【応用情報技術者試験】通信・通学講座のおすすめは? 資格予備校の比較と注意点
この記事では、主に以下の内容を中心に解説します。
- 応用情報技術者試験の予備校の比較
- 応用情報技術者試験における予備校選びの注意点
・応用情報技術者の予備校の講座を比較してみたい人
におすすめの記事です。
※この記事の内容は2022年3月6日に行った調査をもとに執筆しています。
結論。予備校の選び方とおすすめの講座
- おすすめの講座は「スタディング」と「iTEC」の講座
- 通学スタイルなら「資格の大原」の講座
- 予備校は「短縮できる勉強時間」「発生する費用」の関係で選ぶ
- 短期~超短期で受験の場合、あまり予備校は向いていない
- 講座を利用するなら、無料体験・資料請求で事前調査すること
- 割引制度を利用して、安く受講すること
応用情報技術者試験の予備校比較
ここでは、応用情報技術者試験の主な予備校について紹介します。
スタディング(オンライン中心で学習したいなら最もオススメ)
- 価格がほぼ最安値(割引や合格祝い金制度を使えば、3万円代前半まで行くことも)
- 全てオンラインで完結できるので、忙しい人でも隙間時間を活用しやすい
- 通学の必要が無い為、近隣に予備校が無くても利用可能
- オンラインに特化して作成されている為、黒板に板書する動画より見やすく、短時間で視聴しやすい設計
- 学習フロー・学習レポートなどの学習システムにより、試験慣れしていなくても迷わず学習しやすい
直接の質問ができない為、解説が理解できないと自分で調査が必要になる
- 低価格で午前・午後全体の学習を行いたい人
- 応用情報技術者試験に初挑戦の人
- 自宅での学習時間を確保しにくい人
- ITパスポート試験レベルから、一気に応用情報技術者を狙う人
まず「応用情報技術者試験に初挑戦」の人であれば、最もオススメできるのがスタディングの応用情報技術者試験講座です。
スタディングの最大の特徴は、模試までついて、合格祝い金や割引クーポンが利用できれば、4万円を下回るという安さです。実質「参考書+模試だけ」の講座であれば、低価格の講座は他にもありますが、動画の講義や進捗管理などのシステムを使える講座の中ではかなりの低価格です。
また、オンラインに特化していることにより「自宅での学習時間を確保しにくい」という人にも向いています。講義動画もオンラインに特化することにより、板書の時間を省いたり、アニメーションをつけたりと、効率を向上させています。
更にオンラインの特長として、学習フロー・学習レポートなどの学習システムが用意されています。試験慣れしている人であれば不要かと思いますが、こういったシステムにより「自分がどの程度学習を進めたか?」「次にどこの学習をするべきか?」という判断が容易になります。
一方、スタディングの応用情報技術者のデメリットは「オンラインに特化しているため、質問ができない」というところ。この点については、スタディングの他の講座では一部質問ができるオプションがありますが、「コスパの悪い部分を削り、低価格を実現している」というサービスの関係上、今後も質問はできない状態かなとは思います。
ちなみに、スタディングの応用情報技術者のコースには「合格コース」と「初学者コース」があります。「合格コース」は、普通の応用情報技術者試験用のコースであり、「初学者コース」はITパスポートの対策を含めたコースです。もしも、完全なIT関係の素人から、一気に応用情報技術者試験に合格しようという人の場合は「初学者コース」を利用してみてもいいでしょう。
iTEC(価格重視なら最もオススメ)
- 価格はほぼ最安値(3万円代前半。上級者向けで模試を抜けば、2万円を下回るコースも)
- 書籍・テスト・模擬試験問わず、疑問を講師に質問可能
- 通学の必要が無い為、近隣に予備校が無くても利用可能
- 教材の多くがWEBで利用できるため、忙しい人でも隙間時間を利用しやすい
- 講義動画はわかりにくい場所のみなので、基礎的な知識のインプットは市販のテキストで学習
- WEBは「問題集」や「ポイント学習」が中心なので、テキストでの全体的な学習は隙間時間でやりにくい
- 低価格で午前・午後全体の学習を行いたい人
- 応用情報技術者試験に初挑戦の人(プレミアムコース)
- 既に学習経験がある人(プラクティスコースなら割引できる)
