【応用情報技術者】未経験でも合格!午前・午後試験の勉強方法
この記事では主に以下の内容を中心に解説します。
- 応用情報技術者試験の、午前・午後試験の傾向と対策
- 応用情報技術者試験における、午後試験の科目の選び方
- 応用情報技術者試験の、勉強の流れ
・午後試験の選択科目で迷っている人
・勉強計画を考えている人
におすすめの記事です。
まとめ。応用情報技術者試験の午前・午後対策と勉強の流れ
- 午前試験は直近10回の過去問があれば対策は十分。ただし直近2回は模擬試験代わりにする
- 午後試験は選択する問題を最初に決める
- 午後試験の選択問題は、短期合格を狙うなら4科目に絞る
- 時間に余裕があるなら、5~6問程度を選択した方が安全
- 未経験でも1問はテクノロジー分野から選ぶのがおすすめ
- 午後試験の選択で迷ったら、試験問題を実際に読み、相性のいいものを選択
- 勉強の流れは、午前試験の過去問から勉強を始める
- 午前試験対策を通して、基礎知識を養ってから午後試験の対策を行う
- 午前試験は最終的に過去問で9割以上を狙う
- 前日の勉強は用語の暗記がおすすめ
応用情報技術者の午前試験の傾向と対策
午前試験の出題形式と合格率
- 試験時間:9:30~12:00(150分)
- 出題形式:多肢選択式(四択)
- 問題数:80問
- 合格点:60点/100点満点(難易度によって前後する可能性あり)
- 合格率:おおむね受験者の50%弱
出題形式は基本情報技術者試験と同じです。四択の問題をひたすら解いていくこととなります。
問題の出題傾向
半数近くが流用の問題であり、その大半が過去10回の過去問で出題されています。基本情報技術者試験などの他の「情報処理技術者試験」からの流用もありますが、数は少なめです。ただし、直近2回の試験からはほぼ流用されません。
流用以外にも、類似問題が多く出題されますので、過去問演習が非常に役立つ試験となります。
午前試験、4つの対策ポイント
ポイント1:徹底的な過去問演習で十分
小難しいテクニックよりも「徹底的な過去問演習」が必要です。
効率の良い暗記方法や、頻出テーマなど、色々と勉強の効率を上げる方法が紹介されていますが、合格と不合格を分けるのは「過去問の理解度」でほぼ決まります。いくら頻出テーマだけ9割取れていても、意味がありません。
出題傾向でも紹介しましたが、流用されるのは直近10回の過去問から最新2回を除いた内容がほとんどです。「直近10回の過去問(最新2回を除く)で9割以上の点が取れる」ところまで勉強すれば、まず落ちることはないでしょう。
ポイント2:よく出てくる単語は地道に覚える
午前問題でよく出てくる単語は、午後試験でも問われる可能性が高い基礎知識です。
こういった単語は地道に覚えていく必要があります。どうしても覚えにくい場合は、ノートやExcelなど、好みの方法でまとめておいて、後で知識を整理しつつ、まとめて暗記できるようにしておきましょう。
ポイント3:略語系が覚えにくいときは、まとめておいて覚える
これも「まとめて覚える」系です。
全く関係ない単語でも、略語系の単語は似たような単語が登場してくることもあり、混同してしまう危険性があります。
試験直前に暗記してしまえば、短時間の勉強でも正解を狙えます。とくに「登場頻度が高い」「よく間違える」略語系の問題については、後で学習できるようにまとめておきましょう。
ポイント4:テキストはお守り代わり
応用情報技術者試験にテキストが必要か? と、問われると正直あまりテキストの必要性は感じません。
理由としては
- しっかり理解するべき分野は午後試験の選択科目なので、比較的得意分野に絞り込める
- ネットで検索すれば情報が充実している
- 基礎知識からの積み上げが必要な内容は出題が少ない(午前はほぼでてこない)
というところです。
体系的に学ぶということでは、テキストは有用であり、試験を超えたレベルでの実力を養成するには有効だと思いますが、検索効率で考えれば、ネットのほうが早いことも事実です。
ただ、試験対策を考えるのであれば、理解のしやすさを考えてテキストを購入するのは悪い選択だとは思いません。とくにIT関連の学習経験が浅い人であれば、1冊数千円のテキスト代を節約するのは避けたほうがいいと思います。
コラム:午前試験の難易度は基本情報技術者試験と大差ない?
