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【美術館】森美術館の観光情報と、実際に観光した感想

9月 28, 2023東京旅行【国内】美術館

この記事では「森美術館の概要と、森美術館を実際に観光した感想を中心にまとめます

「森美術館に興味がある方」「現代アートが好きな方」などの参考になれば嬉しいです。

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「森美術館」の基本情報

観光情報

  • 営業時間:10:00~22:00、火曜のみ17:00まで(最終入館は閉館の30分前)
  • 休館日:原則、展示会期中は無休。展示内容のページに記載があります。
  • 見学料金:展示によって異なりますが、概ね2,000円前後。平日・オンラインだと安いです。
  • 所要時間:展示内容で異なると思いますが、「ワールド・クラスルーム」は約1~2時間。私は映像作品をじっくり見た事もあり2時間45分ほどでした。全ての映像作品を観ると4時間を超えるかと思います。

※詳細は変更の可能性もあるため、訪問前には公式HPなどの情報をご確認ください

「森美術館」とは?

森美術館とは「主に現代アートの展示を行う、六本木ヒルズ森タワーにある美術館」です。

現代美術であれば、絵画や彫刻、ファッション、写真、映像、インスタレーション(空間全体を作品とした芸術)と、幅広い美術作品が展示されており、私が訪れた「ワールド・クラスルーム」でも、何種類もの現代美術の作品が展示されていました。

同じ六本木地区にある「国立新美術館」と「サントリー美術館」との3か所で「六本木アート・トライアングル」を結成しており、それぞれの美術館の入場券が、他の美術館で割引券として利用できるようになっています(ただし、少額です)。

ちなみに、53階(地上約230m)にある美術館と言うのは、建物内のものとしては日本最高所の美術館だそうです。通常のビルでは、賃料の高い最上部はオフィスかレストランが来るのが定石らしいのですが、開発を手掛けた森稔の「六本木を文化都心にしたい。その象徴として、タワー最上部に美術館を据えたい」という考えのもと、「経済(オフィス)の上に文化(アート)を置いた」そうです。

ちなみに、52階にある「森アーツセンターギャラリー」とは別物です。こちらを見学したい場合は、別途料金が必要になります。

    「森美術館」へのアクセス

    住所は「東京都港区六本木6丁目10−1六本木ヒルズ森タワー 53階」。ちなみに、世間をにぎわせたビッグモーターの本社が20階にあります。

    最寄り駅は東京メトロ日比谷線の六本木駅で徒歩3分(コンコースにて直行)。他にも最大12分の距離で4駅あり、私は徒歩10分の乃木坂駅から向かいました。

    有料ですが駐車場もあるため、車での来館も可能です(詳細はこちら)。

    「森美術館」を実際に観光してみた(所要時間180分ほど)

    実は、当初は国立新美術館に行く予定でした。が、展示が「これなら、イギリス行ったときに現地の美術館で見ればいいか」という内容だったので、またイギリスに行けるかもわからないのに急遽スケジュール変更し、森美術館にたどり着きました。

    森美術館に入るまで

    今回は、乃木坂駅の方から徒歩で森美術館を目指しました

    六本木ヒルズ森タワー乃木坂駅からは徒歩で10分程度です。距離はありますが、森タワーは高さもけっこうありますので、遠くからでも早くから目視で確認できます。ワールド・クラスルームのポスター今回は 森美術館開館20周年記念展として「ワールド・クラスルーム」という展示が行われていました。森美術館の入口

    森美術館の入口はビル本体側ではなく、ビルの横にある小さな建物から渡り廊下を歩いて入ります(上の写真)。廊下を進むとビル内にチケット売り場があるので、そこで購入したチケットを見せて、エレベーターで52階まで移動します。

    こちらは52階のフロアマップ。案内看板に従って進み、エスカレーターで53階に上がれば森美術館に到着です。

    森美術館の展示(森美術館開館20周年記念展「ワールド・クラスルーム」)

    入口に撮影に関する注意事項が出ていました。一部作品は撮影不可ですが、多くの作品は撮影可能であり、ブログ・SNSでの利用も一定の文言を付ける事で許可されていました。ちなみに、動画撮影も1分以内でOKでした。