最大のメリットは「費用の安さ」。割引キャンペーンを利用すると、スタディングの「割引+合格祝い金」とほぼ同程度か、iTECの方が安くなります。価格重視の人であれば、iTECとスタディングの現在価格(キャンペーン込み)を確認した上で選択するといいでしょう。
また価格の点については、iTECの場合「上級者向けで、一部のサービスを意図的に無くしているコース」も存在し、それはスタディングよりも低価格になります。既に受験経験や学習経験がある人は、上級者向けコースを利用すればかなり低価格での学習が可能になります。
更に、スタディングとの決定的な差として、疑問を講師に質問可能というポイントが挙げられます。低価格の講座の中で、このようなフォローがあるのは特筆すべきメリットだと思います。
一方、デメリットは全てがオンラインで完結しないこと。その為、とくに通勤・通学などで移動が多い場合、分厚いテキストを持ち運ぶ必要性が出てきます。また、テキストについては市販での書籍での学習が中心であり、講義動画はわかりづらい重要な学習箇所のみとなっています。
ちなみに、私個人的には、応用情報技術者の講座であれば、価格の観点からスタディングかiTECをオススメします。その上で、どちらを選ぶかについては、以下のように考えています。
- 価格のみを重視したい場合、その時のキャンペーン内容による
- オンラインでの学習を重視したい・隙間時間の学習が多い人の場合、スタディング
- 学習進捗管理などのシステムを重視したい人の場合、スタディング
- 講義動画の活用を期待している場合、スタディング
- 質問ができることを優先したい場合、iTEC
- 既に学習経験がある場合、iTECの上級者向けコース
- ITパスポートレベルから始めたい場合、スタディングの初学者コース
ちなみに、iTECの模擬試験については、2019年5月17日時点では以下の会場が予定されていました。ただ、新型コロナウイルスの為か、2022年3月6日時点では、自宅での模擬試験のみとなっています。
■東京会場(目白大学 新宿キャンパス)
■大阪会場(TKP 大阪本町カンファレンスセンター)
■名古屋会場(名古屋ダイヤビルディング)
■自宅
資格の大原(通学を低価格で利用したい人にはおすすめ)
- 大手予備校の中では低価格(基本情報技術者合格者向けのコースが5万円弱)
- 学習相談&アドバイスがある
- 通信スタイルなら、通学の必要が無い為、近隣に予備校が無くても利用可能
オンラインのみの講座と比べると価格が高い
- 通学スタイルでモチベーションを維持したい人
- 手厚いサポートが欲しい人
大手資格予備校である「資格の大原」の講座です。
講座には「基本情報技術者復習つきのコース」と「基本情報技術者合格者を想定したコース」があり、「基本情報技術者合格者を想定したコース」は5万円弱と、大手の予備校の中では比較的低価格で提供されています。更に、各種割引制度があり、応用情報技術者試験に再挑戦の場合は20%OFFにできます。
通信と通学で料金はかわらないため、どちらを選んでも問題ありませんが、通学の場合もWeb講義は標準装備となっています。
忙しい人や、近所に予備校が無い場合は「通学」がデメリットになりますが、一方で「通学の方がモチベーションが維持できる!」という人もいるのは確かです。そういった場合、大原の応用情報技術者は、選択肢として上位に入ってくるでしょう。
また、大原の場合、学習相談&アドバイスでの弱点の発見・克服ができます。こういったサポートの手厚さについては、スタディングなどの通信講座にはないメリットと言えます。
無料の体験講座については、ウェブで公開されていますので、どんな講義内容か気になる人は、一度確認してみるといいでしょう。
TAC(割引次第では、安く手厚いフォローを受けられる)
- サポートがかなり手厚い(講義前後とメール)
- 割引制度が充実
- 通信スタイルなら、通学の必要が無い為、近隣に予備校が無くても利用可能
価格は大原よりも高め
- 割引制度で、十分に低価格にできる人
大手資格予備校である「TAC」の講座です。
「TAC」を利用する場合、学習スタイルは「教室・ビデオブース」「通信」「DVD」に分かれており、価格としては「DVD>教室・ビデオブース>通信」となります。
通学のメリットとして、講義の前後で質問ができることが挙げられます。また「i-support」というシステムで、メールでの質問も可能です(50回まで)。