応用情報技術者試験の方が難しいのは確かですが、個人的な体感では、応用情報技術者試験と基本情報技術者試験の午前問題には、難易度に大きな差はありません。
実際にわたしが「応用情報技術者試験」と「基本情報技術者試験」の午前の過去問を30問ずつ解いてみたところ、「応用情報技術者試験」が正解率63%程度。「基本情報技術者試験」が正解率70%となりました。
解いた問題が30問程度と少ない状況ですので、数百問単位で問題を解けばもう少し結果が変わってくる可能性はありますが、「基本情報技術者試験を勉強していないと、学習につまずく」という可能性はあまり高くないと思います。
応用情報技術者の午後試験の傾向
午後試験の出題形式と合格率
- 試験時間:13:00~15:30(150分)
- 出題形式:記述式(選択問題、単語レベル、40文字程度の説明文レベルなど)
- 問題数:11問(うち5問解答。必須問題は1問)
- 合格点:60点/100点満点(難易度によって前後する可能性あり)
- 合格率:午前試験合格者の50%弱
応用情報技術者試験の難関は午後試験です。記述式での回答が必要となります。
午後試験の科目の内容
午後の選択問題科目については、以下のとおりです。
問1 | 情報セキュリティ | 必須問題 |
問2 | 経営戦略 | 問2~11の中から4問選択 |
問3 | プログラミング | 問2~11の中から4問選択 |
問4 | システムアーキテクチャ | 問2~11の中から4問選択 |
問5 | ネットワーク | 問2~11の中から4問選択 |
問6 | データベース | 問2~11の中から4問選択 |
問7 | 組込みシステム開発 | 問2~11の中から4問選択 |
問8 | 情報システム開発 | 問2~11の中から4問選択 |
問9 | プロジェクトマネジメント | 問2~11の中から4問選択 |
問10 | サービスマネジメント | 問2~11の中から4問選択 |
問11 | システム監査 | 問2~11の中から4問選択 |
問1の「情報セキュリティ」のみ必須科目です。
必須問題の情報セキュリティ対策
情報セキュリティは、暗記系科目でありながら、暗記項目自体もそれほど多くありません。
また、読解力さえあれば、一般常識で解ける問題が多いところも特徴です。
頻出テーマとしては
- 攻撃手法
- 暗号化方式についての特徴
- PKI
などがあげられます。とくに攻撃手法については出題率が高めの頻出テーマです。平成30年春季試験に登場した「ランサムウェア」の問題など、最近流行りの手法についての問も狙われやすいかと思います(今なら標的型攻撃でしょうか)。攻撃手法や暗号化方式に関する用語については、特徴も含めてしっかり理解しておく必要があります。
また、ネットワーク分野と相性がいいため、ネットワーク系の知識があわせて出題されることもあります。ネットワークを午後で選択しない場合でも、ネットワークのプロトコルに関する基礎知識は身につけるようにしておきましょう。
午後試験では何科目勉強しておくべきか
午後試験で全ての選択科目を勉強するのは現実的ではありません。以下に、私の考える午後試験での問題選択の方法をまとめます。
短期合格を狙う場合は、4問に絞る
短期合格を狙う場合、どうしても多くの科目を勉強する時間が確保しにくいかと思います。
ですので、選択科目は最低限の4科目に絞り込みます。
当然、絞り込んだ科目に難問が出てきた場合はやはり不利になりますが、それでも問題を絞り込んで深く勉強できるため、合格が無理という程にはなりません。
時間に余裕があるのなら、選択問題から5~6問を学習した方が安全
一番幅広くおすすめできるのは、4問選択のところ、5~6科目を学習する方法です。
この方法のメリットは以下のとおりです。
- 難問が出た場合に回避できる
- 苦手なテーマが出た場合に回避できる
4問の選択科目の中に難問が紛れ込む可能性は十分にありえます。勉強時間は多くなりがちですが、難問を避けて得点を安定させるためにも、多めの科目を選択するメリットは十分にあります。
