【応用情報技術者】よくある失敗から考える、落ちた時に確認したい不合格対策
この記事では、「応用情報技術者試験で考えられる失敗とその対策」を中心に解説します。
・勉強における注意点を確認しておきたい人
・応用情報技術者になかなか合格できない
におすすめの記事です。
失敗例①:過去問をやらず、テキストだけを繰り返す
とくにIT関連学習の初心者、資格試験初心者にみられる傾向です。
テキストで勉強すること自体は必ずしも間違った方法とはいいませんが、「テキストを読んだ後に過去問を解いたが、理解できなかったのでもう一度読む」ということをすると泥沼化します。
また、繰り返しテキストを読んでいると、次第に慣れてしまい「ただ読んでいるだけで、理解した気・勉強した気になっている」状態に陥りがちです。
正直、テキストは「参考資料」程度の使い方で問題ありません。心配でも「1回読んで、全体の出題内容をだいたい理解した」という程度になったら、学習のメインからはずし、辞書代わりに使いましょう。
- 過去問から勉強を始める。
- どうしてもテキストからやりたい場合、テキストを進めながら、読み終えた分野の問題も解く。
- テキストは1回読んだら、あとは理解が難しい分野を助けるための「参考資料」と割り切る(学習のメインにしない)。
失敗例②:テキストを複数購入し、読み込むのに時間を取られる
テキスト1冊を読み「過去問が解けなかった!」という人が陥りがちの失敗です。
確かに、テキスト1冊では出題される問題を全てカバーできていないことはあります。
しかし「それは当たり前」です。
なぜなら「出題頻度の少ない問題」や「新しい分野の問題(AI、ブロックチェーンなど)」は、テキストがカバーしていない(できない・あえてしない)ことがあるからです。
しかし、その状況で「テキストが悪い!」と判断して、新しいテキストに手を出すと、高確率で泥沼化します。
- テキストがカバーしていない問題は「カバー不要」と割り切る(それでも合格はできる)
- 心配なら、過去問を解きながら、テキスト外の出題も追加で暗記する(余裕があれば)
失敗例③:午前対策に集中してしまう
上記失敗①、失敗②の「テキストやりすぎ!」の人も陥りやすいですが、「基本情報技術者試験と同じ感覚で勉強している人」も陥りやすい失敗です。
午前試験を通して基礎知識を固めることは重要で、午後試験対策の前に、ある程度進めておいた方が効果的です。
しかし、応用情報技術者試験は、午後試験が難関です。試験当日までの残り時間を把握し、確実に午後試験用の勉強時間を多めに確保しましょう。
- 午前試験の過去問で6割が取れるようになってきた時点で、午後試験の対策を開始する
- テキストから勉強を始めたい人は、テキストを読む時間だけ多めに時間を確保する(午後対策用の時間を削らないよう、余裕をもった計画を立てる)
- 午前試験での過去問で9割がとれるなら、残った時間は午後試験対策にまわす(午前は点が下がらないように注意すればOK)
- スケジュールを作る段階で午後試験の勉強時間を多くとる
- 超短期合格を目指す場合は、ほぼ全てを午後試験にまわすのもあり
失敗例④:午前試験で点数が安定しない
単純に過去問演習不足です。
直近10回の過去問から最新2回を除く計8回で、9割の正解率で安定するようになれば、まず落ちることはありません。
ですので失敗例④の対策は、過去問演習。もし過去問の解説を理解できないのであれば、テキストを読みながら学習してみてください。
失敗例⑤:午後試験で点数が安定しない
出題科目を最低限に絞り込んで勉強している場合「苦手なテーマ」や「勉強不足のテーマ」に回答する必要性が高確率で出てきます。こうなれば当然、点数が大幅に下がる可能性があります。
例えば「システム監査」はその名の通り「システム監査」がテーマとなる可能性が非常に高い(約90%)ですが、極まれに「内部統制」や「個人情報保護」が出題されることもあります。
また、難易度も大きく上下するため、高難易度の問題を選択してしまうと点数が大幅に下がる可能性があります。公式の採点講評は、あくまで「受験者の正答率」を公表しているものであり、難易度ではありませんが、明確に「正答率が高い」「正答率が低い」といった傾向が発生することは確かです。
例えば8割以上「正答率が高い」となっているプログラミングでも、過去19回中1回は「正答率が低い」となっています。このタイミングで選択してしまうとかなり不利になるでしょう。
- 選択科目は2つ(少なくとも1つ)多く学習する
- テーマ別の出題頻度も考え、できるだけ「出題されやすいテーマ」の苦手を潰す
- 問題をざっと見て「難易度が高め」「苦手」な科目は選択しない
