【基本情報技術者試験】午前免除の制度とは? 制度を賢く利用し合格を目指そう!
基本情報技術者試験には、午前の試験が免除される制度が存在します。
午前試験で合格基準に達する人は受験者の40~55%程度。過去問の練習で突破できる午前試験とはいえ、本番で午前試験を気にせず受験ができるというのは、やはり嬉しいところではないでしょうか。
そこで今回は「午前試験が免除される制度」について、解説したいと思います。
- 試験日:
4月第3日曜(春期)
10月第3日曜(秋期) - 申込日:
1月中旬~2月中旬頃(春期)
7月中旬~8月中旬頃(秋期) - 合格発表:
5月中旬頃(春期)
11月中旬頃(秋期) - 試験時間:
9:30~12:00(150分)
13:00~15:30(150分) - 受験料: 5,700円
- 合格基準:午前・午後共に60点以上(難易度により前後する可能性あり)
- 受験資格:なし
- 想定勉強時間:150~200時間(初心者が安全に合格を狙う場合)
- 公式サイトはこちら
目次
午前試験が免除される制度について
制度を利用するにはどうすればいい?
午前試験を免除するためには、以下二つの要件を満たす必要があります。
- 認定された講座を受講する
- 修了試験に合格する
更に修了試験の実施方法は、以下の2つに分類することができます。
- IPAが認定した講座を利用するを利用する
- 構造改革特区として、国が認定した講座を利用する
修了試験の実施方法については、受講者側としてはあまり意識する必要はありません。
「認定された講座の受講」が必要であり、単に「午前試験の勉強を行っただけの人」では利用できない制度ですので、その点は注意しましょう。
試験内容は、基本情報技術者試験の過去問が95%以上!
試験内容は、通常の午前試験よりも圧倒的に簡単といえます。
というのも「午前免除試験の問題の95%程度は基本情報技術者試験の過去問の流用」だからです。
はっきりいって、講座を受講しなくても合格できそうな感じです…。講座を受講したことが認定されているからこそ、この程度の難易度の試験なのだとは思いますが。
ちなみに、午前免除の試験の過去問は、IPAのホームページからダウンロード可能ですので、興味がある方はご確認ください。
試験の実施は年4回
修了試験は年に4回。毎年6、7、12、1月に実施されています。
修了試験の申込はだいたい1ヶ月以上前に終了してしまうため、本番の試験をいつ受けるかを考慮した上で、計画的に修了試験に挑む必要があるでしょう。
午前試験免除の注意点
有効期間は1年以内
午前試験が免除されるのは、認定された講座の終了が認められてから1年以内です。
「免除の試験には合格したけど、急がしてくて1年間受験できなかった…」となると、免除が無効になってしまいます。
午前試験免除のために講座を利用するのであれば、事前に試験を受けるまでのスケジュールを決めてから申込をするといいでしょう。
出願時に申請が必要
午前試験免除の試験に合格していても、本番の基本情報技術者試験の出願時に免除してもらうことを申請する必要があります。せっかくの午前試験を免除する権利を無題にしないよう、出願時には注意してください。
午前試験免除のメリット
午前・午後の勉強にそれぞれ集中できる
最大のメリットは、午前・午後の試験にそれぞれ集中できるところです。
- 午前試験対策の勉強を行い、午後試験用の基礎知識をつける
- 午前試験免除の試験に合格したら、午後の試験の勉強をはじめる
といった順で勉強を進めることができますので、試験直前に勉強時間がとれなくても、十分合格を目指すことが可能です。
社会人ですと、年度末・年度始めに仕事の繁忙期があたる人も多いのではないかと思います。春期試験は4月の第3日曜日ですので、直前の勉強時間を省けるのはありがたいメリットになります。
また、基本情報技術者試験は、午前と午後あわせって5時間にわたる長丁場です。午前試験を免除してしまえば、この試験時間も2時間30分に短縮でき、試験直前まで午後試験の対策ができます。試験に余裕を持って挑める点でも、午前試験免除にはメリットがあるといえるでしょう。
合格は比較的容易
先にも解説しましたが、午前試験免除の修了試験は、95%程度が基本情報技術者試験の過去問です。
もちろん、合格のためにも、午後試験の対策のためにも、午前試験対策をしっかり行う必要はありますが、本番の午前試験よりも比較的容易に合格できますので、「講座を受講したけど、修了試験に合格できなかった…」という確率も低いです。
ちなみに、通常の午前試験の合格率はおおむね40~50%台で推移していますが、午前試験免除の修了試験についての合格率はおおむね80%程度! このことからも、合格が比較的容易であるといえるでしょう。
チャンスは2回!
