プロジェクトマネージャ試験 午後Iの傾向・対策・勉強方法について

3月 22, 2020プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験について、複数の教材と学習経験から、午前I試験の傾向と対策を確認し、自分の受験用に学習方針をまとめてみました。興味のある方は学習の参考にしていただければ幸いです。

本記事は未合格者かつプロジェクトマネジメント未経験者が執筆しております。多くの教材や学習のハウツー本にも書かれておりますが、合格していない人の「これをやると効果的!」という内容はあまり信憑性がありませんので、ご注意ください。

午後Iで必要な文章読解能力

適切な場所に線・マークを書き込む

読み直しのためにも、設問に線やマークを書き込むことは重要です。典型的な例では以下のようなものが上げられます。

線・マーキングした方が良いポイント

  1. 契約の形態
  2. 登場人物・会社のポジション
  3. プロジェクトの目的・最優先事項
  4. マイナス・デメリットの記述
  5. プラス・メリットの記述
  6. 箇条書きの内容とその対比
  7. 時間・行程に関する記述(とくに周囲との関係性)
  8. 本来必要ではない記述

1・2番の「契約形態」や「登場人物・会社のポジション」は、直接設問で問われるポイントになる可能性はそれほど高くない印象です。線引きの目的は、文章全体の理解を助けること。線を引き、関連性がわかりにくければ、余白に自分で図を書いてみてもOKです。

3・4・5番の「プロジェクトの目的・最優先事項」「マイナス・デメリットの記述」「プラス・メリットの記述」などは、そのまま正解になることも多いかなり重要なポイントです。全てが設問と直接の関連性を持つわけではありませんが、文章を読み直すときに漏れなく確認できるようにした方がいいでしょう。

6・7番の「箇条書きの内容とその対比」と「時間・行程に関する記述(とくに周囲との関係性)」については、それぞれ周囲との関係性が正解を導くヒントやそのまま正解となることがあります。箇条書きについてはマイナス点が列挙され、その後その解決策が並ぶパターンなどが登場します。こういった箇条書き同士の関係性はとくにマークします。また、時系列を表す図が登場したら、周囲の時間や行程を示す記述と線で結び付けておきましょう。

8番の「本来必要ではない記述」も要チェックです。例えば「A社の社長とB社の社長は友人である」などは、本来不要な記述。あえて書いているということは「きっと馴れ合いが問題になるのでは…」と推測することもできますし、それが解答となることもあります。

読み飛ばし読みも可能。ただし、注意が必要

プロジェクトマネージャ試験の問題の多くは、時系列に沿って文章が記述されています

文章の内容も、基本的にはわかりやすく構成されているため(10問に1問くらい、設問に影響する部分に不適切な日本語が紛れますが)、キーワードをおさえつつ、どの段落が何について述べているかをザっと把握し、設問を読んだ後から精読する対応も可能です。

ただし、注意点があります。それは「一度はしっかりと読み込む」こと。つまり「読み飛ばしはあくまでも全体の把握のため」であり、解答の根拠を把握する作業は、別途必要です。

じっくり読み込む際は、図にある注釈レベルまで、しっかりと読み込みましょう(図の注釈が答えにつながるパターンも少なくありません)。「この問題は本文に根拠のない知識から解答する問題だな」と判断したら、実は読み飛ばした場所に根拠があったなどということもあり得るため、その点は注意が必要です。

プロジェクトマネージャ試験の午後Iは、あまり時間に余裕のある試験ではありません。しかしながら、時間が大きく足りない試験でもなく、総合的に見ればしっかり読むことに時間を使うことが点数に対して最も効率が良くなります。あくまで読み飛ばしは「全体の把握を効率よく行う」ためと考えて利用しましょう。

本文中の言葉を上手く利用すること

解答らしき言葉が本文中にあれば、できるだけそのまま利用しましょう。

極端な話、求められている条件を満たすのであれば、本文そのままの抜粋でもOKです。むしろ表現を変えた影響で減点される可能性を排除できます。別の表現を考える時間を削減できるメリットもあります。

ただし、本文から抜き出しをするのであれば、解答である根拠と、設問に対して適切な解答であるかを確認してから行いましょう。安易な抜き出しは不正解につながる可能性もあります。

設問は慎重に読み取り、言葉を選ぶこと

午後Iの自己採点の際は、間違いの原因に「設問の読み間違い」が多いかはしっかりと把握しておきましょう

例えば「○○の目的を答えよ」という設問に対して、「○○の原因」「○○の理由」を書いていたら当然不正解です。この例だけを見ると「誰がそんな初歩的なミスするんだよ…」と思えますが、実際の問題では「○○を行った目的」と「○○を行った原因」「○○を行った理由」を混同し、間違いやすく作られているものが散見されます。

他にも「各チームのリーダーにヒアリングした内容を答えよ」と問われ場合。これは、どう解釈するべきでしょうか?