また、同じ科目でも、テーマによって得意・苦手が大きく変わることは十分にあり得ます。選択科目に得点の安定しない科目がある場合は、選択科目を多めに学習しておくといいでしょう。
応用情報技術者の、午後試験の選択科目の選び方
最優先:自分の得意分野
当たり前ですが、自分の得意分野があるなら選択するべきです。得意分野がある人は、これで1科目以上確定します。
プログラマ・システムエンジニアの場合
おすすめ科目は「プログラミング」「組込みシステム開発」「データベース」。ネットワークも検討対象です。
あくまで傾向ですが、プログラムを実務で行った経験がある人であれば、「プログラミング」「組込みシステム開発」「データベース」はときやすい人が多いです。アルゴリズムに慣れていて、SQL系の操作経験もあれば、かなりの得点源になるでしょう。
また「ネットワーク」も比較的点数を稼ぎやすく、必須科目の「情報セキュリティ」との相性も良いためおすすめです。
未経験・国語が得意の人の場合
おすすめ科目は「経営戦略」「プロジェクトマネジメント」「サービスマネジメント」「システム監査」の文章読解科目。それと「データベース」「ネットワーク」です。
ストラテジ・マネジメント系の科目は文章読解力で比較的解きやすく、完全に未経験からの学習であれば、短い勉強時間で得点を得られる可能性が高いです。
ただし、高難易度の出題確率も十分にありえるため、比較的テーマを絞り込みやすいテクノロジー系分野として「データベース」を保険で持っておくことをおすすめします(E-R図とSQLをおさえればテーマを9割カバーできる)。
また「データベース」がどうしても理解できない場合は、「ネットワーク」も比較的テーマは絞り込みやすいです。必須科目の「情報セキュリティ」との相性を考えてもおすすめです。
6科目勉強する場合なら、「文章読解4科目」+「データベース」+「ネットワーク」がおすすめとなります。
どうしても科目を絞れない場合は?
どうしても科目を絞れない場合、結局は相性で選択科目は選ぶべきだと思います。わたしは「ネットワーク」を比較的おすすめはしていますが、個人的に苦手だったため、選択科目からはずしました。
ですので、相性を確認するためにも「同じ程度の難易度の過去問を、解説付きで全科目読んで見る」ことをおすすめします。この方法で、自分の得意・不得意分野を選別した上で、勉強時間に余裕があれば5~6科目。時間がなければ4科目に絞り込みます。
ただし、基礎知識が入っていないと、何を問われているかわからないかと思います。最低でも午前試験の過去問演習で6割程度が取れるようになってから確認を行いましょう。
応用情報技術者の午後試験の対策方法
午前試験と同じく、過去問演習が最も効果的です。
過去問からの流用はありませんが
- 出題形式に慣れる(回答時間が短縮できる。ケアレスミスも減る)
- 頻出テーマに慣れる(問われる内容が想定しやすくなる)
という2点を、過去問演習をとおして行うことが、合格に直結します。
以下に午後試験の対策ポイント3点をまとめます。
ポイント1:用語の意味をしっかり理解しておく
午前に比べると難関である午後試験ですが、問われる知識はそれほど難しくありません。実際に問題を読むとわかると思いますが、問われる用語はほとんど午前試験で登場します。ですので、「知識をつける」方法としては、午前試験の問題演習でほとんどの範囲を網羅できます。
ただし、記述式での出題ですので、理解力は午前試験より上のレベルが必要です。用語の意味を正確に理解できていないと、単語の記述や解説文の記述ができず、点数が取れません。午後で選択する科目については、用語の意味を確実に理解できるよう、日頃から意識して学習をすすめておきましょう。
ポイント2:問題と対応する文章を見つけ出す能力が必要
問題の中には、文章から抜き出して回答できるタイプの問題もあります。
こういった問題は単語の暗記は必要ありませんが、正しく対応する文章を抜き出せないと得点につながりません。
