【基本情報技術者】科目A試験免除でおすすめの講座は?
基本情報技術者試験の科目A試験は、概ね合格率60%。2023年の試験制度改定で難易度は下がったものの、それでも4割の方が合格点に届かない事も事実です。
そんな基本情報技術者試験の科目Aには、試験を免除できる制度があります。この制度を使えば、本番で科目Bの試験勉強だけに集中することもできるため、人によっては利用価値があると思います。
今回はそんな「基本情報技術者試験の科目A試験免除の講座」について、一般の人でも受講可能な講座をピックアップし、比較してみたいと思います。
そもそも科目A試験免除の制度とは?
科目A試験免除の制度を利用するためには、以下の2点が必要となります。
- 認定された講座を受講する
- 修了試験に合格する
講座の受講と修了試験に突破することにより、本番の基本情報技術者試験で、科目A試験を免除してもらうことが可能です。
科目A試験免除の制度と、メリット・デメリットについては、こちらの記事で詳細に解説していますので、参考にしていただければと思います。
また、制度については変更の可能性がありますので、最新の情報についてはIPAのホームページもご確認ください。
科目A試験免除講座の比較
科目A試験免除の講座について、実際に確認してみました(大学・専門学校などで実施されているものは除きます。また、内容は2023年8月15日時点のものです)。
情報は常に変更される可能性があるため、詳細についてはな情報についてはそれぞれのスクールへ資料請求・お問い合わせいただければと思います。
資格の大原
- 学習スタイル:書籍とWeb通信(教室通学もありますが、価格が上がります)
- 費用:27,500円(税込)
- 修了試験の合格率:81.0%(2022年下期受験対策認定対象コース生 修了試験合格率)
誰でも知ってるような大手の資格スクールです。学習のフローは以下のとおりです。
- テキスト(1冊)・演習ドリル(1冊)による学習
- 習熟度確認テストWebテスト 6回
- 修了試験 直前対策 2回
- 修了試験(最大2回受験可能)
まずはテキストを使っての学習を行い、その上でWebテスト、試験用の対策という流れになります。
試験の難易度はそれほど高くありませんので(ほぼ過去問流用)、集中して勉強できれば短期での合格も十分目指せるかと思います。
ただし、既定の学習時間(2023年時点では68時間)をこなすことが免除の要件となります。Web通信で2倍速で講義動画を見た場合、2時間の動画も1時間にしかカウントされないため注意が必要です。
また、修了試験の申込は修了試験の1ヶ月以上前に終了してしまうため、その点の注意は必要です。チャンスが2回ありますので、最大限利用できるよう計画的に受験しましょう。
受験会場の多さが最大のメリット
資格の大原の圧倒的な強みは、修了試験の受験会場の多さです。
他の講座では、5程度の会場数となっていますが、資格の大原では
札幌校 / 函館校 / 盛岡校 / 東京水道橋校 / 池袋校 / 町田校 / 立川校 / 横浜校 / 津田沼校 / 柏校 / 水戸校 / 大宮校 / 宇都宮校 / 高崎校 / 甲府校 / 長野校 / 松本校 / 静岡校 / 名古屋校 / 金沢校 / 福井校 / 難波校 / 神戸校 / 京都校 / 和歌山校 / 姫路校 / 岡山校 / 広島校 / 福岡校 / 北九州(小倉)校 / 大分校 / 熊本校(2023年8月15日時点)
と、多くの会場が用意されています。「科目A試験の免除の制度を利用したいけど、近くに会場がない…」という人は、資格の大原を利用すれば、受験会場が見つかるかもしれません。
iTEC
- 学習スタイル:書籍とWeb通信
- 費用:24,000円(税込)
- 修了試験の合格率:83.7%(24年上期試験向けコースより)
iTECといえば、情報処理技術者試験の参考書では有名かと思います(私も応用情報技術者試験、情報セキュリティスペシャリスト試験でお世話になりました)。合格率についても83.7%とかなり高い数値を誇っています。
ただし、弱点として修了試験は1回のみとなっています。合格率を考えれば、それでも十分かもしれませんが、プレッシャーに弱い人、安全を買いたい人は、大原の方が無難かと思います。
試験会場は「東京会場」「大阪会場」「名古屋会場」「仙台会場」「福岡会場」の5箇所です。近くに会場がある場合は、利用価値のある講座だと思います。
