リゾートバイトとは? 初心者向けに特徴・メリット・注意点・利用方法を調べてみた
旅をしながら生活費を稼ぐ手段として名前があがる「リゾートバイト」。
せっかく脚本の勉強しながらフリーター生活しているのだから、全国を旅行しながらお金を稼げないかと思い、興味を持ちました(ネタにもなるし)。
そこで今回は「リゾートバイト」の特徴・メリット・注意点・利用方法を中心に、初心者向けにまとめます。
リゾートバイトまとめ
- 生活費の多くが不要なため、短期でガッツリ稼ぐことはできる(あくまでバイトとしてはですが)
- 時間の自由が必要なため、学生・フリーター以外は参加しにくい(実際、半数程度は20代)
- 新しい「出会い」「経験」を得ることができ、それを求める参加者も多い
- 雇用形態は基本的に「人材派遣」なので、トラブルは派遣会社に任せる
- 仕事を選ぶ前に「寮」「食費」「光熱費」などは詳細を調べておくこと
- リゾートバイトの派遣会社は各社特徴がある。特徴に応じて登録しておくのがおすすめ
リゾートバイトの特徴・メリット
生活費の多くが不要な(寮が用意されている)
リゾートバイトであげられる一番のメリットが「生活費が不要」というところ。家賃・食費の一部・水道光熱費が無料ということが多いため、短期間でお金を多く貯めることができます。
実は、リゾートバイトを始めたきっかけの多くが「生活費を稼ぐため」であり、観光以外のポイントを重視した需要もあるようです。
ただし、必ずしも食事までついて無料とは限りませんし、寮が完全個室とも限りません。個別の事情については募集要項を確認する必要があります。
短期間でお金が貯められる
「生活費の多くが不要」と被る所ですが、短期間でお金が稼げるのもリゾートバイトのメリット。短期間でガッツリ仕事ができ、生活費も節約できるため、結果的にまとまったお金を短期間で貯めることができます。
実際、リゾートバイトでお金を稼いで、その資金で留学を目指す(更に留学先の滞在費はワーホリ)というサービスもあるようです。
とはいえ、サラリーマンであれば普通に仕事した方が稼げると思いますし、家庭を持っていると参加は困難かなと思います。あくまでも「学生・フリーター向け」という視点で考えた方がいいでしょう。
仕事以外も含めて、新しい経験や出会いを積める
これもリゾートバイトに参加する動機として多いそうですが、「新しい経験・出会い」が得られることが、リゾートバイトのメリットです。
当たり前の話ではありますが、普段の生活圏から離れ、観光地で長期間生活するわけですから、そこでしかできない体験や、出会いがあることは確かです。
そういった意味では、私のようにネタを求めている人からすれば、生活費を稼ぎつつ、未経験の仕事を行い、新しい出会いと経験を積むというのもありかなと思います。
友達同士・カップル同士で働けることが多い
職場にもよりますが、友達同士・カップル同士での参加を歓迎している職場も多いです。
単に友達・カップル同士で働けるだけでなく、お友達紹介で、商品券がもらえる事もあるため、同じ趣味の学生同士などで参加できるとよりお得です。
人材派遣の形態になるため、面接や履歴書が不要
リゾートバイトは、基本的には人材派遣の形態での労働となります。その為、リゾート地での直接の面接などは不要です。
また、サービス残業のような不法行為に対しては、派遣会社側が対応してくれるため。職場を転々とする場合もトラブルの対処に時間が取られるなどの心配は軽減できます。
職場の特典が付くことも
リゾート地での仕事という事で、その職場による特典が付くこともあります。
とくに需要が多いのがスキーのリゾートバイト。スキー場の場合、無料のリフト券がつくことが多く、スキー場のリゾートバイトを希望する人には「スキー場を使いたいから」という人が多いです。道具のレンタルが無料であることも多いですし、リフト係の仕事は髪型・髪色が自由なことも多く、その点でも需要があるとか。また、スキー場は必要なスタッフが多いため、友達同士・カップル同士だと優先的に雇用されることも多いというメリットがありますし、新しい出会いを求めている人にも向いています。
ただし、スキー場のリゾートバイトの仕事は12~3月がメインで、募集自体は11月上旬頃がピークになります。一方応募者は11月下旬~12月頃がピークですので、スキー場のリゾートバイトをするなら、11月上旬頃以前から求職活動を開始するといいでしょう。とくにスキー場は相部屋が多いので、個室希望の場合は、11月上旬以前から求職した方が無難です。
リゾートバイトの注意点
寮の形態・立地・詳細な環境に注意
リゾートバイトの寮は、職場によって異なり、以下の様なタイプがあります。
- 完全個室
- 一部共用の個室(キッチン・洗濯機・お風呂など)
- 相部屋
- 客室寮(ホテルの空き部屋などを使える)
基本的には、完全個室や一部共用の個室が多いのですが、相部屋の場合もあります(とくにスキー場は多め)。プライバシーやセキュリティの観点から、相部屋は避けたいという人は、できれば応募が殺到するシーズンの前から求人を探すと良いでしょう。
また、立地条件も必ずしも職場と近いとは限りません。案外往復の交通に無駄な時間が取られてしまった……ということの無いよう、事前に職場への移動方法や移動時間についても調べておくことをおすすめします。ある程度は求人情報に記載があるかと思いますが、不明点があれば派遣会社に問い合わせると良いでしょう。
更に、詳細な環境については、求人に記載がない可能性もあります。「無料Wi-Fiはあるか?」「自分で持っていくべき消耗品はあるか?」といった点について、気になる点があれば積極的に問い合わせてから応募しましょう。
ちなみに、虫が出る寮もあるそうです。山の中のキャンプ場などやむを得ないパターンもありますが、心配な方は事前に調べておきましょう。
食事・光熱費などの出費はあるか?
