【体験記】世界遺産検定2級に合格した際の勉強時間・勉強方法・教材について
2022年3月7日、世界遺産検定2級を受験し、無事合格しました。
この記事では、以下の内容を中心にまとめたいと思います。
- 世界遺産検定2級合格までの勉強時間(途中経過含む)
- 世界遺産検定2級で使った参考書と勉強方法
世界遺産検定2級、合格体験記のまとめ
- 世界遺産検定3級合格から、15時間39分の勉強で、過去問は6連続合格ラインを超えた
- 33時間33分まで勉強したけど、本番は72点で点数が上がらなかった(直前でサボった影響も大きいですが…)
- 高得点狙いの場合、2級のテキストだけでは足りない(2割はテキスト外から出題)
- 過去問から類似問題は出るけど、あまり多くはない
- 過去問の類似問題が一定数出題される為、合格ラインまでは難しくない。でも、そこから点を上げるのは大変
- 直近の世界遺産に関する情報については、問題集・テキスト以外からも学んでおくこと
受験前のスペック
簡単に受験前のスペックは「2021年11月28日に世界遺産検定3級を受験し、75点で合格」という状態です。
世界遺産検定3級の受験体験については、以下の記事にまとめておきました。
世界遺産検定2級合格までの勉強時間は、33時間33分(合格ラインは15時間39分)
勉強時間は33時間33分になりました(Studyplusで計測)。
このうち、15時間39分の勉強を進めた時点で、過去問に6回取り組み、全て合格点を超えることができました。
ただし、後述しますがこの時点での点数は合格点のものもありましたので、余裕のラインではなく、あくまで合格ラインを少し超えた程度と考えた方が良いでしょう。
その後、過去問を繰り返し解きつつ、テキストを読んだりしたのですが……脚本の勉強の方が忙しくなり、3月に入ってからは試験直前の2時間しか勉強できないという、スケジュール面で大きなミスを犯しました。
教材ごとの学習時間は、以下のようになりました(各教材右から、3月、2月、1月、12月の勉強時間です)。
世界遺産検定2級で実際に利用した教材
最短合格!世界遺産検定2級
一番利用した時間が長いのが、実はこのアプリ。他の教材と違い、非公式の問題集ですが、内容は本番でしっかり通用するような「実際に出されそうな問題」でできています。
最大のメリットは、スマホ一台で問題演習ができるところ。また、収録問題数も407問と、過去問6回分以上を収録しているため、この問題集だけで過去問3冊分以上の演習量を積めます。
また、最新の世界遺産の事情にも一部触れているため、時事問題系も対応できます。
デメリット、というか注意点としては、この問題集だけでは、せいぜい合格ラインより少し上程度までしか学習できない事。世界遺産検定2級は、世界遺産だけでも323件が出題範囲になるため、「あまり出題されないもの」については、かなりバッサリ切り捨てている印象です。
高得点はいらないから、短期間・短時間で合格を目指したい人であれば、過去問よりも購入の価値があると思います。
世界遺産検定公式過去問題集1・2級
公式の過去問です。問題演習のコスパとしては、先に掲載した「最短合格!世界遺産検定2級」の方に軍配が上がりますが、より本番同様の出題形式を味わうことができるため、本番の感覚がつかめます。
注意点としては、「年度によって、解説が付随していない」「年度によって、収録問題数が異なる」というところ。
私が確認した限りでは、解説の状態・問題数は以下のようになっています。
- 2011年度版:1問ごとに解説あり。ただし、2級の収録数は60問
- 2012~2014年度版:解説は2011年度版より短く、解説の無い問題もある。ただし、テキストとの対応付けがある。2級の収録数は120問。
- 2015~2016年度版:解説もテキストとの対応付けも無し。2級の収録数は240問。
- 2022年度版:例題と解説が掲載(記事執筆時点では販売前の為、詳細は未確認)。2級の収録数は180問
また、2022年度版の商品説明から「例題と解説」は2022年度版から掲載となっているため、2017~2021年度版についても、解説やテキストとの対応付けは掲載が無いものと思われます。
くわしく学ぶ世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト
公式のテキストで、高得点を目指したい人であれば必須のアイテムとなります。
ただし「3~4級のテキストに掲載されているが、2級には含まれない遺産」が、私が確認しただけで54件あります。公式で「2級試験はこのテキストから8割以上が出題されます」と記載があったため、2割は3~4級、または1級から出題があると考えた方が無難です。もしも、満点狙いで行きたい場合は、他の級の最新版テキストも準備した方が良いでしょう。
