PM試験の計画策定と序盤の学習 ― システム開発未経験からのプロジェクトマネージャ試験【記録1】
2020年の目標に掲げたプロジェクトマネージャ試験について、2月14日から本格的に勉強を開始しました(最初に勉強したのは1月30日ですが、2月13日までは午前II少しと傾向分析してました)。
この記事では、プロジェクトマネジメントはもちろん、システム開発・保守・運用なども未経験の、純粋なネットワークエンジニア(主な仕事はネットワークの監視・保守・運用)が、無理やりプロジェクトマネージャ試験に挑む過程を記載いたします。
冒頭の解説の通り、本記事は未合格者かつプロジェクトマネジメント未経験者が執筆しております。多くの教材や学習のハウツー本にも書かれておりますが、合格していない人の「これをやると効果的!」という内容はあまり信憑性がありませんので、ご注意ください。
また、本記事で登場する学習時間は、Studyplusで計測しています。
午前IIで基礎知識を得る(所要時間3時間33分)
まずは、午前II対策で基礎知識を得ました。定番の学習方法です。利用したのは定番の午前対策サイト「プロジェクトマネージャ試験過去問道場」です。
午前IIの学習には時間をかけてはいけません。過去の高度情報処理技術者試験の受験では、手を抜いたつもりだった、情報セキュリティスペシャリストでは94点、更に手を抜いたつもりだったネットワークスペシャリストで84点と、どちらも手抜きで高得点がとれています。
また、今回はスペシャリスト系の試験ではないという特徴もあり、覚えるべき知識もあまり多くないことは、事前知識でなんとなく知っていました。
ですので、最初の勉強の目的は「プロジェクトマネジメント未経験の人間に、最低限の知識を入れること」としていました。この目的から脱線しないために「60点以上を取れるようになったら手を引く」と決めていました。
総勉強は3時間33分。ちなみに、この勉強は1月30日から実施しています。
出題傾向を分析する(所要時間14時間16分)
順番が逆になりましたが、午前II対策の次に出題傾向の分析を実施しました。
以前に、TACで開催していた「情報処理講座 アフター6個別相談会」に参加して、その際にも傾向と対策について確認していました。が、「事前調査は重要」と知りながら、毎回ここで失敗しているので、「難関+未経験」という条件も考慮して、かなり徹底的に調査しました。
利用したのは「TACのプロジェクトマネージャ試験の本科生(午前I試験免除)コース」と「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」の二つです。
まずはTACの方。
届いた教材は意外とコンパクトです。左上のマウスと比較すると、どの程度かわかるかと思います。
開けてみるとこんな感じ。
公式のHPを見ても内容はわかりますが、教材の内容はだいたい以下の通りです。
- 教材関連の手引き
- 学習のスケジュール表
- 実力診断テスト(午前II・午後I)
- 模擬試験
- 論文添削(ツーウェイ)
- 事例集
- 過去問と解答・解説(3年分)
- ALL IN ONE パーフェクトマスター プロジェクトマネージャ 2020年度
- 講義動画(Web通信講座なので、箱にははいっていません)
ちなみに「ALL IN ONE パーフェクトマスター プロジェクトマネージャ 2020年度」については、一般向けにも販売されていますので、誰でも簡単に購入できます。
さて、色々と教材の内容について解説しましたが、傾向分析に利用したのはほぼ講義動画のみ。念のため、学習のスケジュール表は確認しましたが、学習がやや短期であること、システム開発・保守・運用も含めて未経験であることも踏まえたアレンジが必要かと考えました。
そして、もう一つの「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」。プロジェクトマネージャ試験では、私も一度は名前を聞いたことがあった、
これらを使い、約15時間も投入して傾向分析と対策を実施しました。その結果がこちら。
- 午前Iは免除なので無視
- 午前IIはほぼいらない。直前10日くらいになったら見直して、答えを丸暗記(本当は一夜漬けでいいが、念のため)
- 午後Iはネタの収集目的でやる。本格対応は後回しでも大丈夫
- 午後IIは早めに取り組む。とくに、1回目の論文作成の心理的ハードルをどれだけ早く突破するかが鍵
理由や詳細については、流石に著作権的にまずそうなので書けませんが、上記どちらの教材を参考にしても、自分の過去の傾向を考慮すればだいたいこんな感じになります(過去経験として、セキスペ、ネスペの両方とも午後Iは7割超えていましたが、午後IIは60点±1点でした)。
ここまでにかけたのは18時間弱。2月13日に完了しました。
基礎知識の再学習と、午後IIの論文対策を並行する(合計24時間58分)
ここで、次に実施した内容が「基礎知識の再学習」と「午後IIの論文対策」です。
通勤時間などの立っている時間は「基礎知識」、机に座ってじっくりできる時間は「論文対策」にあてて、並行して実施しました。
基礎知識の再学習
基礎知識については、既に午前IIで学習しましたが(3時間33分だけですが…)、過去のスペシャリスト系の試験では、後々になって「体系的に学習しておけばよかった…」というパターンに遭遇しているので、念のための対策です。論文のためのネタをインプットしたかったという理由もあります。
ここでも利用したのは「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」です。「ALL IN ONE パーフェクトマスター プロジェクトマネージャ 2020年度」でもよかったのですが、途中まで読んでいた「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」の方を利用しました。
後で比較してわかりましたが、基礎知識を詳細に学ぶのであれば「ALL IN ONE パーフェクトマスター プロジェクトマネージャ 2020年度」の方が詳しいという印象です。「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」の方が、比較的午後II対策に向いています。
