基本情報技術者試験に一発合格! スクール選びのコツとおすすめの通信講座
基本情報技術者試験は、独学でも十分に合格を目指せる試験です。
しかし「より確実に」「より短時間で」合格を目指すのであれば、通信講座や予備校を使って勉強した方が効果的なことはあります。
今回は、基本情報技術者試験の内容から、
- スクールを使うメリット・デメリット
- おすすめのスクール
について紹介したいと思います。
スクールを利用するメリット
スケジュールの管理が楽
あらゆる資格試験にいえることですが、試験合格のためには重要なことは
「試験日までに、合格に必要な知識・技術を身につけること」です。
試験に慣れている人でも、初めて受験する試験でこれを正確に把握することは難しいと思います。
通信講座や予備校では、勉強に必要なものは全てそろっているため「用意された内容を全てこなし、問題に対してある程度の正解率を出せるようになる」ことで、自分の能力が合格基準に達しているかを把握することができます。
つまり、不要な勉強時間を省きつつ、合格率を高めることができます。
また、スクールによっては学習進捗を管理してくれるツールも用意されているため(勉強時間などの取り組み状況や正解率などを自動で記録してくれる)、より簡単に学習進捗の状況を把握することができます。
効果的な勉強方法が用意されている
参考書1冊で合格できる試験はともかく、数冊の参考書を利用する場合は「自分の勉強方法は、試験に対して適切な内容になっているか?」を把握することは難しいです。
参考書が多くなればなるほど、「果たして自分に足りないのはテキストで知識をつけることか、それとも問題をもっと解くことか?」と悩みも多くなってくるかと思います。
基本情報技術者試験の場合、IT関連経験者であれば過去問のみでも十分合格を目指すことができますが、初心者が合格を目指すのであれば、複数のテキストを利用することになるかと思います。
通信講座や予備校では、合格までに必要な内容が全てセットになっています。それらを用意された学習フローにそって進めれば、初心者でも効率的に学習を進めることができますので、勉強時間を短縮する効果も期待できます。
IT関連の未経験者でもわかりやすい
基本情報技術者試験には、一般の人には馴染みの薄い内容が多く登場します。その中でも「アルゴリズムとプログラミング」に関する科目Bの問題は、IT関連未経験者が独学で挑戦するには難しい内容です。
そこで、通信講座や予備校を使って苦手分野を重点的に学習することができれば、IT関連の未経験者でも短時間で苦手分野の理解を深めることが可能です。
科目Aの免除制度が使えることがある
基本情報技術者試験には、科目Aを免除する制度があります。
基本情報技術者試験の科目Aの問題は、過去問を繰り返し練習し、8回分程度で9割得点が取れれば独学でも余裕を持って合格できる内容ではありますが、より確実合格するためには、直前の勉強時間を科目Bの勉強に割り振れた方が効果的です。
この制度の利用のためには、講座の受講や修了試験に合格する必要があるため、独学では利用ができません。
制度の詳細については、IPAのホームページ上に記載されていますので、そちらを参考にして頂ければと思います。
スクールを使うデメリット
費用が高い
スクールを利用することの最大のデメリットは「費用が高い」ことです。
そのため、学生の方が利用するにはあまり向いていないと思います。
とくに基本情報技術者試験は比較的受講費が高い試験であるため、安くても3万円程度、高いと10万円以上の費用を準備する必要があります(特定の科目だけの受講に絞れば、2万円未満にできることもあります)。
会社員の場合、会社から支払われる報奨金、教育訓練給付制度などを利用することで、比較的費用を抑えやすいですが、それでも参考書のみの独学に比べると費用が高くなってしまうことは確かです。
スケジュールが固定されやすい
スケジュールが固定されやすいのもスクールの弱点です。
独学の場合は、勉強したいと思ったその日から参考書を購入して勉強を開始出来るのに対し、予備校に通う場合は講座が開かれているタイミングで授業の進捗が変わってしまう事もあり、「早期の学習」や「超短期で合格を狙う」といった需要は満たすことが難しいこともあります。
自分の求めるスケジュールで学習できるかについては、個別に問い合わせて確認しておくといいでしょう。
