【2020年】プロジェクトマネージャ試験に不合格だったので反省点をまとめます
2020年に受験したプロジェクトマネージャ試験について、不合格だったので反省点をまとめておきたいと思います。
未経験からプロジェクトマネージャ試験に挑む方の参考にしていただければ幸いです。
プロジェクトマネージャ試験の結果
まずは、プロジェクトマネージャ試験の結果について。以下の通りです。
論文が最低評価の「D」判定で不合格です。
ちなみに、論文試験で「D」判定が付くというのは、書くべき内容が不足しているとか、論点がずれてるというレベルではなく
- 根本的にプロジェクトマネージャとしてやるべきでないことを書いている(裁量の逸脱など)
- フォーマット上に明らかな不備がある(文字数が大幅に足りないなど)
- 論述している内容が、全く見当違いになっている(全く問われていない内容を語っているなど)
といった可能性が高いそうです(詳しいことは「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」など、参考書でも紹介されています)。
フォーマットは本番で再チェックして問題ないことは確認しているので、大丈夫だったと思います。
一番あり得るのは「プロジェクトマネージャとしてやるべきででないこと」を書いてしまったこと。
明確に書いてしまったという記憶はありませんが(未経験なのでこのあたりは自信が無い)、思いついたことを手あたり次第書いてしまったため、その中で何か不味いものを書いてしまった可能性が高いと思います。
事前知識
事前知識は、ほぼ4年半前に学習した応用情報技術者試験の内容だけです。
一応、IT業界では働いていますが、ずっと派遣先に駐在してる立場でネットワークの保守・監視を中心とした業務をしている状態です。マネジメント・開発に関わる内容については、全く触れてきませんでした。
勉強時間
試験半年前までの勉強時間は以下の通りです(記録はStudyplusを利用)。
勉強時間は138時間51分となりました。
これらに加え、2020年2~3月頃のプロジェクトマネージャ試験延期前にも勉強していましたので、それと合計すると一応長期で見れば200時間は超えています。
例年より、仕事が月20時間程多い状態が続いていたので、これ以上勉強時間を増やすなら、もっと早くから勉強に取り組むべきだったと思います。
教材ごとの勉強時間は以下のようになりました(図の時間は、左から4、5、6、7、8、9、10月の勉強時間)。
当たり前ですが、午前IIはかなり少なめです(教材は「プロジェクトマネージャ試験 過去問道場」)。覚えることが少ないので、これでも84点は取れました。
最大のミスは、午後IIの過去問演習が10月に入ってから全くできてなかったこと。主な原因は以下の3つ。
- 22~23時に仕事が終わることが多く、論文を書けるようなまとまった時間が少なかった
- 論文については、暗記カード(AnkiDroid(プロジェクトマネージャ試験))で例文の復習ができたため、油断した
- 模擬試験の結果は、午後Iの方が明らかに悪かった(9月9日時点)
- 一週間前からの休日を利用できなかった(技術士と休日出勤に使った)
これが午後IIでD判定となった直接的な原因とまでは言えませんが、直前で何回か論文を書いていれば、本番でもっと要点を絞り、下手なことを書かずに済んだ可能性は高かったと思います(実際、9月頃に比べてだいぶ発散した内容を書いてた)。
また、午後Iは9月9日に実施したiTECの模擬試験では45点で評価Dだったので、その影響もあって午後IIの時間を削ってしまいました(この模試では、午後IIの論文は62点で合格ライン)。
プロジェクトマネージャ試験で実際に行った勉強
プロジェクトマネージャ試験で実際に行った勉強方法について、簡単にまとめます。
ちなみに、午前Iは免除だったので省きます(やるとしても、前回を除く直近5年分の応用情報の過去問演習を10~20時間程度です)。
【午前II】ほぼ勉強しない
先に掲載した勉強時間の通り、午前IIは勉強しても時間の無駄だと判断し、ほとんど勉強しませんでした。
勉強内容は過去問演習一択です。これは、他の高度情報処理技術者試験の午前IIと同じ。
勉強時間の合計は、半年間で4時間弱。2~3月の学習と合わせても、10時間にも満たないと思います。
プロジェクトマネージャ試験は、暗記系の問題はほとんど問われない試験であり、午前IIも「○○スペシャリスト」系と比べると、問われる用語は極端に少ない試験です。実際、私も素人から5時間足らずの勉強で8割の正解率を超えられたので、勉強なしでも合格できる人も多いのではと思います。
ただ、「論文で知識を見せて点を稼ぐ」「過去問の流用を利用し、確実な合格ラインを狙う」という視点で言えば、5時間程度の過去問演習は行っても損はないかと思います。

【午後I】各分野を淡々と過去問演習 → 間違えた要因を暗記カード化
午後I対策は単純で「PMBOKに合わせた分類別に過去問に数問ずつ挑み、間違えた要因を暗記カード化していく」ということを地道に繰り返しました。
自宅でじっくり勉強できる時間がとれないことは明らかであったため、復習の時間については、自宅でやるだけ損だと判断し、全て暗記カードアプリ(AnkiDroid)で移動中に勉強できるようにしました(とくに知識の面)。
