【ネットワークスペシャリスト試験】スクールを利用するのは有効か? 料金・特徴を徹底比較
この記事では、主に以下の内容を中心に解説します。
- ネットワークスペシャリスト試験のスクール選びのポイント
- ネットワークスペシャリスト試験のスクール比較

・スクールを比較してみたい人
におすすめの記事です。
※この記事の内容は2019年5月23日に行った調査をもとに執筆しています。
- 試験日:10月第3日曜(秋期)
- 申込日:7月中旬~8月中旬頃(秋期)
- 合格発表:12月中旬頃(秋期)
- 試験時間:
午前I:9:30~10:20(50分)
午前II:10:50~11:30(40分)
午後I:12:30~14:00(90分)
午後II:14:30~16:30(120分) - 受験料: 5,700円(税込)
- 合格基準:全ての試験で60点/100点以上(難易度により前後する可能性あり)
- 受験資格:なし
- 想定勉強時間:250~350時間(実務経験無し。応用情報技術者試験合格レベルの場合)
- 公式サイトはこちら
目次
結論。ネットワークスペシャリスト試験のスクールの選び方
- 選択肢の幅は狭い
- 標準的な勉強時間の場合、勉強時間を1割削減できれば、コスパが優秀
- 割引制度抜きで最も安いのは「iTEC」の講座
- 無料体験セミナーは少ない。事前調査は資料請求で
- 割引制度も考慮してスクールは選ぶこと
- 必要な講座の内容は、過去問を解いて判断する

スクール選びについて
簡単にスクール選びにおける事前知識やメリット・デメリットをまとめます。
スクールについての事前知識
ネットワークスペシャリスト試験におけるスクールの選択肢は少ない
ネットワークスペシャリスト試験で利用できるスクールはかなり少ないです。
主なスクールは以下の3つです。
- iTEC
- TAC
- 資格の大原
ちなみに、上記3つの講座は基本的に「通信」講座となります。メールなどによるサポートを行っている講座はありますが、教室で直接講義を受けるタイプは直前対策のセミナーのみです。
予算は2~10万円程度
予算は2~10万円程度となります。
試験の全体を網羅するコースの場合5~10万円程度。午後試験対策に絞り込んだコースの場合は3~5万円程度となります。
最も安い「書籍なし(Web学習のみ)+模擬試験なし」という形式のコースであれば2万円弱で利用できます。

