初心者でも合格できる! ITパスポート試験の勉強方法と参考書
この記事では、主に以下の内容を中心に解説します。
- ITパスポート試験の勉強方法
- ITパスポート試験でおすすめの参考書やサイト

・ITパスポート試験の教材を検討している人
におすすめの記事です。
ITパスポート試験の概要について確認したい方は、以下の記事を参考にしていただければ幸いです。
- 試験日:CBT方式で随時
- 申込日:随時
- 合格発表:受験日の翌月中旬(試験結果は当日)
- 試験時間:120分
- 受験料: 5,700円(税込)
- 合格基準:600点/1000点(ただし、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系で全てで30%以上の得点が必要)
- 受験資格:なし
- 想定勉強時間:50~100時間(未経験から学習する場合)
- 公式サイトはこちら
ITパスポート試験の前提知識
ITパスポート試験の問題は、小問形式で四択
試験の形式は小問形式で四択です。例えば、以下のように出題されます。
コンピュータで実行可能な形式の機械語プログラムを何と呼ぶか。
ア:オブジェクトモジュール
イ:ソースコード
ウ:テキストデータ
エ:ロードモジュール平成25年春期 問60
このような形式で出題されますので、ある程度は知識に曖昧さがあっても解答は可能です。
ただし、未経験からの受験の場合、全く知らない用語が多いかと思います。いくら四択といっても、全く学習せずに解答にたどりつくのは難しいといえます。
ITパスポート試験では過去問が出てこない
ITパスポート試験では、過去問が流用されません。
同じ「情報処理技術者試験」の上位の資格では、午前の小問形式の問題では、6割程度が過去問の流用となっています。
しかし、同じ「情報処理技術者試験」の「小問形式」でありながら、ITパスポート試験では基本的に過去問が流用されません(過去には流用されていることがありました)。
ですので「過去問を丸暗記すれば、知識が体系的に備わっていなくても合格できる」試験ではありませんので、その点は注意が必要です。
合格点は6割。ただし、3分野でそれぞれ3割が必要
ITパスポート試験の合格点は6割(1000点満点で600点)です。
ただし、以下3分野で、3割以上の点を取る必要があります。
- ストラテジ系(経営全般。35問程度)
- マネジメント系(IT管理。20問程度)
- テクノロジ系(IT技術。45問程度)
4択問題ですので、並の運であれば25%は全て捨てても点が取れるかと思いますが、念の為「この分野は捨てる!」というものを作らないように学習を進めるといいでしょう。



ITパスポート試験の勉強の流れ
まずはテキストで全体を把握する。ただし時間はかけない
ITパスポート試験を受験する人は、IT関連の学習については初心者だと思います。
ですので、最初に全体を把握し、体系的に知識をつけることをおすすめします。
ただし、あまり時間はかけすぎないようにしましょう。テキストを繰り返し読んでいても吸収効率はあまり上がりませんので、一度テキストを読んだら過去問や問題集に取り組み、テキストは「わからなかった知識を調べるための参考図書」として利用するといいでしょう。
過去問を繰り返し解き、わからない内容はテキストを確認
一通りテキストで全体を把握したら、問題演習による学習に切り替えます。ITパスポート試験では、過去問の流用問題は出てきませんが、形式になれることはできますし、主題傾向の確認もできます。
最初に過去問を解いたときはわからない問題も多いと思いますが、繰り返しとくことで知識を確実に定着させていくことができます。紙媒体であれば、正誤を解いた問題に書き込み、何度も正解できている問題は飛ばすようにして学習を進めていくといいでしょう。
また、過去問演習は小問形式であるおかげで、僅かな時間でも行うことができます。通勤・通学時間などのスキマ時間を有効活用し、過去問を繰り返し解くようにしましょう。