午後IIの論文対策
並行して、最優先の課題とした論文対策も実施しました。
利用したのは「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」に加えて「プロジェクトマネージャ午後II 最速の論文対策」です(同じ「三好」さんの本ですが、別人です)。
中古が安かったので2014年版を買っていたのですが、想像以上に使い勝手がよく、システム開発・保守・運用未経験の自分でも「これを利用すれば合格論文が書けるのでは?」と思える汎用性の高い(と思う)例文が収録されていました。
また、念のために…と、後になって2020年版を購入しましたが、例文がかなりパワーアップしており「念のため」をはるかに上回る内容でした。今後、例文を利用した実戦経験を積んでいきたいと思います。
ちなみに、この論文対策では、かなりの時間を「どんなことを準備するべきか?」「どんな点に注意するべきか」というものに消費していましたので、実際には傾向分析に近い内容となってしまいました。
実際に論文の例を読んだり、書き写したりもしましたが、学習時間の半分程度です。
基礎知識と論文対策の実施時間(2月21日時点)
あくまで2月21日時点ですが、追加での基礎知識の学習には14時間11分。論文対策は10時間47分です。
基礎知識については、追加で3時間程度読んだら完了です。その後は、他の勉強をしながら必要に応じて補給するだけにしたいと思います。
一方、論文対策については、今後もがっつり実施予定です。書いて、評価して、読んでを繰り返すことで、とことん慣らしていこうと思います。
ここまでの勉強時間と教材について
総合の勉強時間
学習時間については、週ごとにまとめると以下の通りです。
開始は1月30日(1月27日の週)。
そこから傾向分析をメインに行い、2月13日までは準備期間として取り組んでいました(この時期は、他の勉強を中心に生活していました)。本格的に学習が開始されたのは2/14からです。
実は、上記の勉強時間には論文試験の初チャレンジも含まれていますが、その内容については別の記事で…。
利用した教材と見つけた教材について
今回利用した主な教材は以下の通りです。
総合的に判断すると、TACの講座を受講したのは、やや不要だったかなと思います。
というのも「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」が想定以上に優秀で、試験の傾向分析から肝心の論文対策について物凄く詳細に対策が書かれています。
TACの講座(5万弱)を利用しないとできないことといえば、「実力診断テスト」「論文添削(ツーウェイ)」「模擬試験」ですが、「実力診断テスト」は自分には試験までに時間が無さすぎるし、「模擬試験」はあくまでも心理的な落ち着きを得る程度の効果しかないかと思います(過去問がたくさんあるので、そっちをやればOK)。
ただ「論文添削」についてはかなりの効果が期待できます。午前IIはもちろん、午後Iについてはある程度自分で採点が可能ですが、論文だけは客観的に何人もの論文を見ている人でないと、正確な評価が下せません。
格安の論文添削サービスもあるそうですが、中には見当はずれの添削を行うサービスもあるらしいので、そういう意味では大手予備校が実施している論文添削サービスは信頼できるかと思います。
…が、実は「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」の三好さんが実施している論文添削サービスがあり、論文添削のみでいえば、こっちの方が安かったという結論です。
月2回コースであれば2万円かかりますが、試験までに最高10回程度の論文添削を行うことができます(しかも、ツーウェイどころか、A判定が出るまで同じ内容で練習できます)。
とはいえ、既に締め切り(秋の試験は4月から受付予定だそうです)なので、現実的にはTACのツーウェイ添削しか自分には選択肢がなかったかなと。
今後の学習方針
大まかに書くと、以下の通りです。
- 「最速の論文対策」を使って、使えそうな表現を丸暗記
- 午後II問題に実際に取り組む(主に2時間で書くためのトレーニング)× 9回程度
- 午後II問題を読んで、下書きだけ作る(主に20分程度で正確な方針を立てられるかのトレーニング)× 50回程度
- 実力診断テスト・模擬テスト・論文添削(復習も含めて、25時間程度)
- 午後I対策(普通に解く)× 28問
- 午後I対策(解法の確認と、論点の暗記・ネタ収集)× 28問
ザックリですが、残り260時間くらいはかかるのではないかという状況です。
260時間(ここまでの時間を含めると300時間くらい)というのは、やや多めに学習して合格した人の数値の範囲内です(私が確認した限りでは)。私にシステム開発などの経験がないことも考慮すると、これくらいの時間は勉強する必要があるかと思います。
短時間の人は50時間くらいで合格しているそうですが、合格体験を読むと、少なからず「用意しておいた論文が、運よくそのまま使えた」というパターンの人がいます。短時間での合格は現実的ではないと考えて、今後も学習に励みたいと思います。
現状の心配事項 新型コロナウイルスは大丈夫か?
現状で心配なことは「新型コロナウイルス」です。
過去に東日本大震災が発生した際には、情報処理技術者試験は延期され、高度試験は6月26日の実施となりました。
もしも新型コロナウイルスが蔓延した場合、どう対応するかはわかりませんが、通常通り試験が開催される可能性は低いのではと考えています。既にTOEICの3月の試験についても中止の可能性が示されていますので、情報処理技術者試験についても、同様の対応を取ることになるかもしれません。
5月24日には工事担任者AI・DD総合種の試験もありますので、1年の学習スケジュール全体を柔軟に変更し、対応していきたいと思います。
3/3追記
2/27にIPAのHPで発表された「重要なお知らせ」では、現時点では4/19に試験を実施する予定のようです。
試験の中止や延期が発生する場合も、同様にHPで発表されるようですので、試験前には確実に確認しておきます。