世界遺産検定1級の時事問題の対策方法と、学習に利用できるサイト

10月 30, 2022世界遺産検定

世界遺産検定1級で、毎年テキスト外から出題されてくる厄介な時事問題。参考書に記載がないため、自力で情報収集して対策する必要があります。

時事問題は最初から捨ててしまうと合格が困難になってしまう一方、学習量の割に出題率が高い内容でもあり「海外の世界遺産よりは効率的に点を上げやすい範囲」と考えられます。

この記事では、そんな世界遺産検定1級の時事問題について「時事問題の特徴」「具体的な出題傾向」「学習に利用できるサイト」「時事問題の勉強方法」を中心にまとめたいと思います。

時事問題の特徴

時事問題の出題数は9問前後。ただし、テキストの知識で解ける問題もある

結論から言うと、おおむね公式で『その他』とされる範囲からの出題数≒9問」が時事問題と考えられます。

正直なところ「時事問題風の問題文だけど、正解できるかはテキストの知識の有無」という問題もあるため、何を時事問題としてカウントするかは難しいです。

私が個人的に「テキストの知識よりも、時事問題としての知識が重要になりそうな問題」をカウントした結果は以下のようになりました(対象は1つ前のテキスト以降の範囲である2016年7月以降です)。

試験の実施年月時事知識が重要になる問題数
2016年7月11問
2016年12月10問
2017年7月6問
2017年12月8問
2018年7月6問
2018年12月3問
2019年7月5問
2019年12月6問
2020年7月8問
2020年12月7問
2021年7月12問
2021年12月5問

私のカウントでは、9問を下回る事が多いという傾向になりました。

ただ、先に述べた通り「時事に関係するが、テキストの知識が問われる問題(例:「国際サンゴ礁年にちなんで、珊瑚礁に系の遺産を問う問題」など)」はカウントしていません。ですので「出題された理由に時事が絡むが、テキストの知識で解答できる問題」も含めると9問程度が出題の目安だと考えるのが無難かと思います。

つまり、世界遺産検定1級の問題比率における「その他」≒「時事問題」とみなしていい数値だと思います。

狒々山
狒々山
時事問題以外で、テキストに含まれない内容が問われた問題はほぼ確認できませんでした。基本的に、時事問題対策以外は、テキストと過去問で仕上げればOKです。

出題範囲は、おおむね試験の1年前~1か月前

新しいものでは、試験1か月前の状況が問われたことがありました(多くは2~3カ月前まで)。

一方、毎年2回実施されている試験であるため、古いものでも去年までの出来事が多いです(数年前まで遡るものもありますが、かなり少数です)。

また、世界遺産委員会が延期になった場合は、前回の世界遺産委員会(2年以上前)からも出題される可能性がありますので、その点は注意が必要です。

狒々山
狒々山
試験1か月前くらいのものまで問われることがあるため、時事問題の対策は試験1~2か月前くらいから開始するのがおすすめです。早目から勉強する場合は、前回の世界遺産委員会の内容の様に、既に確定している内容から進めましょう。

前々回登録された世界遺産は?

今回、時事問題から省きましたが、前々回の世界遺産委員会で登録された遺産も度々登場しました。

単純に登場しただけでなく、問題文に「○○年に登録された……」などと記載があった事から、出題者側としては、前々回の世界遺産委員会で登録された遺産も、時事問題として意図している可能性はあります

ただ、登録される遺産数は近年では毎年約20件。その中から1問出るか出ないかとなると、出題率的には「コスパは微妙~悪い」といったレベルです。出題率が高い遺産(日本と海外の350件程度の遺産)の学習が終わってない人は、手を出さない方が無難です。

狒々山
狒々山
委員会の延期などで1回の世界遺産委員会で2回分が審議された際は、その中からの出題率が高い傾向がありました。学習量は多くなってしまいますが、2回分が一度に審議された場合は、全体的に学習しましょう。

時事問題風だが、実質テキストの知識の問題もある

先にも述べましたが、「時事に絡んでいるが、テキストの知識が中心に問われる問題」もあります

例えば「遺産の修復作業に絡めて、真正性を問う問題」「中止されたお祭りに絡めて、無形文化遺産を問う問題」などです。

これらについては「テキストの特定の内容が出題されやすくなる」という影響があるものの、細かなニュースを全て確認して、テキストとの関連性を調べるのは現実的ではありません。ですので「世界遺産検定に関係しそうなニュースに気づいたら、その関係を念のため注意して学習する」という程度で対策するくらいが効率的だと思います。