ちなみに、すでにある程度学習経験がある人や、勉強に自身がある人は過去問から取り組んでも問題ありません。ITパスポート試験の過去問は、解説も充実していますので、解説を読んで知識を深め、気になる関連知識はインターネットで検索して、知識の幅を広げるようにしてみてください。
苦手な問題の対処方法について
先にも解説しましたが、合格点としては全体で6割、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の各分野で3割以上が必要です。
逆に考えると「苦手な分野で3割以上取れれば、あとは全体で6割を超せば問題ない試験」ともいえます。
では、苦手な問題を捨てるべきか?
私としては「普通に受験するなら、苦手な問題を捨てない」ことをおすすめします。
ITパスポート試験は、範囲が広いとはいえ、内容はそれほど深くありません。どうしても理解できない苦手な問題が数問出てしまう可能性はありますが、「少し努力すれば、苦手分野が逆に得点源になる」こともあります。
とくに全体の1割程度の出題数である計算問題については、文系の方には捨てたくなる人もいるかもしれません。ですが、計算問題は覚えるべき公式も少なく、難解な計算は出てこない(中学レベルの数学で対応可能)ので、あえて捨てないほうが無難です。
また「IT分野の一般常識」的な位置づけであるITパスポート試験において「難しいから捨てる」というのは、試験に合格できても、学習としての意味が損なわれてしまいます。試験を通して自己研鑽をしたいのであれば、苦手分野を捨てるという決断は避けるべきでしょう。
一方、何らかの事情により短期合格を狙う必要がある人であれば、苦手分野を捨てるのも手段の一つです。とはいえ、ITパスポート試験はCBT方式により随時実施されています。よほどの事情がないかぎり、じっくり実力をつけてから受験していただければと思います。
試験直前は用語の確認
ITパスポート試験は、小問形式という特性上「用語を知っているか?」が、正解できるかの決め手になることが多いです。
そこで、試験直前は用語の確認の時間を多く取りましょう。テキストで学習しながら独自にまとめていってもかまいませんし、最初から用語をわかりやすくまとめたテキストを購入するのもおすすめです。
ITパスポート試験でおすすめの参考書・サイト
いちばんやさしいITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集
書店で見比べた中で、一番おすすめの参考書です。
「試験に合格することのみを目的に企画・構成されています」と解説されている本ですが、テキストとして十分に役立ちます。初心者にもわかりやすい例えや、イラストなども挿入されていますし、ITパスポート試験に登場する用語について、体系的に学べる内容になっています。
また、このテキストを私がおすすめする利用は「出る順!過去問&完全解説」と「重要用語を総復習!」の部分です。
あらゆる試験にいえますが、試験の出題傾向を分析した上での学習は大切です。このテキストには、出題頻度にあわせた問題が付属していますので、出題頻度の多い問題について、実際の問題を解きながら把握することができます。
また、類似した文字の略語や、類似した意味合いの用語などを、学習しながら整理してまとめていくのは手間です。「重要用語を総復習!」の部分では、あらかじめ重要な単語をまとめていてくれるので、その手間を省くことができます。
この参考書の勉強だけで合格は難しいかもしれませんが、次の紹介する過去問演習サイトと組み合わせて学習すれば、効率的に合格できるでしょう。
ITパスポート 過去問道場
情報処理技術者試験では定番の「過去問道場」のITパスポート版です。
公表されている平成21年秋季以降の過去問が全て学習でき、出題方法も「計算問題を出題しない」「選択肢をランダムに並び替える」などの条件付が可能です。
テキストで学習の上、このサイトを利用して過去問演習を繰り返せば、ほぼ確実に合格は可能です。
ITパスポート試験公式の疑似体験ソフトウェア
公式で公開されている試験の疑似体験用ソフトウェアです。
出題内容としては、公開されている問題と同じですが、CBT方式の試験を擬似的に体験することができますので「本番の試験が思った形式と違った!」ということを回避することができます。
繰り返し利用する必要はありませんが、試験直前までには一度利用しておくことをおすすめします。
ITパスポート試験にはスクールは必要か?
ITパスポート試験には、いくつものスクールが用意されています。
スクールについては、私はあえて利用する必要はないと考えています。理由は費用と難易度です。
ITパスポート試験は上記の3つの教材を利用すれば、新品で購入しても2000円かかりません。一方、スクールを利用する場合、数万円程度かかります。比較的安い通信講座でもおおむね1万円弱かかります。
また、難易度もあまり高くなく「一般的な社会人」であれば、テキストで十分理解できます。難易度が高く理解に時間がかかる試験であれば、スクールのノウハウを利用することで、時間を削減できる可能性があります。しかし、ITパスポート試験でスクールを利用した場合に削減できる時間では、余計にかかる費用とつりあう可能性は低いです。
どうしても利用するのであれば、基本情報技術者試験に受験する前提で「スタンディング」の基本情報技術者試験とのセットのコースを利用するのが比較的おすすめです。割引時に申し込んで、合格祝い金まで手に入れれば、基本情報技術者試験の対策まで含めて3,5000円程度で学習可能ですので、他の講座よりはややコストパフォーマンスが向上します。
とはいえ、個人的にはあくまで「ITパスポート試験」は独学での合格がおすすめです。試験はCBT方式で随時受験可能ですので、まずはテキストを読んで、過去問を繰り返しといた上で、判断してみるといいでしょう。