【受験体験記】工事担任者試験AI・DD総合種に勉強時間71時間40分(または48時間31分)で合格した際にやったこと

3月 11, 2021工事担任者

2020年11月22日、工事担任者試験AI・DD総合種に受験し、合格しました(2021年の試験より「AI・DD総合種」から「総合通信」へ、名称が変更になっています)。

この記事では工事担任者試験AI・DD総合種を受験した際にやったことを中心にまとめました。

工事担任者試験の総合通信を受験される方、いずれは総合通信まで取得予定の方の、参考になれば幸いです。

工事担任者試験の概要など

前提として、工事担任者試験の概要、難易度、勉強時間について。

長くなりますので、以下の記事にまとめました。

試験の特徴や傾向を調べている方の参考にしていただければと思います。

【前提】私の勉強開始前のスペック

私の勉強開始前のスペック(経歴)は以下の通りです。

勉強開始前のスペック

  • 2008~11年度:大学でIT関連を学習するが、2年生の後半から別業界を目指す
  • 2016年2月~:卒業後、4年弱別業界で仕事した挙句、結局、IT業界に就職。内容はネットワークの保守・運用
  • 2019年10月:ネットワークスペシャリスト試験を受験(午後IIが1点足りず落ちる)
  • 2020年10月:プロジェクトマネージャ試験を受験
  • 2020年10月:技術士第一次試験を受験
  • 数学・物理は苦手(物理は、大学で唯一単位を落とした科目)

これを、工事担任者AI・DD総合種の試験科目にあてはめると、こうなります。

  • 基礎:論理計算(全体の2割)だけ楽勝。残りは苦手。
  • 技術及び理論:内容によって知識の差が激しい。
    (セキュリティ、ネットワークのプロトコルは強いが、その他はほぼ知識ゼロ)
  • 法規:知識ゼロ。

法規以外については、かなりムラがあります。

苦戦すると判断したのは『基礎』。電気・電子回路は10年以上前に勉強したことがある分野ですが、ほぼ全て苦手です。ただし、学生時代から好きだった論理計算だけは初見でほぼ解けましたので、論理計算以外の残り80%から半分以上正解できるかが鍵になりました。

『技術及び理論』については、出題数が多く覚えることも多いですが、幸い情報セキュリティとネットワークのプロトコルに関わる問題については、過去の試験勉強や業務経験が活かせそうなので「『基礎』よりは有利」といった印象です。

知識ゼロの『法規』については、「他の受験生も勉強しないと無理だろう。裏を返せば、勉強すれば簡単なはず」と予想しました(実際、一番短時間で終わりました)。

受験した動機

受験した動機は「ネットワークを仕事とする者として、周辺知識を付ける」というものです。

しかし、新型コロナウイルスによる試験延期が発生した後、試験前に「ネットワークの業界を辞める」という決意をしてしまったため、途中からは「受験すると言ったからには、決着をつける」といった、個人的な主義思想の問題に変化してしまいました。

2020年は、こんな感じで新型コロナウイルスにだいぶ勉強を振り回されましたが、身内に感染者がおらず、仕事を失うことが無かっただけでも感謝しないとなあと思います(どっちみち、2021年中には無職になる予定ですが…)。

工事担任者 AI・DD総合種に利用した教材と感想

工事担任者 総合通信 実戦問題シリーズ

定番の過去問題集です。「勉強が苦手で物理数学はとくに苦手」という人以外は、この一冊で合格を狙えるレベルです。

私が使ったものは、中古で安かった2018年秋のAI・DD総合種用の実践問題です。

特徴をまとめると、以下のようになります。

  • 問題だけでなく、覚えるべき内容が短めのテキストでまとまっている(覚えるべきことをかなり絞り込める
  • 直近の過去問数回分から抜粋した問題で、まんべんなく学習できる(学習の偏りを減らせる
  • 直近の過去問については、全て解説付きで解ける(実力診断ができる
  • この一冊でも合格を目指せる

  • 完全な素人だと苦戦する(オームの法則の公式もわからないレベルでは、挫折する可能性がある
  • 安全な合格には、やや問題が少ない(テキスト部分も含めて理解していれば十分合格できるが、過去問流用を活用しにくい
  • サイズが大きい(持ち運びに不便

電気回路・電子回路が苦手な私でも、ほとんどこの一冊で勉強して合格はできました

しかし、「電気回路・電子回路の問題が理解できたか?」といわれると、この一冊だけでは難しいです(ネットでの調査は必要)。合格優先なら、過去問の流用を相手に得点を挙げつつ、苦手な問題は捨てるという割り切りも必要になるでしょう。