申込時期にもよりますが、修了試験は2回受けることができます。
例えば、2020年春期試験用の「資格の大原」で実施されている試験の場合、2019年12月8日(日)と2020年1月26日(日)の2回修了試験が実施されるため、12月の時点で不合格でも、1月の試験で合格すれば午前試験の免除を行う事ができます。
午前試験免除のデメリット
費用が多くかかる
午前試験免除における最大のデメリットは「費用が多くかかること」です。
商業・高校高校、大学、専門学校などで講座が用意されている場合はともかく、一般の人がうけるとなると、スクールを利用する必要があります。
その講座の費用は、概ね25,000円前後。割引き制度などを利用はできますが、独学でも十分に合格可能な午前試験に対して、25,000円は高い印象です。
勉強期間・勉強時が長くなることがある
基本情報技術者試験は、やる気があれば1ヶ月未満の勉強での短期合格も十分可能な試験です。
一方、午前試験免除の制度を利用するとなると、修了試験申込から、本番の試験が終わるまで、どうしても4ヶ月程度の期間はかかってしまいます。短期決戦で挑みたいのであれば、この制度を利用するには向いていません。
また、必要な講座を受講したことを認めてもらうために、一定以上の勉強時間が必要になることも、デメリットの一つです。例えば、「資格の大原」の場合求められる学習時間は68時間(2019年3月22日時点)。
基本情報技術者試験は、IT関連未経験者であれば、100時間程度の勉強時間は欲しいと思いますが、既に学習済みの人が要領よく挑めば、午前・午後含めても50時間程度で突破可能です。午前試験の免除のためだけに68時間かかるとなると、全体の勉強時間は長くなる可能性はあります。
本番の試験を受ける時期によっては、免除の制度を利用できない
修了試験の実施が毎年6、7、12、1月となっているため、例えば、「12月末に基本情報技術者試験を知った。来年の春期試験での合格を狙っている」といった場合は、申込の締め切りの関係で制度を利用できません。
午前試験を免除したい場合、余裕を持ったスケジュールで勉強するといいでしょう。
受験会場が限られる
午前試験免除の修了試験は、本番の試験と比べて受験会場が限られます。
講座に申し込む際は、受験できる範囲に受験会場があるかを確認の上、受講して頂ければと思います。
午前試験免除はどんな人におすすめか?
試験制度とメリット・デメリットから、試験会場が近くにある前提で、午前試験免除を使うならこのような人が向いていると思います。
- 4ヶ月以上の勉強期間は確保できるが、試験直前に勉強時間を確保できない人
- 試験に合格できるか不安であるが、次回の受験で確実に合格する必要がある人
- 予算は気にせず、とにかく合格率を高めたい人
逆に、時間に余裕のある大学1~2年生であれば、大学で午前試験免除の講座が用意されていない限りは、利用する必要はないでしょう。
また、既に学習経験がある人であれば、午前免除の試験を利用しなくても十分合格を狙うことは可能です。お金をかけて勉強時間も長くなってしまう可能性があるため、あえて利用する必要はないでしょう。
時間がない新社会人なら、利用する価値アリ
午前試験の免除は、より確実に、より効率的に基本情報技術者試験に合格するためには価値ある制度です。
しかし講座の受講には数万円の費用がかかるため、時間的に余裕があり、金銭的に余裕がない学生や、既に学習経験のある社会人には向いている制度とはいえません。
一方「新社会人で早めに取得したい」「仕事が忙しく、私生活にも余裕がない」という文系出身の新社会人であれば、午前試験の免除を利用してみる価値はあるでしょう。
午前試験免除の講座については、こちらの記事で比較していますので、気になる方は参考にしてみてください。