【世界遺産】「ストーンヘンジ」の観光情報と、実際に観光した感想
この記事では、世界遺産である「ストーンヘンジ」の観光情報と、中学生以下の英語力で観光した際の感想をまとめます。
「ストーンヘンジに行く予定の方」「英語に自信が無いけど、イギリス旅行を考えている方」などの参考になれば嬉しいです。
ストーンヘンジの観光情報
- 営業時間:9:30~17:00頃。最終入場は閉館の2時間前。季節によって変化するため、詳細は公式HPをご確認ください。
- 定休日:12月24、25日
- 見学料金:ピークやオフピーク、年齢などで変化します。スタンダードのオンライン予約は大人23.6ポンド(詳細はこちら)
- ガイド:なし。日本語ガイド付きバスツアーはありますが、基本的には自由行動です。
- 所要時間:60~90分ほど。
- 写真撮影:可
- イベント:夏至の日などに祭典が行われます。この際は、ストーンヘンジの石に触れる事もでき、しかも入場料が無料です。
- 注意点:移動に時間とお金がかかります。長距離バスもありますが、本数が少ない為、基本的には宿泊前提の旅行か、バスツアーをおすすめします(夏至の日などのお祭りなら、長距離バスも有効)。
※詳細は変更の可能性もあるため、訪問前には公式HPなどの情報をご確認ください
ストーンヘンジまでのアクセス
ストーンヘンジの住所は「Salisbury SP4 7DE」です。
ストーンヘンジまで公共交通機関で移動するのは大変です。
ストーンヘンジの写真を見るとわかるかと思いますが、周囲に民家は少なく、移動経路が充実していないためけっこう時間がかかります(ロンドンの中心地の方からだと2時間以上)。
また、鉄道の交通費が高く、ロンドン中心部の方から最寄りの「ソールズベリー駅」までで、オフピークのチケットでも片道5,000円程度とられます(通勤時間帯で割引なしだと片道8,000円以上!)。
更に、長距離バスは本数が限られてしまう為、日帰り観光で往復するのには利用できません。例えば、海外旅行ではよく使われる交通機関の比較アプリ「Omio」で検索すると、基本的に往路は17:30発、復路は9:50発のものしかありません。
そこで「日帰り観光するなら日本語ガイド付きバスツアー」の利用がおすすめです。日本語ガイド付きバスツアーの場合、他にもウィンザー城や世界遺産のバース市街も含めて、1日で旅行が可能です(VELITAだと、バースがオックスフォードになっているプランもある)。
ただし繁忙期やツアー直前は、予約が埋まってしまう事もあります。確実に観光したい場合は早めに予約しておきましょう(24時間前まで無料キャンセルできるサービスもありますので、早めに仮予約を入れても大丈夫です)。
例外的に、長距離バスでの往復が可能なのは春分・秋分・夏至・冬至で行われるお祭りです。この際は夜のバスで到着し(しかも入場料無料で、石に触れる事もできる)、お祭りを楽しんでから、朝のバスで帰宅する事が可能です。
イギリスの長距離移動なら「Omio」がオススメ
イギリスで長距離の移動をするなら「Omio」での予約がおすすめです。簡単にメリットをまとめると、以下の通りです。
- 複数の移動手段(電車・バス・航空機など)について「費用」と「時間」を比較できる
- Omioに登録するだけで、複数の会社のサービスが利用できる
- 日本語で利用できる
とくに、イギリスの場合は鉄道の料金が高いため、私の出会った海外旅行者のほとんどは、Omioを使って複数のルートを比較していました。長距離移動を伴う旅行を計画している場合、利用することをおすすめします。
ストーンヘンジとは?