また、自分の苦手な内容を把握する為、学習の際に「なぜ間違えたのか?」という要因別に分類し、重点的に対策を打てるようにしました。
地味な手法ではありますが、実際この方法を繰り返すうちに、自己採点の平均点は上昇していきました。
2~3月に34問の演習を行った際の結果では、全分野に取り組んだ後(3月下旬頃)、自己採点では60点以上で安定するようになりました。
8月中旬頃から勉強を再開し、9月9日の模擬試験では、大幅に点数が落ちて45点となっていましたが、この後全分野にもう一度取り組んだことにより点数は向上し、本番は65点ですが突破できました。
午後Iで利用した教材:情報処理教科書 プロジェクトマネージャ
多くの人が利用しており、私もこの参考書が一番のおすすめです。この参考書と論文添削があれば、試験対策は十分にできると思います。
私は中古で他の参考書を購入したり、プロジェクトマネージャ試験用の講座を申し込んだりしていましたが、結局はほとんど利用しませんでした。
この参考書を優先的に利用した理由は「過去問演習と、その深い理解にはこの1冊で十分」と思ったから。
「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」を1冊購入すれば、過去問に対する詳細な解説が何年分もダウンロードで入手できます。
また、学習する上でおすすめの過去問が、PMBOKの分類毎について掲載されているため、計画的に全体的な学習ができます(試験用に調整されているため、若干PMBOKと相違点はあります)。
結果的に、他の参考書を並行して利用しても、時間がもったいないと判断したため、私はこの一冊で学習を進めました。

【午後II】過去問演習と例文の読み込み → 使えそうな例文を暗記カード化
実際に行った学習方法は以下の通り。
- 自宅時間で過去問演習し、使えそうな例文を暗記カード化
- 移動時間や運動時間で暗記カードと例文の読み込み
使用した参考書は午後Iと同様に「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」です。
主に「過去問演習→解答例を読む→暗記カード化」を繰り返しつつ、通勤時間で暗記カードアプリの演習と、論文の解答例の読み込みを行いました。
ただ、先に掲載した通り、午後IIの過去問演習の時間は、10月以降は0分となってしまいました。
これは意図したことではなく、想定外に仕事が試験直前で過密になってしまったこと、技術士の試験で一週間前の休日が潰れたことと、そのタイミングで台風影響もあり、休日出勤が被ったことによるものです。
今回は、この午後IIの勉強について、反省点をまとめたいと思います。
模擬試験、論文添削、本番の得点の推移
反省点の前に、模擬試験、論文添削、本番の得点推移について。それぞれ以下のようになりました。
- 2月24日:76点
- 3月18日:72点
- 9月9日:60点
- 10月18日:84点(本番)
- 2月24日:65点(ただし、明らかに易しくできている)
- 3月18日:63点
- 9月9日:45点
- 10月18日:65点(本番)
- 2月27日:55点
- 3月18日:58点
- 3月21日:65点(ただし、2月27日と完全に同一のテーマ)
- 9月9日:62点
- 10月18日:D判定(本番)
2月24日は、午後Iが易しく作られている実力診断テストでした(勉強開始から10日で受けました)。
本番以外の午前IIの点が悪いのは、直前に30分程度だけ勉強して挑んでいるからです。午前IIの点数はほぼ意味を持たないため、意図的に手を抜きました。
点数だけ見ると「春受験していた方が良かった」という仕上がりの悪さです。こういった目標の期日に向けた調整力に関しては、かなり未熟だなと反省させられます。
また、模擬試験の午後IIが想像以上に良い点数であったため、勉強の方向性を見誤ったと、改めて感じました。
プロジェクトマネージャ試験(午後II)における5つの反省点
今回、明らかに失敗したのは午後IIの論文試験です。ここでは、午後IIの試験について、今回の勉強方法の反省点をまとめたいと思います。
直前の論文の演習が疎かになっていた(進捗管理が甘い)
まず、最大の反省点は「直前の論文の演習が疎かになっていたこと」です。
10月に入ってから一度も論文を書かないという、ハッキリ言ってあり得ない状態で受験してしまいました。
原因としては「終電近い退社が多く、職場近くのホテルに泊まりこんでいたこと」「直前1週間前に技術士の試験で1日半程度休日が潰れた事」「台風影響から休日出勤が発生し、直前の休日が潰れた事」の3点。
とはいえ、これらは「自分のスケジュールの調整力の甘さ」が改善されれば、十分に対応できたはず。
休日出勤や残業は社会人であれば当然に想定すべき(というか、毎回発生してる)。本当に合格したいのであれば、勉強時期をもっと手前にずらし、午後Iを仕上げておけば、数回論文を書く時間くらい捻出できたはずです。
たったそれだけできれば、せめて9月9日の模試程度には、本番もスマートにまとまった文章を書けたはずですし、そうすれば下手なことは書かずに済んだかもしれません。
本当に必要な知識の学習ができていなかった
