ドリーム・シアター「Top Of The World Tour」(日本武道館)公演ライブレポート

5月 4, 2023国内旅行

天啓‥‥!

3月下旬、ロンドン渡航に伴い「好きな洋楽のライブとか、現地で聴けないかなあ」と、思って調べてたら……

むしろ日本来てるじゃん!(ま、そもそもイギリスのバンドじゃないけど)

そんなわけで諦めていた私は、ロンドンに3週間ほど引き籠り生活をしながら、「ライヴ・アット武道館」を作業用BGMに、ブログやら脚本書いて生活していました。

しかし、急遽予定が変更となり一時帰国。次のロンドン渡航がチャールズ国王の戴冠式(5月6日)後になったため、なんと思いがけず参加できることに

そんなわけで今回は英会話の予習と称して、ドリーム・シアターの「Top Of The World Tour」(日本武道館)のライブレポートをお送りします。

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ライブ初心者の注意点

実は、ライブ初心者です。というか、33歳にもなってほぼ初のライブ参戦です。

過去のライブ参加歴は「地下声優(?)のライブを取材した際(なぜ記事にしなかった)」ときの1回だけです。

ただ、ライブの注意点は「どんなライブに行ったか?」で変わると思いますし、基本的には複雑な準備は不要だと思います(実際、前回含めても問題なかったので)。

ちなみに、実際には武道館内の指定された席に座り、激しい動きもしないため、私としては「いつも外出する私服でチケット・お金・スマホを忘れなければOK」な感じでした。

ちなみに、公式のライブ動画でも前列の客席の人とか見えますが、まあ、特別な準備は不要ですね。

ということで、チケット購入から当日まで、簡単な曲の予習以外はインタビュー記事を読んだくらいで過ごしました

ちなみに、よくあげられるライブ参加の注意点は以下の通りです(たぶん、屋外や立ち見をなどで異なる)。

  • 必要な荷物はしっかり確認(チケット、お金、スマホ、バッテリー。汗をかく場合は、水分、着替え、スポーツタオル、うちわ等)
  • お金は多めに持っていく(現地で突発的に色々買いたくなることもあるので)
  • 足は疲れない靴を履く(ヒールのある靴などは避ける)
  • 密集する場合は、露出が少ない服にしておく
  • アクセサリーなどは控えめに(周囲にぶつかったりで怪我の原因になる)
  • 髪型は後ろや周囲の人に迷惑が掛からないよう注意(盛ったり、アフロにすると後ろの人が見えにくい。ポニーテールなどは飛び跳ねると周囲にぶつかる)
  • 予習しておく

予習(View From The Top Of The World

今回の「Top Of The World Tour」は、2023年1月から開催されており、その際のセットリストを確認すれば内容はわかります(後で確認したら、毎回同じでした。ただ、2022年の「Top Of The World Tour」と比較すると、若干異なります)。

ただ、キーボード奏者のジョーダン・ルーデスが、来日に向けたインタビューで「(単独ライブは)自由にセットリストを組めるというメリットがある」と発言していたので、「当日を楽しみにした方がいいか」と思い、あまり詳細な調査はしませんでした

ただ、「Top Of The World Tour」というだけあって「View From The Top Of The World」の曲が多めなのは推測できる為、このアルバムだけはしっかり聴きこんでおきました

実際のセットリスト

ちなみに、過去のライブのセットリストについては、下のページで公開されています。

ちなみに、今回のセットリストはこんな感じ。

  1. The Alien
  2. 6:00
  3. Sleeping giant
  4. Bridges in the sky
  5. Caught in a web
  6. Answering the call
  7. Solitary shell
  8. About to crash (Reprise)
  9. Losing time/Grand finale
  10. Pull me under
  11. A view from the top of the world
  12. The count of tuscany

長さは2時間強といったところ。ラスト2曲で40分くらいあります。

やはり「View From The Top Of The World」の曲が多めで(赤字部分)の4曲(50分弱)でした。あとは全体的に分散している感じ。曲数でいえば3曲の「Six Degrees of Inner Turbulence」からが多いですが、こちらは3連続で16分程。どちらかと言えば合わせて1曲なイメージでした。

武道館到着~開演前

17時20分頃、会場近くの九段下駅到着。駅を出る前からドリーム・シアターのシャツ着て歩いてる人がいたので、それが案内になりました。

徒歩10分弱で現地到着。

既に開場時刻から30分程経過していた為「こんな遅くに来るとは不埒者が! 開場30分前には来い!」という謎の叱責を受けるようなイメージがあったのですが、普通にまだ来ていない人も多く安心しました(むしろ開場30分前から来てたら迷惑ですかね…)。

ちなみに、物販は武道館前で行われていました。が、やはりケチな私は購入無し。いつか、躊躇わず購入できる程裕福になってみたいものです(でも、グッズより先にプレミアムシートかな)。

実際の「Top Of The World Tour(日本武道館)」

The Alien

アルバム『A View from the Top of the World』より。『A View from the Top of the World』のオープニング曲でもあります。

