【基本情報技術者】午前試験免除でおすすめの講座は?
基本情報技術者試験の午前試験は、概ね合格率40~50%台。CBT方式化に伴い、合格そのものの難易度は下がりましたが、内容は必ずしも簡単とまでは言えません(CBT方式化前は、20~30%程度)。
そんな基本情報技術者試験の午前試験を免除できる制度は、直前の学習を午後試験対策に集中することができるため、人によっては利用価値のある制度だと思います。
今回は「基本情報技術者試験の午前試験を免除できる講座」について、一般の人でも受講可能な講座をピックアップし、比較してみたいと思います。
そもそも午前免除の制度とは?
午前免除の制度を利用するためには、以下の2点が必要となります。
- 認定された講座を受講する
- 修了試験に合格する
講座の受講と修了試験に突破することにより、本番の基本情報技術者試験で、午前試験を免除してもらうことが可能です。
午前試験免除の制度と、メリット・デメリットについては、こちらの記事で詳細に解説していますので、参考にしていただければと思います。
また、制度については変更の可能性がありますので、最新の情報についてはIPAのホームページもご確認ください。
午前試験免除講座の比較
午前試験免除の講座について、実際に確認してみました(大学・専門学校などで実施されているものは除きます)。内容は2021年12月23日時点のものです。
情報は常に変更される可能性があるため、詳細についてはな情報についてはそれぞれのスクールへ資料請求・お問い合わせいただければと思います。
資格の大原
- 学習スタイル:書籍とWeb通信(教室通学もありますが、価格が上がります)
- 費用:27,500円(税込)
- 開講時期:試験の5ヶ月程前から
- 修了試験の合格率:84.9%(2020年10月受験対策認定対象コース生 修了試験合格率)
誰でも知ってるような大手の資格スクールです。学習のフローは以下のとおりです。
- テキスト(1冊)・演習ドリル(1冊)による学習
- 習熟度確認テストWebテスト 6回
- 修了試験 直前対策 2回
- 修了試験(最大2回受験可能)
まずはテキストを使っての学習を行い、その上でWebテスト、試験用の対策という流れになります。
試験の難易度はそれほど高くありませんので(ほぼ過去問流用)、集中して勉強できれば短期での合格も十分目指せるかと思います。
ただし、既定の学習時間(2021年時点では68時間)をこなすことが免除の要件となります。Web通信で2倍速で講義動画を見た場合、2時間の動画も1時間にしかカウントされないため注意が必要です。
また、修了試験の申込は修了試験の1ヶ月以上前に終了してしまうため、その点の注意は必要です。チャンスが2回ありますので、最大限利用できるよう計画的に受験しましょう。
ちなみに午前試験免除の講座に加え、「午後試験対策」「アルゴリズム・プログラミングの個別講座」「模擬試験」まで含んだ総合本コースもありますが、費用は95,700円と高額になってしまいます。会社からのバックアップがない限り、あえてこのコースはおすすめしません。
受験会場の多さが最大のメリット
資格の大原の圧倒的な強みは、修了試験の受験会場の多さです。
他の講座では、5程度の会場数となっていますが、資格の大原では
札幌校 / 函館校 / 盛岡校 / 東京水道橋校 / 池袋校 / 町田校 / 立川校 / 横浜校 / 津田沼校 / 柏校 / 水戸校 / 大宮校 / 宇都宮校 / 高崎校 / 甲府校 / 長野校 / 松本校 / 静岡校 / 名古屋校 / 金沢校 / 福井校 / 難波校 / 神戸校 / 京都校 / 和歌山校 / 姫路校 / 岡山校 / 福岡校 / 小倉校 / 大分校 / 熊本校(2021年12月23日時点)
と、多くの会場が用意されています。「午前免除の制度を利用したいけど、近くに会場がない…」という人は、資格の大原を利用すれば、受験会場が見つかるかもしれません。
資格の大原|午前試験免除制度について
iTEC
- 学習スタイル:書籍とWeb通信
- 費用:24,000円(税込)
- 講義配信時期:試験の5ヶ月程前から
- 修了試験の合格率:83.7%(21年春期試験向けコースより)
iTECといえば、情報処理技術者試験の参考書では有名かと思います(私も応用情報技術者試験、情報セキュリティスペシャリスト試験でお世話になりました)。合格率についても83.7%とかなり高い数値を誇っています。
ただし、弱点として修了試験は1回のみとなっています。合格率を考えれば、それでも十分かもしれませんが、プレッシャーに弱い人、安全を買いたい人は、大原の方が無難かと思います。
また、午前試験と午後試験をまとめた対策コースが43,250円と比較的安いところも魅力の一つです。