簡単に言ってしまえば「ソールズベリー平原にある環状列石で、世界的に有名なイギリス先史時代の遺跡」です。世界七不思議の1つにも数えられています。
夏至の日には、ヒール・ストーン(高さ6mの玄武岩)と、中心の祭壇石を結ぶ直線上に太陽が昇ることから、高度な天文学の知識を古代人が有していたことも示しています。ただし、遺跡の利用目的については不明で、諸説あります(太陽崇拝や、墓地の説が有力)。
ちなみに、先に出てきた「ヒール・ストーン」のように、石には用語があり、巨大な門の形の組石が「トリリトン」(高さ約7m)、高さ4~5mで、直径100mの円を描く様に置かれた30個の立石が「メンヒル」です。
紀元前3000〜前1500年頃から何度も作り直された結果、環状列石は何重にもなっています。また、それぞれの石は遠方から運ばれてきたものだそうです(遠いものだと250km移動させたという話も)。
ストーンヘンジを観光してみた(夏至の日の祭典)
運よく、夏至の日の祭典(6月21日)にスケジュールが調整できたため、ストーンヘンジのお祭りに参加してきました。
なんと、この日はストーンヘンジの間近まで近づくことができ、石に直接触ることも認められています(というか、乗ったり、座ったりしてる)。
しかも、夜~朝にかけてお祭りが行われているため、移動も日帰りで長距離バスの利用が可能という、ストーンヘンジ観光において、非常にお得なタイミングでした(しいて言えば、ビジターセンターの観光ができないのが残念。縄文土器の展示があったそうなので、気になりました)。
ちなみ、夏至以外でも、春分・秋分・冬至の日も同様のイベントが行われているそうですが、正直夜は夏至でもかなり寒く、上着が必要です。冬至の日の祭典に参加するのであれば、しっかりとした防寒着が必要かと思います。
ストーンヘンジの祭典に参加する際の注意点
上着は必須(日の出頃は、夏至でもかなり寒い)
今回、夏至の日に参加しましたが、半袖では猛烈に寒いです。
この時期になると、日中帯のロンドンの観光は暑くて苦戦するくらいなのですが、ソールズベリーの日の出前頃は、焚火があっても寒い程です。帰宅しようにも、深夜は交通機関がストップしてしまうので、必ず上着が持っていくようにしましょう(私は忘れましたが……)。
荷物の量の制限は、案外緩かった
「荷物は小さいリュックにしてください」と、公式でサイズまで明記して制限があったのですが、全然守っている感じがありません。
むしろ、仮装グッズを大型のリュックに入れて持ってきている人もおり、いったいあのサイズ規定は何だったのかという感じでした。
少なくとも、指定サイズギリギリくらいのビジネスリュックであれば問題にはなりませんので、無理に荷物を限定はしなくて大丈夫でした(私は小型のショルダーバッグだけにしたので、財布やバッテリーなどの最低限の物しか持ち込めませんでした)。
英会話が苦手な人が一人で長距離バスを使うと、暇になる可能性が高い
長距離バスで訪れる場合、ストーンヘンジの滞在時間は6~9時間くらいになるかと思います(ビジターセンターからの移動含む)。
現地では、お祭りの様な物が行われていますが、正直何をやっているのか英語なのでよくわかりません。また、日本の神社やお寺で行われているような統一感のある儀式と言うより、「散発的に何かやってる」という感じの儀式なので、一人で見ていると、正直飽きます。実際、私が訪れた際は、寝袋を使い、日の出を待ちながら寝ている人も多かったです(日が出ても寝てる人も……)。
現地の人と仲良くなれるくらいの英語力があれば良いのですが、それが無理ならバスツアーを利用して、深夜に到着して日の出のすぐ後に帰宅することで、滞在時間を短くするのも手です。英語のバスツアーの他、旅LONDOで日本語のバスツアーが開催される事もありますので、ツアーで知り合った人と楽しむのも良いでしょう。
猛烈に混雑する(人がいない状況で楽しみたいなら、平常時の方が良い)
体験内容で写真も記載しますが、石の周りは猛烈に混雑した状態になります。
日の出の後は少しずつ人が減っていきますが「周囲に人が少ない状態で、ストーンヘンジを撮影したい」という人であれば、平常時のストーンヘンジ観光をした方が向いています。
また、「石の周囲で何か儀式っぽい事をやっている」事は分かっても、混雑の影響で具体的に何をやっているのかサッパリ見えない事が多いです。
ビジターセンターには入れない
祭典の際は、ビジターセンターは閉まっています。
私が訪れた際は、平常時は日本の縄文土器なども展示されていたそうだったので、是非とも見学したかったのですが、残念ながら同時に見学はできませんでした。
ストーンヘンジまでの移動
夏至の日の祭典に行く場合、長距離バスを使った移動方法は以下のようになります。