このタイプの問題に対する一番の対策としては「過去問を繰り返し解いて、出題形式に慣れること」になります。
ポイント3:設問と文章の流れは必ずしも一致しない
午後試験は長文読解の内容ですが、設問と文章の流れは必ずしも一致しません。
そこで回答の方法としては、以下の2通りが考えられます。
- 大まかな内容を確認したら、設問に対応する文章だけ確認する
- 文章の全体を読んで、設問に回答する
どちらの方法が正しいというものはありません。
個人的なおすすめは①の、必要な文章だけ確認して回答する方法です。私も①の方法で、全体の文章は読まずに解答していました。
しかし、失敗すると結局は文章全体の読み直しが必要になり、時間を大幅にロスする可能性があります。
応用情報技術者試験の午後試験は、午前ほどではありませんが、時間に余裕がない試験ではありません。しっかり過去問演習に取り組んでいれば、文章全体を読んでも回答は可能ですので、「読み飛ばしが苦手」という人は、文章全体を読んで回答することをおすすめします。
前日の対策の方法
ひたすら暗記がおすすめです。
とくに「よく間違える用語」「略語などの紛らわしい用語」「選択した午後試験の用語」を中心に、自分の知識を見直しておくと効果的です。
前日にもなると、もう午後試験の出題形式には慣れているかと思います(超短期合格を目指す場合は別ですが)。勘を鈍らせないため、せいぜい午後試験は一回分の過去問を解いておけば十分でしょう。
応用情報技術者試験の時間配分について
午前は考える必要なしです。見直しを1回やったらさっさと退室し、午後試験に備えましょう。
午前試験に比べると余裕はありませんが、午後も時間が足りなくなる可能性は低いです。むしろ焦ってケアレスミスをしないことを優先した方が効果的です。
どうしても午後試験の時間が心配な人は、事前の勉強で試験を想定した時間配分での過去問演習をしておきましょう。
基本情報技術者試験との勉強方法の違い
暗記よりも理解が必要です。
出題範囲は、シラバスを見ればわかりますが、出題範囲は基本情報技術者試験と全く同じです。ただし、それぞれのテーマがやや深掘りされているため、繰り返しとなりますが用語の意味をしっかり理解しておくことが大切です。
午前試験の難易度は、午前試験と大差がないため、勉強の割合は基本情報技術者試験以上に午後試験よりになります。国語問題以外も含めて、文章読解力が基本情報技術者試験より必要となるため、とくに過去問演習を繰り返して、問題に慣れておくことを意識しましょう。
応用情報技術者試験の勉強の流れ
勉強の流れは以下のとおりです。
- 午前試験の過去問演習(必要に応じてテキスト・ネットで詳細を確認)
- 午前試験に慣れたら、午後問題の選定を実施
- 午前試験の過去問演習と並行し、午後試験の過去問演習
- 午前過去問で9割に届いたら、勉強時間の8割を午後試験対策に集中
- 前日は用語の確認を中心に学習を行う
勉強方法としては、過去問演習。午前試験から開始して、徐々に午後試験に集中する流れです。
総合的な学習の割合でいえば、午後試験の方が多めになります。事前知識によって割合は前後するかと思いますが、午前試験は過去問で9割を超えるようになったら、あとは点数を安定させるための最低限の学習にとどめて、残りの学習時間を全て午後試験に投入しましょう。
勉強方法さえ間違えなければ、未経験・文系でも十分合格できる
応用情報技術者試験は難しい資格試験ではありますが、明確な「攻略方法」があります。
また、基礎知識からの積み重ねも比較的不要な試験ですので、応用情報技術者試験は理系の試験としては「未経験からでも努力次第で合格しやすい」試験であるとわたしは考えています。未経験からの場合、400時間以上勉強にかかることもありますが、時間をうまく確保できれば、現実的に合格できるレベルといえます。
応用情報技術者の参考書については、以下の記事でまとめました。興味がある方は参考にしていただければ幸いです。