試験会場としては
- 東京会場(東京都港区高輪3丁目13-1)
- 大阪会場(大阪市北区梅田1丁目11-4)
- 名古屋会場(愛知県名古屋市中村区名駅4-10-25)
- 仙台会場(宮城県仙台市青葉区一番町2-5-1大一野村ビル)
- 福岡会場(福岡市博多区博多駅東1丁目16-14 リファレンス駅東ビル7F)
と、限られてしまいますが、近くに会場がある場合は、利用価値のある講座だと思います。
独習ゼミ
- 学習スタイル:書籍とWeb通信
- 費用:27,280円(税込)
- 修了試験の合格率:87%(実施年度は不明)
価格設定としては「資格の大原」より若干安く、修了試験も2度受験が可能です。
また、午前試験と午後試験をまとめた対策コースも、iTECより若干安く、42,984円。ただし「総合コースで修了試験が2回というのであれば、後述するBiz learnに料金は劣ります。
試験会場は以下の通りです。
■札幌・仙台・東京・金沢・名古屋・大阪・広島・福岡
Biz Learn
- 学習スタイル:eラーニング(オンライン講座)
- 費用:36,300円(税込)※料金は午後対策込み
- 修了試験の合格率:93%(実施年度は不明)
午後試験の対策まで入って36,300円。「午後対策もあって、修了試験が2回」という条件であれば、最安値になります。
ちなみに、以前には本番の試験半年程度前までの申込であれば、20%OFFの早割を実施していることがあったので、場合によって価格が3万円を切る可能性もあります。
最大の欠点は、修了試験の会場が東京都内・大阪市内・名古屋市内に限られてしまうところ。コスト削減のためだとは思いますが、受験会場は最も少なくなっています。
受験可能な範囲にお住まいで、午後試験対策+午前試験免除を考えている人であれば、検討の余地があると言えるでしょう。
午前試験免除を少しでも安くする方法
各種割引き制度を利用する
基本情報技術者試験の講座であれば、以下のような割引きが利用できる可能性があります。
- 早割(本番試験の半年以上前のことが多い)
- 大学生協を使った割引き(講座を開いている会社との提携がある場合)
- ステップアップ割引き(同じスクールでITパスポート試験に合格している場合など)
- 再受験割引き(一度同じスクールで受験し、失敗している場合など)
実際に利用できるかは、それぞれのスクールで異なります。資料請求などを行って詳細を確認してみるといいでしょう。
教育訓練給付制度を利用する
これはあまりおすすめしませんが、教育訓練給付制度を利用して、入学金および受講料の20%を支給して貰うという方法もあります。
「教育訓練給付制度」と聞くと、「教育訓練を受けている人用の制度?」と思われるかもしれませんが、普通の会社員でも条件次第で利用可能です*1。
この制度を私がおすすめしない理由は、「基本情報技術者試験は、ステップアップ中の人がとる資格」だからです。
教育訓練給付制度には「一度利用すると3~4年程度は利用できない」という欠点があります(2021年12月時点)。よって、更に高額の講座を利用する可能性がある場合は、利用を避けるべきです。
基本情報技術者試験には、応用情報技術者試験という上位の資格があり、応用情報技術者試験の上にもまた試験が存在します。
「教育訓練給付制度」の利用資格や必要な条件については、下記のサイトがわかりやすく解説していますので、参考にして頂ければと思います。
*1 教育訓練給付制度は、「雇用保険に加入していた・している」が利用条件となるため、公務員や自営業の方は利用できません。
どの講座で午前試験を免除するべき?
ここまで、午前試験の免除の講座について比較してきました。
合格率については、講座によってばらつきがあります。ただ、毎年変動もありますし、計算方法も不明(修了試験に2回受験して、2度目で合格した場合どうするか?)な為、合格率に明らかな差が無ければ、合格率は無視して判断してもいいと思います。
大雑把な判断基準としては、まずは「午前免除の試験会場が、自分の家から行ける範囲にあるか?」から判断し、残った講座について絞り込みを行うといいでしょう。
個人的な見解ですが、「午前免除」だけが目的の場合、万が一に備えて修了試験は2回の講座を申し込むことをオススメします(料金に極端な差がなければ)。
また「午前免除のみ狙う」場合は、料金重視で講座を選択します。というのも「午後試験を独学で挑むのであれば、午前免除の試験も独学で十分」な難易度だからです(もともと午前試験の方が簡単な上に、免除試験は問題流用率95%以上)。
もしも「午前免除の試験に合格できるか不安だ……」というくらいに心配なのであれば、午後試験の対策も含めた講座を受講した方が安心かと思います。