設問・問題文によって判断が変わるかもしれませんが「各チームのリーダーに訊ねたこと」と考えるか「各チームのリーダーから聞き取った結果」と考えるかで、解答が変わってきます。

今回の場合、問われている内容は「ヒアリングした結果」ではなく「ヒアリングした内容」ですので、どちらかといえば「各チームのリーダーに訊ねたこと」と考えた方が妥当でしょう。

ちなみに、この例の問題としては、下の例のように平成21年午後I問3の設問3(1)があります。

(1)本文中の下線⑤(これまでのQ社との定例会議の運営に原因があると考えた)について, N課長は, どのようなことをヒアリングして, 定例会議の運営に原因があると考えたのか。20字以内で述べよ。

正解例1:実際の作業の進め方やルールの整備状況
正解例2:報告の内容が似た二つの定例会議の存在

引用:平成21年 プロジェクトマネージャ試験

この例で、正解例2の「報告内容が似た二つの定例会議の存在」は、ヒアリングした「結果」わかったことである可能性が高いです。ですので、本来は不正解になる可能性が高くなります。

実際の試験では、行間部分で「N課長が資料に目を通して、既に知っていた」という判断もできるからか、公式解答でヒアリングの「結果」と思われるものも正解例2として採用されています。しかし、こういった解答は次回以降の類似問題で通用しない可能性もあるため、注意した方がいいでしょう(本文中で「似た定例会議の存在を知らなかった」と明記されているなど)。

午後Iで必要な知識レベルについて

用語レベルの出題はどの程度出てくるか?

まず、プロジェクトマネージャ試験の午後Iでは、用語レベルで解答する問題はまず登場しません

「絶対に」とまでは断言できませんが、10回程度過去問を解いただけでは、そうそう遭遇することもありません。

断言しますが、用語の暗記に集中するのは、午前II対策用だけにした方が効果的です。

私は、システム開発すら経験がありませんでしたが、午後Iの初期学習で、用語の理解不足が失点につながった問題は、13問解いて「EVM」についての詳細が問われた問題の、更に設問の一部です。それも、実際には本文中に用語の説明もあったため、実際には読解力不足が失点の主な原因です。

そのことを考えると「用語の正確な理解」を行ったところで、それによって得点できる期待値は1点未満ではないかと思います。ネットワークやデータベースなど、スペシャリスト系の試験と同じ学習スタイルは通用しませんので、その点は注意しましょう。

知識については問われる

念のためですが、用語が問われないからといって、知識が問われないわけではありません

いわゆる「プロジェクトマネージャとしてのあるべき姿」、いわゆる「一般論」はかなりの頻度で問われます

ですので

「○○という問題が発生したら、普通××で対応する」
「○○という状況では普通××が問題になりやすいから注意」

といった一般論レベルについては、反射的に解答できるレベルで習得した方が効果的です。もちろん、問題文と比較して吟味は必要ですが、ほとんどの問題で「想定できる正解のパターン」が想像できるレベルになっていれば、知識面では合格レベルといえます。

問題文から導くパターンと一般論で答えるパターン

上記の通り、一般論の理解は非常に重要で、実際の設問も

  1. 問題文中の記述を根拠に解答するパターン
  2. 一般論を使って回答するパターン

の大きく2種類に分類できます。

そして、どちらにしても、先に一般論で何通りかの正解パターンの辺りをつけ、根拠となる記述がないか問題文から確認すると、より正確に答えに近づけます。

そういった意味でも、午後I、午後IIの演習を通して「プロジェクトマネージャのあるべき姿」「一般論」については、登場するたびにしっかり覚えていくようにしましょう

午後Iで最低限おさえるべきテクニック

午後Iでおさえておくと便利なテクニックについては、以下の記事でまとめました。

直接的には「プロジェクトマネージャ試験」に対する実力は上がりませんが、得点や学習効率には貢献する可能性の高い知識です。受験するのであれば、最低限おさえておくことをおすすめします。

プロジェクトマネージャ午後Iの学習スタイル

過去問を紙に書き込める状態で利用する

学習に利用するのは、主に過去問です。

というのも、個別の用語やプロジェクトマネジメントで利用されるツールについての理解を深めても、ほとんどそのままの内容は午後Iで出題されないから。

重要なのは

  • プロジェクトマネジメントの「一般論」に関する知識
  • 設問と本文を正確に読み取り、解答の根拠を探す能力

の、ほぼ2つです。用語の暗記は点数につながりませんので、おすすめできません(用語暗記は午前II対策で直前にまとめてやりましょう)。

また、紙での学習をおすすめします

プロジェクトマネージャ試験は、解答を導くまでの流れが重要ですので、書き込んで考えることは不可欠です。また、書き込みをしておくことで、見直しの際に「何が自分に足りなかったのか?」がはっきりします