TACは他の講座と比べて価格が高めで、最も高いもので15,3000円、最も安いものでも67,000円です。ただし、割引制度が多く、大幅な割引が可能な状態で、手厚いフォローが欲しい人であればTACの利用も選択肢に上がるかと思います。
実施校が限られてしまいますが、無料体験説明会や公開セミナーも実施しています。無料セミナーでは参加得点として、入会金免除の券や、学習資料などが配布されていることもあります。学習前の情報収集として、一度無料体験を受けてみるのもいいでしょう。
BizLearn(問題演習のみでいいなら、最安値)
- 価格の安さは一番(ただし、問題演習のみ)
- 問題演習のみで合格できる人なら、短時間での合格が狙える
- 通学の必要が無い為、近隣に予備校が無くても利用可能
- 既に基礎知識があり、問題演習のみでいい人
最後に、私が確認した時点で最も価格が安かったのがBizLearnの「応用情報技術者試験 徹底演習」で、19,800円です。
ただし、他の講座と違い、テキストや動画講義の様なものは無く「過去問」と「予想問題」を徹底的に繰り返す講座になります。問題演習の繰り返し自体は、合格にとても有効な手段であり、とくに過去問の繰り返しは私も重要だと思いますが「それなら独学で十分じゃないか?」と考えられることも確かです。
また、前提が「基本情報医術者試験合格レベル」であるため、ある程度以上勉強ができて、細かな調べものは全て自分で行える人向けの講座となります。
応用情報技術者で予備校を選ぶ際の注意点は?
「そもそも予備校を利用するべきか?」で悩んでいる方向けに、予備校選びにおける知識や、予備校を利用することのメリット・デメリットをまとめます。
予備校についての事前知識
予算は2~15万円程度
私が確認した限りでは、予算は2~14万円程度が相場となりました。
つまり、参考書代を1万円とすると、1~14万円程度が差額となり、その「差額の価値があるのか?」が重要になります。
また、通信講座の場合は2~5万円程度ですが、通学の場合は5~15万円程度です。フォローの体制や割引制度、教材の充実具合によって変化しますが、基本的に低価格で学習したい場合、通信講座に特化した予備校を選ぶ必要があります。
同じ予備校の「通信」「通学」の講座では、大きく価格はかわらない
大手スクールが用意する応用情報技術者試験の講座同士では、「通信」と「通学」で大幅な価格の変動はありません。
応用情報技術者試験には実技・面接・論文試験がありませんので、あえて通学にこだわる必要性は低いです。大手スクールを選択した場合、通信・通学で価格にも大差がないので、その点も考慮して学習スタイルを選ぶようにしましょう。
ただし、予備校によっては「通学の場合、講座の前後で質問をできる」場合があります。質問などのフォロー体制が気になる場合は、個別に問い合わせることをオススメします。
予備校を使うメリット
勉強時間を短縮しやすい
勉強時間の短縮については、スクールを使う時に一番意識するべきメリットだと思います。
スクールを利用すれば、細かい自己分析をしなくても、より適切な計画にそって学習できます。また、自分に足りていない学習内容も把握しやすいため、より短期間で合格レベルまで実力を上げられます。
コストパフォーマンスを考えるのであれば、スクールを利用することで、短縮できる時間が多いほど、スクールを利用するメリットは大きくなります。とくに社会人の場合は、短縮した時間に対する価格も高くなるので、スクールを検討する価値も上がってくるかと思います。
予備校を利用した方が、合格率が上がりやすい
スクールを利用のメリットとして、合格率の向上も上げられます。
スクールには試験や受験者に関する過去の膨大な情報が蓄積されています。
こういった情報から「苦手分野は何か」「何の勉強をすればより合格が確実になるか」「今の自分のレベルがどの程度か」を分析し、より確実な合格につなげていくことができます。
学習そのもののノウハウを学べる
「独学で勉強した方が、良い勉強方法を学べる」という意見の人もたまにいますが、私は必ずしも正しくないと思っています(独学の方が勉強方法を学べるなら、極端な話「偏差値高い学校で教えてもらうと勉強にならない」って話になるかと思います)。
とくに資格試験の勉強に慣れていない人の場合「資格取得を専門で教えている人が、どういう思考で勉強させているか?」を考えながら学習できるので「資格試験の勉強方法そのものを学習する」ことができます。