グラミー賞で最優秀メタル・パフォーマンスを受賞したこの曲。実は個人的には「確かに良いけど、過去にグラミー賞にノミネートされた曲と比べて、そんなに良い曲か?」と思っていました。が、やはり生の演奏はカッコ良すぎ。不覚にも、久しぶりに震えが止まらなくなりました。息を尽かせぬスリリングな曲の展開がGOODです。

ちなみに、実際の演奏のバックでは、YouTubeで公開されているミュージックビデオ(上の動画)が流れていました。

6:00

アルバム『Awake』より。

高校時代に散々聴いたこの曲(というアルバム)は、ドリーム・シアターの中では比較的穏やかなイメージがあったのですが、やはりライブで聴くと迫力が違いました。

約5:30と、ドリーム・シアターとしては長くはない曲でありながら、その中に詰められた複雑な展開はやはりドリーム・シアター。そして、冒頭部分のマンジーニのドラムがやはりカッコいい(マンジーニさんのドラムソロの「6:00」はこちらの動画。背景がたぶん今回のライブと同じです)

Sleeping Giant

『A View from the Top of the World』より。

冒頭の不穏な静寂、それを食い破るようなサウンド、サビのメロディアスな演奏とラブリエの歌唱力。どれも圧倒されました。

後半、競い合うようにソロの演奏が入る辺りは、ステージ上のライトアップの演出もあって、やはりライブだと余計に盛り上がります

Bridges in the Sky

アルバム『A Dramatic Turn Of Events』より。

神秘的な雰囲気で曲が始まり、そこからペトルーシのヘヴィなリフに入っていくドラマチックな展開は流石ドリーム・シアター。

実は洋楽をあまり聴いていない時期に発売されたアルバムの曲だったこともあり、ほぼ私の記憶になかった一曲です。が、それにしても個人的にはマイアングのベースがかっこよかった

Caught in a Web

再び『Awake』より。

やはり高校時代の記憶よりも攻撃性が高いサウンド。しかし、明るく爽やかなルーデスのキーボードと、全体的にヘヴィなペトルーシのリフで、ある種異様な雰囲気は相変わらずで懐かしかった。

実を言えば『Awake』は高校時代には散々聴いましたが、最近は長いこと聴いていませんでした。久しぶりに通しで聴いてみたいと思います。

Answering the Call

『A View from the Top of the World』より。

イントロから滅茶苦茶にカッコいいリフが印象的で、『A View from the Top of the World』の中でも個人的に特に印象に残っていた一曲です。やはり生で聴くとよりカッコいい。迫ってくる振動が全然違う。

『Solitary Shell』『About to Crash (Reprise)』『Losing Time/Grand Finale』

『Six Degrees Of Inner Turbulence』より3曲。元から連続している曲だけあって、つなぎ目を感じさせない美しい展開(実際、どこで切り替わってるのか、気付かなかった)。

全体的に明るく爽やかな雰囲気で印象に残るこの曲。ただ美しいだけでなく、ライブの後半に一旦挟まってくることで、ある種の安らぎになりました。

ちなみに、私は『Six Degrees Of Inner Turbulence』のアルバムを購入後ほどなくして紛失。しかもPCなどに保存されていたデータが何故か部分的だったため、あまり聴き込んでいませんでした。が、『Solitary Shell』はやはりすごく印象に残ってました。

Pull Me Under

アルバム『Images & Words』より。

ドリーム・シアターの代表曲とも言えるこの曲、流石に会場も盛り上がった(ライブアルバムで何度も聴いた、サビの合唱もありました)。

ちなみに、過去の『Images & Words』の完全再現のライブ(2017年頃)では、ボーカルのラブリエの不調もあってか音を下げての演奏となっていましたが、今回は原曲通り。ラブリエさんのボーカル、復活してました(ちなみに、5月5日でラブリエさん還暦です)。

流石に10年前と比べると、高音の部分を歌い方でカバーしている様な感じはありましたが、まだまだ現役続けてくれそうだなと一安心です。

A View from the Top of the World

『A View from the Top of the World』より。

アルバムタイトルにもなっているこの曲は、20分を超えるドリーム・シアターの中でも大作。いくつもの場面が展開されていくドラマチックな曲の構成は流石ドリーム・シアターといった感じ。

途中で舞台上からメンバーが一人、また一人と姿を消し、ルーデス(キーボード)とペトルーシ(ギター)の二人でしっとりとした演奏を展開。徐々に盛り上がりを見せ、メンバーが戻りラストに向かう流れはライブらしいパフォーマンスでした。

The Count of Tuscany(アンコール)

アルバム『Black Clouds & Silver Linings』より。

こちらもアルバムの最後を飾る20分近い大作。先の『A View from the Top of the World』もアルバムの最後を飾る曲ですが、ライブの最後を飾る曲としては、こっちの方が好み

冒頭の美しいメロディーから、攻撃的で疾走するようなリフへの変化、3分にも渡る眠りに落ちたようなインスト(ルーデスの仕草が妙に印象的でした)、そして新しいスタートからラストへの展開。どれも文句なし!

