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「甲斐善光寺」の観光情報と、実際に観光した感想

山梨旅行【国内】神社仏閣

この記事では、「甲斐善光寺」の観光情報と、実際に観光した感想をまとめます。

武田氏ゆかりの地に興味がある方」「山梨県甲府市方面を観光する予定の方」などの参考になれば嬉しいです。

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「甲斐善光寺」の観光情報

観光情報

  • 拝観時間:拝観受付は9:00~16:30(御開帳期間中は8:00~17:00)
  • 休館日:原則なし
  • 拝観料:大人500円 小学生250円。
  • 所要時間:30~60分ほど。私は宝物館以外を見学して30分ほど。

※詳細は変更の可能性もあるため、訪問前には公式HPなどの情報をご確認ください

「甲斐善光寺」とは?

甲斐善光寺とは、簡単に言えば「武田信玄が川中島の合戦の際、信濃善光寺の焼失を恐れて御本尊などを移動させたことに伴って、創建されたお寺」です。

繰り返し行われた川中島の合戦では、信濃善光寺まで戦火が及ぶことがあり、長尾景虎(上杉謙信)も大御堂本尊の善光寺如来(本尊像ではない)や寺宝を越後へ移動させ、如来堂を創建しています。武田晴信(信玄)も、本尊像の阿弥陀如来像や寺宝、鐘などを甲斐国甲府へ移転させ、1558年に甲斐善光寺を創建しました。

ちなみに、信濃善光寺の本尊像は、その後も織田信長が武田氏を滅ぼした後に岐阜善光寺に移され、本能寺の変で信長が亡くなると織田信雄が清須甚目寺に本尊を移動。更に、徳川家康の手へと渡ってから遠江鴨江寺に移動したものの、直ぐに家康は甲斐善光寺へと本尊を戻しました。その後、慶長伏見大地震で損傷した方広寺大仏の代わりにと、豊臣秀吉が善光寺如来を方広寺に移動させましたが、その後に秀吉の体調が悪化。善光寺如来の祟りとの噂も上がり、秀吉が亡くなる前日になって43年ぶりに信濃善光寺へと戻り、現在に至ります

現在の甲斐善光寺の本尊は、銅造阿弥陀三尊像で、元は信濃善光寺の前立仏であったものを、本尊としたことが伝わっています。現在は国指定の重要文化財に指定され、秘仏となっていますが、7年毎に開帳が行われています。また、「本堂(金堂)」「山門」「木造阿弥陀如来及両脇侍像(宝物館所蔵)」「木造阿弥陀如来及両脇侍像(非公開)」も国指定の重要文化財となっており、更に県指定の有形文化財や市指定の文化財も多数あります。

金堂中陣天井には、巨大な二匹の龍が描かれており、手をたたくと多重反響現象による共鳴が起こる、いわゆる「鳴き龍」を体験することができます。甲斐善光寺の鳴き龍は、日本一の規模で、自分で手を叩いて反響を体感することができました(「鳴き龍」は、有名どころだと日光東照宮の薬師堂でも体験できます)。また、金堂下には暗い通路を歩いて疑似的に生まれ変わる「お戒壇廻り」もあり、通路の途中にある鍵に触れると、御本尊と御縁を結ぶことができると言われています。

「甲斐善光寺」へのアクセス

住所は「山梨県甲府市善光寺3丁目36−1」です。

公共交通機関を利用する場合、最寄りはJR身延線の善光寺駅から徒歩7分ほど、JR中央線の酒折駅からだと徒歩15分ほどです

また、自動車で訪問する場合は、専用駐車場があり、普通乗用車30台までが駐車できます。

「甲斐善光寺」を実際に観光してみた(所要時間30分ほど)

16:10頃、甲斐善光寺に到着拝観時間は16:30までなので、金堂を見学するともはや宝物館を見学する時間がない状況でした。

金堂 (国指定重要文化財)

金堂外観
金堂外観

金堂は国指定の重要文化財にもなっています。写真からも分かると思いますが、かなりサイズが大きいです。総高27メートル、総奥行49メートルもあり、日本でも十指に入る規模だそうです。

金堂は、1754年(宝暦4年)に門前の失火によって、山門などとともに一度焼失しています。現在立っている金堂・山門は、1796年(寛政8年)に再建されたものです。

金堂前の案内看板
金堂前の案内看板

金堂内は、写真撮影禁止になっています。

金堂の中では、中陣にある龍の天井画下で手を叩くと多重反響現象で共鳴が起こる「鳴き龍」を体験できたり、金堂下には心の字をかたどった「お戒壇廻り」もあります。ちなみに、「お戒壇廻り」の途中にある鍵は、触れることでご本尊と縁を結べるそうですが、私は単に管理用の扉の鍵なのかと勘違いしました。