まずはこの参考書に取り組み、この本に歯が立たないようであれば、後述するような「基礎から学習できるテキスト」の利用を検討していいでしょう(暗記問題が多いので、ネットの調査で十分だと思いますが)。

ちなみにですが、後述するサイトと組み合わせる方法を使うなら、最新より2回前の実践問題を購入するのがベストだと思います。

過去問PDF – 工担

過去問をPDFで取得できるサイトです。

公式サイトの過去問は、直近4回分しか掲載されていません

一方「工担」の方では、平成17年度2回目からの過去問のPDFが取得できます。

また、PDF形式なので、パソコンやスマホで学習を管理したい人には便利です(私も、このPDFを暗記カード作成に活用しました)。

「技術及び理論」の解説(直近2回分が無料!)

こちらのサイトは、工事担任者試験の『技術及び理論』の科目について、過去問解説を取得できます

過去問1回分は350円、5回分は1,600円、全て(平成23年第1回以降)をダウンロードするには3,000円かかりますが、実は直近の2回分については、無料で提供されています

個人的には工事担任者 実践問題」の参考書と、こちらの2回分を利用すれば、十分合格ラインを狙えます(そういう意味では、最新から2回前の実践問題を購入するのがベスト)。

基礎から学習したい人へ(工事担任者のテキスト)

私は以下のテキストを購入しました。

分野ごとに解説と問題が掲載され、全体像も把握しやすく、確かに「これ一冊で合格」可能だと思います。

ただ、正直言うと次にあげる理由から、テキストを使うことはおすすめしません

  • 過去問流用が多いので、過去問演習を中心に勉強を進めることが合格への最短ルート
  • 試験範囲で理解が難しいのは『技術及び理論』の一部と『基礎』なので、ネットで検索すれば十分
  • 「買ってしまった以上、しっかりやらないと…」という心理が働くと、時間の無駄

テキストが必要な人がいるとしたら「勉強時間には余裕があるが、『工事担任者 実践問題』だけでは理解できず、ネットの情報でも理解できない」という人だけだと思います。とくに『法規』を学習目的とした購入は、しない方がいいでしょう。

私は、ちょっとテキストのページをめくり「過去問優先の方が時短できそうだ」と判断したため、新品で購入しましたが、傾向と対策の確認にしか使いませんでした。「買ってしまった以上、しっかりやらないと…」と判断していたら、勉強時間がより長くなっていたかと思います。

狒々山
狒々山
もちろん、過去問に頼らず、しっかりと実力を付けたいのであれば、テキストを購入するという選択肢もアリです

ちなみに、個別の科目では以下のようなものがあります。

AI・DD総合種試験対策

AI・DD総合種試験対策

私はほぼ使いませんでしたが、工事担任者の勉強で必要な知識を簡潔にまとめてくれているサイトです。

簡潔なだけでなく、良く問われるポイントが赤文字になっているので、視覚的にもわかりやすいところも特徴。

全体の知識を俯瞰して、自分の中で整理したい人には有効活用できるかと思います(ある程度勉強が進んでからの利用をおすすめします)。

ただ、2015年10月15日が最終更新日なのが心配なところ(2021年2月14日時点)。大きく試験内容は変わっていないと思いますが、若干の心配があります。

工事担任者 AI・DD総合種にかかった費用

実際にかかった費用は以下の通りです。

かかった費用

  • 受験料:8,700円
  • 工事担任者 2018秋AI・DD総合種実戦問題(中古):1,040円
  • 工事担任者 2016秋AI・DD総合種実戦問題(中古):900円
  • これ1冊で最短合格 工事担任者 AI・DD総合種 試験対策テキスト&問題集:2,970円
  • 交通費:1,452円
  • 合計:15,062円

ほぼ趣味の受験にしては、やはり出費が大きいです(報奨金出ないから大赤字!

