【体験記】歴史能力検定準3級に合格した際の勉強時間・勉強方法・教材について
2021年11月28日、歴史能力検定準3級を受験し、無事合格しました。
この記事では、以下の内容を中心にまとめたいと思います。
- 歴史能力検定準3級に合格するまでにかかった勉強時間
- 歴史能力検定準3級の勉強方法・教材
- 歴史能力検定準3級の概要
歴史能力検定準3級、合格体験記のまとめ
- 勉強時間42時間22分で、正解率86%で合格(合格だけなら、勉強時間は多すぎた)
- 歴史の勉強にブランクがあっても「社会人ならもっと上から受験した方が良かった」という手応え
- 専用の教材は乏しい。高校受験用の勉強道具が役に立つ(0円でも対応可能)
- 問われる内容は中学レベルだが、問題文はけっこうハイレベル
受験前のスペック
簡単に受験前のスペックをまとめると、以下の通りです。
- 中学高校と、歴史関係は成績が良かった(高校は世界史なので関係ないですが…)
- 高校の世界史が終わってから、歴史の勉強はブランクが15年以上(嫌いではないので、歴史番組とかたまに見てた)
- 2021年の4月下旬から仏教、8月末頃から日本史の勉強をしていた(合わせて1日平均30分未満)
一言でまとめると「歴史はそこそこ好きだけど、勉強としてはブランクが長い」といったところ。
ただ、4月下旬から学んだ仏教知識と、8月以降から学んだ歴史の知識が役に立ちました。
歴史能力検定準3級合格までの勉強時間は、42時間22分(試験用は18時間22分)
勉強時間の合計値は42時間22分になりました(Studyplusで計測)。
まず、上記の歴史能力検定準3級のために行った勉強時間が18時間22分です。10月に一度難易度を確認し、その後11月の試験2週間程前から本格的な学習を開始しました。
勉強を2週間前から行ったのは、その他にも11月は他にも複数試験を受けていた影響もありますが、10月の難易度確認の時点で、合格点を突破していたというのも一つの理由です。
というのも「歴史の勉強をしよう!」と退職した7月末時点で考えていたので、8月末頃から中学レベルの歴史の勉強を開始していたためです。その時間が下の図(こっちは月単位で表示しています)。
この合格点を突破する前に行った勉強が24時間00分。合計すると42時間22分での受験となりました。
歴史能力検定準3級で実際に利用した教材
中学歴史が面白いほどわかる本(趣味レベルの学習で利用)
最初に使っていたのが「中学歴史が面白いほどわかる本」。高校受験用の参考書です(問題集ではないです)。
軽いウォーミングアップのつもりでの学習だったので、購入したのは最新版ではありません。空き時間でだらだら2.5周程度読みました。
この参考書を流し読みしただけでも、一度高校受験の経験があるからか、合格点はなんとか超えられました。しっかりと暗記するように読み込めば、この一冊でも十分合格可能だったと思います。
歴史能力検定の過去問
公式の過去問です。実力診断に利用しました。
本当は、複数集めて出題傾向などに慣れながら、幅広く歴史を勉強したかったのですが、古い過去問の価格が新品を超えていたため、複数冊揃えての演習は早々に諦めました。
スタディサプリ(高校受験用)
家事の合間など、手が離せない時間を使った学習に利用しました。
高校受験用としては、けっこうハイレベルな解説をしてくれているので、歴史能力検定準3級レベルには十分対応可能です。
また、内容がスマホでの学習に特化してくれているので、動画単体で学習可能です。参考書を開いたり、板書の時間を待つ必要もないため、料理などで手がふさがっている時に役立ちました。
ちなみに、14日間であれば無料で利用可能です。私の場合、勉強期間が2週間だったので、無料期間だけでも十分学習に利用できました。
中学歴史一問一答
中学歴史の学習用アプリです。お値段無料。Androidでも使えます。
全788問(私が学習した時点)あり、記述式で回答していく形式。無料で学習できるアプリとしては中学歴史の広範囲を学習できます。
「記述式」であるため、残念ながら「正解なのに、正解にならない!」という問題がたまにあります。その点については「本当に理解できているか?」だけ注意して勉強していくようにしましょう。
