【第1回ロンドン治験⑨】低英語力&低コミュ力で、ロンドン観光した感想
この記事では、英語力ゼロ・コミュ力ゼロの私が、海外(ロンドン)で治験を受けた際の経験について、「英語力ゼロでロンドン観光をした経験」をまとめます。
「海外の治験に興味がある方」「治験を活用してロンドン旅行をしたい方」「英語力ゼロでロンドン旅行してみたい方」の参考にしていただければ幸いです。
英会話力ゼロで、困ったか?
私は英語力ゼロです。いわゆる受験用の英語は勉強しましたが、それももう15年程前の話です。とくに会話能力は低く、一時は中学校で仕事をした経験がありましたが、3学期になると中学1年生の英会話力に負ける程の酷さです(紙のテストなら負けませんが)。
そんな私が英会話力ゼロでロンドンを観光した結果についてまとめます。
英語が必要な場面は、結構限られる
よく言われる話ですが、英会話ができなくても、ロンドンくらいは十分旅行できました。
冷静に考えると、国内を観光中であっても、自分から積極的に話しかけない限り、他人との会話はかなり限られます。お店や入場券のやり取りなどは、多少の英語力が必要になりますが、手間取っても良いなら翻訳アプリでの対応も可能です(どちらと言えば、会話より読む目的)。そんなわけで「英語力が無いとロンドン観光が楽しめない!」という事はありませんでした。
英語力が無いと、観光が難しい施設もけっこうある
例えば、ウェストミンスター宮殿については日本語のオーディオガイドが置いて無いのですが、日本語ツアーがの開催が限定的で、価格も高いです。
また、無料の博物館は、日本語オーディオガイドが無い施設が多いです。もちろん、翻訳アプリを使って解説の英文を日本語化できますが、面倒ですし、やはり最初から日本語の文章と比べると理解しにくいです。
こんな感じで「英語力が無いと、楽しめる幅が狭くなる」ことは事実ですし、施設によってはイマイチ理解できなかったという結論に至るかもしれません。できれば事前に「英語がわからなくても楽しめる施設か?」を個別に確認しておいた方がいいでしょう。
翻訳アプリより、旅行用の英会話本が役立つ?
これは実践まではしていませんが、翻訳アプリが案外コミュニケーション的に役立ちません。
こちらから複雑な意図を伝えたいときに、事前に準備するのには翻訳アプリが向いていますが、突然の会話などではアプリを起動する手間もありますし、起動後も文字を入力するには時間がかかるし、マイクは全く意図していない内容で認識することがあるため、必ずしも円滑にコミュニケーションできませんでした。
そこで、案外役立つのがアナログのもの。例えば、リスニング能力的には判断不能でも、筆談なら理解できるというパターンがけっこうあります。また、同様に英会話本があれば、お互いにそれを指さしたりすることである程度の意思疎通も可能です。
そもそも、旅行に役立つ英語が学べるという利点もありますので、次回は旅行用の英会話の本を購入して、飛行機で勉強しておこうかなと思います。
宿泊先に到着するまでで必要だった英会話
宿泊先に到着するまで、英会話不要でした。最低限、案内看板の「Arrivals」や「Underground」などが読めればOKです。
実際に英会話が必要だった場面を全てまとめると、以下の通りです(類似する内容は割愛します)。
出国審査の係員「You! Mask!」(成田空港にて)
うっかり顔認識の機械にマスクを着けたまま顔を認識させようとした際、成田空港の出国審査の係員が外人の方で、しかも日本語ではなく英語で指示されました。
突然のことだったので「え? あ、ああ!」と、日本語以前の言語で返答し、急いでマスクを外して終わりました。
乗り継ぎカウンター係員「London OK!」(仁川国際空港にて)
仁川国際空港で、念のため乗り継ぎカウンターで、自分の搭乗券は問題なく乗り継ぎができるか確認した際の会話です(そもそも搭乗券が発行されている時点で大丈夫のはずですが、初めてだったので心配になった)。
最初に、流暢な英語で色々と言われて、仕方が無いので翻訳アプリを起動……させようとしたら、Wi-Fiに未接続でマイクを使った翻訳が使えませんでした。
で、あたふたしながらネットにつなごうとしている間に、色々察した係員が自分の航空券を確認した上で、「London OK!」と、恐らく意図的に伝わるであろう英語だけで回答をくれました。
とりあえず「オー、OK!? サンクス!」と適当に返して、その場を離れました。
