【オンライン小説講座比較(全17講座)】小説講座の特徴とオススメの講座について
小説を書く能力を身に着けるなら、多くの人が考えるのが講座の利用。
身近に協力者がいて、細かな添削や講評をしてくれるならともかく、指南書を読んだだけでは果たして自分の技術が正しく磨かれているのか、素人では判断が難しいのが現実です。
とはいえ、日々の生活の中で毎月や毎週のように教室に足を運ぶのは面倒なもの。とくに社会人の場合はスケジュールの調整が難しく、参加が現実的でない人も多いかと思います。
そこで今回は、オンラインで受講できる小説の講座について「添削の有無」「受講日程」「料金」などを調査し、「目的に応じた、おすすめのオンライン小説講座はどれか?」を考察します。
オンラインで受講できる小説講座について
オンラインで受講できる小説講座一覧(全17講座)
私が確認できたオンライン小説講座は以下の通りです。
講座名 | 添削 | 概要 |
公募スクール | 〇 | 超初心者~上級者まで4段階で対応。エンタメ・ラノベ・時代小説・純文学とジャンルに特化した講座もある。応募予定の作品の添削も可能(400字詰換算で500枚まで)。講評の受け取りは事務局にメールで受信したい旨伝えないと、オンラインでやり取りできないので注意。また、教材の受け取りは原則オンライン不可。 |
榎本メソッド小説講座 | 〇 | 技術を身に着ける「基礎」と「応用」の講座と、賞への応募を狙う「プロット講評」と「長編講評」と、その他のオプション的講座がある。また、基礎と応用の講座では、Web面談で目標などを確認した上でセミオーダーメイドで課題の講評が行われる。長編講評は、追加料金を払えば2週間で講評の受け取りが可能(400字詰換算で500枚まで)。 |
アミューズメントメディア総合学院:小説・シナリオ学科(週1回通学) | 〇 | 週1回夜間の授業(オンライン可)を受講しながら作家を目指すコース。基本的に夜学の学校という位置づけなので手厚いが、入学金含めて半年で20万円と高めではある。修了後も、継続コース(半年制で12万円)に入ると、プロット作成、投稿作品作成などの作家デビューまでのマンツーマン指導を受けられ、受講生同士の意見交換・相談ができる。 |
CWS創作学校 | 〇 | 初心者~上級者まで4段階で対応。最上位のクラスを終えると、応募予定の作品の添削も可能。 |
たのまな 小説・ライトノベル通信講座 | 〇 | 全19回の講義で、基礎から実践まで対応。ただし、価格は標準で17万円ほどと高め。 |
心斎橋大学 | 〇 | 春期と秋期で、それぞれ全20回の講義と約10回の課題提出がある。上位講座の「大学院」にはオンラインが対応していないため注意。 |
薄井ゆうじの『小説塾』 | 〇 | 「小説創作講座・全6回・課題コース」は最大400字詰で50枚までの課題に対応。長編添削の「1作品1回完結講座」は、最大1000枚まで対応しており、枚数が少なければ1~2週間で返却を受けられる。 |
シナリオ・センター(主に作家集団) | △ | 主に脚本に関するスクール。上位クラスでは小説を発表して講評を貰うことは可能(ただし、1回あたり映像脚本で10分程度の分量)。小説家の先生もいるため、小説家志望の方がそこを希望しやすい。私が8週間講座(最下位クラス)に入学した際は、脚本より小説志望者が多かったです。また、通常の講座以外で「個人面談」を有料で可能となっており、1時間または2時間ものの脚本であれば添削可能。 |
パルミー | × | 調査時点ではライトノベルの書き方講座のみ。基本的にはイラスト講座のサブスクなので、あえてこの講座の為だけに料金を支払うのはおすすめしません。 |
本当に「書ける」ようになるための小説教室(夜間飛行) | × | 基本的に講義と質問のみ。費用は月謝6,600円。 |
山形小説家・ライター講座 | × | 月一回、毎回変わる講師による講義。料金は2,000円。 |
本の学校(旧:新潮講座) | × | 小説に限らない文芸関連を扱った講義動画を見られる。90分前後の動画+資料で3,500円程のものが多い。 |
朝日カルチャースクール | △ | 講座が体系的にはなっていないが、入門~上級まである。入門でも400字詰換算で20枚までの課題が提出できるなどレベルは高め。日程の制約はあるものの、添削の枚数と受講料のコスパは高い。添削まで行ってくれる講座と、授業中に行う講評以外は記載がない講座があるため注意。 |