直前の演習不足と並んで重要なことが「本当に必要な知識の学習ができていなかった」ことです。
プロジェクトマネージャ試験では、午後I・IIともに「プロジェクトマネージャとしてあるべき姿」が問われます。
しかし、私にはプロジェクトマネージャも、マネジメントも、開発も経験がありません。
要するに、本当に基礎となる、問題以前の「プロジェクトマネージャとしてあるべき姿」を見たことも聞いたこともありません。
今回「参考書の過去問演習を第一にすることで、こういったものも学び取り、合格ができるか?」という検証も含めて受験したわけですが、やはり「完全な未経験者は、プロジェクトマネージャの仕事について、基礎知識を試験用の参考書以外でも学んだ方が良い」という結論となりました。
模擬試験と論文添削の影響で油断していた(分析が甘い)
模擬試験と論文添削では、午後IIの試験が大きく合格点から離れたことはありませんでした。
一番悪かった時でも55点、それも勉強開始からわずか10日のときでした。
しかし、結局は「運よく大きなミスしなければ点が取れる」という域に留まっていたことは自分でも薄々感じていましたし、今回の受験で明確となりました。
また、9月9日に受験した午後Iの模試の点数が想定外に悪かったことが重なって「論文よりも午後Iがヤバイ」という意識が働き、結果として「論文は一度書けるようになれば、後は例文の暗記でたぶん何とかなる」という油断が生まれました。
この油断が、直前の勉強を午後Iに割り振ってしまい、結果、最後の休日で午後IIをやろうとしたら、休日出勤で潰れるという流れにつながりました。
暗記カードアプリの繰り返しに終始してしまった
教材別の勉強時間を振り返ってわかりましたが、勉強時間の多くが暗記カードアプリによる復習の繰り返しになっています。ほぼ過去問演習に使った時間と同程度の量であり、10月に至っては演習の3倍です。
これは、10月の勉強時間の多くが、隙間時間と移動時間になってしまった影響です。
しかし、これほど明確な差がついてしまうくらいなら、勉強効率が下がっても、いっそ隙間時間や移動時間で、午後Iの過去問演習をやればよかったと反省しています。
とくに2度目の午後Iの演習については、椅子に座って試験時間通りに行うことに意味はなく「解答のプロセス」や「プロジェクトマネージャとしてあるべき姿の理解度」の確認が主な作業です。
そう考えると、勉強の効率は落ちますが、隙間時間や移動時間を2回目の午後Iの演習に使い、午後IIの勉強時間を捻出するべきだったと思います。
結局、自分が「大丈夫」と感じられるまで勉強するべきだった
最終的な結論として、自分が「これで大丈夫」と感じられるだけの勉強をしていなかったことが合格を逃した一番の原因ともいえます。
これは、今回の受験が「絶対に合格する!」という必要性がない受験であったため、ある程度は仕方がないことではあります。
また、自分のように資格が役に立たない身としては、合格したかどうかより、勉強の過程で何を学んだか(プロジェクトマネージャとしての知識に限らず)ということが重要ではありました。
とはいえ、せっかく受験するのであれば、中途半端に終わらせず、自分が十分と思えるだけの勉強をするべきだったと思います(試験直前の忙しさが読めない以上、これも難しい課題ではありますが)。
もう一度、プロジェクトマネージャ試験に挑むなら?
もう一度プロジェクトマネージャ試験に挑むなら?それが合格を第一に目指すのであれば、私がやっておきたいことは以下の2点です。
- プロジェクトマネージャの仕事についての理解を深める(試験用の参考書以外で、初心者向けの書籍を読む)
- 論文添削をしっかり行う
もちろん、午後Iの対策もしっかりやる必要がありますが、それは今回とおおむね同じ手法で十分だと考えています。
ただ、今回の勉強方法では「プロジェクトマネージャとしてあるべき姿とは?」というプロジェクトマネージャ試験における重要な知識が、過去問演習から拾えるものに限られてしまっているので、前提として、プロジェクトマネージャなら当たり前の知識が明らかに欠けているのは確かです。
その上で「知識ゼロでも過去問演習だけで合格できるものか?」と、今回試してみたという側面もありますが、この方法では「論文で地雷を踏むか、踏まないか」というギャンブルの域を脱することができませんでした。
そこで、次回受験するのであれば「プロジェクトマネージャとしての仕事を基礎から学習する」ことと「運ではなく合格したと言える程度に、繰り返し論文添削を行う」ことに2点が重要だと感じました。
論文添削については、TACやiTECの模擬試験や論文添削だけだと、実践できる回数が少なく「まぐれ当たり」を無くすには不十分だったというのが今回の結果でした。もし、論文添削を利用するのであれば、価格と回数を考えると「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」でお世話になった三好さんの論文添削サービスを使いたいと思います(募集上限的に申し込めない可能性がありますが)。
とはいえ、今年中にはIT業界から離れる予定であり、今は全く関係ない分野で勉強したいことが山ほどあります。
もったいないとは思いつつ、2021年のプロジェクトマネージャ試験を受験するかは微妙なところです。
