【基本情報技術者試験】午後試験の特徴とおすすめの勉強方法

8月 7, 2020基本情報技術者試験

基本情報技術者試験において、難関になりやすい午後試験。

とくにIT関連未経験の方にとっては、午後試験の「アルゴリズム」と「プログラミング」は一番高いハードルとなります。

今回は、この午後試験について、特徴と対策を解説していきたいと思います。

午後試験の特徴と対策については、こちらの記事をご参照ください。

基本情報技術者試験の概要(2019年10月時点)

  • 試験日:
    4月第3日曜(春期)
    10月第3日曜(秋期)
  • 申込日:
    1月中旬~2月中旬頃(春期)
    7月中旬~8月中旬頃(秋期)
  • 合格発表:
    5月中旬頃(春期)
    11月中旬頃(秋期)
  • 試験時間:
    9:30~12:00(150分)
    13:00~15:30(150分)
  • 受験料: 5,700円
  • 合格基準:午前・午後共に60点以上(難易度により前後する可能性あり)
  • 受験資格:なし
  • 想定勉強時間:150~200時間(初心者が安全に合格を狙う場合)
  • 公式サイトはこちら

基本情報技術者試験の午後試験の特徴は?

午後試験の出題範囲

午後試験の出題範囲は以下の通りです。

問番号 分野
(T:テクノロジ、S:ストラテジ、M:マネジメント)
選択方法 配点
出題数 回答数
問1 T 情報セキュリティ 1問必須 20点
問2~4 T ハードウェア・ソフトウェア、データベース、ネットワーク、ソフトウェア設計 4分野から3問出題 2問 各15点
問5 M・S プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム戦略、経営戦略・企業と法務 4分野から1問出題
問6 T データ構造及びアルゴリズム 1問必須 25点
問7~11 T ソフトウェア開発
(C、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフト)
5問 1問 25点
合計 11問 5問 100点

一部が選択式になっているので、「実際にどの問題を解く必要があるか?」が少々わかりにくいです。出題される問題を簡単にまとめると、以下のようになります。

  1. 情報セキュリティ(必須)
  2. 選択問題(問2~5について、4問から2問を選択して解く)
  3. データ構造とアルゴリズム(必須)
  4. 選択問題(ソフトウェア開発の5問から、1問を選択して解く)

このように、4つのブロックにわけて考えることができます。

選択問題については、試験本番で選択した問題のみ解答すればいいので、選択しない問題を事前に捨ててしまった方が遙かに効率が上がります(特にソフトウェア開発の全ての言語に対応するのは、現実的な試験対策ではありません)。

セキュリティ・ソフトウェア開発・アルゴリズムの重要性

必須問題のセキュリティとアルゴリズムについて

情報セキュリティ

情報セキュリティは解答必須の分野です。また、社会的にも今後重視されていく分野となっています。

日本におけるセキュリティ関連の人材不足は深刻です。2018年に発生したコインチェックのハッキング事件などは記憶に新しいでしょう。「情報処理試験技術者」における「情報セキュリティマネジメント試験」の新設や、2020年春試験からの情報セキュリティに対する配点の増加からも、試験においてセキュリティ分野が重視されていることは確実といえるでしょう。

また、情報セキュリティは暗記問題や文章から読み解く力を問われる問題が多いため、文系やIT関連未経験者でも得点源にしやすい分野です。アルゴリズムやプログラミング関連の問題が苦手な人は、ここで8割程度の得点を取れるようしっかり対策しておきたいところです。

データ構造及びアルゴリズム

必須分野の2つ目である「データ構造とアルゴリズム」については、IT関連の経験者に有利な内容であり、未経験者の多くが苦手とする分野です。

苦手であれば、無理して高得点を狙う必要はありませんが、全体の25%の配点となっているため、ここで大きく点を失うと不合格の可能性が高まります。苦手でも50%程度の点数が取れるように対策をすすめることをおすすめします。