スクールを使うメリットとデメリット
確実な合格を狙いやすい
ネットワークスペシャリスト試験はIT関連の資格の中でもかなりの難関試験です。
合格率は受験者比でおおむね13~15%程度。応募者比で考えると、合格率の平均は10%を下回ります。受験者の大半が実務経験があったり、専門的に学習している人という試験でこの合格率ですので「学習経験がある人が挑んでも合格率が低い試験」といえます。
また、チャンスは1年に1度のみの試験となる為、一度試験に落ちてしまうと、次の試験まで1年待つ必要があります。更に、同じ日程で他の高度情報処理技術者試験も実施されているため「来年は別の試験を受験したい」という人は、スクールのノウハウを利用して、より確実な合格を目指すといいでしょう。
学習時間の削減に使える可能性が高い
ネットワークスペシャリスト試験は、実務経験のある人でも半年程度の学習期間で合格を目指す人が多い試験です。
仮に1日2時間の勉強時間として、半年で360時間程度。そうとうな量の勉強が必要となります。
もし、スクールを利用して1割でも勉強時間を削減できるのであれば、削れる時間は36時間。削減できる時間と費用の関係を考えて、スクールの利用を検討するといいでしょう。
スクールの利用は短期合格には向いていない
数十時間程度の勉強時間で合格を目指す場合は、苦手分野の知識の学習と、試験の出題形式に慣れることが優先されます。
多くの講座の場合は、試験の全体を学習することになってしまうため、どうしても短期合格を目指すのには不向きです。
直前対策講座も存在しますが、価格が比較的高額になってしまうため、あまりおすすめはできません。
ネットワークスペシャリスト試験のスクール比較
iTEC
- 学習スタイル:通信
- 費用:18,360~66,312円(税込。クーポンなどの割引あり)
最安値で利用できる通信講座です。選べるコースは以下の通り。
- スタンダード
試験範囲全てに対応して、模擬試験もついて47,520円。参考書は18,000円程度の内容が付属。 - 午前I免除
午前I用の書籍・Web対策抜きで44,280円。参考書は15,000円程度の内容が付属。 - 午後I・II対策コース
午後試験用の書籍・Web対策のみで38,880。参考書は15,000円程度の内容が付属。 - プラクティス
模擬試験無しの場合、18,360円。参考書なしのWeb学習中心コース。
この他にも、直前対策の講座がありますが、価格が高めですので(安いもので2万円。高いもので6万円程度)、申し込むなら通常の学習コースに申し込んで、早めから学習をすすめるといいでしょう。
割引制度としては以下のようなものがあります。
- クーポン割引
- キャンペーン(早割など)
- 書籍を持っている場合、不要である旨申請すれば書籍代の80%が割引かれる
すでに応用情報技術者試験などで学習経験があれば「プラクティス」コースがおすすめです。逆に「今まで資格試験などの学習経験がない」という人であれば「スタンダード」か「午前I免除」コースを選ぶといいでしょう。
ちなみに「午後I・II対策コース」は書籍代を除くと「プラクティス」コースの模擬試験付きとほぼ同額で受講できます。それでも「プラクティス」コースをおすすめする理由は以下のとおりです。
- 書籍は必要に応じて自分で買い揃えた方がやすい可能性がある
- プラクティスコースのほうがWeb教材の内容が充実している
- プラクティスコースは模擬試験なしが選べる
模擬試験の会場については、以下の内容が指定されています。近隣に試験会場がない場合は、自宅での受験を選べるので、地域にかかわらず利用可能です。
■東京会場(目白大学 新宿キャンパス)
■大阪会場(TKP 大阪本町カンファレンスセンター)
■名古屋会場(名古屋ダイヤビルディング)
■自宅
資格の大原
- 学習スタイル:通信
- 費用:32,000~56,000円(税込)
大手資格予備校である「資格の大原」の講座です。
コースは以下の2種類。
- 総合本コース
試験範囲全体を含むコース。料金は56,000円。標準学習期間4~5ヶ月。模擬試験付。 - 午前I免除コース
午前Iを除くコース。料金は32,000円。標準学習期間3~4ヶ月。模擬試験付。
利用するのであれば、「午前I免除コース」がおすすめです。午前Iは過去問で十分対策ができますし、難易度もそれほど高くはないからです。総合本コースは「IT業界に入ったばかりでほとんど知識がないが、高度な資格が欲しい」という人であれば、利用する価値が高いと思います。
入学金については、Webセミナーを受講して、必要事項を入力することで免除が可能です。ただし、Webセミナーにはネットワークスペシャリスト試験用のものがありませんので、別の試験のものを受講する必要があります。
割引制度としては、以下のようなものがあります。
- 大学生協割引(5%OFF)
- ステップアップ割引(5%OFF)
- 再受講割引(30%OFF)
- 再受験割引(20%OFF)
- 簿記ネクスト割引(5%OFF)
ネットワークスペシャリスト試験の受験票か、受験したことを証明できる場合、20%OFFになりますので、先に紹介したiTECの講座並みに低価格で利用が可能です。「一度受験したけど、独学では歯が立たなかった…」という人におすすめです。
TAC
- 学習スタイル:通信
- 費用:32,000~93,000円(税込。入会金1万円(免除の制度あり))
大手資格予備校である「TAC」の講座です。コースは5種類。
- 本科生
試験範囲全体を含むコース。料金はWeb通信で73,000円、DVD通信で83,000円。模擬試験付。 - 本科生(午前I試験免除)
午前I対策を除く本科生コース。料金はWeb通信で58,000円、DVD通信で68,000円。模擬試験付。 - 本科生プラス
午前Iの対策が手厚い本科生コース。料金はWeb通信で83,000円、DVD通信で93,000円。模擬試験付。 - 上級コース
午後試験対策のみのコース。料金はWeb通信で52,000円。DVD通信で56,000円。模擬試験付。 - チャレンジパック
主に学習経験がある人を対象としてアウトプット中心コース。資料通信講座のみで、32,000円。模擬試験付
本科生コースの場合、対象者像としては「応用情報技術者試験合格レベルの人」や「ネットワークに関する基礎知識がある人」となっていますが、試験全体範囲を含んでいますので、勉強に慣れている人であれば、学習経験がなくても勉強を進めることは可能です(勉強時間はもちろん長くなりますが)。
利用できる割引制度は以下のとおりです。
- ITスキルアップ割引(10%OFF)
- 再受講割引(50%OFF)
また、フォロー制度として、メールによる質問や、本試験分析資料がもらえるなどの特典があります。書籍などの解説だけでは理解が難しい人は、積極的に活用するといいでしょう。
無料公開のセミナーを受講すると、入学金1万円分が免除されますが、ネットワークスペシャリスト試験はセミナーは開催回数が非常に少ないので注意が必要です。