歴史能力検定準3級の勉強方法
実際に行った流れをまとめると以下の通りです。
- 中学歴史を全体的にテキストで読み直す(受験はあまり意図していない)
- 過去問で難易度を把握
- 問題演習で足りない知識の吸収と、理解の正確さを上げていく(空き時間は垂れ流しの動画学習)
社会人で歴史に苦手意識がなければ、これで十分だと思います。
更に合格までの時間を短縮したいのであれば、テキストで全体を読み直す必要すらなく、問題演習と解説の読み込みでも十分です。というのも、単純に合格するだけであれば、社会人は全体の理解を深める必要性が低いからです(問題を解いていれば、ある程度思い出すので)。
ただ、社会人の受験者は、より上位の級に挑戦したり、そもそも趣味としての学習の一環である人が多いと思います。そういった意味では、あえて時間をかけて、背景事情も含めてじっくり学ぶことをオススメします。
教材のやりこみについて
教材については、メインは「中学歴史一問一答」を利用し、隙間時間でちょっと補助する程度に「スタディサプリ(高校受験用)」を利用しました。
そのため、スタディサプリについては、全ての講座内容を見たわけではなく(江戸時代の途中で終わった)、見た回数も1回、家事をしながらの垂れ流し状態となりました。
また、「中学歴史一問一答」については、ランダムで全体の問題演習を実施した時間が7時間程度。残りの時間で時代の古い範囲から順に学習を進めていきましたが、こちらも江戸時代の途中まで勉強した時点で、試験となりました(その為か、試験での失点は半分以上が江戸時代以降の内容でした)。
出題形式には慣れる必要があるか?
歴史能力検定準3級の問題は、短い文章や年表、地図のようなものが提示された後、それに対しての問題を解いていく形式になります。
そういう意味では、一度は過去問を解いておいた方がいいですが、正直準3級レベルでは、たいした読解力は求められません。
ですので、小中学校でテストに慣れた経験があれば、あえて「歴史能力検定準3級の出題形式」に慣れる必要は低いと思います。
また、過去問を大量に収集しようとすると費用がかなり高くなります。最新の過去問に一度以上挑戦してあれば、出題形式への慣れは十分です。
実際の歴史能力検定準3級
試験は11月28日。この日は夕方から世界遺産検定3級も受験しました。
開場は12:30から。12:00頃には受験者が集まってきている感じで、ほとんど小中学生とその保護者という中、30歳過ぎのおっさんが単身乗り込むという場違いな受験でした(11月は場違いな受験が多すぎ…)。
試験は同じ教室で準3級の他、1級受験の方もいました。こちらは流石に年齢層高め。
試験自体は途中退席で終了。正確な時間のメモはありませんが、見直しも含めて35分くらいで試験が終わったと思います。終了後、帰り道(次の試験へ向かう途中)のコメントがこちら。
ということで。2022年には歴史能力検定2級の日本史を受験しようかなと思います。
【追記】歴史能力検定3級も合格した
予定通りに時間が確保できなかった為、2022年に歴史能力検定3級を受験し、合格しました。
詳細は、以下の記事にまとめてありますので、興味がある方は参考にしていただければ幸いです。
そもそも「歴史能力検定」とは
歴史能力検定は、1997年に創設され、1999年に現在の名称となった試験で、比較的歴史のある試験になります。
試験の趣旨を簡単にいえば「歴史に対する理解を通して、地球全体の課題解決や平和維持に対する理解を深める」というもので、試験を通して「歴史に対する理解力」を測定します。
主催は「歴史能力検定協会(日販セグモ株式会社・社会教育協会によって運営される任意団体)」です。
世界遺産検定の試験日・難易度・受験費用・合格率
詳細は変更の可能性がありますので、受験の際は最新情報の確認をお願いします。
試験日は年に1回、過去の傾向から、11月終わりごろの日曜日になっています。
受験料と難易度は以下の通りです。
実施級 | 難易度 | 受検料 |
---|---|---|