問2~5の選択問題は、先に何を選ぶか決めておく

問2~5については選択式です。出題される4問から2問を選択することとなります。

注意点としては、2020年春期の試験からはストラテジやマネジメントなどのいわゆる文系科目からは、1問しか出題されません。

出題される確率を考慮すれば、まずはストラテジの4科目(ソフトウェア・ハードウェア、データベース、ネットワーク、ソフトウェア設計)の学習をしっかり行い、余裕が出てきたらストラテジやマネジメント系の学習を進めるようにしましょう

ソフトウェア開発(プログラミング・表計算)について

ソフトウェア開発については、自分が学習したことのある分野を選択することが一番有利です。ただし、学習が不充分であったり、全く学習経験が無い場合は表計算を選択するのがおすすめです

学習の水準としては、出題される内容のプログラム全体を記述できる力は全く必要ありません

もし、出題されるレベルのプログラムを一から記述できれば、応用情報技術者試験でも十分通用するレベルの実力になってしまいます(恐らく応用情報以上)。これを知らずに学習を進めると、必要以上にソフトウェア開発の学習時間が長くなってしまいます。

ですので、過去問を繰り返し解きながら、「問題のどこを理解すればいいか?」「プログラムの読み解く必要のない部分は?」というコツをおさえることを意識して学習をすすめましょう。

コラム:応用情報技術者試験にはプログラミングが必要ない

基本情報技術者試験の上位の資格である応用情報技術者試験の場合、プログラミングは必須の選択肢ではありません。私が応用情報技術者試験に受験した際は、IT関連から4年程度離れていたため、プログラミング・アルゴリズムを避けて受験勉強を進め、試験に合格しました。

こういった「プログラミング・アルゴリズムの能力は不要」という事情から「基本情報技術者試験よりも応用情報技術者試験の方が簡単」という意見もありますが、それは流石に言い過ぎだと思います。ただ「文章読解に自信があり、プログラミング・アルゴリズムは苦手」という人に限って言えば、応用情報技術者試験の方が簡単と感じる人がいることも事実ですので、条件次第では応用情報技術者試験にチャレンジしてみるの選択肢の一つです。

とはいえ、IT業界で働くのであれば、基本情報技術者試験レベルのプログラミング・アルゴリズムの能力は、一度学習しておくことをおすすめします。

多少の不正解は気にしない

基本情報技術者試験は、午前・午後ともに60%以上の得点を取る必要があります。

しかし、逆に考えれば40%は不正解でも合格の可能性があります。多くの試験でいえることですが、こう言った試験では「多少の不正解は気にしない」ことが重要です。

午後試験でいえば、大問1つくらいはほとんど分からなくても、合格できる可能性はあります。

一番危ないのは、解けなかった問題に慌ててしまったり、諦めてしまうことです。午後の試験では「大問1問分がほとんどわからない。もうダメかも…」という事態は十分に想定されますが、諦めず最後まで解答すれば、合格の可能性もありえることを覚えておきましょう。

試験時間は午後試験だけ気にしておく

基本情報技術者試験は、午前・午後ともに150分となっていますが、時間的な余裕は全く異なります。

午前試験は見直しをやっても時間があまることは十分あり得ますが、午後試験は慣れていないと、試験時間が足りないこともあり得る試験です

最後まで解答できる自信がない人は、直前の時期の学習で、自分の解答時間を把握し、時間配分や解答する問題の順番についても戦略を立てておきましょう。

基本情報技術者試験の午後試験の勉強法は?

午前試験の対策から開始し、午後試験へと移行する

午前試験と午後試験の勉強を並行して実施しても問題ありませんが、効率的な勉強方法は「最初に午前試験をメインに学習し、徐々に午後試験に重点をおいていく」という方法です。

午後試験で問われる基礎知識は、午前試験で登場した知識で多くをカバーできます。ですので、午前試験の小問で知識を身につけてから午後試験の大問を解いていく方が効率的です。

もしも短期合格を目指す場合(1ヶ月程度)は、試験になれる意味も含めて午後試験対策も並行して進める必要があるかと思いますが、十分な勉強時間が確保できるのであれば、まずは午前試験の対策から進めていくといいでしょう。

過去問で対策は有効か?

