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【日本遺産検定】想定の難易度/勉強時間や試験制度を、受験経験者が解説します

1月 21, 2024歴史・文化系の検定

この記事では、私が実際に受験した体験も含め、日本遺産検定の難易度・勉強時間・検定の概要について解説します。

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日本遺産検定の難易度

2024年5月に実施される第3回の試験では、実施されているのは3級の試験のみです(今後、1~2級も追加される予定)。

2級以降については、試験が実施され、難易度や合格率が判明したら追記したいと思います。

日本遺産検定3級の難易度(合格率は80%)

3級の難易度はかなり低めです。

理由は「日本遺産検定3級・絶対に合格できる対策講座」という1時間の講座を受ければ、簡単に合格できたからです。

もちろん、対策講座の動画を見ただけで合格はできず、復習も必要になりますが、動画のポイントをメモし、5時間ほど復習すれば合格できるという状況ではありました。

今後もこういった対策講座が行われるかは不明ですが、講座の有無で大幅に難易度が変わるようなことはしないと思いますので、難易度が低めの状態は継続すると考えられます

ちなみに、公式の合格率は80%となっていました。合格率だけで難易度は判断できないこともありますが、この合格率からも少し勉強すれば誰でも取れる難易度に設定している可能性が高いといえます。

ただし、第3回からは公式テキストの販売に伴う措置か、試験範囲が広くなりました。暗記すべき内容が多くなっていますので、第2回までの試験よりは合格までの勉強時間が増加すると思われます。

日本遺産検定の勉強時間

2023年12月に実施される第2回の試験の時点では、実施されているのは3級の試験のみです(今後、1~2級も追加される予定)。

2級以降については、試験が実施され、実際の勉強時間の想定が判明したら追記したいと思います。

日本遺産検定3級の勉強時間

私個人の勉強時間ですが、日本遺産検定3級合格までの勉強時間は、5時間10分となりました(96/100点)。

ただし、公式テキスト(日本遺産検定のポータルサイト)から直接学んだのではなく、私の場合は「日本遺産検定3級・絶対に合格できる対策講座」で登場した用語に絞って暗記をすすめたため、テキストから学習範囲全体を勉強した場合は、もっと多くの勉強時間がかかると思います。

また、第3回の試験からは公式テキストが販売されるため勉強しやすくなりますが、1度の試験で出題対象となる日本遺産が増えています。このことから、勉強時間は短くても10時間ほど、できれば30時間くらい確保して勉強に挑んだ方が安心かと思います。

そもそも「日本遺産検定」とは

公式から「日本遺産検定」について引用すると、以下の通りです。

日本遺産検定は、文化庁が認定した日本遺産をより広めるために作られた検定です。

日本各地にある、歴史的価値の高い文化財群は一つ一つ魅力的な文化やストーリーを持っています。
そのストーリーが日本遺産です。
日本遺産は毎年認定されて、現在は104のストーリーがあります。

そのストーリーを理解し、日本遺産を語り継ぐ人材の育成を行うのが本検定です。

引用:日本遺産検定とは

要するに、日本遺産の文化財としての活用を促進することが目的の検定になっています。主催は「一般社団法人 日本遺産普及協会です。

日本遺産とは?

そもそも「日本遺産」の認知度が低いので、日本遺産について補足します。

日本遺産とは「地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定するもの」です(文化庁のHPより)。

有名な「世界遺産」は基本的に不動産や自然を扱いますが(景観含む)、日本遺産の場合は有形・無形を問わずに文化財をストーリーとしてまとめて登録し、観光資源として活用する事で、地域の活性化を図ることが目的となっています。そのため、一つの登録で対象となっている範囲が非常に広範囲です(Wikipediaの日本遺産のページを見ると、よくわかります)。

2024年1月時点で、登録件数は104件。今後、状況に応じて認定解除と新規認定の入れ替えを行い、認定団体数は100件程度を維持する指針が出されています。

現状の課題の一つが、日本遺産の認知度が低いこと登録は2015年から始まっていますが、私は高尾山に修行体験をしに行った際に(2021年)、初めて日本遺産の存在を知りました

何となくですが、

  • 地域活性化のためか、人口密集地である東京の日本遺産が少ない(結果的に、SNSなどで共有されにくい)
  • 複数のモノをストーリーで登録しているため、単体でインパクトがあるとは限らない(これは、ガッカリされる世界遺産も同様の傾向がある)
  • 「訪れた場所が一つだけでも、日本遺産に行ったと言えるのか?」という疑問のため、SNSなどで共有されにくい
  • ストーリーを知らないと「何でこれが日本遺産?」というものが多い(「高尾山のスギ」とか)