食事や光熱費について、仕事先により無料・有料が異なります。生活費を安くおさえられるのが魅力の一つであるリゾートバイトですが、この点を注意しないと思ったほどの収入を得られなかったという事もあり得ます。基本的には求人の詳細に記載がありますが、明確でない場合は問い合わせましょう。
ちなみに、食事が「弁当で支給」の場合、同じような弁当がサイクルで出されることもあります。飽きっぽい人は避けた方が無難です。
人間関係のトラブルに注意
新しい出会いが楽しみの一つでもあるリゾートバイトですが、一方で人間関係のトラブルに巻き込まれることもあります。
もしも、仕事上でトラブルに巻き込まれてしまった場合、自力で解決しようとするのではなく、派遣会社のサポートを利用するといいでしょう。
また、同じようなリゾートバイトでやってきた同僚と、仕事だけでなく生活面でトラブルが発生することもあり得ます。出会いを楽しむのも良いですが、あまり不用意に深入りしない方が無難かとは思います。
基本的には直接雇用より、派遣会社を使う
リゾートバイトは派遣会社を利用する事が多いですが、中には直接雇用の場合もあります。ただ、基本的には派遣会社を利用した方が
- 派遣会社が職場のトラブルを解決してくれる
- 面接が不要(面接・履歴書提出の手間や費用が不要)
- 案件を探しやすく、比較的短期の募集が多く見つかる
といったメリットがあります。「知り合いの紹介で好条件で働ける」といったメリットが無い限りは、派遣会社経由の方が良いでしょう。
とくに、「トラブル解決」や「面接」などの「企業同士のやり取り」を代行してもらえる点については、個人の無駄な労力を省いてくれるため、短期のリゾートバイトをやる側にとっては大きなメリットになります。
満了率・延長率は要チェック
個別の仕事を選ぶうえで「延長率」や「満了率」があれば確認しておきましょう。
「延長率」や「満了率」は、その職場の満足度に直結します。もちろん、これだけで「自分にとっても向いている職場か?」まではわかりませんが「トラブルが少なく、良好な環境である可能性が高い」という目安になります。
もちろん「延長率」や「満了率」が高くてもトラブルが発生しないとは限りません。「トラブル発生時の解決に尽力してくれるから、満了率が高い」ということもありますので、トラブルが発生した時は無理せず派遣会社に相談しましょう。
リゾートバイトの仕事開始までの流れ
ここでは、派遣会社を利用する場合のリゾートバイトの基本的な「登録~仕事開始」までの流れをまとめます。
仮登録して、オンライン(電話)面談を予約
先に希望の求人を見つけてから登録することもできるが、先に派遣会社の登録する方がおすすめです。
というのも、登録して実際に応募できる状況にならないと「男性のみ募集」などの細かな条件がわからない事が多いからです。リゾートバイトの場合、寮の関係で「男性のみ」「女性のみ」ということが十分あり得るため、働ける前提で考えていたら、実は募集対象外だったということもあります。
こういった事を避けるためにも、自分と相性がよさそうな複数の派遣会社に登録だけ済ませておくと、効率的に案件の確認ができるかと思います。基本的には登録しただけであれば働く必要はないため、「とりあえず登録だけして、良い案件があれば働いてみようかな」くらいでも大丈夫です。
面談を実施する(過去の仕事経験など。15分くらい。話が盛り上がると30分くらい)
主にオンライン(電話など)で派遣会社と面談を行います。一応、多くの派遣会社ではこれが就職面接代わりになっていますが、一般的なレベルの敬語で会話できれば、ほぼ問題なく採用されます。
聞かれる内容は「年齢・性別」「職歴」「タトゥーの有無・髪型」「希望の労働条件」といった、派遣先で働く条件としての最低限の内容です。面談時間は基本的に10~15分程度の事が多いそうですが、話が盛り上がると30分くらいまで長引くこともあるそうです。また、聞かれるだけでなく、もの面談中で不明点などの質問をすることもできますので、疑問がある人は積極的に問い合わせてみるといいでしょう。
この面談により、自分にあった条件の案件を紹介してもらうことができるようになりますが、最終的に希望の仕事を選ぶのは登録した側になります。
希望の仕事を選ぶ
掲載されている案件について問い合わせたり、派遣会社からの紹介を受けたりして、希望の仕事を選び、その仕事の詳細な説明を受けた上で申し込むかを決定します。