午後試験では、午前試験のような過去問の流用はありません。

しかし、それでも過去問を繰り返し解くことはとても重要です。とくにアルゴリズムやソフトウェア開発(プログラミング)に関する出題については、出題形式に慣れることで、回答にかかる時間を大幅に短縮できます

遅くても受験1ヶ月以上前に過去問を解き、「どういった出題形式になっているか」「問題文のどこを読めば解答ができるか」といったところを把握しておくといいでしょう。

IT関連経験者・未経験者ごとの勉強方法

午後試験の場合、IT関連の経験者と未経験者では、勉強方法は大きく変えた方がいいです。

午後(IT関連経験者の場合)

過去問や問題集の演習だけで十分合格できる可能性が高いです

ソフトウェア開発については、普段から利用しているプログラミング言語をそのまま利用しやすいと思います。もし、普段利用している言語が選択できない場合、個別にテキストの購入を検討してもいいですが、一度プログラミングの経験があるのなら、過去問+ネットサーフィンでも通用する可能性は高いです。

ただし「IT関連だけどプログラミングはやっていない」という人は、個別にプログラミングや表計算のテキストを購入することをおすすめします

午後(IT関連未経験者の場合)

未経験の場合、アルゴリズムとプログラミングについては過去問だけでは難しい人が多いかと思います。この2点については解説の詳しい問題集や、テキストを購入し、じっくり学習を進めた方が確実です。

「アルゴリズム・プログラミングは捨てる」と最初から割切ってしまう方法もありますが、これはあまりおすすめしません。とくに2020年春試験以降はこの二つの分野で50点を占めるため、これらの分野を捨ててしまうと合格点に達しない可能性が高いと思います。苦手分野も5割程度を目指して勉強すると良いでしょう

ちなみに、プログラミングについては、入門書1冊程度があれば試験に解答できるレベルに達します(試験に登場するプログラムが記述できるレベルには達しにくいと思いますが、そこまでやる勉強する必要は全くありません)。あくまで「試験に解答できる程度にプログラムが読めればOK」ですので、完璧は目指さない勉強にしましょう。

おすすめの参考書については、以下の記事にまとめてありますので、興味がある方は参考にしていただければ幸いです。

基本情報技術者試験の午後試験の裏技は?

ここからは午後試験の裏技について解説します。

午後試験はある程度の実力がないと合格基準に達しないため、あくまで実力での合格が必要です。裏技については、参考程度にご利用いただければ幸いです。

午後試験の裏技

正解の計算式がわからない場合、難しそうなものを選ぶ

こちらは午前試験でも利用可能な裏技ですが、選択肢に計算式が登場した場合は、難しそうなものを選んだ方が正解率は高いです。

そもそも、あまりにも単純な計算式の場合「この式で正解か、実際に計算して確認してみよう」ということが容易にできます(可能であれば、実際に試験中にやった方がいいです)。

ですので、計算式は難しそう・複雑そうなものを選択した方が若干ながら正解率は高くなります。

午前対策よく見た正解の選択肢を選ぶ

午後の試験で求められる基礎知識は、午前で学習してきた内容が多く登場します。

そして不正解の選択肢の中には「本来、基本情報技術者試験で問われるレベルではない」ものも含まれています

つまり、午前で正解の選択肢が、午後でも正解となる可能性が若干高い」といえます

もちろん選択肢の内容をしっかり理解し、正解・不正解を判断できることが最善ではありますが、全くわからないという状況に追い詰められたのであれば、少しでも正解率を上げるために利用できる方法です。

IT業界未経験なら、午後試験対策はしっかりやろう

基本情報技術者試験は、IT業界では新入社員が求められる程度の難易度の試験です。

合格率は20~30%程度で推移しており、誰でも簡単な試験とまではいえませんが、しっかり対策を立てて勉強を進めていけば、初心者でも十分合格できる試験といえます。

それでも午後試験で出題される「アルゴリズム」や「ソフトウェア開発」のような分野については、IT関連の学習が未経験の場合は苦戦する可能性が高く、学習時間が想定よりも長くなってしまう可能性もあります。

予算の関係であえておすすめはしませんが、未経験からの受験を考えている場合は、予備校や通信講座などの利用も選択肢の一つとして考えておくといいでしょう。

午後試験でIT関連未経験者におすすめの「表計算」対策については、こちらの記事に詳しくまとめてありますので参考にしていただければと思います。