【2019年】MOS PowerPoint 2010を9時間58分で合格した勉強方法と受験の注意点
2019年11月23日。PowerPointのスキルとMOS 2010 マスターの称号を求めて、MOS PowerPoint 2010を受験し、無事合格しました。
この記事では、MOS PowerPoint 2010に合格した際の勉強方法と、実際の受験体験を中心にまとめます。
MOS 2010の試験は、2020年3月末に終了します。
受験をご検討中の方は、早めの受験をおすすめします。
結論。MOS PowerPoint 2010の勉強方法と試験について
- 該当バージョンを持っていないと、模擬試験が動かせないので不利
- 難易度はかなり低め。模擬試験だけでも合格は目指せる
- IT関連に慣れていれば、勉強時間は10時間もあれば十分すぎる
- 合格ラインは700点と思った方がいい
- 「次へ」を押してしまうと、その問題に戻れなくなる点は注意
- 「スキップ」「リセット」「次へ」を押す前に、ダイアログボックスは確実に閉じる
- 色々操作してから正解を見つけた場合は、一度「リセット」を押した方が無難
- 試験には複数解釈可能な問題もある。ちょっと間違えても合格できるので、気楽に回答するべき
それでは詳細を解説していきたいと思います。
前提。学習開始前のスペックと学習環境
まずは、私の学習開始前のスペックと学習環境について
- PowerPointのスキル
→仕事で他人が作成した資料を読むことはある
→ただし、仕事で読む資料はほぼExcel
→自分が資料を作成することはほぼなし(遊びで作ることは稀にある) - IT関連のスキル
→ネットワークエンジニア(経験3年)
→元はITを苦手にしていたが、大学や仕事の影響で今は人並み以上 - 学習環境
→PowerPoint 2010は職場にも自宅にもない!(昔あった)
→代用品として、PowerPoint2013なら自宅にも職場にもある
PowerPointについてはほぼ素人ですが、そもそものIT関連のスキルは事務職より上といったところです。
最大の問題はPowerPoint 2010を持っていないところ。後述しますが、これがないと参考書付属の模擬試験を利用できず、学習効率はかなり下がります。
MOS PowerPoint 2010の勉強時間
念のため、実際に行ったMOS PowerPoint 2010の勉強時間について。学習時間を週ごとにまとめると、以下のようになります(Studyplusで計測しております)。
勉強時間は、合計9時間58分です。
そのうち、ほとんどの時間が模擬試験の付属している問題集での勉強。補助として無料で利用できる学習サイトを利用しているという状況です。
ちなみに、実際には模擬試験の1回分の問題に目を通した時点でほぼ合格できそうだったので、勉強なしでも合格できたかと思います(不合格のリスク回避や、勉強を通して身についた知識を考えれば、勉強したことに価値はあったと思いますが)。
MOS PowerPoint 2010に利用した参考書・サイト
実際の学習で利用した参考書・サイトは以下の通りです。
Microsoft Office Specialist Powerpoint 2010 対策テキスト&問題集
定番のMOS対策のテキスト&問題集です。Word、Excelの試験を受けた方には、利用した方も多いのではないかと思います(日経BPのMOSテキストも有名です)。
最大の目当ては付属の模擬試験だったのですが……PowerPoint 2010が入っていないと、付属の模擬試験は動かないです!(よく考えれば当たり前か…)。
しかし、参考書の最後の方に、模擬試験5回分の問題と解き方(残念ながら画像まではありませんが)が付属しているので、どんな問題が出題されるかは把握できます。別バージョンでもPowerPointを利用できる環境があれば、更に精度を上げることは可能です。
デメリットは、前半のテキスト部分も含めて、リボン部分まで掲載された画像が少ないところ。これは実際にPowerPoint2010を持っている場合でも、PC画面とテキストで無駄に視線の往復が必要となり、学習効率が若干落ちます。更に、私のように該当バージョンのPowerPointを持っていない人からすれば致命的です。そこで、次に紹介するサイトで補います。
Microsoft PowerPoint 2010:ワニchanのぱそこんわーるど