申し込んだ仕事で内定となった場合、この時点から仕事のキャンセルはできなくなるため、不明点・不安点がある場合は申し込み前までに必ず解消させましょう。
内定連絡
内定の連絡を受けた際に、職場で必要な持ち物・現地までの移動方法などの連絡があります。
仕事によっては持っていく服装の指定があったり、生活用品(洗剤など)の一部を自分で準備する必要がある場合もある為、それらの準備が必要になります(できれば、事前に必要な道具は確認しておきましょう)。
勤務先に移動
派遣会社から指示のあった方法で、勤務先に移動します。基本的に、勤務先までの往復の交通費は、派遣会社から支払われます(ただし、多くは上限があります)。
仕事を開始(人材派遣なので、仕事中も派遣会社がサポートしてくれる)
現地に到着し、仕事開始となります。到着時の服装については基本的に私服で構いませんが、トラブルを避けるため常識的なレベルの服装にしておきましょう。
また、勤務先への移動中や、仕事中も派遣会社がサポートしてくれます。トラブルに巻き込まれた時は、一旦派遣会社に報告しましょう。
主なリゾートバイトサービスは?
ダイブ
2022年で、20周年を迎えたリゾートバイトの派遣会社としては老舗です。支店数はリゾートバイトの派遣会社では2番目(2022年11月18日時点)。近い距離で現場を把握してのサポートができるため、支店が多いことはメリットで、実際にサポート力・スタッフ対応については高い評価を得ています。案件数も多く、1,200円以上の案件に絞っても最大手であるリゾバ.comとほぼ同数になります(2023年2月11日時点)。
東京都内の求人が充実している
ダイブのおすすめのポイントの一つが「東京都内の求人が充実している」ところ。実は、都内の案件は、他のサービスでは無い事もある案件です。
ダイブでは都内のシェアハウスを運営している会社と提携しているため、シェアハウスから通いで働けます。また、好きなシェアハウス(都内に5万件ほど)を選ぶことができ、交通費も支給されるため、「上京したい人」や「東京観光したい人」に向いています。
ただし、家賃は給料から天引きで(月1万円以上)、無料の食事が付かない事も多いため「ガッツリ稼ぎたい」という目的の人には、東京の案件はやや向いていません。
仮登録するだけで、施設名がわかる
多くの派遣会社の場合、案件の具体的な施設名はわからない事が多いのですが、ダイブの場合は仮登録するだけで、具体的な職場の施設名がわかるのがメリットです。
他の派遣会社の場合、「気になる求人を見つける」→「派遣会社に問い合わせる」→「求人票を送ってもらって、施設名を確認」という流れになることがあり、確認できなくはないですが、手間がかかります。
その点、ダイブの場合は、仮登録済みなら勤務先の情報から直ぐに判断できるため、施設名が気になる人には労力を大幅に減らすことができます。
リゾバ.com
設立1992年で、30年を超えるリゾートバイト業界の老舗です。案件数もトップクラスで、時給1200円以上の案件だけでも、1294件になります(2023年2月11日時点)。登録者数も業界No.1とのことです。
また、案件数がトップクラスであり、「短期の案件」や「レアな案件(牧場など)」もあり、「珍しい経験をたくさん積みたい!」という人におすすめできます。
働き始める前に、寮・職場の情報を多く得られる
リゾバ.comのポイントとして、「寮・職場の情報について、事前に入手しやすい」というところ。この辺りは、老舗ならではの情報網かなと思います。
リゾートバイトは短期でも1カ月くらいの生活が必要になりますし、職場環境は仕事の満足度に直結します。そういった意味では、事前に寮・職場の詳細を調査しやすいところは、円満なリゾートバイト生活の為に重要になってくるポイントです。
ワクトリ(WORKTRIP)
ワクトリは、2020年11月から運営されている比較的新しい会社です。特徴は「初心者でも安心して働ける」ということを重視しているところです。ワクトリでは写真だけでなく、勤務先の情報を動画でも紹介している為、より正確な現場のイメージを持って働くことができます。また、サイトのおしゃれなデザインからも感じられるところですが、女性一人での労働も安心してできるように、「女性も安心のリゾートバイトの求人情報」がまとめられています。
DMM英会話サービスが無料