結果的に使った参考書は、ほとんど「工事担任者 2018秋AI・DD総合種実戦問題」だったので、残りを最初から買わなければ、ああと4,000円近く削れました。ただ、受験料が高めなので、やはりほとんどの人の場合、1万円は必要になるでしょう。

ちなみに、試験の後に資格者証を発行する手続きで、追加で2,000円ほどかかりました…。

工事担任者試験 AI・DD総合種に使った勉強時間

勉強時間は71時間40分です(Studyplusで計測)。

試験に使った合計値は71時間40分となりますが、分析や暗記カードの作成など、勉強の準備時間を除くと48時間31分となります。

内訳は以下の通りとなりました。

勉強時間
暗記カード作成 18時間48分
分析 0時間58分
実力診断 3時間23分
基礎 21時間47分
技術及び理論 16時間17分
法規 10時間27分
合計 71時間40分

工事担任者試験 AI・DD総合種で、実際に行った勉強方法

試験の分析(10月19日)

10月19日。試験の情報の収集から開始しました。この時点で、試験まで残り一カ月ちょっとです(別の試験勉強に追われてたので)。

分析には、先に紹介した「これ1冊で最短合格 工事担任者 AI・DD総合種 試験対策テキスト&問題集」や、ネットの情報を使いました。

その時の調査・分析結果はこちらになります。

工事担任者試験 AI・DD総合種の調査・分析結果

  • 素人でも、短い人だと60時間程度で合格できる
  • 過去問3回で学習した人だと、正解率7~9割まで高めて合格した例があった
  • 出題の7~9割は類似・流用の問題
  • ネット上で最新2回分の「技術及び理論」の解説が拾える
  • 基礎」の電気回路・電子回路が鬼門
  • 技術及び理論」は得意分野もあるので、合格点は超えやすそう
  • 法規」はたぶん他の人も素人。自分は法律と相性が良いので、たぶん楽勝

『基礎』→『技術及び理論』→『法規』の順で学習(10月19~試験まで)

基礎』は苦手だが、『法規』は楽勝という予想が立ったため、勉強時間をコントロールしやすいよう『基礎』→『技術及び理論』→『法規』の順番で学習しました。これは、あくまで私の場合なので、学習の順序は、混乱しない限りどの順でも問題ないと思います(全て平行でもOK)。

実際に使った参考書は「工事担任者 2018秋AI・DD総合種実戦問題」です。

具体的な手順は

  1. 参考書の問題と、テキスト部分で気になったところを暗記カードアプリに落とし込む(初見でわかる問題は飛ばす)
  2. 暗記カードをひたすら解く
  3. 合格ラインに達したら、次の科目へ挑戦し、並行して復習を実施

と、いたってシンプルです。「技術及び論理」については、先に紹介した過去問解説サイトも暗記カード作成に利用しました。

初見でわかる問題は、勉強しても無駄なので飛ばしました。論理計算は得意だったので、ほぼ暗記カード化していません。

ちなみに『基礎』→『技術及び理論』→『法規』の順で勉強していたため、『技術及び理論』と『法規』については、11月に入ってから勉強を開始するような状況でした。

暗記カードの作り方

ちなみに、暗記カードは『AnkiDroid』を利用して作りました。

ザックリ作り方の流れを解説すると、以下のようになります。

過去問から問題を作る場合

  1. 過去問のPDFから、問題文を画像で切り抜いてコピペ(Windowsなら「Windows+Shift+S」のショートカットでサクサクできます)
  2. 解説文は、参考書をスマホで撮影して、画像データを挿入(これがかなり面倒!)

過去問と関係ないテキストから作る場合

  1. 参考書をスマホで撮影して、画像データを取得
  2. 部分的に黒塗りに画像を加工し、加工前を表面、加工後を裏面として暗記カード化

正直、参考書の内容を暗記カード化する作業に19時間弱という全体の約25%を使ってしまったのは反省点です。

工事担任者 2018秋AI・DD総合種実戦問題」は、持ち運びに不便なサイズであったので、無理やり暗記カード化することにしました。が、解説のコピペができないことから、スマホで写真を撮り、それをアプリに入れて…という作業が必要となり、かなり時間を無駄にしました

改善方法としては、撮影した写真が即座にPCと共有され加工できる環境を作っておくか、裁断してスキャンする手もあったと思います。

過去問の問題文については、過去問サイトからダウンロードしたものをコピペできたのであまり時間はかかりませんでしたが、「解説も含めて暗記カード化しやすいか?」を考え、取り組むべきでした…。

暗記カードの枚数

最終的な暗記カードの枚数は、以下のようになりました。

暗記カードの枚数

  • 基礎:170枚
  • 技術及び理論:242枚
  • 法規:91枚
  • 合計:503枚

暗記カードについては、僅かではありますが、ネットで調べた知識や、参考書にあった解説文から自作した問題も含まれます。とはいえ、概ね「枚数=過去問の数」と考えていい割合です。『法規』については純粋に全て過去問なので、過去問91問分を暗記カード化して学習しました。