基本情報技術者試験に最適な講座の選び方
資格マニアの私が考える、基本情報技術者試験のスクールの選びの基準は以下の通りです。
コストパフォーマンスで選ぶべき
基本情報技術者試験は、IT分野の勉強をしたことがない人には難しい試験ではありますが、持っていれば一生仕事に困らないような試験ではありません。あくまで高度なIT人材を目指す人が学習する過程の入門資格のようなものです。
会社から支払われる報奨金も3万円前後であり、10万円程度の講座に申し込んでしまうと、出費の方がだいぶ大きくなってしまいます。
学習を効率化し、時間を節約できれば金銭的な効果がないとはいえませんが、独学でも十分合格可能な資格ですので、10万円分の効果はあまり期待できないかと思います。
ですので、基本情報技術者試験の講座を選ぶ基準については、私は以下のように考えています。
- IT分野の知識が乏しく、勉強時間が150時間も取れない人
→3~4万円程度で利用できる通信講座を利用する(勉強慣れしていれば独学)
- IT関連は学校・会社での学習経験がある
→基本的に独学(心配な場合でも苦手分野のみの個別講座(2万円前後)を利用)
いずれにしても、独学で十分合格できる資格試験ではありますので、「支払った費用に対して、勉強時間の短縮や向上する合格率が見合っているか?」を考えてから講座を選ぶようにしましょう。
とくに経験者の方は大きく、通信講座を資料しても勉強時間を削減したり、合格率を大幅に上げる効果は期待しにくいです。まずは、独学での挑戦をおすすめします。
まずは資料請求・無料体験してみるのもあり
予備校・通信講座についての資料請求は基本的に無料です。
合格したい試験について、複数の予備校から資料を請求することで、それぞれの予備校で想定している勉強時間も把握できます。独学での勉強を前提にしている場合でも参考情報を集めることができますし、想定よりも難易度が高いと判断したら、スクールでの学習に切り替えるということもできます。
また、無料体験を実施している予備校や通信講座もあります。実際にいくつかのスクールを比較し、自分にとってわかりやすい講座に申し込めば、講座選びに失敗するリスクを大幅に下げることができます。
タイプ別のおすすめスクール
ここからは、タイプ別で基本情報技術者向けのおすすめスクールを紹介します。また、以下の情報は基本的に2021年12月9日時点の情報となります。
未経験者におすすめの通信講座「スタディング」
費用が安い
スタディングがおすすめの理由は「価格の安さ」です。
大手のスクールで初心者向け講座を受講した場合7~10万円程度の費用がかかります。これらの講座では、模擬試験や科目Aの免除制度などが利用できる場合がありますが、取得する資格の内容に対して費用が高すぎると感じます。
一方、スタディングの受講料は以下のようになっています(2023年8月15日時点)。
- 初学者コース(ITパスポート対策を含む):43,800円
- 合格コース(ITパスポート対策を含まない):36,800円
ITパスポート(基本情報技術者試験の下位資格)も含めた初心者向けコースでは4万円をこえますが、最初から基本情報技術者試験の合格を目指す場合、4万円未満での学習が可能です。
更に、合格祝いでAmazonギフト券 5,000円分がもらえますし、スタディングの講座は実質31,800円程度で受講が可能。また、割引クーポンが配布されていることもありますので、タイミングが合えば、実質3万円未満での受講も可能です。
決して安くはありませんが、短縮できる勉強時間を考えれば、初心者であれば利用する価値はあるかと思います。
スマホの勉強に特化している
勉強する場所や時間帯を選ばないのは、通信講座の一つの強みです。
予備校での学習の場合も、Webでの学習に対応している場合がありますが、オプションで費用がかかることもあり、必ずしも全てのスクールで対応しているわけではありません。
一方、スタディングの場合は最初からスマホでの学習を想定しているため、板書の時間もなく、動画用に編集された図での学習ができ、教室での講義よりもよりも効率的です。
また、講座の動画を視聴できるだけでなく、問題集、テキスト、過去問、ノートの機能までスマートフォンで利用できるところもスタディングの特徴。あらゆる学習がスマートフォン、タブレット、パソコンで受講可能であるため、時間や場所を選ばず、早朝や深夜の通勤・通学電車でも学習を進めることが可能です。