私は電子書籍で「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」を購入しましたが、過去問演習については、下の写真のようにPDFを小冊子印刷でA4用紙に印刷して利用しています。

印刷代はそれなりにかかりますが、それでも書き込んで学習できることによる学習効果の向上を考えれば、コスパはかなり優れています

解答までの流れを習得する

何度も記載している通り、学習の際は「解答に至る流れ」を把握するように意識しましょう。もちろん、自己採点や見直しの際もここが重要です。

具体的には、おおむね以下の流れになります

午後Iに解答する流れ

  1. 設問で問われている内容を正確に理解する
  2. 設問で問われている内容に対する一般論としての正解を思い浮かべる
  3. 設問で問われている内容や、その一般論としての正解と合致する箇所を問題文から拾う
  4. 合致した部分から、解答の根拠となる部分を見つけ出し、抜き出し又は編集して解答文を組み立てる
  5. 「正解」とするのに必要な言葉が適切に含まれているか、組み立てた文章を見直す

こうまとめると結構簡単な作業です。しかし、この作業を正確に実行できるかは、何度も午後I問題に取り組んで精度を上げる必要があります。とくに設問と問題文を正確に読み取る能力は、繰り返し午後I試験に取り組んで鍛える必要があるでしょう。

また「一般論としての正解」を思い浮かべるためには、ある程度の知識が必要となります。用語レベルの理解は不要ですが「○○ときたら××」といったパターンの理解は重要です。そのためにも、午後I試験はもちろん、午後IIの問題文で述べられている「プロジェクトマネージャがやるべきこと」は、できるだけ覚えておくようにしましょう。

2回目以降は解答までの流れの理解に集中する

高度情報処理技術者試験全体にいえる話ですが、同じ問題を繰り返し解く場合は、目的意識が必要です。

なぜなら

繰り返し過去問を解く際の注意点

  • 全く同じ問題が出題されることはない
    答えの丸暗記は意味がない
  • 2度目なら点が上がるのは当然
    点数を競うことにもあまり意味がない
  • 2度目なら速度が上がるのは当然
    1問45分で解けることにもあまり意味がない

といった理由があるからです。

つまり、繰り返し問題を解く場合も、結局は以下の2点に集中することが最大の効果を発揮するといえます。

  • 正解までの流れを正確に読み取る力を養う
  • 一般論としての知識の補充を行う

1回目と目的は同じですが時間・点数は気にしない」というところがポイント

とくに知識の補充の場合はガンガン答えを読んで、短時間で問題を進めていった方が効果的です。

慣れてきたら、午後II用のネタ集めを行う

午後Iに慣れ、ある程度の点数で安定するようになった人は、午後II用のネタ集めに集中しましょう。

午後Iは「プロジェクトマネージャとしての正しい対処方法」が詰まっています。これを抜粋し、午後IIの論文に組み込みやすい具体例に変換してしまえば、採点者が減点しにくい具体例になります(だって、試験側が「正しい」と考える正しい対処法なのですから)。

もちろん、午後IIで大切なことは問題の意図に沿った内容を論述することですので、むやみに午後Iで作ったネタを論文に組み込むことは危険ですが、武器は多いに越したことはありません。

余裕があれば、午後Iの学習をしつつ、午後II用のネタ集めをするといいでしょう。

どのくらい午後I問題を解けばいいのか?

正直、人によります。

私が参考書や資格の予備校の情報などを参考にしたところですと、100時間未満の短時間の合格を除くと、だいたい20~45問に取り組んでいる人が多いようです。

極端に少ない人であれば、当然「0」という人もいますが、短時間で合格している人でも7~15問程度が多いです。恐らくは大まかにPMBOKの各分野から1~2問ほど学習している人が、短時間の人には多いのではないかと予想できます

ちなみに、私が利用している情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」では、各章(テキストでは全7章)について、おすすめの過去問が掲載されています

そのおすすめの過去問の中で平成15年以降のものを中心に取り組めば、だいたい30~40問程度になるのではないかと思います(私はこの範囲から34問を抜粋し、学習しています)。

プロジェクトマネージャやシステム開発経験の浅い方・全くない方が挑むのであれば、30問前後は取り組んでおき、あとはそれらの見直しをする形で学習するといいでしょう。