- ヴィクトリア・コーチ・ステーションで長距離バスに乗車
- 長距離バスのソールズベリー駅で下車(鉄道のソールズベリー駅とは別)
- 鉄道のソールズベリー駅前にあるバス停で、バスに乗車
- ビジターセンター前のバス停で下車
- 徒歩でストーンヘンジへ(30分くらい歩きます)
通常は、長距離バスで向かうとソールズベリー到着が21:00を過ぎてしまい、ストーンヘンジの観光ができないのですが、祭典の日は夕方から朝にかけてオープンしているので、長距離バスで往復するのに向いています(とはいえ、滞在時間がかなり長くなります)。
上の写真は、長距離バスのソールズベリー駅。赤い扉は有料トイレです(料金は50ペンス。一部はクレジットカード払い対応でした)。
ストーンヘンジまでは、鉄道のソールズベリー駅前のバス停まで歩いて移動が必要です。駅前には、祭典の期間限定と思われるバスの看板が出ていました。私が訪れた際は、ルート333のストーンヘンジ行きに乗車しました。バスの正面や横に表示があるので、乗るべきバスは直ぐに判断できました。乗車時、運転席前で支払いを行います。往復のチケットはReturn ticketを指定すれば購入でき、若干割り引かれます。 1時間少々かけて、ストーンヘンジのビジターセンター前に到着。お祭りの影響でかなり道路が混雑していました(帰りは20分ちょっとで駅まで戻れました)。移動途中に、夏至の日を示す看板も出ていました。周囲は住宅地などもないため、照明がない場所は真っ暗です。ビジターセンターから30分ほど歩き、セキュリティゲートに到着。ここで荷物のチェックを受けて、中に入ります(普段の観光では、ビジターセンターからのバスがあります)。
ストーンヘンジの様子
草原の中に唐突に出現する巨大な環状列石。真っ暗な中、青い光に照らしだされていました。
夜なのでナイトビジョンで撮影してみたら、何かB級映画の舞台セットみたいな写真になりました。ストーンヘンジの中央の方は、足の踏み場もない程に人が密集しています。夜通し何かの踊りや演奏のようなものが行われていました。
ちなみに、足の踏み場もない程に人が密集している上に、地面で横になって寝ている人も大勢います。真っ暗な状態なので、踏まないように注意が必要です。 ストーンヘンジから少し離れた場所では、演奏などのパフォーマンスも行われていました。 夏至の人はいえ、ソールズベリーの夜はかなり寒くなります。私が確認した限りでは、焚火が2か所で行われていました(寒いので人が多く、2か所では足りないくらいでした)。
深夜1時30分頃。突如謎の山車が登場。謎の集団が、やはり謎の儀式の様なことを何時間も続けていました(若干、チベット僧みたいな雰囲気でしたが、謎です)。
一応、飲食の出店も4店舗ほど出ていました。寒くなるので、ここで温かい食事を購入する事も出来ますが、料金はかなり高めです(少し小さめのピザが3,000円弱とか)。4時前頃から周囲が明るくなってきました。ただ、かなり霧が濃い状態です。
ストーンヘンジのちょっと外れの方で、ドルイドっぽい仮装をした人が何かの儀式のようなものをしていました。が、人が多すぎて何をやっていたのかわかりませんでした。
5時頃、霧が晴れて太陽が見えてきました。「ヒール・ストーンと、中心の祭壇石を結ぶ直線上に太陽が昇る」という知識はあったのですが、そんな位置をとれる程の余裕が無い程に混雑しています。ちなみに、この日の日の出時刻は4時52分頃です。
日の出を撮影したあたりから、少しずつ来場者が帰宅を始めます。私は、帰宅の長距離バスが9:50出発なので、少し残って撮影を続けました。
6時前頃に撮影。背の低い岩の上は、多くの人が座っていました。
明るくなってきたので、石の表面がきれいに撮影できます。石の表面に育つ植物も良く見えました。
人が減ってくると、じっくりと石に触れる事も出来ます。夜は体力を温存しておいて、閉鎖時間ギリギリまで人が減るのを待つのもありかなと思います。
ストーンヘンジからの帰宅
日の出を見た後くらいから、人がどんどん帰宅していきます。ちなみに、6月21日の来場者は1万人ほど。かなりの人数だと思いましたが、コロナ前の来場者と比べれば空いていたみたいです。
とはいえ、駐車場からの帰宅の自動車はかなり混雑していました。6時30分時点で、自家用車は駐車場から出られる気配がありません。
ソールズベリーへの帰りのバスは、ビジターセンター前から出ています。事前に購入しておいた往復のチケットを使えば乗車できます(チケットの確認が無かった気がしますが…)。
ちなみに、駐車場の自動車は出口の関係で混雑していましたが、道路自体は空いていたのでバスは20分ちょっとでソールズベリー駅まで到着しました(行きの半分以下です)。
ストーンヘンジ関連の観光は?