NHKカルチャー | △ | 数は少な目ながら、オンライン講座に小説の講座がある。課題の添削の有無は、講座によって変化するため注意。 |
「ストアカ」の小説講座 | △ | 講座によって、サポートの手厚さは異なる。 |
文藝学校 | 〇 | オンラインではなく、通信(郵送)の講座。ただし、日程は柔軟で、添削もあり、実質オンライン小説講座と同様に利用できる。 |
ムラマサ小説道場 | 〇 | オンラインではなく、通信(郵送)の講座。「基礎コース」「添削コース」「フリーコース」の3種類がある。添削コースは300枚以内の作品を、3回添削してもらって3万円と非常に安いため、短編~中編小説の応募を考えている人に向いている。 |
公募スクール
- 講座の流れ:講座による(課題の決まった講座は「テキストを読んで、課題を書いて提出」の流れ)
- 受講日程:講座による(基本いつでも)
- 受講期間:講座による(添削回数6回の講座は、主に1年以内に終わらせる必要がある)
- 添削:あり
- 特徴:入門から作品応募までの講座が整っており、種類も豊富
公募ガイドが運営する講座です。
講座が様々で「超初心者」「初心者」「中級者」「上級者」と、幅広い人レベルに向けて提供されています。
また、「勉強した内容について課題を提出する」タイプの講座(入門・実践)と、「完成、または書きかけの小説を添削してもらう」タイプの講座(個別指南)があり、超初心者から、賞へ応募するまでの講座がそろっています。ただし、入門・実践の講座の課題については枚数が多くてだいたい10枚と少なめです。
価格は全6回の添削講座はおおむね3万円ほど。小説の個別指南は提出する小説のページ数により、上限の400字詰原稿用紙で500枚の添削だと5万円ほどで、比較的安いです。
課題提出については完全に自分のペースで取り組むことができますが、課題の提出から返却までは通常3~5週間ほどかかります(詳細はオンライン課題提出の「受講カレンダー」に記載されています)。そのため「返却結果を見てから、次の課題を提出する」というペースで受講すると、どうしても6回の課題提出で、半年程度はかかってしまいます。ただし、一部講座には「お急ぎ版」があり、問い合わせたところ、10営業日以内に返却がされるということです。月2回ペースで課題を提出する自信があれば、お急ぎ版を利用してもいいでしょう。
また、長編がどうしても書けないという人向けの「プロットから指南!公募ガイド元編集長が完結まで伴走する長編小説講座」という講座がありますプロット提出1回と「40字×30行×10枚提出」の4回で、1つの作品を完成させるまで手伝って貰えるので、初めて長編に挑みたいが自信が無いという人には向いています(料金も27,500円と添削枚数の割に安く、追加料金を支払えば更に長い作品も対応してくれます)。
注意点は、課題の提出と講評の受け取りについてはオンラインで出来ますが、教材の受け取りは原則オンライン不可というところ。例えば海外から受講する場合は事前に受け取っておく必要があります。また、講評をメールで受け取りたい場合、事務局にその旨を連絡しておく必要がある点も注意が必要です(知らずに長期で外出すると、講評が家に送られ続けます)。
この他にも添削一回の「アイデア」や「視点」などに特化した講座や、ジャンル別に「エンターテイメント、純文学、ライトノベル、時代小説」に特化した講義など様々な内容が用意されています。詳細な講座については、以下に一覧があります。
榎本メソッド小説講座
- 講座の流れ:講座による
- 受講日程:いつでも
- 受講期間:基礎編と応用編は12か月
- 添削:あり
- 特徴:技術学習は「Web面談」によるセミオーダーメイド。長編講評が最短2週間で可能(400字詰原稿用紙で500枚まで)
物語関連のノウハウ本を探したことがあれば、一度は目にしたことがありそうな有名な方の講座です。
いくつか講座がありますが、基本的には「基礎編」と「応用編」で技術を身に着け「プロット講評」と「長編講評」を受けた作品を、賞に応募するといった流れになります(そのほかにオプション的な講座あり)。
