【第1回ロンドン治験⑧】ロンドンの治験で待機者になった話
この記事では、英語力ゼロ・コミュ力ゼロの私が、海外(ロンドン)で治験を受けた際の経験について、「ロンドン治験で待機者になった話」をまとめます。
「海外の治験に興味がある方」「ロンドンでの治験で待機者に選ばれたらどうなるか気になる方」の参考にしていただければ幸いです。
ロンドン治験で、なぜ待機者に選ばれたのか?
体調管理は完璧のつもりでしたが、健康診断の結果として私は「宿泊先で待機するメンバー」となりました。
なぜ投薬メンバーに選ばれなかったのか。運動か、栄養か、問診の内容か、それとも英会話力が順位に影響するのか……など考えましたが結論は出ず、とりあえず、次の治験に申し込めないか、申し込み画面を見てみたら、こんなことが書いてありました。
「投薬者の優先順位は、健康診断の順番で決める」
今回、私は全体日程の最後から2割程の日に健康診断を受けました。つまり私は「参加した時点で、ほぼ投薬に選ばれない要因」だったみたいです。
「いやいや、でも英会話力があれば治験もスムーズになるし、評価に入るでしょ?」と思って、細かな質問ができる別の海外治験のサイトに尋ねたところ、少なくともその会社では、英会話力が投薬者の優先順位に影響する事は無いそうです。
待機者となった原因に、全く心当たりはないのか?
実は1つだけ、優先順位に影響を与え、待機者となった可能性に心当たりがあります。治験の内容にかかわるため詳細は申し上げられませんが、日本を出国したら取得できないものを、渡英後に求められました。
そして、次回の参加調整時に「それが無いと治験に参加できないので、取得するように」と指示を頂いたため、「もしやこれが原因か?」と思わない事もないのは事実です。
とはいえ、提出無しでも「宿泊先で待機」のメンバーになっていた事を考えると、出国前に提出を求めなかった病院側の問題も考慮して、恐らくこの点については参加可否には影響をしてなかった……と、思いたいところです。
ちなみに、宿泊先で待機するメンバーとは?
「宿泊先で待機するメンバー」とは、入所したメンバーに何らかの健康上の問題が出た場合などに備えた予備メンバーです。基本的には入所初日まで待機し、入所日に問題なければ待機解除となり、その時点で治験は終了となります。
この辺りは、日本の治験とほとんど同じです。ただし、私の経験では「投薬者は数名」という治験では、「入所待機メンバーはいても、自宅待機メンバーはいない」というケースはありました。
不参加、宿泊先待機、入所待機、入所による、スケジュールの違いは?
健康診断の結果、治験の参加者は「不参加」「宿泊先待機」「入所待機」「入所」のメンバーに振り分けられます。
「不参加」は健康診断に問題があったか、優先順位が低すぎたメンバーです。不参加に選ばれた時点で治験は終了し、そこから数日程で帰国する事になります。それ以降も残りたい場合、宿泊費は補助対象外。何日まで補助されるかは、恐らく休日にも影響されます(治験の会社とのやり取りができないため)。
「宿泊先待機(私)」は、入所したメンバーに健康上の問題が発生した場合に備えて待機しますが、入所初日で参加者に異常が見られなければ原則として治験は終了。そこから数日程で帰国することになるのは「不参加」のメンバーと同様。
「入所待機」は、投薬直前まで残ります。その上で「入所」のメンバーの投薬者が確定し、健康上投薬できない人が「入所」メンバーに出た場合、繰上げで投薬者になります。繰上げが無ければ治験は終了。そこから数日程で帰国することになるのは「不参加」のメンバーと同様の流れです。
そして「入所」のメンバーは、入所後に健康上の問題が無ければ、そのまま投薬されます。そして退所後に必要な事後検診を受け、体調に問題なければおおよそ最後の事後検診から1週間後まで宿泊費が補助されます(体調に問題があれば、延長の可能性あり)。
各メンバーについては、日本の治験と概ね同様ですが「海外に宿泊している」という性質上、治験終了から帰国までの宿泊の補助があったり、その期間で帰国の準備を進める必要がある点は異なります(ただし、現地に住んでいる人が対象の海外治験の場合、この点についても日本の治験と同様だと思います)。
海外治験は、延泊しやすい施設がおすすめ
上記の通り、自分がどのメンバーに選ばれるかによって何日宿泊するかが異なります。更に、海外に渡航して参加する治験は、以下の様なタイミングで何度も延泊が必要になります
- 初回の健康診断から数日~約1週間後(この時点では「不参加(健康上の問題)」か「それ以外」が一旦確定し、状況に応じて延泊日数の通知が行われる)
- 再健康診断が必要になった場合、そこから数日~約1週間後(この時点で「不参加(健康上の問題)」か「それ以外」により、また延泊日数が通知される)
- 最終的な「不参加」「宿泊先待機」「入所待機」「入所」が確定した後(メンバーに応じて、延泊日数の通知が行われる)
- 「宿泊先待機」または「入所待機」が解除された後(帰国が確定したタイミングで、延泊日数の通知が行われる)
- 「入所」メンバーは、事後の健康診断で何か異常があった場合
つまり、治験に参加した後に、最低でも1回、多くの人は2回以上延泊が必要になる可能性があります。ここで、運悪く宿泊先が見つからず、重いキャリケースを持って歩き回る……などという事になると、それ自体が後の健康診断の結果に影響を与えかねません。
そういった意味では、宿泊先は延泊しやすい施設の方が良いでしょう。この点については、最初に宿泊する段階で、できれば確認しておきましょう。
宿泊先待機の場合の報酬は?