客室乗務員「不明…不明…pasta…不明…不明」(航空機内にて)
食べ物を乗せたカートを押してやってきた、客室乗務員に聴かれた英語で聴かれた内容が流暢すぎて「パスタ」以外聞き取れませんでした。
恐らく、最低でも2択で食べ物を選ぶ場面だったと思うのですが、とりあえず聞き取れたので「パスタプリーズ!」と回答しました。類似するもので「seafood」以外全く聞き取れなかった時は「シーフードプリーズ!」で回答。飲み物はウォーター以外がよくわからなかったので、とりあえず「ウォータープリーズ!」で全部通しました。
物乞い「不明…不明…1 pound…不明…不明」(Victoria駅にて)
Victoria駅で、物乞いらしき風体の男(後にあった物乞い以上に、あからさまに物乞いっぽかった)に、流暢な英語でまくしたてられ、手を差し出され、「1 pound!」と言われました。
正面から来てくれたおかげで、最初から不穏な雰囲気に気づいたので「ワタシ、エイゴ、ワカラナイデス」と、日本語で返しました(実際分からないのがよかったかも)。
ちなみに、イギリスではホームレス用のシェルターがあるので、物乞いにお金を渡さないようにと、大使館でも案内を出していました(物乞いを装った人が気を引いてる隙に仲間が窃盗を行う可能性もある)。
自分「Sorry」(ダブルデッカーにて)
ダブルデッカー(赤い二階建てバス)を下車する際に、通路を開けてもらうために「ソーリー」と言いました。
その後、徒歩で宿泊先まで到着。日本人オーナーさんの宿だったので、英語不要で宿泊できました。
超低英語力でも使える、ロンドン観光の8割以上をカバーできる5つのフレーズ
正直、観光だけならまともな英会話は必須ではありません。
何を言われているか理解できなくても「聞き取れた僅かな単語+状況+身振り手振り」で、大体推測できますし、いざとなったら翻訳アプリもあります。
その上で、私がロンドン観光の8割以上を攻略した5つのフレーズをまとめると、以下の通りです。
Hello
まず、受付では「Hello」から始めます。これは、現地の人も実際に使っています。
観光施設のセキュリティチェックも「Hello」、受付にチケットを見せるときも「Hello」です。「Here you are」とか使いませんでしたし、実際「Hello」と言いながら、同時にチケットを見せてる人が多い印象です。
とりあえず、フレンドリーな表情で「Hello.」と言っておけば、大体問題なく通過して、観光施設に入っていけます。
Thanks(Thank you)
Helloで対応を始めたら、完了後は「Thanks(Thank you)」です。これもフレンドリーな表情で言っておけばOK。
何か対応して貰ったら、とりあえず「Thanks(Thank you)」と言っておけば、だいたい大丈夫です。ただし、相手が何を言っていたかわからず、しかもその内容が金銭など重要なものに絡みそうな場合は、トラブルを避けるために不用意な発言は避けましょう。
Excuse me
誰かに話しかけたいとき、何かを依頼したときなど、咄嗟に言えるようにしておきましょう。
仮に、翻訳アプリで会話しようと思っても、最初の一言は「Excuse me.」と言って、近くに来てもらう必要もあるかと思います。
Sorry
これはどちらかと言えばイギリス英語の特徴なのかもしれませんが、人とぶつかったり、電車で通路を開けてもらいたいときなどは「Excuse me」などより「Sorry」が多い印象でした。
なので、日本語で「すみません」というような状況では「Sorry」を言うように私は行動していました。
OK(OK?)
相手の言った事を理解できた場合に、理解できたことを表明するために使いました。
逆に「恐らく理解できたが、もしかしたら間違っているかも……」という時に「身振り手振り+OK?」を使いました。「Can I ~ ?」「May I ~ ?」などで意思疎通するべき場面も、「身振り手振り+OK?」で、だいたい意味が通じました。
【番外】あ、アイ、ドント、アンダースタンド(あ、アイ、キャント、スピーク、イングリッシュ)
わざと日本人らしい発音で、ぎこちなく発声します。なんか面倒な会話に巻き込まれたとき(路上で物乞いに絡まれた、宗教勧誘にあったなど)、適当にあしらって逃げるときのフレーズで使いました……が、別におすすめはしません。
ちなみに、残り2割で使った英会話は?