価格は、基礎編と応用編のセット割でも約20万円と安くはありませんが、その分、Web面談で悩みや要望を伝えることができ、課題は面談を配慮した内容で講評を受けられるため、効果は通常のオンライン講座よりも期待できます。
また、長編の講評は通常2か月かかりますが、追加料金で特急講評を利用すると2週間で講評を得る事が出来ます。(ただし、400字詰原稿用紙で上限500枚まで)。長編講評の価格は、公募スクールの同程度のページ数の物と比べて高くなりますが、「費用は多くていいから、早く長編の講評を得たい」という人であれば榎本メソッド小説講座の長編講評がおすすめです。
アミューズメントメディア総合学院:小説・シナリオ学科(週1回通学)
- 講座の流れ:毎週の講義と、自主的な作品制作
- 受講日程:講義が夜間で週1回(私が確認した時点では、木曜19:00~21:00)
- 受講期間:半年間
- 添削:あり
- 特徴:講座修了後も作家デビューまでをサポートする「継続コース」がある
内容に「新人賞投稿まで完全フォロー!」と書かれているだけあり、プロとして働く事を想定したカリキュラムで、初心者から学ぶことができます。
講義は毎週1回、19:00~21:00なので、比較的幅広い社会人が受講可能です。また、ZOOMを使って受講でき、どうしても受講できなかった場合も学校内であれば、動画視聴が可能です。
ただし、サポートが手厚い分だけ、受講期間半年に対して、入学金と授業料で20万円ほどと高めです。お金よりも学習内容優先の人向けであり、講義のペースからも社会人向けな感じです。
ちなみに、コース修了後に「継続コース」に入ることも可能です。内容を問い合わせた所、半期12万円とやはり学費は高めではありますがで、プロット作成から投稿作品の作成など、作家デビューまでのサポートのマンツーマン指導が行われる他、受講生同士での意見交換、新作のアイディア相談などが行われているとのことです。
CWS創作学校
- 講座の流れ:eラーニングで学習し、課題を提出
- 受講日程:基本的にeラーニングで通年開講
- 受講期間:4カ月~1年
- 添削:あり
- 特徴:入門から作家デビューまでの一連の講座がわかりやすい体系
コースは難易度別で「創作入門コース」「創作ベーシックコース」「創作コース」「創作エクストラコース」の4段階にわかれます。
創作入門コースでは、基礎レベルの技術を使った「穴埋め」や「短い記述式」などの問題もあり、書き方の基礎から学べます。一方、コースのレベルが上がると、目標も「短篇小説の完成を目指す」「100枚程度の作品を書き上げる」「6篇の短篇を仕上げる」と、ボリュームも多くなる感じです。ただし、それに応じて料金も高くなり、「創作入門コース」では45,100円ですが、「創作コース」では165,000円になります。
最上位である「創作エクストラコース」については、「創作コース」の修了が受講条件となり、「創作エクストラコース」を終了すると、自由作品の添削指導を受けられるようになります。
自由作品の添削については、10ポイントで原稿用紙100枚まで。1ポイント=3,000円+税ですので、33,000円となります。添削内容が異なる可能性が高いため、一概に比較はできませんが公募スクールの100枚の自由作品の添削(22,000円)と比べると、料金は高めです。
「テキストの例」や「添削例」については、公式HPに掲載されていますので、興味がある方は一度確認してみるといいでしょう。
ちなみに、CWS創作学校には「通信添削」がありますが、これはオンラインではなく郵送での通信になりますのでその点は注意です。
たのまな 小説・ライトノベル通信講座
- 講座の流れ:eラーニング(DVD)で学習し、課題を提出して添削を受ける
- 受講日程:eラーニング、またはDVDでいつでも
- 受講期間:12カ月まで在籍可能(標準学習期間は8カ月)
- 添削:あり
- 特徴:基礎~実践までを体系的に学べる
たのまなの「小説・ライトノベル通信講座」は、「基礎編」「応用編」「実践編」の全19回です。
添削については、全10回の課題提出を行い、その後2,000字以内の短編小説について最大第三稿まで添削を受ける事ができます。
通常価格は172,800円と高めでしたが、キャンペーンで15%OFFなどの割引が行われている事もありました。
「比較的自由なペースで基礎から実践的な内容までまとまった講座を受講できる」といった点はメリットですが、一方で、価格の割に長めの作品の添削を受けられないというデメリットがあります。
