【体験記】歴史能力検定3級を受験した際の勉強時間・勉強方法・教材について
2022年11月27日、歴史能力検定3級(日本史)を受験してきました。
この記事では、以下の内容を中心にまとめたいと思います。
- 歴史能力検定3級にかかった勉強時間
- 歴史能力検定3級の勉強方法・教材
- 歴史能力検定3級の概要
歴史能力検定3級(日本史)、受験体験記のまとめ
- 勉強時間は72時間46分。0時間00分でも合格点は取れたが、危うい。
- 「日本史」という多くの人が勉強したことのある分野なので、勉強なしでも合格できる確率はある(高校日本史未経験の私でも)
- 「日本史」という範囲が広い試験であるため、時間をかけてもなかなか点数が上がらない
- 難易度は「難関高校受験」レベルが中心で、高校の日本史未経験でも、ある程度は点が取れる(未経験で合格は厳しい)。
- 効率的な教材は「過去問」だが、古い過去問はプレミアがついて入手が厳しい
- 「出来事の時期」がヒントになる問題が多いため、「○○年の出来事」「前後に○○が起こった」などは把握すると良い
受験前のスペック
簡単に受験前のスペックをまとめると、以下の通りです。
- 1年前、歴史能力検定準3級に正解率86点で合格
- 1年以内に、世界遺産検定2級、仏教系の検定、神社検定3級に合格
- 勉強開始時点で、過去問3回に挑戦した結果は52点、66点、48点。
今回の挑戦は、1年前の11月28日に歴史能力検定準3級に挑戦してから、9カ月ほどのブランクの状態からの学習開始となりました。
ただ、歴史学習をサボっていた期間も、世界遺産検定2級、仏教や神道系の学習を行う過程で、若干ながら日本史の知識を吸収してはいました(2問程度は本番で役立ちました)。
また、学習開始時点で、過去問3回を使って実力診断を行ったところ、平均点は合格ライン(60点)を下回っていますが、初見の合格率は33%。しかし「日本史」という試験の性質上、ここから点数を上げるのに時間がかかりました。
歴史能力検定3級受験までの勉強時間は、72時間46分
勉強時間の合計値は72時間46分になりました(Studyplusで計測)。
まず、過去問を素早く3回解き、実力診断を行いました(9月の1時間23分の過去問の時間)。
その後、「日本史 一問一答」というアプリを使って学習したのですが……正直、歴史能力検定3級には向いていませんでした(これで時間をロスしました)。
また、平行して試しに読んでみた『講談社 学習まんが 日本の歴史』については、けっこう良い勉強にはなったのですが、当たり前ですが一読ではあまり記憶が定着せず、また「全部読んだら時間が足りない!」というボリューム感であったことから、途中で中断しました(室町時代あたりまで)。
結果、終盤戦になって過去問中心の学習となったわけですが、この過去問の時間の大半は「過去問をベースに、想定される難易度の歴史知識をネットで調べて歴史ノートを作る」という内容となっています。ですので、純粋な過去問演習としての時間は、1割にも満たなかったかと思います。
歴史能力検定3級で実際に利用した教材
過去問(歴史能力検定 全級問題集)
何だかんだで、最強の教材だと思います。良い点・悪い点をまとめると、以下の通りです。
- 複数の過去問を解くことで、出題レベルが把握できる。
- 同じ論点・選択肢がそこそこ出題される。
- 同じ級については、1冊あたり1年分しか過去問が無い。
- 古いものはプレミアがついて値段が高い。
歴史能力検定3級(日本史)を学ぶのであれば、過去問が最も効果的であるとは思います。
実際に、数冊手元にあるとわかりますが、「日本史」という広い範囲であるにも係わらず、同じような論点が出ている事から、ある程度の出題傾向があり、幅広く過去問をやり込めば「広い範囲の中から、出題されやすい内容を潰せる」のは確かです。
しかし、悪い点に記載した通り「1冊購入しても、1年分しか過去問演習ができない」上に、「古い過去問はプレミアがついて、値段が高い(定価の2倍以上が普通)」という状況なので、複数の過去問を入手することが根本的に難しいです。
日本史 一問一答
その名の通り、一問一答形式になっている日本史の問題集です。
問題集自体は、日本史の学習になるものだと思いますし、歴史能力検定3級に効果が無いとまでは言いませんが、正直あまり効率的な教材とは言えませんでした。
理由は以下の通りです。
- 出題形式が、あまり年代や前後の出来事とリンクしていない
→歴史能力検定では、前後の出来事や年代がヒントになる事が多い) - そもそも出題レベルが、歴史能力検定3級と合致しない
→基礎問題は簡単すぎる。応用問題は出題されないレベルが多い
結局のところ「出題形式も、出題レベルも、歴史能力検定3級にはあまり合わない」内容でした。補助教材としては利用してもいいかもしれませんが、手元に過去問があるのなら、その過去問から出題レベルを推測して、ネットやテキストで学習した方が効率的かと思います。
講談社 学習まんが 日本の歴史
その名の通り、日本史の学習に使える漫画です。普段はこういった「漫画で学習」というのは使わないのですが、何となく気まぐれで利用してみました。
数ある日本史の漫画から、これを選んだ理由は以下の通りです。
- 大学受験レベルまで記載されている
- 出版が2020年以降と新しく、最新の歴史の内容が反映されている
私の場合、高校での日本史の学習経験がなく、主な知識が中学時代(既に20年弱経過してる)であったため、最新かつある程度のレベルの内容が学べる漫画の方が効果的だと判断しました。
ただ、実際に読んでみるとハイレベルなのは良いのですが、その分ボリュームが非常に多く、結果的に受験までに一通り読む時間がそもそも無いという状態でした……。
歴史能力検定3級の勉強方法
実際に行った流れを大雑把にまとめると以下の通りです(この方法はおすすめしません)。
- 過去問3回に挑戦し、実力診断(結果、52点、66点、48点)
- 『日本史 一問一答』の基礎問題を中心に仕上げつつ、『講談社 学習まんが 日本の歴史』を読む
- もう一度実力診断(結果、60点未満!)