過去問とテキストの対応付けを行う場合は、わざと古いものを購入する必要があります。私は2013年に出版されたものを1冊購入しました(もちろん、情報が古くなるので、その点は不利になります)。
また、公式に訂正情報があります。学習前に、テキストの訂正を行うようにしましょう。
世界遺産検定2級の勉強方法
ここからは私が実際に行った勉強方法を元に「短時間で合格することを目指した勉強方法」を解説します。
ちなみに、世界遺産検定2級は出題範囲の8割だけで世界遺産数が約323件と膨大で、合格ラインからは点数が上がりにくい印象でした。高得点を狙う場合、あまり出題されないマイナーな世界遺産も覚えていく必要があるため、その分だけコスパが悪い勉強も必要になってきます。
【最初】『最短合格!世界遺産検定2級』をほぼ間違えないまで繰り返す
まず『最短合格!世界遺産検定2級』で、演習しながら暗記していきます。
理由としては、以下のようになります。
- 公式の過去問を使うよりも、問題と解説の往復の時間がかからない
- 問題の演習量が、過去問3冊分よりも多い
- テキストから始めると、覚える量が膨大過ぎる(世界遺産全てを覚えるのは、短時間では非現実的)
- ほぼ間違えないまで繰り返すレベルになれば、合格ラインには届く
まとめると「合格ラインに達する程度の勉強量で、問題を解けばすぐに解説が読める」というのが理由です。
またテキストを読み込んで学習した場合、どうしても「学習量が足りているのか?」の判断が難しくなります。その点については「問題を間違えなくなった」という基準で判断できるため、学習の過不足の判断を誤る可能性を低くできます。
【問題演習後】『世界遺産検定過去問題集』を使い実力診断
問題集で間違えなくなってきたら、公式の過去問を使います。
主な理由は『実力診断』。ついでに『出題形式』にも慣れておきます。
正直『出題形式』については、実質全て4択問題なので、あまり慣れる必要性はありませんが、前置きのように「友人から送られてきた手紙」や「親子の会話」などがはさまる問題もありますので、一応慣れておきましょう。
『実力診断』の結果、合格ラインを越えられない場合は「問題集をしっかり理解できているか?」を確認しておいた方が良いでしょう。問題に慣れてしまうと「理解してはいないけど、問題文を読めば正解の選択肢がわかる」状態になってしまうため、こういった場合は、理解ができるまで問題をやり込むようにしましょう。
また『実力診断』と同時に、「自分が苦手な問題」「理解が足りていない分野」を把握しておきましょう。
私の実力診断結果
ちなみに、私は世界遺産検定3級から合格から、ほとんど『最短合格!世界遺産検定2級』だけで15時間39分勉強し、過去問を解いたところ、以下のような結果となりました。
- 2013年7月:80点(合格点60点。平均点61.4点)
- 2013年12月:64点(合格点55点。平均点52.2点)
- 2012年7月:71点(合格点60点。平均点56.5点)
- 2012年12月:59点(合格点56点。平均点52.5点)
- 2011年7月:71点(合格点60点。平均点63.45点)
- 2011年12月:65点(合格点60点。平均点58.25点)
最初に解いた2013年7月が最高得点という皮肉な結果です。全て一応合格点は超えていますが、危なっかしい結果となりました。
ただ、時事問題や「当時と今で変わっている遺産」については、解答不能なものもあったため、その分を考慮すれば数点は上がるかなという手ごたえでした。
安い中古の過去問ばかり利用したため、合格点が60点を下回っているものもありますが、CBT方式を利用している現状では、合格点はまず60点で固定なのかなと思います。
【実力診断後】テキストで補強する
合格ラインを少し超えるくらいになっていた場合、テキストを使って以下の部分を重点的に学習しましょう。
- 『世界遺産の基礎知識』の分野
- 『日本の遺産』の分野
- 自分が苦手・理解が足りていない問題(マイナーな遺産の個別の知識を除く)
『世界遺産の基礎知識』と『日本の遺産』については、出題数の割に覚える内容が少なく、コスパが良いので優先的に細かな知識も学習していきます。
また学習していく中で「自分が苦手・理解が足りていない」と明らかに感じた部分があれば学習するようにしましょう。ただし、マイナーな外国の遺産は理解が足りていなくてもOKです。
一方、世界の遺産(日本国外の遺産)の中でも以下のような遺産については優先的に学習することをおすすめします。
- 「最も○○な遺産」「世界で最初の○○遺産」「唯一の○○」「数少ない○○」
- テキストで大きく扱われている遺産
- ヨーロッパの建築様式と近現代建築
- 文化的景観が認められている遺産
