【世界遺産】富岡製糸場と絹産業遺産群の「高山社跡」に行ってみた
この記事では、世界遺産である「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産「高山社跡」に行ってみた際の内容をまとめます。
高山社跡の観光情報(2023年2月12日時点)
- 営業時間:9:00~17:00(最終入場は16時30分まで)
- 休館日:年末年始(12月28日から1月4日)
- 見学料金:大人500円(高校生以下・藤岡市民は無料。20名以上の団体は1人400円)
- ガイド:無料
- 所要時間:50分程度(解説の内容によって異なる。私は情報館も回ったので1時間10分程度)
- 駐車場:最寄り駐車場は体の不自由な方専用。350メートル手前に一般の駐車場有り(アクセスの詳細はこちら)
高山社跡とは?
簡単に言ってしまえば「養蚕業の研究・教育機関の跡」です。
「養蚕改良高山社」の創始者である、高山長五郎の生家であり、養蚕法「清温育(人工的な温度・湿度管理による「温暖育」と、自然に任せる「清涼育」の長所を取り入れた方法)の研究で有名です。また、教育機関としても養蚕技術の普及に大きく貢献しました。
実際に荒船風穴を観光してみた
私の場合、市営駐車場(高山社跡駐車場。高山社跡の350メートル程手前)に自動車で向かいました(アクセス方法はこちら)。到着は15:25頃。この日は「荒船風穴」と「富岡製糸場」を回った後だったので、既に夕方になりかけていました。
旗や看板などでわかりますが、駐車場から高山社跡へ向かう途中、川の向こう側に「高山社情報館」があります。ここは、簡単に高山社や養蚕業関係のガイドを受けられ、また養蚕業関係の展示品を見て回る事ができます。
高山社見学の公式(?)推奨ルートとしては
- 高山社情報館でガイダンスを受ける
- 高山社跡を見学する
- 帰りにまた情報館によって、体験・見学・休憩・お土産購入などを行う
となっていました(看板の画像参照)。私の場合、既に時刻が遅くなっていた事もあり、帰りに再び情報館に寄る余裕はありませんでしたが、先に一度情報館に行っておくといいでしょう。
情報館では、簡単なガイドを受けられます。正確なガイドの時間は記録していませんでしたが、写真の撮影時間を考えると10分はかからないくらいかなと思います。
そして、遊歩道を300メートルほど歩いて高山社跡へ到着。
入場料は500円。ガイドは無料で受けられます。混雑具合によってはガイドが受けられないこともあるかもしれませんが、平日の閉館時刻に近い時間帯だったこともあってか、自分以外は誰もいない状態でしたので、色々と質問する事も出来ました。
展示内容は「高山社の中で現存する建物」「当時の道具など」「高山社の歴史などの資料」などです。
当時の生徒が書いた落書きがあったり(今も昔も変わらんなあ)、
清温育の模型や、当時使われていた道具が置かれていたり、
案内看板があったり(世界遺産なので、現存しない建物は正確な復元ができない限り立て直しできない。その為、写真や建物の跡だけのものも多い)、
落書きがあったっぽい便所跡が現存していたり、
卒業生が残したであろう達筆な落書きなどなどが展示されていました。
高山社跡見学の特典
高山社跡を見学すると、特典として「入学證」が貰えます。
これを持って2回目の観覧を行うと「卒業證書」、更に卒業證書を持って3回目の観覧を行うと「養蠶改良高山社々員之證」を手に入れる事ができます。特に割引などは無いと思いますが、何度も行く機会があれば、入手してみてもいいでしょう。
ちなみに、初回来館特典として、私が訪れた時は「高山社ペーパークラフト」も配布されていました。
高山社跡を訪れる際の注意点
最終入場は16:30
最終入場は16:30になります。
同じく「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成遺産である荒船風穴(最終入場15:30)と比べたら、遅くまで見学可能ですが、最寄り駅である「JR八高線 群馬藤岡駅」や「JR高崎線 新町駅下車」からバスで35分かかります。富岡製糸場などとあわせて廻りたい場合は、最終入場時刻には注意しましょう。
母屋兼蚕室は令和9年まで修復・補強工事予定
高山社の母屋兼蚕室については修復・耐震補強工事が行われていました(詳細はこちら)。
工事については令和9年まで段階を踏んで行われているそうですので、当分は修復が完了した姿は見られないかなと思います。
しかしながら、事前申し込みの上、タイミングが合うと修復工事の見学が可能です(所要時間10分程度)。これはこれで貴重な機会なので、興味がある方は事前に問い合わせておくといいでしょう(詳細はこちら)。
「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産を1日で巡るなら
まず、4~11月以外は「荒船風穴」の見学ができないため、4月~11月の期間で実行する必要があります。
「富岡製糸場と絹産業遺産群」の残りの構成資産である「富岡製糸場」「荒船風穴」「田島弥平旧宅」も1日で巡るのであれば、自動車必須です。
ルートは主に2通りで、位置的に「田島弥平旧宅」から始めて「荒船風穴」で終わるルートか、その逆のルートになると思います。
平日の場合、富岡製糸場方面から荒船風穴に向かう途中の駐車場が利用できます(ただし、一部が一方通行)が、休日はこの区間の一部が通行止めになるため、迂回ルートでの移動を考慮したスケジュールを立てる必要があります(詳細はこちら)
また、1日で全て巡る場合、営業開始直後に向かいましょう。所要時間と移動時間を考えると、けっこうギリギリになります。私は「荒船風穴」→「富岡製糸場」→「高山社跡」の順で回りましたが、最初が10:50頃到着だったため、高山社跡を出た時点で16:30を過ぎました。仮に、営業開始直後に荒船風穴を回っていたとしても、移動時間を考えると「田島弥平旧宅」をしっかり見学するのは難しかったかなと思います。
世界遺産以外の絹遺産
今回、「高山社跡」を含む「富岡製糸場と絹産業遺産群」については、2006年時点では養蚕に関わる6件、製糸業に関わる2件、流通に関わる2件の推薦が、世界遺産として提案されていました。そして、これらの遺産の多くが「ぐんま絹遺産」というものに含まれています。
遺産の場所は群馬県内各地のかなり広い範囲になりますが、関連遺産として巡ってみると、より知識を深める事ができると思います。
また、富岡製糸場の付近になりますが。「富岡製糸場と絹産業遺産群」や絹遺産を学べる「群馬県立世界遺産センター」があります。絹遺産に関する知識を深めたい方であれば、見学してみるといいでしょう。
「富岡製糸場と絹産業遺産群」の残りは?
「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産である「荒船風穴」と「富岡製糸場」については、以下の記事にまとめました。興味がある方はご参照ください。