ちなみに「○○年」にちなんだ問題は、過去に以下のようなものがありましたが、やはり全て調べ上げて対策を打つのは現実的ではないため、深追いは禁物です。

「○○年」系問題

  • アメリカ合衆国の独立宣言240年で、『独立記念館』関連の出題(2016年12月)
  • ヌルハチの後金建国から400年で、『陽の故宮』関連の出題(2016年12月)
  • デンマークと日本の国交樹立150周年で、『イルリサット・アイスフィヨルド』関連の出題(2017年12月)
  • レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年にちなんだ出題(2019年7月)
  • 「国際サンゴ礁年」にちなんだ出題(2018年12月)

日本の遺産は優先的に学習

これは当たり前ですが、海外の世界遺産より日本の遺産の方が出題率が高いです。

また、海外の遺産の場合は「有名な遺産」や「大きな事件」でないとあまり問題になりにくいですが、日本の遺産の場合は比較的小さな出来事でも問われる可能性があります

ただし、日本の遺産の小さな事件を徹底して追及していくと、結局時間がかかりすぎてしまいます。情報収集は程々のところまでにしておくといいでしょう。

狒々山
狒々山
後述しますが、まとめサイトなどを活用して、そこに含まれない情報は全て切り捨ててしまうくらいがおすすめです。

時事問題で対策すべき主な内容

時事問題で優先的に学習する内容は、以下の通りです。

時事問題で対策すべき主な内容

  1. 前回・次回の世界遺産委員会について(1回の試験で平均2問くらい出ます。新規登録の遺産は除く)
  2. UNESCO関連の時事(出題率は低いが、覚える内容は少ない)
  3. 審議予定の日本の遺産(1回の試験で1問弱出ます。とくに、直近1年で動きがあったら注意)
  4. 世界遺産で起こった大きな出来事(遺産にマイナスの影響が出たものは特に注意)
  5. 新規で登録された遺産(日本の遺産は確実に学習。その他は特徴的なものを優先)
  6. 過去1年で大きな出来事のあった国の遺産

基本的には、1番から順にコスパが良い内容だと思いますが、上記6項目はできるだけ全体的に学習した方が良いでしょう。

各項目の詳細は、後述していきます。

具体的な時事問題の出題内容

前回・次回の世界遺産委員会について(新規登録された遺産を除く)

新規登録された世界遺産については、内容が多いため、別の項目に分離します

前回・次回の世界遺産委員会に関する出題は、私が確認した2016年7月~2021年12月の過去問12回で24問の出題実績でした。

世界遺産委員会に関しては、覚える事項が比較的少なく、出題率は高いということから、真っ先に覚えるべき内容です。

主な出題内容は、以下の通りでした。

主な出題内容

  • 議長国過去問12回で計6問。「議長国の保有する遺産名」といった一歩踏み込んだ問題もある)
  • 開催都市(過去問12回で計2問。「開催都市近隣の遺産名」といった一歩踏み込んだ出題もある)
  • 普段起こらない事(過去問12回で計4問。「クーデター未遂で会期が短くなった」「コロナで前回が中止になったため、2年分の審議を行った」「中国の遺産数がイタリアに並んだ」「採択された宣言の内容」など。)
  • 新規に世界遺産保有国となった国(過去問12回で計3問。発生率が低いですが、新規の保有国が出た際は、高確率で出題されます
  • 危機遺産リストから除外、または追加された遺産(過去問12回で計4問。詳細もテキストで学習すると尚良い)
  • 日本の遺産の変更(過去問12回で計1問。毎年は発生しないが、発生したら要注意
  • 登録範囲拡大により、保有国の対象が増えた遺産(過去問12回で計2問。「遺産名から保有国に追加された国名が問われるパターン」と、その逆がありました)
  • 委員国(過去問12回で計1問。対象が多いため、無理はしなくてOKです)
  • ビューロー会議の議長・議長国(過去問12回で計1問)

全体的に、覚えるべき内容は少なめなので、得点源にしやすいです。とくに「議長国」や「開催都市」については、覚えやすい上に繰り返し問われた内容なので覚えておきましょう

「普段起こらない事」については、どのレベルが出題されるかは判断が難しいところです。とくに大きなニュース以外は、ざっと目を通す程度で構いません。

「新規に世界遺産保有国となった国」「日本の遺産の変更」については、発生頻度自体は少ないですが出題率が非常に高いのでおすすめです

「登録範囲の拡大」や「危機遺産リストから除外・追加された遺産」については、変更があった理由だけでなく、「出題率の高い世界遺産」と認識して、詳細を学習しておくことをおすすめします。