- シリアルノミネーションサイト/トランスバウンダリーサイト
とくに「最も○○な遺産」「世界で最初の○○遺産」「唯一の○○」「数少ない○○」「テキストで大きく扱われている遺産」については、できるだけ覚えておきましょう。こういった遺産は出題率が高いため、優先的に学習します。逆に「特徴的な記載が無く、テキストでも小さく扱われている遺産」は、高得点狙いでなければ捨ててOKです。優先すべき遺産を確実に暗記しましょう。
また、ヨーロッパの建築様式や近現代建築については、出題率が高いです。建築様式などは学校の授業などでも簡単に触れたことがある人も多いと思いますので、知識を整理しておけば比較的容易に点数につながります。(建築様式は、日本の神社本殿や伽藍配置も頻出分野です)。
「文化的景観」「シリアルノミネーションサイト」「トランスバウンダリーサイト」については、世界遺産の基礎知識とも関連して知識を問われることがありますので、テキストで写真付きで紹介されている場所などは、できるだけ覚えておくといいでしょう。
【試験直前】最近登録・審議された遺産、ニュースになった遺産
最近登録された・審議された遺産や、ニュースになった遺産についても出題があります。
まず、確実に抑えるべき内容は「直近の世界遺産委員会」の内容です。全てを覚えるのは難しいと思うので、以下の様に特徴的なところをおさえましょう。とくに、新規で登録された日本の遺産があれば、詳細に調べるようにしましょう。
- 世界遺産委員会の開催国と都市
- 開催時にあった特別な出来事
- 新しく登録された日本の遺産
- 登録抹消された遺産
- 危機遺産リストから除去された遺産
- 危機遺産リストに追加された遺産
できれば、上記以外も確認しておいた方が本番で正解できる確率が上がりますが、短期決戦の場合は上記のような「特徴的な遺産・出来事」を攻めた方が無難です。どうしても時間が無い場合は世界遺産検定の「研究員ブログ」の最新の世界遺産委員会に関する記事だけでも目を通しておきましょう。
また、世界遺産に関する試験の少し前くらいのニュースについても目を通しておきましょう。
世界遺産に関するニュースについては、世界遺産アカデミーで「マイスターの世界遺産ニュース」という形でまとめてくれています(量が膨大過ぎますが…)。
同様に、先ほど紹介した世界遺産検定の「研究員ブログ」でも、世界遺産に関する時事問題を確認することができます(こちらは量が少ないです)。
実際の世界遺産検定2級当日(CBT方式でした)
試験は3月7日。試験はCBT方式。資格予備校で有名なTACにお邪魔してきました。
試験時間は60分。見直したい問題についてはチェックを入れられる方式で、メモ用紙1枚とボールペンも使用可能でした(ほぼ使いませんでした)。
私が受験した際のCBT方式では、受験票は存在せず、身分証明書だけで受験可能でした。なんと、顔写真付きの国家資格なら「工事担任者」でも「危険物取扱者」でもOKとのことでしたので、試しに「第三種冷凍機械責任者」の免状を出してみたら、あっさり承認されました。
試験終了後は、3級の時と同様に即座に試験結果のレポートが印刷されました。その結果がこちら。
- 基礎知識:16点/20点
- 日本の遺産:21点/25点
- 自然遺産:6点/10点
- 文化遺産:19点/35点
- その他:10点/10点
- 合計:72点/100点
合格基準(60点)はしっかりと超えることができましたが……正直、あまり点が伸びませんでした。
2021年の12月に最も力を入れて12時間以上勉強し、3月は2時間しか勉強しないという明らかにペース配分と学習計画のミスです。
弁解させてもらうなら、12月に想定していた数倍の時間を脚本の勉強に取られ「世界遺産検定の勉強している場合じゃねえ!」という心境で、ここ数カ月過ごしていたので、正直やむを得ないといった感じです。
世界遺産検定2級の反省点と、1級に向けた想定
今回は反省点はほとんどありません。
脚本の勉強が忙しくて、あまり集中して勉強ができなかった状態ではありますが、無理に集中して優先順位を上げるべきではなかったと思いますので、「今の状況なら、この結果で十分か」という感じです。
また、元から趣味で受験している試験なので「この資格を取ったけど役に立たなかった!」ということは、今回は全く気になりません(まあ、どんな資格でもだいたい気にしませんが)。1級については、余裕があれば来年受験したいと思います。
1級の勉強計画を立てるため、難易度や勉強時間について以下の記事にまとめました(ついでに2~3級含む)。興味がある方は、参考にしていただければ幸いです。
世界遺産検定3級の合格体験記
3級を受験した際の詳細については、以下の記事にまとめてあります。3級の受験を考えている方の参考にしていただければ幸いです。