エイヴベリーの巨石遺跡と関連遺産群
今回、ストーンヘンジ観光を紹介しましたが、世界遺産としては「ストーンヘンジ、エイヴベリーの巨石遺跡と関連遺跡群」であり、構成資産には「エイヴベリーの巨石遺跡」も含まれます。
「関連遺跡群」というだけあって、エイヴベリー側には巨石遺跡が点在しており、これらを効率的に観光していくとなったら、レンタカーなど、自由に使える自動車での移動ができないと厳しく、ストーンヘンジよりも観光の難易度は大幅に上がります(徒歩だとそれぞれの遺跡の間の移動でけっこう時間が取られるし、公共交通機関は充実していない)。
ちなみに、対象には以下の様なものがあります(Wikipediaから抜粋)。
- The Lesser Cursus
- Durrington Walls
- ウッドヘンジ
- Coneybury Henge
- King Barrow Ridge
- Winterbourne Stoke Barrow Group
- Normanton Down Barrow Group
- Vespasian’s Camp
その他、バスツアーを利用する場合は「ウィンザー城」「バース市街(世界遺産)」「オックスフォード」などを、ストーンヘンジとともに1日で見学できるツアーがあります。短期間で多くの場所を観光したい時や、交通機関などの調査に労力を割きたくない場合は、ツアーを検討してみてもいいでしょう。
ソールズベリー大聖堂
日本人には有名ではないと思いますが、ソールズベリーにもやはり観光地はあります。
上の写真は、帰宅の長距離バスを待つ間で行ってみたソールズベリー大聖堂。1330年に完成した尖塔の高さは123メートルで、イギリスで最も高い尖塔とされています。
大聖堂と言うだけあり、かなりの規模があります。壁面には多くの彫像があり、それぞれ個性的なポーズです。
たまに見かける「チョリース」のポーズの像。宗教的には、どんな意味合いがあるのでしょうか?
回廊部分までは、無料で入ることができました。 回廊の中庭。中までは立ち入り禁止です。
残念ながら、長距離バスの出発時刻が9:50なので、中までじっくりと見学する時間はありませんでした。機会があれば、またソールズベリーまで行ってみたいです。
ストーンヘンジの観光で必要だった英会話
この日は、現地で知り合った日本人と一緒に観光していたおかげで、複雑な英会話は一切必要ありませんでした(いざとなったら、通訳してくれました)。
強いて言えば、一人で旅行をしたと仮定すると、バスに乗る際の英会話が一番難易度高かったと思います。
もしも英会話に自信が無い場合は、「I want to go to stonehenge.」と言いつつ、スマホでストーンヘンジを見せれば理解してもらえるかと思います。
また、チケットを片道か、往復か聞かれる可能性があるので、その際は「Return ticket please.」と言っておけば、往復であることを理解してもらえると思います(ちなみに、アメリカ英語だと「Round Trip Ticket」になります)。