- 過去問の傾向に合わせた学習が最優先と考えを改め、『過去問(と、その解説)を見ながら、ネットで調べる形式の学習』に切り替え
正直、2番目の『日本史 一問一答』は、時間の無駄が大きかったです。完全な無駄とは言いませんが、出題形式や難易度を考えると「過去問をやり込んだ方が、効率が良い」という結論です。
今回学習した経験から、より効率的な学習方法を考えると、以下の様になります。
過去問をそろえる
まず、過去問を購入しましょう。先にも記載した通り、出題難易度や出題傾向を掴むために、過去問が必要になるからです。
過去問の数は多い方が良いですが、正直古い過去問は値段が高く、大体1冊2000円程度します(2022年12月時点)。
ですので、無理にとは言いませんが、最新で定価で手に入る1冊と、できればあと2冊程購入できると良いかと思います(何冊もあれば、傾向がつかみやすくなるため)。
過去問を利用して、実力診断を行う
過去問を手に入れたら、まずは念のため自分の実力を診断しておきましょう。
初期の点数が何点であれ、最終的には合格点(60点)以上で安定させることが目標ではありますが、学習後半で自分の成長具合を把握しやすくなるため、初期状態の点数は知っておいた方が安心です。
最初から合格点ギリギリでも油断しない事
歴史能力検定3級は、「日本史」という多くの人が学習経験のある分野であり、また全て4択であることから「初見から合格点ギリギリが取れる」ということはあり得ます(私も3回挑んで、1回は合格点超えました)。
しかし「日本史」という範囲の広い試験であることから、勉強の量の割に点数はなかなか上がりません。
他の「比較的簡単な3級の試験」は、50時間も勉強すれば60点未満から80点を超えられる程に成長できる試験も多いです。しかし、歴史能力検定3級については、50時間の勉強くらいでは劇的に点数を上げる事は難しいので注意しましょう。
過去問を解きながら、年表風に歴史ノートを作る
過去問を読んでいるとわかるかと思いますが、歴史能力検定で出題される内容は「○○年の出来事」「○○が行った政策」など、物事の時期や前後の出来事の順番がヒントになる問題が多数出題されます。
ですので「過去問で出てきた内容(正解以外の選択肢を含む)」について、年表風に歴史の出来事をまとめて学習すると、実際に出題された際に正解に結びつきやすくなります。
また、ノートにまとめていくと、同じくらい有名な出来事・人物・役職などが見えてくるはずですので、それも年表の中に組み込んで学習していきます。
この際、ただの用語の羅列にすると、はっきり言って暗記は難しいです。なので「歴史の前後の流れの中で、どんな影響を受けて起きた出来事で、どんな影響を後に与えたか?」を含めてまとめるようにしましょう。そうすることで、いつ頃の話であるか、前後も含めて覚えられるので、歴史能力検定の出題形式にも対応しやすく、同時に記憶に定着しやすくなります。
過去問が無いなら、せめて年代を把握できる問題集・語呂合わせなどを利用
古い過去問が高くて買えない……という場合は、せめて物事の年代を把握できる問題集・語呂合わせなどの利用をおすすめします。
ただし、これもあまりハイレベルすぎない程度がおすすめです。定価の過去問1冊があればだいたい感じ取れると思いますが、多くの問題は日本史の基礎レベルの知識(正直、難関高校受験レベル以下も多い)で解けるため、あまりハイレベルな参考書はおすすめしません。
また、語呂合わせや年代を中心にした教材のみで学習した場合、年代が明確でない知識(○○世紀レベルになってしまうものなど)や、人物を中心とした話題などは解答できなくなる可能性が高いです。せめて、難関高校受験レベルの歴史のテキスト(できれば普通に高校日本史用のテキスト)などを活用して、足りない知識を補給するようにしましょう。
実際の歴史能力検定3級
試験は11月27日。去年の第40回歴史能力検定と同じ会場でした。
統計データでは、受験者の60%弱が10代とのことですが、自分の会場は何故かやや年齢層が高めな感じでした(マスクの影響で年齢がわかりにくかっただけか?)。
試験時間は、かなりギリギリまで粘って終了。一応、見直しは一度できましたが、全ての問題を解きなおすレベルというよりは、気になった問題だけ読み直し、それ以外はマークミスのチェックをする程度しか余裕はありませんでした。
十分に勉強ができていて即答できるレベルなら余裕をもって退席できると思いますが、記憶が怪しく、出来事の前後の関係を色々と思い出したりしていると、時間が足りなくなってくる可能性があるので気を付けておいた方が良さそうです。
歴史能力検定3級の結果
2022年12月10日時点では、まだ正式な結果は出ていませんが、試験の翌日に正解の発表がありました。
その結果を見ると、64点で合格。ギリギリでした……。
見直してみると、ケアレスミスがなんと3問(6点)。試験時間内にこれに気づけなかったということは、やはり学習不足と言わざるを得ない感じです。
来年受験するには時間がなさそうですが、2級に挑む際はもっと無理ない計画で学習したいと思います。
そもそも「歴史能力検定」とは
そもそも「歴史能力検定とはどんな試験か?」については、準3級の体験記の中にまとめました。
また、歴史能力検定の想定される難易度・勉強時間については、以下の記事にまとめました。今後受験予定の方の参考になれば幸いです。