といった、要因が影響し、マイナーな状態が続いてしまっているのかなあと勝手に推測しています(とくに、SNSでの訴求力の弱さが痛い気がします)。

とはいえ、ストーリーで土地の文化・歴史を学ぶことができるため、旅行・日本史好きの人なら楽しめると思います。私も最近、旅行や日本史の勉強をする機会が多いので、日本遺産巡りに興味を惹かれました。

またメガデスのマーティ・フリードマンが「日本遺産大使」をしていたことも個人的に気に入ったポイントです(私はメガデスけっこう好きです)。マーティ・フリードマンの日本遺産プロモーション映像はYouTubeで公開されています。

試験日

試験日は年に1回の予定になっています。

ただし第1~3回の試験は2023年7月、12月、2024年5月実施と、固定されていません(1年で3回になっています)。

今後の詳細な試験日は不明ですが、2023~24年と同様であれば、5・7・12月のどこかで実施されるかと思います。

類似資格である世界遺産検定が7月と12月は被るため、両方受験したい方は、学習スケジュールに注意しましょう。

受験料と類似試験との比較

日本遺産検定の受験料は、2024年5月時点では以下の通りです。

各級受験料
1級9,000円
2級7,000円
3級5,000円

正直に言うと、受験料がやや高めな印象です。同じような歴史・文化・地理の資格で一番簡単なレベルの受験料(2023年11月時点)を掲載すると以下の通りです。

試験名受験料
世界遺産検定4級4,600円(公開会場は3,800円)
歴史能力検定5級2,800円(準3級でも3,900円)
神社検定初級3,500円
日本旅行地理初級3,500円

試験開始直後なので、どうしても3級の受験料が高めになってしまうのかもしれませんが、できれば学割や早期割り、ステップアップ割引などで、学生の3級受験料が実質4,000円未満まで下がると、より幅広い人が受験しやすいかなと感じます。

申込や受験方法

日本遺産検定の受験方法は、やや特殊です。大雑把に受験の流れをまとめると以下の通りです。

日本遺産検定の受験方法

  1. 資格受付で新規登録を行い、自分のアカウントを作成
  2. 受験環境の動作確認を行う(受験会場はなく、カメラ・マイク付きのパソコン・タブレットで受験できる)
  3. 受験申し込みをし、受験料を支払う
  4. 試験日の受験時間帯に、試験を受験する(第2回では指定された3日間の12時00分~17時00分に受験)

カメラ・マイク付きのパソコン・タブレットがあれば、自由な場所で受験できるところは嬉しいところです。ただし、逆にカメラ・マイク付きのパソコン・タブレットを持っていない場合は、受験までに準備する必要があります。

また、受験用のアカウントを作らないと受験できないところも注意点です。アカウント作成の中には顔写真の登録もありますので、試験申し込みの締め切りまでに余裕をもって対応しましょう。

出題形式

日本遺産検定の出題形式は以下の通りです(2023年11月時点)。

受験級問題数試験時間出題形式
1級未定未定未定
2級未定未定未定
3級70問60分3択

出題形式については、公式で公表されていないのですが、3級の過去問は全て「短い設問に対し、三択で正解を選ばせる問題」となっています。私が受験した第2回の試験も同様でした。

毎回、この練習問題と同様の形式とは限りませんが、大幅に難易度が変わる可能性は低いので、基本的には今後も同等の出題形式になると考えています。

出題範囲

日本遺産検定の出題範囲は、第1~2回は日本遺産の一部からの出題でした。

一方、第3回の試験については日本遺産全体から出題となり、以前よりも学習範囲が広くなっています

ただし、第3回からは公式テキストが販売されるため、学習のしやすさは上がりました。

日本遺産検定は意味ない? 資格の活かし方は?

日本遺産検定に合格すると「日本遺産ソムリエ」になることができます

とはいえ、資格を取得しただけで就職活動や仕事に活かしにくいと思います。とくに、3級は試験が簡単ということもあるため、資格そのもので得られる評価をはあまり期待できません。

一方、日本遺産ソムリエになることで「日本遺産ソムリエ向けの勉強会(月1回)に参加できる」「日本遺産ソムリエ同士でつながりを作れるコミュニティに参加できる」などのメリットがあります。実際、私が日本遺産ソムリエになってから、日本遺産に関する学習・意見交換のオンライン勉強会のご案内を頂きました。

こういったことから、観光業界で仕事をしていて、日本各地の歴史・文化への知識を深めたいという方であれば、取得した後に研鑽の機会を得ることができます。

また、日本各地の歴史や文化が学べるため、旅行と歴史が好きな方であれば、学習そのものを楽しむことができます。学習した内容をもとに、旅行の計画を練ることもできるため、旅行好きの方であれば勉強して損のない資格といえるでしょう。

1月 21, 2024歴史・文化系の検定