心斎橋大学
- 講座の流れ:各期20回の講義を受けつつ、各期約10回の課題を提出する。
- 受講日程:火曜夜か昼
- 受講期間:基本的には1年(半期可)
- 添削:講評あり
- 特徴:児童文学、脚本などもあり、講座の幅が広い
大阪にある小説・脚本などの学校で、本科であればオンラインでも受講可能です。
春期・秋期の2回開催されますが、公式で「1つの分野をじっくりと学びたい方、多くの作家の指導を受けたい方は、同じコースに1年間在籍されることをお勧め致します」と書かれていたことから、基本的には1年かけて学ぶ事になるかと思います。
料金は月謝が22,000円の他、入会金が必要です。料金は決して安い方ではありません。ただ、無料体験が用意されているので、自分との相性を見てから申し込むことは可能です。
また、本科修了後に、上級の「大学院」というコースがあるのですが、こちらは私が確認した時点では現地での受講が必要でした。もしも受講するのであれば、教室の近隣に在住の人におすすめします。
薄井ゆうじの『小説塾』
- 講座の流れ:「課題コース」は郵送されたテキストを読み、課題に取り組む
- 受講日程:いつでも
- 受講期間:「課題コース」は1年以内に修了する必要あり
- 添削:あり
- 特徴:「課題コース」が料金の割に枚数の多い課題に対応している。長編添削が400字詰で最大1000枚と最多。
基本的に課題とテキストで学習を進める「小説創作講座・全6回・課題コース」と、長編添削の「1作品1回完結講座」の2つで構成されています。
「小説創作講座・全6回・課題コース」は、上限枚数が10、15、20、25、30、50枚と上昇する構成になっており、この講座だけで50枚の作品を書き上げられるレベルまで狙えます。
また、「1作品1回完結講座」については、他の講座が400字詰原稿用紙で多くでも500枚程度が上限のところ、上限が1000枚となっています。添削の返送もおおむね1~2週間程となっており(枚数が多いと更に長くなる)、他の講座よりも返却が早い印象です。
シナリオ・センター(主に作家集団)
- 受講方法:作品を発表し、先生と受講生から講評を貰う。
- 受講日程:月4回(月2回もある)
- 受講期間:なし(月謝制)
- 添削:小説は原則なし(課題として脚本をメール・郵送で提出した場合は、添削してもらえる)
- 特徴:基本的には脚本の講座。ただし、作家集団(最上位クラス)では小説の講評も受けられる
基本的には小説の講座ではなく、脚本の講座です。ただし、私が8週間講座(基礎のクラス)を受講した際は、受講生の大半が小説家志望であり、最上位のクラスに行く人も「小説の先生に直接講評を貰いたいから」という人がいるため、小説の講座に含めました。
小説の講評を貰う方法は、基本的に「作家集団」まで上がって、作品の発表(1人1回映像作品で10分程まで)を行う流れになります。ただ、私の経験では、研修科(作家集団の一つ下)であっても、発表者の人数次第では課題と関係の無い作品を発表する事が許されたため、先生と環境次第で、作家集団より下のクラスでも小説の発表が可能でした。
この他、「シナリオ診断」という個人面談のシステムがあるため、1時間の個人面談で、小説についての悩みを相談することも可能です。ただし、あくまでも脚本の学校ですので、小説の面談をするなら、事前に先生と交渉しておかないと「専門ではないから回答できない(わからない)」となってしまうと思います。
シナリオ・センターの8週間講座を受講した際や、本科を受講した際の体験談については、以下の記事にまとめてありますので、興味がある方は参考にしてみてください。
ちなみに、「通信研修科」というものもありますが、通常の研修科がメールで課題が提出できる一方、通信研修科は郵送が原則となります。問い合わせたところ、海外に行くなどやむを得ない事情がある場合のみ、通信研修科でもメール提出が可能とのことでした。
パルミー
- 受講方法:動画視聴
- 受講日程:いつでも
- 受講期間:いつでも
- 添削:×
- 特徴:現時点ではライトノベルのみ
イラスト系の講座を運営しているパルミーですが、ライトノベル講座があります。
ただし、調査時点ではこの動画のみですので、あえて小説の為に利用する必要はないでしょう。
本当に「書ける」ようになるための小説教室