      「ワールド・クラスルーム」での撮影に関する注意事項

      内容は、「国語」「社会」「哲学」「算数」「理科」「総合」「音楽」「体育」の8種類で、見学ルートを歩くと順に登場してきます(「音楽」と「体育」は同じモニタで連続上映されているため、逆順になる可能性があります)。

      「哲学って社会科に含まれなかったか?」と、一瞬思いましたが、まあ分離できるだけのコンセプトで展示されていたので、アリかなと。流石に、美術の展示なので「美術」はありませんし、「国語=言語」なので、「英語」もありませんでした。

      そんなわけで、ちょっと会場の風景を撮影してみました。

      展示の様子1
      左からパンクロック・スゥラップ《マフィリンド》(2015)、同《どうやら3つの国家の統治は簡単にはいかなそうだ》。右奥がハラーイル・サルキシアン《処刑広場》シリーズ。 この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止4.0国際」ライセンスの下で許諾されています。

      こちらは、「社会」の展示。社会的なテーマを訴える作品は、ストレートに内容が分かりやすくて、作家の描く世界観が楽しめました。私の様な美術に大して詳しくない人でも楽しみやすいです。

      展示の様子2
      ディン・Q・レ《光と信念:ベトナム戦争の日々のスケッチ この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止4.0国際」ライセンスの下で許諾されています。

      上の写真も「社会」の展示。映像作品も多く展示されており、全部見ると3時間でも足りません。ただ、ク・ミンジャの「怪物のおなかの中」などは、38分ありますが、全て見る事を前提に作られているわけでは無い感じはしました。

      ヤン・ヘギュ《ソニック・ハイブリッドーデュアル・エナジー》この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止4.0国際」ライセンスの下で許諾されています。

      部屋全体の空間を使った作品(インスタレーション)もありました。とはいえ、一人の作家が部屋一つを利用しているのは少なかったと思います。

      個人的作品ベスト3

      ここからは、今回の展示で「個人的に気に入った作品ベスト3」を3位から順に発表します。

      早起きは三文の徳(ロデル・タパヤ)

      作家名/作品名:ロデル・タパヤ<早起きは三文の徳>
      ロデル・タパヤ<早起きは三文の徳> この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止4.0国際」ライセンスの下で許諾されています。

      個人的に気に入った作品第3位は、ロデル・タパヤの「早起きは三文の徳」。分類は「理科」です。

      こういう、パっと見て意味不明だけど、物語性が潜んでいそうで、ちょっと不気味な絵画は、個人的に大好きです。

      ちなみに、このロデル・タパヤはフィリピンのアーティストで、フィリピンに伝わる先住民の伝承・伝説を題材に大型の絵画・壁画・彫刻・インスタレーションなど、幅広い表現方法で作品を作っています

      この作品「早起きは三文の徳」も、フィリピンの民間伝承が主題で、内容は「自分の名前の秘密を教えてもらうため、母親から旅に出された男の物語」です。男は大冒険を繰り広げ、王様の娘から結婚を申し込まれますが、旅を続ける事を選び、最後には家に帰りつきます。しかし、その時既に母は無くなっており、男は自分の名前に隠された秘密を知ることはできなかったというお話です。

      絵画の中央にいる大きな鷲は伝承における協力者で、同時に救済の象徴となっています。

      神の見えざる手(田村友一郎)

      作家名/作品名:田村友一郎<神の見えざる手>
      田村友一郎<神の見えざる手> この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止4.0国際」ライセンスの下で許諾されています。

      個人的に気に入った作品第2位は、田村友一郎の「神の見えざる手」。分類は「社会」です。

      写真は映像のみですが、部屋が暗くなっており、壁にはプラザ合意に参加した蔵相を模した人形浄瑠璃風陶製オブジェも飾られているので、インスタレーションに分類される作品かと思います

      内容は、今は亡き経済学者「アダム・スミス」「カール・マルクス」「ジョン・メイナード・ケインズ」の3人が、何故か日本の古民家風のくらい場所で、黒子の衣装で現代経済と、お互いの経済理論について討論するというもの。しかも、幽霊だからか、絶妙に会話の速度が遅い。私がやや経済関係が好きという影響もありますが、この作品は最初から最後まで映像を観ました。シュールさでは今回の展示で一番です。