ビューロー会議の議長・議長国は、出題率は低いですが簡単に暗記できるので学習しておきましょう。委員国は数が多いので、無理して覚えなくてもOKですが、せめて日本が入っているかだけでも確認しておきましょう。

ちなみに、これらの項目や、ここに含まれない比較的重要な議題について、Wikipediaで「第○○回世界遺産委員会」といった形で検索すると、詳細が確認できます(ビューロー会議は出てきませんでした)。情報が多すぎて、全部読もうとすると学習効率が悪いことが難点ですが「冒頭の概要」、「その他の議題」、「危機遺産リストに除外・追加された遺産」に絞って読み込むと、短時間で効率的に学習が進められます

狒々山
狒々山
過去問23回分を確認したところ、出題率下位の海外の遺産約800種は、過去問1回辺りで知識が必要とされる期待値が約0.0435回未満でした。過去問12回で1回出題される内容の方が、海外の遺産の大半よりは期待値が高くなります

UNESCO関連の重要な人事

覚えるべき内容は「現在のユネスコ事務局長」と「ユネスコ日本政府代表部特命全権大使(世界遺産委員会に参加する人)です。

出題率は高くないですが(2016年~2021年の12回で、合計3回出題)、覚える内容が2名だけなのでコスパは高いです。

審議予定の日本の遺産

審議予定の日本の遺産に関する問題は、過去問12回で10回出題されていました。

問われる内容は、テキストにある「日本の暫定リスト登録物件」に記載されている遺産の特徴のほか、推薦書に記載された遺産名、登録基準なども問われます。

また、推薦書が取り下げになった場合や、遺産に対して出された勧告など、登録に至るまでに問題が発生した場合、その内容が問われる事があります。

世界遺産で起こった大きな出来事

「世界遺産で起こった大きな出来事」に伴う出題は、過去問12回分で、16問の出題が確認できました。

このタイプは出題数は多いですが、情報の収集に時間がかかるというデメリットがあります。

出題傾向は、大きく分けると、以下のようになります。

大雑把な出題傾向

  • 事件・事故・自然災害・近隣の開発など「遺産に対してマイナスの要素が発生した出来事」
  • 「遺産に対してマイナスの要素が発生した出来事」が改善された場合(あるいは、改善状況)
  • 遺産に対する、新しい発見

とくに「マイナス」の要素の対する出題が多く、半数以上はこの区分でした。

上記の区分以外では、「聖徳太子1400年御遠忌法要」や「地下に世界で初めてビールの流れるパイプラインが完成した」なども出題されたことがあります。

狒々山
狒々山
個別の世界遺産に関するニュースは、細かいものまで調べ上げるほどコスパが悪くなります。まとめサイトを活用して、その範囲外から出る問題は捨てた方が無難です。

パリのセーヌ河岸(主にノートル・ダム大聖堂)

実は、パリのセーヌ河岸については、10年~21年の試験の中で5回も時事問題が出題されています。

もちろん、その原因はノートル・ダム大聖の火災の影響で、5問中3問が、ノートル・ダム大聖堂の火災の知識で解答できるものでした(残りの1問はノートル・ダム大聖堂の記念行事関連。もう1問は選択肢の絞り込みでノートル・ダム大聖堂の火災が使える)。ですので、ノートル・ダム大聖堂の修復状況や、「2019年4月、火災発生」「屋根の一部が焼失」は把握しておきましょう。

ちなみに、10~21年に出題された「パリのセーヌ河岸」の残りの出題は「ノートル・ダム大聖堂」が「シテ島」にあり「ナポレオン1世が戴冠式を行った」という知識があれば、すべて正解可能でした(どれだけノートル・ダム大聖堂推しなんだ・)。

新規登録された遺産

新規登録された遺産からの出題は、海外の遺産では過去問12回分で12問確認できました(日本の遺産では過去問12回分で5問)。

新規登録の遺産は、毎年20件程度あり、遺産1件辺りの出題率を考えるとコスパが優れているわけではないのですが、12問中10問が「遺産の特徴・保有国から遺産名を答える問題」であったため、覚えるべき内容は絞り込み可能です。「保有国と遺産名」のセットは何度も出題されているので、暗記しておくようにしましょう(例外2問中1問は、遺産の名前から保有国を問う問題でした)。