- 講座の流れ:60分で講義、30分で質疑応答
- 受講日程:毎月第3月曜日(19時30分〜21時)
- 受講期間:期間なし(月謝6,600円)
- 添削:なし
- 特徴:月謝で学習メインの人向け
毎回、複数の文芸作品について、編集者が読みとった物語の構造や描写の仕方についての講義を受けて学習します。
また、最後の30分は質疑応答の時間となっており、そこで作品に関する質問をすることができます。ただし、細かな添削を受けられるわけではありません。
山形小説家・ライター講座
- 講座の流れ:講師の講義を受ける
- 受講日程:月1回
- 受講期間:1年間
- 添削:不明(無しの可能性が高い)
- 特徴:月1回、色々な作家が講師となって講義が行われる
月1回ペースで1年間開催されている講座です。
作品添削のようなものは無いため、初心者・中級者が学ぶ場合は、別途添削を受けられる講座と併用した方が良いかと思います。
本の学校(旧:新潮講座)
- 講座の流れ:eラーニングで学習
- 受講日程:いつでも
- 受講期間:不明(とくに動画視聴期限のようなものは見受けられませんでした)
- 添削:なし
- 特徴:動画学習をしたい人向け。小説以外も本に関する内容が幅広く学べる
小説以外も含む文芸関係に関する講義動画を見られるサイトです。
動画の長さは内容によって変わりますが、60~100分程度のものが多く、その場合は3,850円で資料付きというものが多かったです。
新人賞などに特化したテーマもあり、需要と合致すれば有効性はありそうですが、一方で「小説を書く技術を継続的に身に着ける」という需要、とくに添削をして欲しい人にはあまり合わないかと思います。
朝日カルチャースクール
トップページ:朝日カルチャーセンター
朝日カルチャーセンターは、教養・語学・趣味・旅行など多彩な講座を全国の各教室とオンラインでご用意 ...
https://www.asahiculture.com/
- 講座の流れ:講座による(毎回講義と作品講評を行うなど)
- 受講日程:講座による(月1~2回で日時指定ありが多い)
- 受講期間:講座による
- 添削:講座による(「講評」としか記載のない講座は、添削まであるか問い合わせが必要)
- 特徴:講座によるが、添削枚数と受講料のコスパは高い講座がある
全体的にレベルが高い印象で、「入門・小説創作ゼミナール」という基礎レベルの講座でも、作品提出の制限は400字詰原稿用紙換算で約20枚となっています。受講形態は教室とZOOMを使ったオンラインとのハイブリッド形式が多い印象です。
講座の内容は非常に幅広く、課題図書の購入が必要なものもあります。一方で、「各講座が体系的に組まれている」という形式ではないため、「段階的に講座を受講してレベルを上げたい」という人には向いていないかもしれません。
会員に入っているかで料金が変わりますが「作品が400字詰原稿用紙換算で30枚まで、3か月間で5回添削、受講料2万円ほど」の講座もありました。短編を繰り返し添削して欲しいという人であればコスパは優秀ではないかと思います(ただし、常時開講ではありませんので、任意のタイミングでの添削はできません)。
NHKカルチャー
- 講座の流れ:講座による
- 受講日程:講座による
- 受講期間:講座による
- 添削:講座による
少数ですが、オンライン小説講座があります。ただし、開講時期が限定されているものが多く、タイミングが合わないと全体を受講できません。
また、講座によっては添削がないため、添削が欲しい場合は講座の条件に注意が必要です。
オンライン以外に教室のものもあるため、オンライン講座を調べるときは、条件で「オンライン講座」を指定して、キーワードに「小説」などと入れて検索しましょう。
「ストアカ」の小説講座
- 受講方法:講座による
- 受講日程:講座による
- 受講期間:講座による
- 添削:講座による
- 特徴:講座数は多く、初心者向けの単発の物から、マンツーマン式のものまであり。
習いごと検索サービスである「ストアカ」では、小説の講座を探すこともできます。
ただし、オンラインでは受講できなかったり、単発であまりサポートが無かったりするものもあります。
見つかった中でとくに手厚いものでは、全6回でマンツーマンセッションを受けながら出版を目指すというものもありました。