応用情報技術者試験は難関試験ではありますが、より上には高度情報処理技術者試験があります。より上を目指したいのであれば、スクールで勉強方法そのものを学習してみてもいいでしょう。
予備校を使うデメリット
費用が高くなる
やはりどうしても初期費用が上がってしまうのはデメリットです。とくに学生の場合、数万円の出費でも厳しい人もいるでしょう。
とはいえ、4万円を切るような講座であれば、コストパフォーマンスで考えれば人によっては「むしろ安い」という方もいるかと思います。無理ない範囲で検討してみるといいでしょう。
短期~超短期合格を目指すには不向き
どの講座にもいえることですが、学習スケジュールは「高確率で合格できること」を前提に設計されています。
つまり「合格率は低くていいから、短期で挑戦したい」人向けの講座はほぼありません(直前対策用の講座は存在します)。
とくに「直前1週間未満で効率の良い学習をして、運が良ければ合格」ということを狙っている人は、金銭的にもスクールの利用は向いていないといえるでしょう。
応用情報技術者の予備校に申し込むなら、先にやるべきこと
無料お試しで内容を調査する
無料でお試しが可能な場合、一度利用してみるといいでしょう。
スクールの内容と自分の想定との差異もわかりますし、講座を通して試験自体の調査や勉強もできるメリットがあります。
ただし、無料のお試し講座は開かれているタイミングが限られていたり、そもそも存在しないこともありますので、全てのスクールで使える調査方法ではありません。
資料請求で比較
資料請求をすれば、詳細な情報を手軽に収集し、比較することができます。
私の場合は、複数の予備校に一斉に資料を請求し、届いたものを比較することで、自分に向いている講座を選択することがあります。それぞれの予備校で想定している学習時間が記載されていることもあるので、この手法も調査として有効だと思います。
また、請求した資料には無料体験講座や割引キャンペーンの情報が書かれている場合もありますので、より安い講座を探すなら積極的に活用しましょう。
割引キャンペーンを使う
可能であれば、割引キャンペーンを利用して安く講座を利用しましょう。
もっとも多くの人が使いやすいのが「早割」だと思います。予備校にもよりますが、応用情報技術者試験では、半年程度前に実施していることが多いです。予備校を利用することを決めているのであれば、勉強期間前でも早割狙いで申し込んでおくといいでしょう。
また、基本情報技術者に予備校を利用して合格している場合、同じ予備校で応用情報技術者試験に申し込めば割引をしてくる予備校もあります。こういった予備校が独自に用意している割引制度もありますので、事前に確認し、できるだけ安く予備校を利用するようにしましょう。
教育訓練給付制度を利用する
条件はありますが、会社員であれば「教育訓練給付制度」を利用できる可能性があります。
この制度を利用すれば、入学金と受講料の20%を支給してもらうことができるため、高額の講座でも大幅に割引ができます。
ただし、この制度は「一度利用すると3年間は利用できなくなる」という欠点があります。ですので3年以内により高額のスクールを利用する予定がある場合、教育訓練給付制度の利用は避けるべきです。
「教育訓練給付制度」の利用資格や必要な条件については、下記のサイトがわかりやすく解説していますので、参考にして頂ければと思います。
*1 教育訓練給付制度は、「雇用保険に加入していた・している」が利用条件となるため、公務員や自営業の方は利用できません。
応用情報技術者試験で予備校を選ぶなら、コスパ重視がおすすめ
応用情報技術者試験について、私はどちらかといえば独学での合格をおすすめしています。応用情報技術者試験は面接・論文・実技などの「一人では勉強が難しい内容」も出題されませんし、難易度としても未経験からの独学での合格が十分可能だからです。
しかし、今回の記事でも解説しましたが、通信講座などでは低価格のサービスも提供されています、会社員であれば講座を利用した方がコスパが良い人もいると思いますし、学生であっても、予備校の利用を通して3万円分のくらいの時間を節約できれば、十分予備校を利用する価値があります。
それぞれの事前知識なども考慮し、より効率的に合格を目指していただければと思います。
また、応用情報技術者向けの参考書・サイト・アプリについて、以下の記事にまとめてあります。実際に参考書を読んだうえで、予備校の利用を検討してみてもいいでしょう。