スクールに申し込む前にやるべきこと
資料請求で講座を比較する
資料請求をすることで、事前に情報の比較を行います。
ポイントとしては
- 講座のカバーしている範囲(午前試験を含むかなど)
- 講座の料金
- どの程度の学習期間が想定されているか
といったところです。資料には割引制度や特典なども含めて詳細が記載されていますので、自分にとって必要最低限の内容で、もっとも安く受講できるものを選択するといいでしょう。
ちなみにネットワークスペシャリスト試験ではほとんど無料の体験講座がありません(TACで稀に開かれています)。
割引制度を前もって確認しておく
先に個別のスクールの紹介でも記載しましたが、スクールごとに独自の割引制度があります。
利用できる制度はあまり多くはありませんが、中には半額が割り引かれる制度もありますので、先に資料から自分の利用できる割引制度を確認して、もっともコストパフォーマンスがいい講座を選択するようにしましょう。
過去問の手応えを確認しておく
スクールを利用するかを検討するのであれば、一度過去問を解いておくといいでしょう。
過去問を解いてみないと「午前試験対策はいらない」「そもそもスクールを利用する必要がない」「全体の試験範囲について、スクールを利用したほうが良い」などの判断が難しいかと思います。
過去問については、ネットで公開されているものを利用すれば、無料ですぐに挑戦できます。詳細な解説を読みながら解いてみたい場合、中古の参考書を購入すれば、比較的安く挑むことも可能です。
教育訓練給付制度
条件がありますが、会社員は「教育訓練給付制度」が利用できることがあります。
入学金と受講料の20%が支給されますので、高額な講座の場合には大幅な減額ができる可能性があります。
「欠点は一度利用すると3年間は利用できなくなる」というところ。3年以内により高額のスクールで、この制度を利用する予定がある場合は、利用を避けた方がいいでしょう。

「教育訓練給付制度」の利用資格や必要な条件については、下記のサイトがわかりやすく解説していますので、参考にして頂ければと思います。
*1 教育訓練給付制度は、「雇用保険に加入していた・している」が利用条件となるため、公務員や自営業の方は利用できません。
ネットワークスペシャリスト試験の講座は、それほど高額ではない
難関の資格試験であり、学習時間も多く確保する必要のある試験ではありますが、ネットワークスペシャリスト試験のスクールの料金は、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験と比べてもそれほど高くはありません。
試験範囲全体を含むコーズを選択した場合でも、安いものであれば5万円未満で利用が可能であり、会社員であれば50時間くらいの勉強時間を削減できるのであれば、十分に利用価値が高いといえるでしょう。
また、難関である午後I・II試験にだけ絞った講座を利用すれば、より低価格で試験対策ができますので、より確実な合格を目指したい人は、講座の利用も検討してみるといいでしょう。