文藝学校【正確にはオンラインは不可】
- 講座の流れ:講座による(基本的にテキストを読みつつ、完成した作品を提出する流れ)
- 受講日程:通信教育コースはいつでも
- 受講期間:通信教育コースはいつでも
- 添削:あり
正確にはオンラインでの講座はありませんが、郵送のみの「通信教育コース」がありほぼオンラインと同様に受講できるため、念のため含めておきます。
講座は「初級」「中級」「上級」にわかれ、テキストで学習しつつ2~4か月に一本の作品を提出する流れになります。その為、比較的柔軟な日程で学習を進める事が可能です。
初級~上級の違いは、提出する作品の上限枚数。400字詰原稿用紙で初級30枚まで、中級60枚まで、上級100枚までです。実力に応じて添削指導してもらえるため、自分の実力に合わせて講座に迷う必要性が低いです。
受講料はどの級でも年間48,000円で、上級であれば、年間上限で300枚までの添削をしてもらうことができます。
また「通信教育コース在籍者は「文藝学校」の通学コースの講座にどこでも自由に参加」できるため、通学できる範囲で生活人であれば、通信講座と通学を併用でき、コスパが非常に高くなります(ただし、定員などの条件があるため、実際に通学講座に参加できるかは常に変動するかと思います)。
ムラマサ小説道場【正確にはオンラインは不可】
- 講座の流れ:いつでも(フリーコースは、月1回)
- 受講日程:いつでも
- 受講期間:原則1年
- 添削:あり
- 特徴:フリープランでは電話相談も可能。添削コースは添削回数からすれば安いため、短編~中編小説の応募に向いている。アマゾンの電子書籍化サポートあり
こちらも正確にはオンラインではありませんが、電話や郵送で対応でき、実質オンラインと同様に受講できます。
全10回、月2回の課題の提出・添削がある「基礎コース」と、400字詰めで300枚以内の作品について3回の添削を受けられる「添削コース」、月1回の100枚以内の作品提出と講師への電話相談ができる「フリーコース」があります。
「基礎コース」と「添削コース」は30,000円(セットで50,000円)、フリーコースの月謝は5,000円と、提出枚数に対するコスパはかなり高いです。
基本的に、「基礎コース」→「添削コース」→「フリーコース」の順で進んでいくように構成されており、初心者から、プロを目指すレベルまで対応してもらえます。
300枚以内の作品を、3回添削してもらって30,000円という価格は非常に安いため、短編~中編小説の応募を考えている人にはおすすめできます。
また、アマゾンの電子書籍として出版することをサポートしてくれるため(1作2万円)、「趣味で執筆した作品を、どうしても電子書籍化したい」という人であれば、小説の学習とは別の利用価値があります。
無料体験できるオンライン小説講座
極一部ですが、無料で一部の講座を体験できるオンライン小説講座もありました。
- 榎本メソッド小説講座:「テクニック・コツ」「デビュー・入選の目指し方」「小説の書き方」など、膨大な記事が無料講座としてウェブに公開されている。
- 心斎橋大学:春期・秋期の講座開始前に、無料体験授業あり。
- アミューズメントメディア総合学院:オンラインか来校での体験説明会あり。
- パルミー:7日間の無料体験がある。小説は私が確認した時点ではライトノベルの講座のみなので、無料期間中で見切ることが可能。
また講座体験ではありませんが、CWS創作学校のコースについては「テキスト例」や「添削例」がありますので、講座を比較する際に利用できます。
この他、有料ではありますが、公募スクールでは一部の講座で「お試し版」が用意されており、気に入ったら残りの料金を払い、継続して受講する事が可能です。
私のオススメするオンライン小説講座
先に断っておきますが、私は全ての講座を受講したわけではありません。
実際に受講したのは「公募スクール」と「シナリオ・センター」のみであり、残りは無料で一部受講したり、出版物を読んだ程度です。
その上で、ネット上の情報と体験から判断すると、おすすめできるオンライン小説講座は以下の通りです。
- 公募スクール:「講座が豊富」「料金が安め」「柔軟な日程で勉強できる」と、幅広い人に向いている。
- 榎本メソッド小説講座:基礎から賞の投稿まで講座がそろっており、サポートも手厚い。学費を多くかけても小説を効果的に学びたい人向け。