1級 (日本史・世界史) | 学校での学習にとらわれない広い範囲 ※難関大学受験対策が有効 | 7,800円 |
2級 (日本史・世界史) | 高校で学ぶ程度のもので比較的高度な歴史知識 | 6,800円 |
3級 (日本史・世界史) | 高校で学ぶ基礎的な歴史知識 | 4,900円 |
準3級(日本史) | 中学生レベルを基本にそれにとらわれない範囲 | 3,900円 |
4級(歴史基礎) | 中学生レベル | 3,000円 |
5級(歴史入門) | 小学校修了レベル | 2,800円 |
Wikipediaでは準3級が「難関私立高校受験レベル」となっていましたが、自分の手応えでは「そういう問題も一部ある」というレベルで、偏差値55程度の公立高校受験レベルで十分合格できる手応えでした(私自身、日本史を学校で勉強したのは偏差値55程度の高校受験が最後なので)。
また、1級は「学校での学習にとらわれない広い範囲」となっていますが、「史跡巡りで学習したけど、結局難関大学の受験対策が有効だった」という合格体験記もあるくらいで、やはり学校での教育の延長線上と考えた方がいいかと思います。
合格率は以下の通りです(第38回)。
日本史の1級、2級の合格率が逆転している点については、平準化を今後行っていくとの記載があったため(2021年12月17日時点)、今後変動の可能性はあるかと思います。2013~2015年の試験では、日本史・世界史の1級は20~25%程度でした。
実施級 | 合格率 |
---|---|
1級世界史 | 31.3% |
1級日本史 | 53.4% |
2級世界史 | 58.8% |
2級日本史 | 26.4% |
3級世界史 | 45.0% |
3級日本史 | 43.8% |
準3級 | 82.2% |
4級 | 69.5% |
5級 | 91.8% |
想定される難易度・勉強時間の詳細については、以下の記事にまとめました。興味がある方は参考にしてみてください。
歴史能力検定の受験資格と併願受験
受験資格は全ての級でありません。
試験は併願が可能で、同じ時間帯に実施している試験以外は併願での受験ができます。
歴史能力検定の問題数・出題方式・試験時間・合格基準
問題数、出題方式は以下の通りです。また、試験時間は全て50分。合格基準は全て正解率60%ですが変動することがあります。
受験級 | 問題数 | 出題方式 |
1級(日本史・世界史) | 30問 | 4肢択一問題 記述 論述問題 |
2級(日本史・世界史) | 50問 | 4肢択一問題 記述問題 |
3級(日本史・世界史) | 50問 | 4肢択一問題 |
準3級 | 50問 | 4肢択一問題 |
4級 | 50問 | 4肢択一問題 |
5級 | 40問 | 3肢択一問題 |
歴史能力検定の試験会場
歴史能力検定を個人受験する場合、全国30の試験会場が決まっています(2021年12月17日時点)。最寄りの試験会場を確認した上で申し込みしましょう。
また、団体受験の場合は準会場(申し込み団体の会場)での受験が可能です。ただし、団体申し込みは基本的に学校・塾・企業等団体で、5名以上となっています。
歴史能力検定のメリットは?
歴史能力検定の級ごとのメリットは以下のようになります。
受験級 | 出題方式 |
1級(日本史・世界史) | 大学入試の内申書 高等学校卒業程度認定試験の科目免除 通訳案内士試験の科目免除 「修士」「博士」「大博士」の称号を認定 |
2級(日本史・世界史) | 大学入試の内申書 高等学校卒業程度認定試験の科目免除 通訳案内士試験の科目免除 |
3級(日本史・世界史) | 大学入試の内申書 |
準3級 | 高校入試の内申書 |
4級 | 高校入試の内申書 |
5級 | 中学入試の内申書 |
内申書以外では2級合格で「高等学校卒業程度認定試験の科目免除」と「通訳案内士試験の科目免除」に利用できます。この2つについては、2級合格で十分なので、あえて1級を取る必要はありません。
1級については、3回合格で「修士」、5回合格で「博士」、10回合格で「大博士」の称号と、記念品を貰うことができます。ちなみに、2020年1月15日時点では、「大博士」の認定を受けた人は16名になります。