また「どうしても新しい遺産20件も覚えたくない!」という人は、以下のような特徴のある遺産を優先しましょう

優先する遺産

  • 新規で世界遺産保有国となった国の遺産(遺産名から国を問われるのも頻出)
  • グローバール・ストラテジーで登録されたっぽい遺産(明記されていないため、自己判断が必要です)
  • 危機遺産
  • 初めての○○などの特徴がある遺産
  • イタリア・中国の遺産(遺産保有数世界1位が変化する可能性があるため。実際、なぜかイタリアはよく問われてました)

ちなみに、日本の遺産で新規登録されたものは、出題率が高く、遺産の細かな特徴まで問われるので深い学習必須です(仮に登録されなくても出題される可能性があります)。

過去1年の大きな出来事関係

これは、「時事の知識を問う」というよりも「出題のきっかけが時事問題」というタイプが中心です。なので私は、時事問題としてはカウントしませんでした。

例えば、以下のようなタイプが出題されます。

大きな出来事に関する出題

  • 地震・津波などで大きく被災した国の保有する遺産
  • 世界的なイベントが開かれた国の保有する遺産
  • 世界的なイベントの開催都市近辺の遺産
  • 紛争が勃発した国の保有する遺産

また、直近では新型コロナウイルスによるロックダウンが遺産に与えた影響が複数出題されました。

その他の問題

区分が難しく、出題実績も少なかったため「その他」にまとめましたが、結局は「国や遺産に直接影響を与えたわけではないが、世界遺産に関するニュース」といった内容です。

具体的には、以下のようなものがありました。

その他のタイプの問題

  • 2016年9月の国際刑事裁判所で、文化遺産を破壊して有罪判決を下された被告が壊した遺産
  • 2017年10月時点での、アメリカがユネスコを脱退する予定日

世界遺産検定1級の時事問題対策に利用できるサイト

時事問題の学習で厄介なポイントは、公式の教材が存在しない事です。

その為、情報収集だけでも膨大な時間がかかる可能性があります。

そこで、世界遺産検定の時事問題を学習するために利用できるサイトを以下にまとめます。

Wikipediaの「第○○回世界遺産委員会」

時事問題の学習で、世界遺産委員会関係の対策をするならおすすめです。

とくに「ページ先頭」「登録抹消(あれば)」「危機遺産」「その他の議題・話題」は、よく問われる内容がまとまっています。

また日本の遺産に関する情報は出題率が高いため、念のためページ内を「日本」で検索しておきましょう。

審議対象の推薦物件一覧」の項目では、だいたい冒頭で新規に保有国となる国」も記載されています。これも頻出なので、確認しておきましょう。

世界遺産最新情報

世界遺産に関するニュースをざっくり確認するなら、情報量が多すぎず、少なすぎずおすすめです。

日本の遺産も海外の遺産も記載があり、また、多くが世界遺産検定で出題されそうなニュースになっているため、効率的に学習できます。

マイスターの世界遺産ニュース

世界遺産検定を主宰する世界遺産アカデミーのまとめる世界遺産関連のニュースです。

正確には、世界遺産関連のニュース記事へのリンクまとめのようなもので、多くのニュースサイトに記載された世界遺産関連の情報を素早く確認していくことができます。また、純粋に世界遺産だけでなく、無形文化遺産に関する情報も載っています。

欠点は、情報量が膨大すぎる事。1か月分だけで、100記事くらいあり、全部読み込むのは現実的ではありません。

世界遺産ニュース

日本の世界遺産を中心にまとめたニュースです。

正直、試験には出そうもない内容も多いのですが、日本が世界遺産として登録を目指す遺産については、動向がわかりやすいです。

世界遺産検定1級の時事問題の学習方法

満点を目指す場合は別ですが、合格を優先するなら以下の学習方法がおすすめです

時事問題の学習方法

  • 「前回と次回の世界遺産委員会で出題されそうな内容」と「新規で登録された遺産」を、Wikipediaの「第○○回世界遺産委員会」で調べる
  • 「審議予定の日本の遺産とその状況と特徴」を、ネットで調べる
  • 「現在のユネスコ事務局長」を、ネットで調べる
  • ユネスコ日本政府代表部特命全権大使(世界遺産委員会に参加する人)」を、ネットで調べる
  • 「ビューロー会議の議長国(できれば議長も)」を、ネットで調べる
  • 「世界遺産で起こった大きな出来事」を、世界遺産最新情報で調べる
  • 過去1年で大きな出来事のあった国を、ネットで調べて、対象国の遺産をテキストで学習

学習の順番は自由ですが、個人的には上から順でコスパが良いかなと思います。

この方法だけでは全ての時事問題を網羅はできませんが、短時間で出題率の高い内容を学習することができると思います