こちらのサイトは、MOSの出題範囲と合わせる形で、PowerPointの学習ができるサイトです。
PowerPoint以外にも、Word、Excel、Outlookなどもあり、Officeソフトの使い方を調べていた際に、出くわした方も多いのではないかと思います(私はMOS Outlook対策は全面的にこのサイトを利用いたしました)。
こちらのサイトは解説の画像が多く、ほとんどの画面でリボン部分も含めた画面で解説が行われています。上記の「Microsoft Office Specialist Powerpoint 2010 対策テキスト&問題集」の解説で足りない画像を、私はこのサイトで補って学習しました。
MOS PowerPoint 2010の対策で行った実際の勉強方法
最初は参考書の先頭から学習を…と進めていました。
が、面倒になったので、すぐに模擬試験に切り替えました。
理由は以下の通りです。
- 参考書を先頭からやっても効率が良くない(知ってる内容も多い)
- 「MOSのPowerPointは簡単」という情報があったので、テキストの読み込みは不要と判断
- 他の勉強が忙しかったので、さっさと終わらせたかった
結果的にはこの判断が正しく、まだテキストの4割も読んでいませんでしたが、模擬試験は余裕で8割は超えられる手ごたえでした。
正確に正解率を評価できなかったのは、模擬試験のソフトを動かすための、PowerPoint 2010を持っていなかった影響です。結局、これが試験本番にも影響して「正解のつもりだけど、採点的にはどうなんだろう?」というところが試験問題に多かったです。
ちなみに、先に紹介した「Microsoft PowerPoint 2010:ワニchanのぱそこんわーるど」は、移動中の復習や、模擬試験の学習で、実際の画面表示の確認(PowerPoint2013との差分チェック)に利用しました。
試験の注意点と試験の流れ
試験を受けるうえでの注意点
試験当日の注意点は、以下のページに解説があります。
他の試験との最大の違いといえば、受験者IDとパスワードを持っていくこと。忘れずメモして確認できるようにしておきましょう。受験者IDとパスワードは、受験の際にPCに入力する必要があるので、メモ用紙に書きとっておいた方が無難です(当然スマホ持ち込み禁止ですので)。
試験中の注意点は、会場でも説明されますが、重要なポイントは以下4点です。
- IMEツールバーを最小化した場合は、復元のために試験管へ対応を依頼する必要がある(恐らく再起動が必要。何度も再起動すると試験が強制的に中断されるとのこと)
- 画面に表示されている「スキップ」「リセット」「次へ」をクリックする前には、ダイアログボックス(フォントの設定などをいじるときに出てくる小さい画面)は閉じておく
- 「次へ」を押してしまった問題は、戻って解きなおすことができない
- 色々操作した後に正解を見つけた場合、不要な操作で不正解になるのを防ぐため、リセットを利用した方が無難
実際の試験では、画面の上側7~8割程度がPowerPointの画面、下2~3割程度が解答のための操作画面(問題数、タイマー、「スキップ」「リセット」「次へ」ボタン)となっています。
上記の注意点で、とくに2番と3番は正解・不正解に直結します。試験本番では忘れずに対応するようにしましょう(私は2番を意識せず進めてしまった問題があったような気がする…)。
3番については「スキップ」を押しておくと、スキップ以外の問題を全て解いた後に、戻って解きなおすことができます。ちょっとでも迷った問題は、即座にスキップして、後回しにしておいた方が安全です。
試験の流れ
試験の流れはおおむね以下の通りです。
- 受付時間になり次第、カウンターで受付(注意事項を受け取れる。採点に直結する内容もあるので、確実に読んでおくこと)
- 荷物をロッカーにしまう(腕時計・スマホなど、全てロッカーへしまう必要あり)
- 渡された受験の注意点と持ち込みを許されたもの(受験者IDとパスワードのメモとか)を持って指定のPCに着席
- 指定のPCで試験を選択し、注意事項を読む
- 試験開始
ちなみに、試験時間と出題される問題の数は以下の通りです。
試験時間 | 50分 |
---|---|
問題数 | 40問程度(公式では25~45問) |
試験開始時刻は決まっておらず、全ての処理が完了した時点から50分間で試験を実施することになります。試験会場が混雑している場合、受付から開始までの時間が長くなることが想定されますが、大きなトラブルが発生しない限り、試験時間が減ることはまずないでしょう。
