【博物館】東京都復興記念館の観光情報と、実際に観光した感想
この記事では「東京都復興記念館の概要と、東京都復興記念館を実際に訪れた際の感想」を中心にまとめます。
「東京都復興記念館に興味がある方」「両国駅周辺を観光予定の方」などの参考になれば嬉しいです。
「東京都復興記念館」の基本情報
- 営業時間:9:00~17:00(最終入館は閉館の30分前)
- 休館日:毎週月曜(月曜が祝日の場合、月曜は開館し翌火曜が休館)、年末年始(12月29日~1月3日)
- 見学料金:無料
- 所要時間:30~60分程度(私は全体を見て、気になった部分だけ解説を読んで45分程。動画を全て見ると、それだけで30分以上あります)
- その他:写真撮影は基本的に可(一部不可の表示あり)
※詳細は変更の可能性もあるため、訪問前には公式HPなどの情報をご確認ください
「東京都復興記念館」とは?
東京都復興記念館は、簡単に言えば「関東大震災と東京空襲に関する博物館」です。
元は「横網町公園」に建つ「震災記念堂(現:東京都慰霊堂)」に震災の記念品を展示する予定だったのですが、1929年に開催された「帝都復興展覧会」の膨大な資料も展示するスペースも必要になった為、「東京都復興記念館」が付帯施設として、同じ公園内に建てられました。
また「震災記念堂」に、第二次世界大戦の東京空襲で亡くなった方々の遺骨を合祀したことにより、「東京都復興記念館」にも東京空襲に関する資料が展示されるようになりました(1階が主に震災関連、2階が主に東京空襲関連の展示です)。
無料の博物館でありながら、展示資料が豊富なため、じっくり解説を読んでいくと60分は超えるボリュームです(ほとんど見ている人はいませんでしたが、動画を全部見ると90分は超えると思います)。
ちなみに、展示資料については以下のデータベースで写真や解説が公開されています。
「東京都復興記念館」へのアクセス
住所は「東京都墨田区横網2丁目3−25」です。
最寄り駅は、都営地下鉄大江戸線の両国駅で、徒歩2分ほど。また、JR両国駅からだと徒歩10分ほどの距離です。
車で訪問する場合、公園には駐車場がありませんので、近隣の有料駐車場を使う事になるかと思います。
「東京都復興記念館」を実際に観光してみた(所要時間45分ほど)
2023年9月1日は、関東大震災から100年の節目になります。
ということで、震災関連の施設に興味を持ち、今回は「東京都復興記念館」を訪問しました。
上の写真は「東京都慰霊堂」。元はこちらの中に震災関連の展示がされる予定だったそうです(現状の展示品の数を考えると、明らかに無理がある…)。
「東京都復興記念館」は、東京都慰霊堂が建つ「横網町公園」内に建っています。距離は徒歩1分ほどです。
建物の入口に窓口はありますが、入場料無料で入れます。窓口前には無料のロッカーもあるので、空きがあれば荷物を預けて見学できます(ただし、利用には100円硬貨が必要)。
1階の展示室のマップはこんな感じです。2階もルートはほぼ決まっているので、順路に迷うことはほとんどありません(若干、1階の「2記録」の部分に入る前で迷う)。
上の写真は、建物に入ってすぐにある関東大震災に関する動画です(長さは10分ほど)。この動画は「東京都慰霊堂」の方でも流れているため、一度見てあればスルーしてOKです(そもそも、じっくり見てる人がほとんどいませんでした)。
1階の展示室は「被害の状況」「被災した人の記録」「避難や救援」「復興の様子」といった形で、概ね震災発生からの時系列順で展示されています。
上の写真は、震災発生直後の「被害の状況」です。当時は「地震が起きたら不要な荷物は持たずに逃げる」という考えはなかったようで、写真の様に家財道具を大八車に積んだ人が横網町公園に殺到したそうです。結果、多くの人が火災に巻き込まれて亡くなりました。
被災の状況の展示では、火災に巻き込まれた道具なども多く展示されていました。上の写真は、火災で炭化した象牙の彫刻です。他にも、溶けた瓶や古銭の塊などもあり、火災の激しさが伝わってきます。
こちらは、震災の状況に関する写真なのですが、写真上部の煙が加工されています。この写真以外にも、いくつか「改変された写真」が展示されており、100年経っても人間は根本的なところで変わっていないなぁと改めて感じました。
震災の被害の状況に関する展示の最後には「震災記念おとぎ歌舞伎 閻魔裁判鯰髭抜」という31分11秒の動画がありました。
原作は「震災から一年後に発行された、関東大震災を題材とした子供向けの演劇脚本」だそうで、キャラクターデザインはしりあがり寿さん。セリフは原作に忠実に江戸~大正時代の口調でありながら、イラストの分かりやすさで、内容は伝わってくる……という力作品です。が、連続31分という長さ、子供向けっぽいイラスト、それでいてセリフが現代語でなく分かりにくい……という事もあってか、私が訪れた際は皆スルーしてる状況でした。内容が気になる方は、事前に余裕を持ったスケジュールで訪問しましょう。
上の写真は、1階展示室の「記録」のエリア。当時の新聞や、被災した子供の体験などが多く残されていました。また、写真奥の方には復興の支援活動に関する展示もあり、関東大震災を海外がどのように認識していたかも伝わってきます。
2階に上がると、ホールには震災関連の絵画などが展示されていました。
上の写真は、2階の中央展示室。壁は徳永柳洲と、有島生馬の描いた震災関連の絵画が展示されており、中央には震災復興を記念して実施された「帝都復興展覧会」で出展された復興大模型があります。
2階の中央展示室の外側を回る様な回廊は、主に第二次大戦中の東京空襲に関する展示です。内容は「被災した道具」や「写真や図表」などの東京空襲や、そこからの復興に関するものになっています。上の写真は、被災した道具の中にあった焼けた日本刀です。
ちなみに、2階の回廊後半は企画展示コーナーとなっています。私が訪れた際は、「関東大震災での実際の避難体験」について展示されており、避難ルートの図も含めて、当時の人がどのような判断をしながら火災から逃げ延びたのかが伝わってきました。
「東京都復興記念館」の周囲の観光情報
「東京都復興記念館」を観光するのであれば、建物のある横網町公園の中は一通り見て回ってもいいでしょう。公園内には「東京都慰霊堂」の他、震災関連の慰霊碑もあり、震災関連の史跡巡りや、歴史学習には向いています。
また、徒歩10分ほどの範囲には「両国国技館」「刀剣博物館」「すみだ北斎美術館」などがあります。「刀剣博物館」と「すみだ北斎美術館」については、入場券がお互いの割引券にもなるため(当日のみ有効)、興味がある方は両方一度に訪れてみてもいいでしょう。