ワクトリのメリットの一つが「DMM英会話サービスが無料で利用できる」というところ。英語の勉強として利用するだけでなく、英語力を磨いてリゾートバイトに活かしたり、海外旅行を目指してもいいでしょう。
アルファリゾート
アルファリゾートは女性向けの求人が多く、仲居の求人などが多いのがポイントです。また、英語の能力が活かせる案件も充実しているため、英語力がある人は活躍できるでしょう。
ちなみに、リゾートバイトの派遣会社の方から話をうかがいましたが「高級旅館の仲居は、チップをもらえる(とくに外国人観光客から)」らしく、時給の高い仲居の案件は、英語力があれば想像以上の収入を得られる可能性があります。
特典が豊富
アルファリゾートは特典が豊富です。他のリゾートバイトの会社も特典が用意されていることがありますが、アルファリゾートの場合、以下の様な特典があります。
- オンライン英会話(ワクトリの場合DMM英会話があります)
- 留学・ワーホリ応援プラン(スマ留と提携したもの。ダイブにもあります)
- 一定期間の就労に応じてT-POINTを付与
- 一定期間就労すると、カタログギフトやアクティビティなどの福利厚生あり
- 一定期間就労すると、1250円以上の時給を保証
おてつたび
最後に、通常のリゾートバイトとは別物ですが「旅行しながら仕事をして収入を得られる」という意味合いで「おてつたび」を紹介します。
おてつたびの特徴は、参加する側も受け入れる側も「経験や交流」を大切にしているところ。仕事内容は通常のリゾートバイトと同様のホテル・旅館などの案件が多いですが、一方で農業や畜産業、イベントスタッフなどの案件もあり、地元の人との交流を重視した体験を重視している人にはおすすめです。
また、時期にもよりますがイベントや農業関係は比較的短期の案件(10日以下)もあります。旅行の宿泊費を浮かせつつ、収入を得るといった目的でも活用しやすいでしょう。
リゾートバイトのおすすめの人物像
ここまで、リゾートバイトについて特徴や注意点、主なリゾートバイトの会社をまとめました。
その上で、リゾートバイトのおすすめの人物像は、以下のようになります。
- 旅行好きの人
- 生活費を稼ぎたい学生・フリーター
- 短期で移住してみたい人
- 「新しい出会い」「経験を求める人」
- ワーホリ・留学・旅行などの資金を短期で集めたい人
- スキルアップ目的(英語など)
- 観光業界について学びたい人(卒業後、観光業界で働きたい学生など)
- 友達と一緒に働きたい人
ちなみに「リゾートバイトを始めたきっかけ」のランキングとも、かなり被るので、実際このような人がリゾートバイトの参加者に多いみたいです。
上記以外に「人生でやりたいことが見つかってないから」という理由でリゾートバイトに参加する人も一定数いるらしく、自分を見つめなおす機会にもなるかなと思います。
とはいえ、基本的には1か月程度の期間が必要であり、その間の休日も少ないため「学生の長期休暇」「フリーター」「転職の合間」などでないと、参加は難しいかなとは思います。

そもそも「リゾートバイト」とは?
念のため、そもそも「リゾートバイトとは何か?」についてまとめます。
- 概要:リゾート地で住み込みの仕事を行う
- 勤務期間:1~3か月が多い
- 宿泊先:個室、相部屋など職場による(個室が多いが、スキー場は相部屋が多い)
- 食費・水道光熱費:勤務先によって異なるので、申し込み前に調べる
- 雇用形態:基本的に人材派遣。直接雇用もできるが、短期なら人材派遣がおすすめ。
- 面接の有無:職場との直接の面接や履歴書の提出は不要
- 職種:「レストラン・フロント・ホテルやレストランの裏方・レジャー施設スタッフ」などが多いが、「農業・畜産業」などのレアな案件もある。外国人が多い高級旅館で仲居をすると、チップが貰えることも……。
- リゾートバイトの年齢層:20代が50%以上。ただし、近年年齢層が高くなっており、30代が20%になっている。
一言でまとめれば、「リゾート地に行って短期でガッツリ働きつつ、休日・休憩時間で観光できる」バイトです。短期でガッツリ働くタイプの仕事なので、年齢層の通り「自由にできる時間が多い人」人でないと、参加は難しいかなと思います。
また、観光目的で利用できる一方、月に休日が5~6日という案件が多いため、仕事の合間で旅行をする場合は、休憩時間も活かしたプランを立てるといいでしょう。