『基礎』については、後述する過去問演習の後に追加した暗記カードを含めて、170枚になっています。

過去問演習を実施(11/13~11/21)

実力診断もかねて、11/13から過去問演習をしました。試験の9日程度前です。

利用したのは、1問も解いていない2回分。結果は以下のようになりました。

基礎 技術及び理論 法規
平成25年2回目 67点 70点 68点
平成30年2回目 69点 62点 64点

結果から、全て合格点を上回りましたが、あまり余裕がないという状態です。

『技術及び理論』と『法規』については、記憶があいまいな部分を暗記すれば十分に対策ができそうと判断しました。

一方、『基礎』につては計算問題でわからないパターンが多かったため、手持ちの暗記カードだけでは点数が上がりにくいと思い、追加で暗記カードを作成し、学習を実施しました(とくに電気回路・電子回路)。

そして、11/21。試験前日に基礎科目に取り組んだ結果がこちら。

基礎 技術及び理論 法規
平成25年1回目 92点

9割を超えたのはただのラッキーですが、試験前日としては十分な仕上がりとなりました。

工事担任者試験AI・DD総合種の当日~結果

試験の持ち物

試験で持ち込めるものは、公式サイトに掲載があります。私の場合は以下の通りでした(令和2年度)。

鉛筆、シャープペンシル、消しゴム、アナログ式時計(液晶表示のあるものは認めない)、以外の物は机の上に置かないでください。

受験の手引き

電卓については持ち込めませんので、注意しましょう。

試験当日について

新型コロナウイルスの関係で、検温が必須でした。

私の会場は「明治学院大学 横浜キャンパス 6号館」。電車とバスを使う必要があり、やや交通費が多くかかりました。

明治学院大学 横浜キャンパス入口

 

看板に『電気通信の「工事担任者」試験会場』と書かれています。この表記はWikipediaの情報で見たものと同じです。

試験は問題冊子の順の通り『基礎』『技術及び理論』『法規』の順で解いていきました。

実際の試験でかかった時間をまとめると、以下の通りです。

試験の流れ

  • 試験開始:9時30分
  • 基礎科目終了:9時48分(18分で完了)
  • 技術科目終了:10時20分(32分で完了)
  • 法規科目終了:10時34分(14分で完了)
  • 見直し完了(退室):11時12分(38分で完了)

試験終了時刻は12時10分。ゆっくり見直しをしても十分時間があまりました

過去問流用・類似の問題が多く、深く考えなくても答えが出せる問題が多い試験です。私に限らず、時間が足りずに困る人は少ないかと思います。焦らずじっくり挑みましょう。

工事担任者AI・DD総合種の試験結果(合格)

12月14日。合格発表がありました。試験結果はこちら。

無事合格です。が、点数の発表はありませんでした。

ちなみに、自己採点では以下のような結果となりました。

工事担任者 AI・DD総合種の試験結果

  • 電気通信時技術の『基礎』:83点
  • 端末設備の接続のための『技術及び理論』:74点
  • 端末設備の接続に関する『法規』:84点

試験9日前の実力診断から、良い感じに仕上がったと思います。

『技術及び理論』については、見覚えのないものが多かったので、ちょっと心配でした。実際、あまり点数は上がっていませんが、7割超えたので良しです。

ちなみに、資格証書を手に入れるには、交付申請が必要です。期限は余裕がありますが(結果通知から3カ月程度)、早めに申請しましょう

申請書の郵送の費用と、収入印紙1,700円(令和2年第2回時点)が必要になりますので、ここで更に出費が発生しました…。

そして、後日届いた資格証書がこちら。

工事担任者資格者証

工事担任者AI・DD総合種の失敗と反省点

今回の最大の反省点は「無理して暗記カードアプリを使ってしまったところ」。

暗記カードアプリ(私はAnkiDroidを使っています)を利用した学習方法自体は効率的なのですが、そのカードを作ることに19時間近く消費してしまったところが問題。学習時間の約25%がカード作成というのは失敗でした。

カード作成自体はながら作業でもできるのですが、「そもそも『工事担任者 実践問題』を直接使って勉強していれば、勉強時間が10時間は短くなったのでは?」という結論です。大きくて持ち運びたくない参考書ではありますが…。

先にも考察しましたが、せめて、裁断機とスキャナーを使い、最初に参考書をデジタル化しておけば、PC上で暗記カードを作る作業もかなり早くできたかと思います。これは、いずれ実験してみるかもしれません。

今後は、こういった「ツールの使い方とコスパ」についても考えて、試験対策していきたいと思います。