MOS Excel エキスパート & Word エキスパート。合格のために実際にやったことと反省点
この記事では、MOSの「Excel 2010 Expert」と「Word 2010 Expert」を取得した際に、実際に行ったことと反省点を中心に解説します。

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結論。MOS受験で思ったこと
- 想定通り、短期間・短時間でも簡単に合格できる
- 試験の実技的な要素は、必要以上に不安にならないように注意
- 合格だけを考えるなら、参考書は1科目1冊で十分
- 合格優先の場合、実務ではやや物足りない技術力

受験の動機
Microsoft Officeについては、受験の時点で4年程度の利用してきた経験がありました。しかし、しょせんは大学での簡単なレポート作成レベル。私生活でもたまに情報の整理に利用していましたが、いわゆる「会社でも役立つようなレベル」の内容については、学習経験がありませんでした。
そこで、以下の目的で資格の取得を思い立ちました。
- 資格を持っていれば、多少は評価が上がる
- 会社や私生活で役立ちそう
- 簡単に取得できそう
難易度を考えると、MOSの取得だけで大きく評価されることは期待できませんが、最低限のスキルの証明にはなります。20代の採用であれば「ないよりはましの資格」といったところだと考えました。
また、事務仕事の多い職場にいく可能性があったため、WordやExcelの技術は最低限必要だと考えていました。当時の自分は簡単な関数などは使いこなせますが、ピボットテーブルやマクロなどについては全くわからない状態でしたので、このあたりの知識を身につけて、私生活でも利用できるようになりたかったのも動機の一つです。
最後に、当時の就職活動までの残された期間を考えると、短期で簡単に取得できる資格である必要がありました。別の試験の学習も並行していましたので「できれば1日1時間程度、1ヶ月で取得できる資格で、役立ちそうなものが欲しい」という希望があり、結果的にMOSにたどり着きました。
バージョンの選択
MOSにはバージョンがいくつもあり、基本的にMicrosoft Officeのバージョンに対応しています。
その中で私が選択したのは「2010」。理由は単純で「自宅のPCで利用していたから」です。最新のバージョンを受験したほうが職場で通用しやすいとも思いましたが、学習のやりやすさを優先しました。
利用した参考書
受験の際に実際に利用したのはこちらの参考書。
MOSを受験するなら「日経BP」と「FOM」の参考書が定番です。本に書かれている内容を一通り学習し、わからない・知らない部分を暗記して、模擬テスト用のCDを徹底的に攻略しておけば、まず落ちることはないと思います。
私が「日経BP」の参考書を買った理由は単純で「中古価格が安かったから」。ただし、中古で購入する場合は模擬試験用のCDが付属しているかは確認しておきましょう。安いものにはついていないものもあります。
勉強方法
短期で時間もない中で合格する必要があったため、苦手な問題・知らない問題を狙い撃ちにする方法を選びました。
具体的な流れは以下のとおりです。
- 参考書を一読する
- わからない・自信がないところは全部付箋を貼っておく
- 全体を読み終えたら、模擬試験に集中する
- 直前に付箋の貼ってある部分を全部読み直す
WordもExcelもこの方法を使いました。
私は大学のレポート作成や、簡単な関数の利用などはできるレベルではありましたが、「WordやExcelを事務仕事で使いこなせるレベル」には程遠い状態でした。それでもこの勉強方法で十分通用しましたので「合格を優先する」のであれば、多くの学生がこの勉強方法でエキスパート(上級)レベルも短期で合格可能であると考えています。
勉強時間と勉強期間
正確な記録はありませんが、長く見てもWordとExcelで合計30時間程度でした。1日1時間、1ヶ月の予定で学習を進めようと考えていましたが、現実にはあまり時間がとれず、直前1週間の勉強量を増やして対応しました。
勉強期間としては、一応1ヶ月前には参考書を読み始めましたが、集中していたのは1週間程度です。
受験当日と受験結果