- アミューズメントメディア総合学院:小説・シナリオ学科(週1回通学):賞の受賞まで見据えてのサポートが手厚く、受講生同士での情報交換もできる。ただし、学費が高いので学費を多くかけても小説を効果的に学びたい人向け。
- 薄井ゆうじの『小説塾』:長編添削の返却が1~2週間と早い。また、400字詰で最大1000枚まで対応しているため、長編の添削にはとくに向いている(ただし、ページ数が多くなるほど返却は遅くなります)。
- ムラマサ小説道場:「添削コース」は400字詰で300枚以内の作品を、3万円で3回添削というのは圧倒的な安さ。短編〜中編小説の添削にはとくに向いている。また、フリーコースで電話相談があるのも珍しい。
- シナリオ・センター:主に脚本の書き方を学べるため、脚本と小説の二刀流で学習したい人には向いている。ただし「小説家になりたい」という意図が明確なら、あえてオススメはしません(私は、脚本から小説に入ったら、最初の頃「脚本っぽい小説」から抜け出すのに苦労しました)。
技術史を読んだだけで小説を上手く書けるのは、極一部の天才だと思います。そういった意味では、周囲に細かな指摘をくれる人がいない限りは、やはり重要となるのは添削などの実技指導です。
そういった意味では、添削を重視して講座は選んだ方が良いと思います。添削内容の詳細については、公式サイトに掲載されている情報をいくつか比較してから申し込んだ方がいいでしょう。
また、添削ではなく「講評」と書かれている講座もあります。「講評=添削」としている講座もありましたが、講評はあくまで「作品全体について、良かった点と改善点を指摘する」だけの可能性もあり、具体的な改善方法を教えてくれる訳では無い可能性もあります(とくに、短期間で膨大な枚数を提出する講座の場合)。10枚程度の作品であれば大雑把な指摘でも十分かもしれませんが、長編になるほど添削と講評で差がつく可能性は大いにあります。
添削(原稿に対する具体的で細かな指摘)を受けたい場合は、受講前に該当の講座で添削を受けられるかについては必ず確認しましょう。
添削枚数に対するコスパ
最後に、添削枚数と費用の関係について、コスパの良いオンライン講座を調べてみました(枚数は400字詰原稿用紙換算です)。
ただし、添削内容までは比較していないため、安いからと言って効果が高いとは限らない点は注意が必要です。
また、対象の講座は随時、または月に1回程度のペースで申し込める内容に限定しました。
- 1~3枚:公募スクール(4,400円。添削期間3週間ほど)
- 4~100枚:ムラマサ小説道場の「フリーコース」(5,500円。添削期間は不明)
- 101~300枚:ムラマサ小説道場の「添削コース」(30,000円。添削期間は不明)
- 301~350枚:「榎本メソッド小説講座」と「公募スクール」(44,000円。公募スクールの添削期間は6週間以上、榎本メソッド小説講座は2か月が目安)
- 351~400枚:公募スクール(44,000円。添削期間は6週間以上)
- 401~500枚:公募スクール(50,600円。添削期間は7週間以上)
- 501~600枚:薄井ゆうじの『小説塾』(70,000円。添削期間は不明(通常1~2週だが、枚数が多いと長期化するため))
- 601~800枚:薄井ゆうじの『小説塾』(80,000円。添削期間は不明(通常1~2週だが、枚数が多いと長期化するため))
- 801~1000枚:薄井ゆうじの『小説塾』(90,000円。添削期間は不明(通常1~2週だが、枚数が多いと長期化するため))
ちなみに、テーマの縛りはありますが、公募ガイドで毎月行われている「高橋源一郎の小説指南『小説でもどうぞ!』」は5枚で5,500円と、こちらもコスパ良好です。添削だけでなく、優秀な応募作品には賞が与えられますので、実績作りも兼ねるならコスパは良いかと思います。
また、公募スクールの「プロットから指南!公募ガイド元編集長が完結まで伴走する長編小説講座」が約4万字程の小説(40字×30行×10枚提出×4回)を27,500円で添削してくれるので、これも比較的安価。完成品の添削ではありませんが、これから長編を完成させようという人には向いています。追加料金を支払うことで、更に長い作品も対応して貰えるので、長編の応募作品を仕上げることにも活用できます。