ちなみに、私は9:15受付開始の「MOS Outlook 2010」を受験した直後に、10:15開始の「MOS PowerPoint 2010」を受験しました。9:15の受験者は3名でしたが、10:15では12名と増加し、試験開始までには余計に時間がかかっていました。
問題数については、公式では25~45問となっていますが、おおむね40問程度となる可能性が高いそうです。実際、私が受験した際も問題数は40問となっていました。
試験時間については、10分以上の余裕をもって全問に解答することができました(正確には測定できませんでした)。模擬試験で慣らしておけば、試験時間が足りなくなることはまずないでしょう。
MOS PowerPoint 2010の試験結果と感想
試験の結果
まず、試験の結果。以下の通りです。
- 総合得点:914点(最低合格点700点)
- PowerPoint環境の管理:100%
- プレゼンテーションのスライドの作成:89%
- グラフィックやマルチメディア要素の操作:86%
- グラフや表の作成:80%
- 画面切り替えやアニメーションの適用:100%
- プレゼンテーションの共同作業:100%
- プレゼンテーションの配布準備:67%
- プレゼンテーションの配布:100%
無事合格です。
合格ラインは、以下のサイトの通り、公式では1000点満点で550点~850点となっています。
ただし、基本的には700点が合格ラインと思っていいです。難易度による調整で、合格ラインが前後することはありますが、私がWord、Excel、Outlook、PowerPointの2010を受験した際は、全科目で700点が合格ラインとなっていました。
MOS PowerPoint 2010の試験に対する感想
試験の感想としては「本当にこれで正解だろうか…」というものが多かったところです。
恐らく、指示されていない物の削除や配置の入れ替えを行うと不正解率が高まると思いますが、指示の内容に対して、複数の解釈ができる問題がやや多かったように感じました。
例えば「1枚のスライドに写真を2枚表示するフォトアルバムのレイアウトを設定する」という問題の意図が、フォトアルバムのレイアウト設定で2枚の設定を適用するべきなのか、実際にスライドに2枚表示するレイアウトを設定するべきなのか謎です。私はフォトアルバムの写真のレイアウトを「2枚」にしましたが、この場合実際に私が解いた問題では、1枚のスライドに1枚の写真と1つのテキストボックスが挿入されることになります。
こういう問題の正解の基準をはっきりさせるためにも、付属の模擬試験の問題を繰り返し解いて、出題の意図を正確に把握できるようにしておいた方が、より高得点を目指せるかと思います。
MOS PowerPoint 2010を取得して…
MOS 2010 マスターになった
MOS PowerPoint 2010を取得したので、とうとうMOS 2010 マスターとなりました!
感想としては「うーん。微妙」といったところ。全く嬉しくないわけではありませんが、なんというか「だから、どうした?」といった感じもあります。
正直、同じ会場で行われていたPythonや統計に関する資格の方に惹かれました。なんでMOSやってたんだろ(終了する前にMOS 2010 マスター取るためなんだけど)。
今後はもっと業務に直結する・直結しそうな勉強に集中しようと思いました。
PowerPointで画像作成をしようと思った
ちなみに、良かった点というか、改めて考えさせられたこともあります。
それはPowerPointで簡単に画像・デザインの作成ができること。
とくに、私の場合はサイトを運営していて「手抜きでそこそこの見栄えの図やイラストを挿入できればなあ~。できれば文字付で」と思うことがあります。
最近は優秀な上に無料で使える画像ソフトやイラストの素材がネットに溢れていますが、PowerPointもけっこう使いこなせば捨てた物じゃないと感じました(とくに、文字とイラストを合わせて図を作る場合)。
例えば、PowerPointなら以下のような図も簡単に作成可能です。
ご覧の通り、角度をつけることで、同じ割合のものの面積を意図的に変えて、印象の操作をしております。重ねてみると、一目瞭然。
こんな感じで、インチキ統計資料もサクッと作れますので、今後はもう少しPowerPointを活用してみたいと思います(マネしないでください!)。