ちなみに、残り2割のシチュエーションで使った英会話も、単語レベルです。
例えば、オーディオガイドで何語か尋ねられた時に「Japanese」と答えたり、個数を問われて「One」と答えたくらいです。
後は、観光中に道を尋ねられたので「I don’t know」と答えた事が一度ありました。
ただし、当たり前ですが英会話ができた方が選択肢は大幅に広がります。観光地によっては、英語のツアーに参加しないと入れない場所もありますので、英語力が高い程に楽しい観光になりやすい事は事実です。
英会話力ゼロで困らない究極の方法は、図々しく生きること
一番大事なことは「図々しく生きること」です。
「行列で手間取って迷惑をかける」とか「受け答え方が失礼」とか「文法が誤ってる」とか……英会話能力ゼロというのは、そんな贅沢を言える立場ではありません。いっそ、開き直って「こっちは生きてくだけで精一杯なんだよ!」くらいの態度で充分です(その態度丸出しだと、余計なトラブルを招くので、あくまで心の中にとどめてください)。
結局は、店員・係員の人に頼ってしまえば、だいたい何とかなります。実際、スーパーの無人レジで困った時は店員さんが全部処理をやってくれましたし、空港で受託手荷物をセルフサービスで処理するところも係員に全部やってもらいました。その際も、会話は「Thank you」だけです。そういう状況を恥じるとか、情けないと思うとか、そんなことを考えているようでは英語力ゼロで生活できません。
図々しく「俺は日本語しか喋れないんだ、単語レベルならちょっとは理解してやるから、何とかしろ!」くらいの精神力を持つことが重要ではないか感じました。
言語以外で日本の旅行との違いは?
物乞い多すぎ!
ビックリしたのは、物乞いの多さ。初日から2回声をかけられました。実は、物乞いは法律で禁止されているそうなのですが、貧しい人に恵む文化が日本より根付いているそうで、スーパーの入り口や駅前などで物乞いに多く遭遇してしまいます。
実は、イギリスでは路上生活者向けシェルターなどの支援があり、本来は物乞いなどする必要は低いのですが、シェルターに入るとお酒や薬物に制限がかかる為、アルコール中毒者や麻薬中毒者がそれを嫌がり、シェルターに入らないそうです。その為、現地の人でも「物乞いは、自業自得」として、恵まないひともいるのだとか(実際、私が遭遇した物乞いも、リュックから2リットルくらいのアルコール飲料を出して豪快に飲んでた)。
また、物乞いを装って、時給60ポンド(記事執筆時点で1万円弱)稼ぎ出す人もいるため、本当に貧しくて物乞いをしているのか、貧しいふりして働かずに金を回収しているのかも謎です。また、列車の車両内で効率的に物乞いをする人もいるそうですが、そういった物乞いが犯罪組織に関与しているという情報もあります。
本当に貧しかったら……と思うと、心が痛むところですが、まあ、そもそも物乞い行為が犯罪らしいので、自分の身を守るためにも、物乞いにはお金は払わない方が無難です。
予約した方が良い施設が多い(当日券が買えなかったり、事前予約が割引されたりする)
有料の施設は、早めに事前に予約した方が安くて確実です(数日前までキャンセル料無料が多いので、旅行がキャンセルになっても大丈夫)。
予約が必要な施設も、当日券などを入手できる可能性はありますが、当日券が買えなかったり割高になる可能性があります。
ただ、治験での予約は事前に「キャンセルが無料か?」「キャンセルの手続きはどうなっているか?」を確認しておいた方が良いでしょう。治験の状況によっては観光できる日が変更になり、キャンセルの可能性が出てきます。「キャンセルが有料」なら確実に損しますし、「キャンセルには電話対応が必要」となると、英会話ができない場合はけっこう面倒なことになります。
博物館・美術館などは無料が多い!
ロンドンには非常に多くの無料の博物館・美術館があります。一部の例を挙げると、以下の様なものがあります。
- 大英博物館
- ヴィクトリア&アルバート博物館
- ロンドン自然史博物館
- 国立海洋博物館
- 科学博物館
- ロンドン博物館
- ナショナル・ギャラリー
- ナショナル・ポートレート・ギャラリー
- サーペンタイン・ギャラリー
- テート・ブリテン
- ウォーレス・コレクション
私が確認できただけでも、無料の美術館・博物館などの施設が25か所。その上、例えば大英博物館は「ガイドブックで紹介されているもの+各部屋の気になった物」を見て回る程度のレベルで2日は楽しめます。
企画展は有料な事も多いですが、無料の内容に絞れば交通費と食費だけで20日以上観光できます。
無料でも予約の制度がある
無料の博物館・美術館でも、事前予約の制度があります。大英博物館の場合は、事前予約が無くても中に入れるようでしたが、事前予約があった方が入場はスムーズな感じでした(ただし、大差はありませんでした)。
トラブルに巻き込まれず、スムーズな観光を楽しむためにも、できる限り訪問予定の施設については、事前に予約をしてから訪れると良いでしょう。
有料の観光施設は、入場料が高い!