これは治験の内容に関わるところなので公表不能です。
ただ、一般的には入所して投薬されるメンバーに比べると、格段に安くなります。理由は単純で、治験の報酬(負担軽減費)は、基本的には拘束された時間で決まるからです。
例えば、入所20日で20万円の報酬なら、入所待機で2日だけ入所なら約2万円です(正確には少し差が出ると思います)。宿泊先待機の場合、計算式は不明ですが、概ね日本の待機者とあまり差が無い金額と考えていいでしょう。
その為、「海外治験に参加する為、2か月以上の空白期間を作ったけど、報酬は1~2万円程だった」という事もあり得ます。参加の際は、そういった報酬面の覚悟も必要でしょう。
宿泊先待機の場合の注意点
いつでもメールの通知に対応できるよう準備
最も重要なことは、メールが来たら即答できることです。とくに、入所メンバーの体調不良が判明しやすい入所初日は、常にメールでの連絡に注意しましょう。
その為にも、メールが届いたら通知が出るように設定し、もしも参加者を募るメールが届いた場合「参加可能」のように一言だけで即返信しましょう。基本的に先着順になりますので、1秒でも早く返信する事が重要です(この辺は、日本の治験と同様)。
待機解除後も安心できない
実は、待機解除後も安心してはいけません。待機解除となり、帰国の流れに入ってから「空きが出たので、まだ参加可能なら連絡ください」と、メールが来ることがあります。少なくとも、待機解除となってからも入所初日は禁止事項を守り、メールに即答できる体勢を寝るまで維持しましょう。
待機解除後の生活は?
待機解除後、流石に何もせず帰国するのはもったいないです。なので、数日でしたがロンドンで観光もしてきました。
英会話能力がほとんどゼロに等しい私がロンドンを観光した際の内容については、また別の記事でまとめます。
【第1回ロンドン治験】記事一覧
- ①渡航前の申し込み~航空券・宿泊の予約編
- ②ロンドン治験の渡航準備・身辺整理編
- ③海外旅行保険をクレジットカード付帯ですませる際の注意点
- ④出国編1(成田空港出国~仁川国際空港で乗り継ぎ~ヒースロー空港到着まで)
- ⑤出国編2(ヒースロー空港到着~オイスターカード入手~電車とバスで宿泊先に到着するまで)
- ⑥ロンドン生活編
- ⑦事前検診編
- ⑧ロンドンの治験で待機者になった話
- ⑨低英語力&低コミュ力で、ロンドン観光した感想
- ⑩帰国編1(宿泊先出発~ルートン空港~リスト・フェレンツ国際空港到着まで)
- ⑪帰国編2(リスト・フェレンツ国際空港~浦東国際空港~成田国際空港まで)
- ⑫ロンドン治験の経費申請・使った銀行・旅費の結果について
- ⑬ロンドン治験の反省点とまとめ
- 【番外】ロンドンのATMでポンドをキャッシングして、繰り上げ返済してみた
- 【観光】ハリー・ポッターのロケ地とロンドン塔
- 【観光】大英博物館
- 【観光】バッキンガム宮殿とウェストミンスター関連(外観のみ)