失敗例⑥:勉強時間が上手く確保できなかった
ある意味、ここまで上げた全ての失敗は「勉強時間を大量に確保すること」ができれば、全て挽回可能です。
しかし、試験までに十分な勉強時間が確保できなければ、IT関連の学部に通っていようが、実務経験が十年あろうが、高確率で不合格になります(「十分な時間」は人それぞれですが)。
とくに社会人でIT関連学習が未経験の人は、多くの時間を少ない余暇から捻出する必要があるので、注意が必要です。
- 詳細な試験までのスケジュール(確保できる勉強時間)を前もって確認し、現実的なプランをたてる
- 定期的に学習進捗状況を確認し、勉強計画との差を確認する。必要に応じてプランを見直す
- スキマ時間は短時間でも勉強可能な午前試験対策。まとまった時間は長文読解が必要な午後試験対策にまわす
- 同じ勉強時間であれば、直前に1~2ヶ月で一気に学習した方が忘れにくい
失敗例⑦:「精神的に乗り気じゃない」と、どんな試験も合格は難しい
私は「応用情報技術者試験は、初心者でも400時間以上勉強すれば、合格可能な試験」だと考えています。効率さえよければ、300時間は十分に切れると思います。
しかし、中には「2000時間やったけど無理」という人もいるのも事実です。
このタイプで一番多いのは「精神的に乗り気じゃなかった」というもの。もっと酷いと「勉強が苦痛だった」ということもあります。
簡単ではありませんが、モチベーションを上げることは、あらゆる物事で非常に大切です。とうぜん同じ勉強時間でも、集中力・吸収力に差が出ます。
ちなみに、私が行っているモチベーションの上げ方はおおむね以下のとおりです(状況によって使い分けます)。
- 思い立ったらとりあえず勉強を開始し、心理的ハードルを下げる(ただし「毎日勉強」などの制約は設けない)
- 好きな音楽・動画を垂れ流しながら勉強する
- 自宅で勉強中はアロマを使う
- 勉強に疲れたら外で運動(散歩も可)
- できるだけ短期間で難易度の高い試験に挑戦し「俺ってスゲー!」という気分にする
「好きな音楽・動画」についていえば、はっきりいって集中力は下がります。心理的なハードルを下げつつ「1日でアニメ24話分も勉強できた!」などの達成感を得るのが目的です。ついでに「このCDが終わるまでもうちょっと勉強…」などの効果も狙ってます。
モチベーションについて、一番まずい状況が「不合格の慢性化」です。モチベーションも下がるし、ストレスもたまるし、成功体験が積めないのは痛いところです。
こういう場合は、一旦ターゲットを変えて「簡単そうな試験を複数攻略し、徐々に目標を上げる」とか「いっそランクを上げて猛勉強の体勢に入る」などがおすすめです。
試験内容の違いによる影響もありますが「基本情報技術者試験に落ち続けていたが、応用情報技術者に挑戦したら合格できた」という人もいます。高度情報技術者試験は、難易度が跳ね上がる印象なので、あえておすすめはしませんが、別の試験などに挑戦して、一度リセットしてみるのもいいでしょう。
「応用情報技術者試験が難しすぎる!」と感じたら?
人によっては、何度も応用情報技術者試験に落ちてしまい「難しすぎる!」と感じる方もいらっしゃるかと思います。
確かに、応用情報技術者は難関に分類される試験です。初心者から合格を目指せば、300時間程度かかる人も多くいらっしゃいます。
ただ、もしも「午前試験が合格できない!」というのであれば、それは単純に演習不足と言えます。統計上、半数程度は以前に情報処理技術者試験から出題された問題の流用であり、類似する知識で解ける問題も多いことから、午前試験については「淡々と演習していけば、遠からず合格点に達してしまう」試験だからです。
一方で、応用情報技術者試験の午後試験は、短文ながら筆記で解答する能力が求められます。そのため「基礎の知識をしっかりと理解し活用できる」ようなレベルの学習が必要になり、よくある選択式だけの試験よりも深い学習が求められることも確かです。
「応用情報技術者試験の午後が難しすぎて突破できない! でも、どうしても合格したい!」という人の場合、お金はかかってしまいますが、スタディングの「応用情報技術者試験講座」が費用が安く、オススメです。試験の少し前の時期などで割引キャンペーンがある場合、合格祝い金と合わせると実質3万円代前半まで安くなることがあります(大手だと10万円程度かかります)。
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また「時間がかかってもいいから、独学で合格を勝ち取りたい!」という人であれば、下の記事で勉強方法を紹介しています。興味がある方の参考にしていただければ幸いです。