とくに基本情報技術者の科目Aでは、徹底した反復演習が求められるため、スキマ時間で過去問を効率的に学習できるというのは、スタディングの強みと言えます。
学習フローや学習進捗がツールでわかる
独学での学習で大きな問題となるのが「学習フロー」と「学習進捗」の把握です。
ほとんどの資格試験は、努力次第で独学での合格は十分可能ですが、効率的に学習を進める為にはこの「学習フロー」と「学習進捗」を正確に把握できているかが鍵になります。
スタディングには、その「学習フロー」と「学習進捗」を把握するためのツールがあります。
学習フローの把握では、次に学ぶべき内容をガイドで教えてくれるため、学習順に悩んで時間を無駄にすることはありませんし、効率的な学習をすすめていくことができます。
また、学習レポートの機能では、学習時間や進捗状況を自動で集計し、グラフなどで数値化して表示してくれますので、自分で詳細な記録をとらなくても、簡単に学習進捗を管理することが可能です。
直前対策模試がある
模試についてはオプションで受講できるという講座も多いのですが、スタディングの場合は講座の費用の中に直前対策模試も含まれています。
個人的には、模試そのものは過去問ほどに勉強にならないと思いますが、模試に向けて学習進捗を管理していくことで、学習の進捗管理をしていくことが可能です。その点では、模試を活用できることは、スタディングの講座のメリットと言えます。
参考書が不要な場合「iTECのプラクティスコース」
価格が最安値
参考書が不要な場合「iTECのプラクティスコース」が模試なしで18,700円、模試ありで22,550円です(2023年8月15日時点)。
スタディングと比較して、進捗管理や同じ目標の人との情報交換などの機能は劣りますが、参考書を中古で揃えることで、より安く受講が可能になります(ただし、試験改訂があったので、あまり古いものは買わないようにしましょう)。
ちなみに、同じ金額であれば、「JTEX」の講座も18,700円となっています。こちらは参考書はつきますが、講義動画などはなく、「独学+レポート提出」の形態なので、ほぼ独学の流れになります。
模擬試験も付けられる
受講料は価格が上がってしまいますが、模擬試験を付けることも可能です。
スタディングと同様、ペースメーカーのように模擬試験を活用し、モチベーション維持や学習の進捗管理に活かすことができます。
勉強が久しぶりで、試験までペースを保てるか心配な人であれば、模擬試験を活かすことを考えてもいいでしょう。
「アルゴリズムとプログラム」のみ対策する場合(大原とTAC)
基本情報技術者試験で、難関となりやすいのが科目Bの「アルゴリズムとプログラミング」です。
この部分だけピンポイントで講座を受講するという方法で、価格を下げることも可能です。
価格だけ考えれば、2023年8月15日時点では、大原の方が「科目Bアルゴリズム対策講義 Web通信」コースが低価格で16,700円で学習可能です。
科目Aの免除を狙う場合
科目Aの免除を狙う場合、大学や専門学校で科目A免除の講座が用意されている場合を除いてはスクールを利用する必要があるかと思います。
科目Aの免除コースがある主なスクールは以下の通りです。
状況に応じて割引などがありますので、一概に「一番安い講座はコレ」とはいえませんが、私が確認した際で最安値は「khronos」の16,500円。他は安くても2万円台でした。費用と内容を比較した上で、自分にあった講座を選ぶようにしましょう。
まとめ
基本情報技術者試験は、IT業界の入門資格的な位置づけられており、2023年の試験改定からは合格率も50%以上に上昇しているため、「それほど難しくはない試験」にはなっています(昔の合格率から倍増以上になっているので、再調整があるかもしれませんが)。
とはいえ、IT関連の学習を行ったことがない人にはかならずしも簡単とはいえません。とくに「アルゴリズムとプログラミング」について馴染みが無い場合は、苦戦する事もあるでしょう。独学での合格も十分可能な試験ではありますが、IT関連未経験者で初期費用に余裕のある社会人なら、備校や通信講座などのスクールを利用し、勉強時間を短縮した方が、総合的な費用面でも効率的な場合があります。
自分の実力と確保できる勉強時間、支払える費用などを考慮して、最適な学習方法を選んで合格を目指しましょう。