サビで「I!」と観客と合唱するあたりは、一度も経験した事ないはずなのに、何故か「あ、前聴いたライブアルバムでやってたわ」と、納得して参加してました(ライブの声出し解禁されててよかった~)。

全体としての感想(ライブ初心者でも楽しいよ!)

先にも述べた通り、私はライブ初心者です。

猛烈に音楽に詳しいが、ライブには行かない偏屈な人……という訳でもなく、気が向いたときに音楽を聴いて、それが洋楽に偏ってるというだけの一般人で、楽器の演奏経験などもありません(せいぜい、中学で合唱やってて、今は稀に読経やってる程度)。

そんな私でもわかるくらいに、やはりライブじゃないと味わえないものがあり、自分の感性に強く影響すると体感できたことは収穫でした。

家でゆったり聴くのもいいですが、やはりライブは破壊力、凶暴性ともに数段上です。

音楽で「破壊力」とか「凶暴性」なんてパラメータは意味不明ですが、そうとしか形容できないような衝撃があり、たまにはライブに行くのも、自分の感性を磨くのにいいです。耳から聴くサウンドも当然凄いですが、同時に襲ってくる腹の底まで響く振動は、ライブ会場に足を運ばないと味わえません。

それから光や映像の演出がまた凄い。映像に目を持っていかれることもしばしばです(できれば、演奏中の姿のアップも欲しかった)。

そして何より、生で目の前で演奏しているパフォーマンスの臨場感が味わえるのが素晴らしい。マイク・マンジーニの世界最速の超絶技巧、ステージ上をマイクスタンドを持って闊歩するラブリエ、ルーデスと回転するキーボードなど。私は2階席の中でもかなり高い場所からの観覧でしたが、その場で味わうのは全然違います。

そんなわけで、何が言いたいかといえば「ちょっと興味があるけど、別に特別音楽が好きってわけでもない……」というくらいだったら「行ってみたら案外楽しめるよ」というお誘いです。

実際、私もドリーム・シアターについて詳しくは無いですし、うろ覚えの曲が多いです(よく覚えてたの『Pull Me Under』と『Solitary Shell』の2曲じゃね?)。その上、自称「感動しない男」の私です。感情を揺さぶるには、英語喋れないのに無理やり一人で海外旅行とか、そのくらいのことが必要です。

しかし、それでもわざわざブログの記事にしてしまうくらい今回のライブは楽しめました。興味があるライブなら、今後も年に1、2度行くのもアリだなと思います。

9月16日か。海外行ってないといいのだけど……。

英語わかったらもっと楽しい

所々でボーカルのラブリエさんがMCしてくれるのですが、やはり英語がわからないと理解が厳しい

ラブリエさんも、日本人相手だからか、わかりやすい英語でゆっくり話してくれる感じだったので、わかる部分もあるのですが、頭の中で翻訳している時間がありませんでした

今回の経験でも、英会話をちょっと勉強してみたくなりました(でも、旅行用の英語とはまた少し違うかな…)。

残念(?)ながら、ウィザーズ・アックスのお披露目は無し

ちなみに、インタビューでは外観からしてクレイジーな「ウィザーズ・アックス」についても、ソロ・パートで登場するか考えておくと言及されていました

とはいえ、私が見た限りでは2階席からは使用しているところは確認できませんでした(もしかして、目が悪かった?)。

いつかこれが実践投入されるところを見てみたいところです。

ライブ参加の動機

最後に、今回ドリーム・シアターのライブに参加した動機は以下の通りです。

  • ロンドンに行く前に英語の予習(言い訳)
  • 最近7年ぶりくらいで映画館に行って、財布の紐が緩んだ(言い訳)
  • 一度はドリーム・シアターの演奏を生で聴きたかった(メンバーの高齢化による不調・引退問題)

高校時代から洋楽(主にメタルとプログレ)が好きだったのですが、異常なまでの節約癖の影響で、キング・クリムゾンの生演奏を一度も聴くことができず、イアン・マクドナルドが死去したため、同じような事にならないように……との懸念がけっこう強かったです(ロバート・フリップ(76歳)もツアー再開は否定。ただし、頻度は低いがまだライブは一応やってるっぽい)。

実は、ボーカルのラブリエについては、5年以上前に不調説が出た事があり、イメージズ・アンド・ワーズの再現ライブでは半音下げていました(今回は原曲通りでしたが)。

2023年で60歳という年齢や、タイトなライブスケジュール、1995年にやらかした無茶の影響などを考えると、今は喉の健康・温存に気を遣われているのかなとは思いますが、やはり心配にはなるところ。引退しないまでも、やはり衰えもあるかなと思います(実際、いかにも昔から詳しいですって感じの人が、会場でそんな話してた)。

まだ10年は現役でいてくれると信じたいところですが、単独ライブで来日するのは頻度を考えると、やはり今回偶然帰国してライブ参戦できたのは、非常に幸運な出来事だったと思います。

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