独習ゼミ
- 学習スタイル:書籍とWeb通信
- 費用:27,200円(税込)
- 修了試験の合格率:83%(2023年8月15日確認時点。実施年度は不明)
価格設定としては、僅差で「資格の大原」より安く、修了試験も2度受験が可能です。
試験会場は「札幌」「仙台」「東京」「金沢」「名古屋」「大阪」「広島」「福岡」とiTECよりは多くなっています。この点でも、iTECと資格の大原の中間程度といった感じです。
Biz Learn
- 学習スタイル:eラーニング(オンライン講座)
- 費用:47,300円(税込)※料金は科目B対策込み
- 修了試験の合格率:93%(2020年7月の修了試験)
料金は47,300円と高めですが「科目B対策もあって、修了試験が2回」という条件です。
ちなみに、20%OFFの割引セールも度々目撃したことがあり、私が確認した際は割引後の価格で37,840円となっていました(2023年8月15日時点)。
最大の欠点は、修了試験の会場が東京都内・大阪市内・名古屋市内に限られてしまうところ。コスト削減のためだとは思いますが、受験会場は最も少なくなっています。
受験可能な範囲にお住まいで、科目B試験対策+科目A試験免除を考えている人であれば、検討の余地があると言えるでしょう。
科目A試験免除を少しでも安くする方法
各種割引き制度を利用する
基本情報技術者試験の講座であれば、以下のような割引きが利用できる可能性があります。
- 早割(本番試験の半年以上前のことが多い)
- 大学生協を使った割引き(講座を開いている会社との提携がある場合)
- ステップアップ割引き(同じスクールでITパスポート試験に合格している場合など)
- 再受験割引き(一度同じスクールで受験し、失敗している場合など)
実際に利用できるかは、それぞれのスクールで異なります。資料請求などを行って詳細を確認してみるといいでしょう。
教育訓練給付制度を利用する
これはあまりおすすめしませんが、教育訓練給付制度を利用して、入学金および受講料の20%を支給して貰うという方法もあります。
「教育訓練給付制度」と聞くと、「教育訓練を受けている人用の制度?」と思われるかもしれませんが、普通の会社員でも条件次第で利用可能です*1。
この制度を私がおすすめしない理由は、「基本情報技術者試験は、ステップアップ中の人がとる資格」だからです。
教育訓練給付制度には「一度利用すると3~4年程度は利用できない」という欠点があります(2021年12月時点)。よって、更に高額の講座を利用する可能性がある場合は、利用を避けるべきです。
基本情報技術者試験には、応用情報技術者試験という上位の資格があり、応用情報技術者試験の上にもまた試験が存在します。
「教育訓練給付制度」の利用資格や必要な条件については、下記のサイトがわかりやすく解説していますので、参考にして頂ければと思います。
*1 教育訓練給付制度は、「雇用保険に加入していた・している」が利用条件となるため、公務員や自営業の方は利用できません。
結局、どの講座で科目A試験を免除するべき?
ここまで、科目A試験免除の講座について比較してきました。
合格率については、講座によってばらつきがあります。ただ、毎年変動もありますし、計算方法も不明(修了試験に2回受験して、2度目で合格した場合どうするか?)な為、合格率に明らかな差が無ければ、合格率は無視して判断してもいいと思います。
大雑把な判断基準としては、まずは「修了試験会場が、自分の家から行ける範囲にあるか?」から判断し、残った講座について絞り込みを行うといいでしょう。
また、個人的な見解ですが、「科目A試験免除」だけが目的の場合、万が一に備えて修了試験は2回の講座を申し込むことをオススメします(料金に極端な差がなければ)。
そこまで絞り込んだら「科目A試験免除のみ狙う」場合は、料金重視で講座を選択します。というのも、そもそも「科目B試験を独学で挑むのであれば、科目A試験免除の試験も独学で十分」な難易度だからです(もともと科目A試験の方が簡単なので)。つまり、科目A試験のサポートの手厚さに、講座によって多少の差がでたところで、結局は「科目Bに独学で挑む」という事が最大のハードルになるからです。
もしも「科目B試験に合格できるかも不安だ……」というのであれば、科目B試験の対策も含めた講座を受講した方が安心かと思います。