくよく考えると日本を留守にしている時間もだいぶ長くなってきていたので、2か月弱くらいの滞在期間は、観光的にも報酬的にも丁度良かったかなと思います。
ちなみに、私としては「3週間入所して、退院後は10日くらいの自由行動(事後検診1回)」という今回の条件は、短期間で報酬を多くもらえて嬉しかったのですが、どちらかと言えば「3週間の入所は長くて辛い」という方が多かったです。
とくに、現地滞在中の方からすれば「入所は短めで、事後検診を週1ペースで繰り返した方が、報酬が下がっても遥かに楽!」という人が多いかなと思います。
【第1回・第2回ロンドン治験】記事一覧
今回「英会話は中一以下、飛行機も小学生から20年間乗った事がなく、海外旅行など一度もしたことが無い」という異例中の異例な私でしたが、単独で日本からイギリスまでを2往復し、治験を終える事ができました。
待機組で終わってしまった第1回、投薬も行い報酬ももらえた第2回。それらの準備から帰国後の事後処理まで、その詳細を以下の記事一覧にまとめました。
ロンドンでの治験参加が初めての方であれば役に立つかと思いますので、興味のある方は参考にして頂ければ嬉しいです(文庫本並みに情報量があるので、興味がある部分だけ読むのがおすすめです)。
- 【第1回ロンドン治験①】渡航前の申し込み~航空券・宿泊の予約編
- 【第1回ロンドン治験②】ロンドン治験の渡航準備・身辺整理編
- 【第1回ロンドン治験③】海外旅行保険をクレジットカード付帯ですませる際の注意点
- 【第1回ロンドン治験④】出国編1(成田空港出国~仁川国際空港で乗り継ぎ~ヒースロー空港到着まで)
- 【第1回ロンドン治験⑤】出国編2(ヒースロー空港到着~オイスターカード入手~電車とバスで宿泊先に到着するまで)
- 【第1回ロンドン治験⑥】ロンドン生活編
- 【第1回ロンドン治験⑦】事前検診編
- 【第1回ロンドン治験⑧】ロンドンの治験で待機者になった話
- 【第1回ロンドン治験⑨】低英語力&低コミュ力で、ロンドン観光した感想
- 【第1回ロンドン治験⑩】帰国編1(宿泊先出発~ルートン空港~リスト・フェレンツ国際空港到着まで)
- 【第1回ロンドン治験⑪】帰国編2(リスト・フェレンツ国際空港~浦東国際空港~成田国際空港まで)
- 【第1回ロンドン治験⑫】ロンドン治験の経費申請・使った銀行・旅費の結果について
- 【第1回ロンドン治験⑬】ロンドン治験の反省点とまとめ
- 【第2回ロンドン治験①】治験の申し込み~渡航準備まで
- 【第2回ロンドン治験②】日本出国~現地到着(成田国際空港~仁川国際空港~ヒースロー空港)
- 【第2回ロンドン治験③】ロンドン生活と事前検診
- 【第2回ロンドン治験④】入院生活編
- 【第2回ロンドン治験⑤】事後検診と帰国前のイギリス観光編
- 【第2回ロンドン治験⑥】帰国編(ヒースロー空港~香港国際空港~成田国際空港)
- 【第2回ロンドン治験⑦】ロンドン治験の経費・報酬の結果について
- 【第2回ロンドン治験⑧】ロンドン治験に最後まで参加した反省・感想・まとめ
- 【観光】ロンドンのATMでポンドをキャッシングして、繰り上げ返済してみた
- 【観光】トイレを探す方法とロンドンのトイレ事情
- 【観光】ハリー・ポッターのロケ地とロンドン塔
- 【観光】大英博物館
- 【観光】バッキンガム宮殿とウェストミンスター関連(外観のみ)
- 【観光】コッツウォルズの「ボートン・オン・ザ・ウォーター」
- 【観光】『ダウントン・アビー』のロケ地「バンプトン」
- 【観光】ロンドン塔
- 【観光】ブレナム宮殿
- 【観光】バスツアー体験