      ちなみに、作家の田村さんは、戦後海外で人気を集めた陶製人形が、プラザ合意後の円高によって競争力を失い、産業が衰退したことに着目し、作品を作られたそうです。

      重量級の歴史(クリスチャン・ヤンコフスキー)

      作家名/作品名:クリスチャン・ヤンコフスキー<重量級の歴史>個人的に気に入った作品第1位は、クリスチャン・ヤンコフスキーの「重量級の歴史」。分類は「体育」です。撮影不可の動画作品の為、解説文の写真を掲載します。

      内容は「重量挙げ選手達が、街にある公共彫刻を持ち上げようとする(失敗もある)」というもの。この作品も最初から最後まで見た映像作品です(最初から見直す為、「音楽」の作品約30分も見る事になりました…)。

      持ち上がるかギリギリの彫刻に挑む際は、手に汗握るような展開もありますが、逆に「これ、絶対あがらないだろ!」と言うものにも、全力で挑んでいく選手が面白く、迂闊にも上映中に笑ってしまいました。そして、それを盛り上げる解説者のセリフや、選手たちへのインタビューがまたスポーツ番組らしくて見ていて楽しい。根本的に「歴史の重みって、そういう意味じゃないだろ!」ってツッコみたくなる作品のコンセプトも良かったですし、一応最後は感動のクライマックスに持っていったのも上手い。

      私はてっきり「この作品は、実際で海外で放送しているテレビ番組かな?」と思い、番組が見られないか調べてしまったのですが、あくまでスポーツ番組形式での映像作品らしく、作者のヤンコフスキーは、美術以外の分野の人々とウィットに富んだ作品を作る事で知られているそうです。

      唯一、残念だったのは作品の展示方法。展示場所の関係上仕方が無いのだとは思いますが、「音楽」と「体育」は同じ部屋で連続上映されているため、音楽だけ見て途中退席する人がかなり多く、凄くもったいないと感じました(「音楽」が全体で30分くらいあるのですが、芸術的過ぎて、正直私レベルでは何を表したいのかよくわからず、5分で退屈してしまった作品が3本中2本あった)。

      ちなみに、「音楽」と「体育」は会期の途中で作品の入れ替えがあったらしく、私は「重量級の歴史」が見られて運が良かったです。

      六本木ヒルズ森タワーの52階にあるもの

      森美術館に入るには、六本木ヒルズ森タワーのエレベーターで52階に向かい、そこから53階までエスカレーターでの移動となります。

      この52階部分に「東京シティビュー」と「森アーツセンターギャラリー」があり、それぞれで展示が行われています

      展示内容にもよるものの、相場を考えれば割引価格でも展示3つで6,000円前後。展望台も利用したら、8,000円くらいかかりますので、結構な出費にはなってしまいます。

      ただ、森タワーの1か所で1日観光できるというのは、移動の手間などを考えればメリットになる為、アートが好きな人ならじっくり楽しんでみてもいいでしょう(記事執筆時点では、次回「ブラック・ジャック展」と「北斗の拳 40周年大原画展」が予定されていました)。

      ちなみに、52階から街を見下ろした風景はこんな感じ。

      写真中央のあたりにある波打った感じの壁面の建物が「国立新美術館」です。

      52階にはレストランもあります。ただし、ランチ4,500円、ディナー10,000円が相場ですので、庶民には特別な日以外は厳しいです(アフタヌーンティーの6,000円は大英博物館とほぼ同額レベルじゃん)。私は諦めて外で食事しました。

      周囲の観光情報(六本木アート・トライアングル)

      先ほど52階から撮影した写真でも登場しましたが「国立新美術館」と「サントリー美術館」と「森美術館」の3か所は「六本木アート・トライアングル」というものを構成しています。

      半券1枚につき各館1名様、1回ずつ割引してもらえるので、美術好きであれば併せて訪問してみてもいいでしょう。

      ただし、森美術館の場合はオンライン予約と割引額が同額なので、あえて半券を使って割引をするメリットはそれほど大きくないかなとは思います。

      9月 28, 2023東京旅行【国内】美術館