ちなみに、金堂内の廊下には仏像の展示もあり、その中には養蚕や機織の神とされる「蚕児菩薩」の像があります。通常、蚕児菩薩は「馬鳴菩薩」をさすそうですが、こちらで蚕児菩薩とされている像は摩利支天と思われる姿をしています。日本では、武士の間で摩利支天信仰があったことから、そういったものが、何らかの影響を与えているのかもしれません。

斜め前から見た金堂
斜め前から見た金堂

金堂見学後に、斜め前から撮影した写真。やはりかなり大きく、修繕などの管理も大変そうだなと感じました(平日夕方なので、あまり観光客もいなかったため、若干修繕費用とかが心配になりました)。

善光寺銅鐘(県指定有形文化財)

金堂寺銅鐘
金堂寺銅鐘

こちらは、境内の本堂近くにある「善光寺銅鐘」。県指定の有形文化財になっています。ちなみに、現在も時の鐘として使用されているため、勝手に打ってはいけません

この鐘は、銘から1313年に鋳造されたもので、甲斐善光寺の創建よりも古いです。武田信玄が長野の善光寺から、本尊と一緒に持ってきたものの一つとのことで、信州から引きずって運んだことから「引き摺りの鐘」とも呼ばれています。

山門 (国指定重要文化財)

山門
山門

善光寺の山門は国指定の重要文化財です。1754年(宝暦4年)の大火で焼失した際は、本堂に先立って再建されました。

両脇には仁王像が安置されており、2階の内部には仏壇が置かれています(2階部分は公開されていませんでした)。

宝物館

宝物館
宝物館

宝物館の営業時間は、9:00~16:30(御開帳期間中は8:00~17:00)です。今回は、ギリギリの訪問となったため、中まで見学することはできませんでした。

中では「源頼朝像」、「源実朝像」などの鎌倉期の肖像彫刻、徳川家光奉納の聖観音像、武田信玄朱印状などが展示されており、随時展示替えも行われています。国指定の重要文化財である「木造阿弥陀如来及両脇侍像」も宝物館に所蔵されています。

ちなみに、宝物館以外も含めて、甲斐善光寺には5件の重要文化財、4件の県指定文化財、8件の市指定文化財があります

境内全体

宝物館の営業時間が終わってしまっていたので、境内を散策してみました。

山門側から見た金堂
山門側から見た金堂

こちらは、山門の方から見た金堂の写真。かなり広い境内です。ちなみに、甲斐善光寺の七堂伽藍は東日本最大級の伽藍だそうです。

信玄アイスの看板
信玄アイスの看板

こちらは、信玄アイスの看板。やはり、平日夕方だったためか、看板だけでお店はやっていませんでした。食べたかった……。

甲斐善光寺大仏
甲斐善光寺大仏

こちら、甲斐善光寺の境内にあった「甲斐善光寺大仏」。巨大というほどの規模ではありませんが、立派な大仏様ではあります。ただ、由来などの標識は見つかりませんでした。

北浦翁之碑
北浦翁之碑

こちらは「北浦翁之碑」です。「北浦翁とは何者なのか?」という疑問がネット上で複数見つかりましたが、結局真相に辿り着いている情報は見つかりませんでした。またお寺を訪れる機会があったら、訊いてみたいと思います。

芭蕉翁月景塚
芭蕉翁月景塚

こちらは「芭蕉翁月景塚」の石碑が建てられていた境内の池。こちらも、由来が見つかりませんでしたが、池は綺麗でした。

この他、「地蔵堂」や「香炉堂」「稲荷大明神」などが境内にありました。

「甲斐善光寺」周辺の観光スポット

境内に「武田史跡」の案内看板がありました。

武田史跡の看板
武田史跡の看板

近隣のお寺だと、東光寺が徒歩10分、能成寺が徒歩30分、長禅寺が徒歩60分、大泉寺が徒歩50分です。車であればそれほど時間はかからないかと思いますので、これらを巡ってみてもいいでしょう。

また、徒歩では少し遠いですが、車や公共交通機関を使うのであれば、武田神社まで行ってみてもいいでしょう。

武田神社は、その名の通り武田氏ゆかりの地に建てられた神社で、御祭神は武田信玄です。また、武田神社周辺には「甲府市武田氏館跡歴史館」「武田信玄公の墓」「武田二十四将の屋敷跡」などもあります。歴史好きの方で、武田氏に興味がある方であれば、じっくり楽しめるかと思います。

また、公共交通機関で武田神社まで向かうのであれば、途中で甲府駅方面に向かうことになると思います。甲府駅近くには、武日本100名城にも数えられている甲府城(舞鶴城)もあり、ここも主要な観光スポットになっていますので、興味がある方は訪れてみてもいいでしょう。