日本の場合は2,000円を超える観光施設はかなり割高な感じで、むしろ1,000円を下回る施設もかなりあります。
一方、無料の施設が多いロンドンですが、有料の観光施設は入場料が高額です。
例えば、私が確認した際のロンドンや、その周辺の観光地の価格は以下の通りでした(日付などで価格は変動します)。
- グリニッジ天文台:4,339円
- ロンドン塔:4,880円
- キュー王立植物園:2,732円
- セントポール大聖堂:3,346円
- ウィンザー城:4,596円
- ストーンヘンジ:3,430円
つまり、ロンドンやその周辺の観光地は、入場料だけで3,000円弱の施設は安い方ということになります。もちろん、わざわざロンドンまで来たのに「入場料が割高だから観光しない」というのはもったいない話ですが、観光の際はそれなりの出費を覚悟する必要があります。
料理は不味い?
これ、正直あまり食べてないので判断が難しいですが、噂ほど不味くないです(ネット上でも、現実のロンドンの食事は不味くないので残念という謎の意見がありました)。日本で食べる料理ほどには日本人の舌にはあいませんが、私はほとんど気にならず、むしろ美味しく頂きました。
問題は、味よりも値段の方。とくに外食はランチで15ポンド以上、ディナーなら20ポンド以上が普通。レストランで伝票に「service charge(サービス料)」が入ってなければ、追加で10%程のチップ代が乗ってきます。
そんなわけで、私が観光する際は、事前にスーパーでパンと水を調達しておいて節約していました(ただ、パンがどこのスーパーも似たり寄ったりで種類が少ないから飽きてくるのが難点)。
パスタ入りの缶は、不味かった
パスタ入りの缶。これだけは、現地イギリス人からも不味い不評です。
そこまで言われたらどうしても食べてみたくなったので、試しに購入してみました。
購入したものが上の写真。1ポンド弱だったと思います。
空けてみると、既に中に茹で上がった麺が入っています。この時点で、嫌な予感がしますが、フライパンで加熱して皿に盛り付けます。
盛り付けてみるとこんな感じ。写真ではわかりにくいですが、麺がぶつ切りになっていて短いです。
で、茹でた状態で缶に入っている時点でお察しですが、やはり麺が柔らかすぎました。ドロっとしているというと言いすぎかもしれませんが、べちゃっとしている感じです。
ソースの方は不味いとまでは言いませんが、せいぜい日本の格安レトルトミートソースといったレベルで、美味しいという程ではなりませんでした。
ちなみに、今回食べたのはSainsbury’sの物でしたが、後になってLidlで更に安いパスタ缶を発見しました。缶のパッケージからして、より不味そうな感じです。
具体的なロンドン観光や、帰国の流れは?
今回、治験は待機者となってしまったため、観光は2.5日程度となりました(そちらの詳細は、別記事でまとめます)。
観光後のロンドンからの帰国の流れについては、次の記事でまとめたいと思います。
【第1回ロンドン治験】記事一覧
- ①渡航前の申し込み~航空券・宿泊の予約編
- ②ロンドン治験の渡航準備・身辺整理編
- ③海外旅行保険をクレジットカード付帯ですませる際の注意点
- ④出国編1(成田空港出国~仁川国際空港で乗り継ぎ~ヒースロー空港到着まで)
- ⑤出国編2(ヒースロー空港到着~オイスターカード入手~電車とバスで宿泊先に到着するまで)
- ⑥ロンドン生活編
- ⑦事前検診編
- ⑧ロンドンの治験で待機者になった話
- ⑨低英語力&低コミュ力で、ロンドン観光した感想
- ⑩帰国編1(宿泊先出発~ルートン空港~リスト・フェレンツ国際空港到着まで)
- ⑪帰国編2(リスト・フェレンツ国際空港~浦東国際空港~成田国際空港まで)
- ⑫ロンドン治験の経費申請・使った銀行・旅費の結果について
- ⑬ロンドン治験の反省点とまとめ
- 【番外】ロンドンのATMでポンドをキャッシングして、繰り上げ返済してみた
- 【観光】ハリー・ポッターのロケ地とロンドン塔
- 【観光】大英博物館
- 【観光】バッキンガム宮殿とウェストミンスター関連(外観のみ)