日本旅行地理検定とは? 想定される難易度や勉強時間、試験の概要について
この記事では、日本旅行地理検定について「難易度」「想定される勉強時間」「そもそも日本旅行地理検定とは?」についてまとめます。
日本旅行地理検定を受験予定の方、国内旅行や地理の勉強に興味がある方の参考にしていただければ幸いです。
※記事の内容は2022年8月時点のものです。
日本旅行地理検定の難易度
日本旅行地理検定の合格率
日本旅行地理検定の合格率のデータは以下のようになっています(2021年のデータについては確認できませんでした)。
▼上級の合格率
実施年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2022年 | 87人 | 29人 | 33.3% |
2020年 | 208人 | 39人 | 18.8% |
2019年 | 437人 | 76人 | 17.4% |
2018年 | 378人 | 103人 | 27.2% |
▼中級の合格率
実施年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2022年 | 403人 | 186人 | 46.2% |
2020年 | 716人 | 285人 | 39.8% |
2019年 | 1,492人 | 498人 | 33.4% |
2018年 | 1,557人 | 629人 | 40.4% |
▼初級の合格率
実施年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2022年 | 270人 | 95人 | 35.2% |
2020年 | 359人 | 152人 | 42.3% |
2019年 | 527人 | 234人 | 44.4% |
2018年 | 617人 | 314人 | 50.9% |
全体的に、新型コロナウイルスの影響か、2020年以降で受験者数が大幅に減少している状態です(そのため、2022年からは期間未定で実施が年1回となっています)。
一方、コロナ禍でもあえて受験するモチベーションが高い人が中心となっているからか、直近の合格率は基本的には上昇傾向になっています。
各級の参考書籍のボリューム
参考書籍は以下のようになっています(参考書籍は2022年のものになります。短期間で改定される為、毎年誤差は発生するかと思います)。
- 初級:B5判で144ページ。「すぐに役立つ 国内旅行地理ベーシック300+α(第23版)」
- 中級:B5判で376ページ。「すぐに役立つ 国内旅行地理ベーシック300+α(第23版)」「国内旅行地理プラクティカル」
- 上級:B5判で503ページ。「国内旅行地理プラクティカル」 「旅行業実務シリーズ4 国内旅行実務 – 国内観光資源」
これらは、公式で紹介されている参考書籍です。テキストではないため、原則としてそのまま出題はされません。
初級については、参考書籍からの出題が多いそうですが、上級については公式で「参考書籍を活用しながら、各種専門文献やインターネット情報等を活用して知識を深めることが必要」となっていますので、実際には上記の参考書籍のボリュームよりも学習範囲は幅広くなります。
個別の参考書籍の情報は、以下の通りです。
すぐに役立つ 国内旅行地理ベーシック300+α(第23版)
サイズはB5判、144ページです。初級と中級の参考書籍になります。
参考書籍は、原則として「参考」のため、そのまま出題はされませんが、「初級」については、「国内旅行地理ベーシック300+α」に取り上げられている観光地・観光資源の解説内容を中心出題されます。
国内旅行地理 プラクティカル(第12版)
サイズはB5判。232ページです。中級と上級の参考書籍になります。
また、国内旅行地理検定の他に「通訳案内士」「地域限定通訳案内士」の参考書としても利用可能です。
旅行業実務シリーズ4 国内旅行実務 – 国内観光資源
サイズはB5判。271ページです。上級の参考書籍になります。
日本旅行地理検定の他、旅行業務取扱管理者の参考書としても利用可能です。
日本旅行地理検定の勉強時間
ここからは、ネット上の情報から想定される日本旅行地理検定合格までの勉強時間をまとめます。
……が、情報が少なく、あまり具体的な数値は判明しませんでした。
初級・中級を同時受験する場合の勉強時間
初級・中級を同時に受験して合格した体験記が1つ見つかりました。
この記事の内容を確認すると、約56~112時間の勉強時間になりました(過去問については時間の記載が無い為、受験時間の2倍で計算)。
上下の幅が大きいので、安全に合格を目指すなら110時間くらいを確保して、余裕があれば勉強時間を減らすのが無難ではあります。
上級の勉強時間(最初からプロ級の場合)
上級の合格体験記(当時の名称は2級)で、約40時間で得点率72.5%で合格というものがありました。
ただし「観光業界で働いてはいないが、知識はプロ級」という方の合格体験記ですので、前提としての勉強量が少ない場合、40時間での合格は無理だと思った方が無難です。
そもそも「日本旅行地理検定」とは
日本旅行地理検定は、日本全国の「自然景観」「都市」「温泉」「観光地・施設」「写真」「時事」等について出題される検定です。
2020年6月に「日本旅行地理検定」に名称変更され、以前の名称は「国内旅行地理検定」でした。また、類似の試験に「世界旅行地理検定」があります。
主催は旅行地理検定協会(JTB総合研究所が事務局として運営)です。
詳細な情報は変更されることがありますので、受験の際は公式ホームページの確認をお願います。
日本旅行地理検定の試験日
2022年時点では、試験日は年に1回、2022年度については6月に実施されました(受験方式により、試験日は異なります)。
以前は6月、12月の年2回の試験日でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大以降、受験者数が大幅に減少していることから、2022年からは期限未定で年1回の開催になっています。
日本旅行地理検定の受験料
日本旅行地理検定の受験料は以下のようになっています。
実施級 | 受験料 |
初級 | 3,500円 |
中級 | 4,500円 |
上級 | 5,500円 |
日本旅行地理検定の受験資格
受験資格は全ての級でありません。
日本旅行地理検定の試験の方式・出題方式
CBT会場受験、インターネット受験(上級は不可)、準会場での受験のいずれかとなります。
また、準会場の場合はマークシート方式が可能です。
日本旅行地理検定の問題数・試験時間・合格基準
問題数、試験時間、合格基準は以下の通りです。
受験級 | 問題数 | 試験時間 | 合格基準 |
初級 | 80問 | 60分 | 70%以上の正解率 ※インターネット受験は75%以上の正解率 |
中級 | 100問 | 60分 | 70%以上の正解率 ※インターネット受験は75%以上の正解率 |
上級 | 100問 | 60分 | 75%以上の正解率 |
日本旅行地理検定のメリット
基本的には「旅行が楽しくなる」「旅行の知識が試せる」という趣味の資格です。就職活動であれば、旅行や観光業界であれば活かせる可能性はあります。
また、「総合・国内旅行業務取扱管理者試験」などの観光関連の資格と学習範囲で被る部分があるため、「旅行業界の資格を集めたい」という人の基礎学習にも向いています。
この他、上級の最高得点者は「旅行地理検定最高得点賞」として表彰されます。点数を競うという形で楽しんでみるのもいいでしょう。
世界旅行地理検定について
ちなみに、類似の資格として海外旅行に関する勉強ができる「世界旅行地理検定」があります。
そちらについては、以下の記事にまとめましたので、興味がある方の参考になれば幸いです。