試験はWordとExcelを連続で受験しました。
私は「両方同時に受けるのが当たり前」という冷静に考えれば意味不明な発想がありましたが、周囲は1つだけ受験する人が半数程度のような感じでした。
受験会場は地元のパソコンスクール。あまり大きな会場ではなく、同時に受験していた人も10人未満です。
実際に試験を受けた手応え
一番の難関は「果たしてこの回答方法でどう評価されるのか?」というところです。
最終的な結果は正しくても、途中経過で減点されないかが心配な問題が多く、必要以上に不安を煽り立てます。
また、予想していたことではありましたが「テキストで見た覚えのない問題が出てる!」というのも一部にありました。これらは捨ててしまってもいいとは思いますが、自分の実力不足を感ずる内容ではありました。
ちなみに、見たことのない問題については、実技的な内容であれば、現場で手を動かしながら、挙動を見て考えられる問題もありますので、必ずしも点を落とすものではありません。時間配分を大きく間違えないように、じっくり取り組んでみるといいと思います。
試験結果
私はCBT方式での受験でしたので、受験直後にパソコンスクールで結果のレポートを受け取りました。結果は以下のとおりです。
- 文書の共有と管理:80%
- コンテンツの書式設定:100%
- 文書の変更履歴と参考資料:100%
- 差し込み印刷の実行:100%
- マクロとフォームの管理:71%
- 合計点数:918点/1000点
- ブックの共有と管理:100%
- 数式と関数の適用:100%
- 視覚的なデータの表現:89%
- マクロとフォームの管理:100%
- 合計点数:975点/1000点
どちらも9割を超えられたので、悪くない成果といえるでしょう。Excelのマクロなどは、あまり理解できていないつもりだったのですが、結果的には100%となりました。
時間がうまく確保できなかった影響で「合格を優先する」ような学習内容となってはいましたが、それでも9割は超えることができたので、やはり「MOSはエキスパートもあまり難しくない」といえるかと思います。
MOS受験の反省点
Wordの受験は自分には不要だった
事務仕事の多い職場に就職することを想定していた私でしたが、結果的に技術職へとつくことになり、ネットワークエンジニアとなりました。
当初は「文章の作成はWordで」というのが自分のスタイルではありました。Excelで文書管理を行っている職場が多いことは知っていましたが、やはり文書を作成するのであれば、文書作成に特化したものを利用した方がいいと考えたからです。
しかし、私の働く職場としては「資料は基本的にExcelで」というスタイルであったため、私も最終的には現場にあわせていきました。結果として、Wordの利用は私生活のみとなり、気づけば「Excelの方が操作になれたから、私生活も基本的にExcelで」という流れになりました。
更には私生活での文章の管理が、基本的に「Evernote」に移行していったため、Wordを利用する場面は減少の一途をたどりました。
結果として、Wordの知識は錆びついてしまい、勉強した経験もあまり活かせていません。一度学習した経験があるため、以前よりは知識をつけ直すのが簡単だとは思いますが、学習が役に立っていないところは大いに反省点といえるでしょう。

やはり合格優先は技術力で劣る
最大の反省点は「実際のMicrosoft Officeで利用できる知識を身につけるには、やや不十分な学習方法をとってしまった」ところです。
MOSの学習は、確かに知らない知識や技能を身につけるには役に立ちました。結果的に私生活での利用や、就職後のExcelの操作では、学習した内容が役に立ったといえます。
一方「時間がないので合格を優先した」ことにより、やや技術力が低くなってしまったのは反省点として大きいです。ピボットテーブルの利用方法などは、結局職場の資料作成をとおして学ぶことになり、受験勉強を活かすことはほとんどできませんでした。
MOSは、試験に合格することより「実際に仕事で役立つ技術」を身につけることが大切だと思います。そういった意味でも、これから受験を考えている人は「実際の仕事ではどう利用されているか?」「どう利用すると効率がいいか?」を考えなら学習をすすめていくのがおすすめです。