【神社仏閣】箱根神社(九頭竜神社)に行ってみた
この記事では「箱根神社(九頭竜神社)を実際に観光してみた際の体験」を中心にまとめます。
「箱根神社に興味がある方」「箱根神社を観光予定の方」などの参考になれば嬉しいです。
「箱根神社」の基本情報
- 営業時間:御礼所・御神印は8:15~17:00、御祈祷は8:30~16:00、宝物殿拝覧は9:00~16:00
- 休場日:年中無休(宝物殿は、展示替などで臨時休館あり)
- 見学料金:入場無料。宝物殿は中学生以上500円、小学生以下300円。団体(25名以上)だと、中学生以上350円、小学生以下200円
- 所要時間:宝物殿含めてみてまわr60分程。私は近隣の駐車場までの往復10分程度と、昼食の時間を含め、ゆっくり回ったら100分程かかりました
- アクセス:参拝者専用の無料駐車場あり(P2A 第2鳥居駐車場A)
- その他:祭典行事の情報はこちら
※詳細は変更の可能性もあるため、訪問前には公式HPなどの情報をご確認ください
「箱根神社」とは?
「箱根神社」は「関東総鎮守箱根大権現と尊崇されてきた名社で、関東における山岳信仰の一大霊場」です。
757年、万巻上人が箱根大神の御神託を授かり、現在の地に社殿を建立。箱根山の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神である「箱根三所権現(箱根権現)」を祀っています。
また、後の大まかな歴史をあげると、以下のようになります。
- 801年:征夷大将軍の坂上田村麻呂が、蝦夷征討の前に参詣して表矢を奉献
- 817年:嵯峨天皇が駿河・伊豆・相模の荘園を、箱根神社に寄進(後に、鳥羽上皇も相模国酒匂郷48町を寄進)
- 1053~1058年頃(天喜年間):源頼義が坂上田村麻呂の例にならい、参詣して表矢を奉献
- 1188年:源頼朝が箱根神社を深く信仰し、二所詣(箱根神社と伊豆走湯権現への将軍家参詣)を創始
- 1232年:執権北条泰時が『御成敗式目』で「祈誓を捧げる神々の筆頭」に箱根神社を挙げる
- 室町時代:関東公方足利氏が崇敬を寄せる
- 戦国時代:北条早雲・氏綱・氏康・氏政・氏直5代が崇敬を寄せる(この五代は北条五代と呼ばれる北条氏(後北条氏)の歴代当主)
- 1594年:徳川家康が崇敬を寄せ、200石を寄進。
- 1612年:大規模な社殿造営
- 1618年:東海道の整備で「箱根宿」や「関所」が設置され、東西交通の要における「交通安全祈願所」として庶民からの信仰も厚くなる
「箱根神社(九頭竜神社)」の主な見どころ
箱根神社の主な見どころは以下の通りです。
- 武道場
- 矢立杉
- 曽我神社
- 御本殿
- 九頭龍神社・新宮
- 龍神水
- 清め湯(社務所の玄関右横)
- 「権現からめもち 箱根」(U-1グランプリで3位を受賞した「俺のうどん」が食べられます)
- 宝物殿
- 九頭龍神社・本宮(離れた場所にあり、「九頭竜の森」が途中にあるので車でのアクセスはできません。箱根神社から徒歩30~40分。モーターボートもあり、芦ノ湖の遊覧船は、毎月13日に参拝船が運航されています)
「箱根神社」へのアクセス
住所は「神奈川県足柄下郡箱根町元箱根」。
アクセス方法は詳細に公式HPでまとめられています(自動車5パターン、電車とバス5パターンとかなり充実しています)。
ちなみに、箱根海賊船で「元箱根港」からくる場合、徒歩17分かかりますが、港の目の前に「箱根神社 第一鳥居」があるため、第一、第二、第三鳥居を順にくぐって参拝するなら元箱根港からのルートもアリです。
駐車場は近隣に参拝者専用駐車場(無料)があるので、そちらを利用するといいでしょう。
「箱根神社」を実際に観光してみた(所要時間55分)
11:00頃、「P2A 第2鳥居駐車場A」に到着。少し遠めの駐車場ですが、この辺りから歩くと「箱根神社 第二鳥居」「日吉神社」「来宮神社」などを訪れる事ができます(ただし、「第一鳥居」は更に遠くの元箱根港の方にある)。
こちらの石柱は「箱根神社 第三鳥居」の手前。ここから杉の並木の中を歩いて進みます。
写真は箱根神社正面の階段途中にある「矢立てのスギ」(第三鳥居から歩くと、階段と交わるあたり)。
看板の文字がかすれて良く読めませんでしたが、坂上田村麻呂がこの杉に表矢を奉献して武運長久を祈願したそうです。源頼義もそれに倣いました。「かながわの名木100選」にも選ばれています。
こちらは矢立のスギの近くにあった「箱根神社武道場」。坂上田村麻呂以来、多くの武士・武将などが先例にならい、武道との縁があって建てられたものだとか。
現在も武道場として利用されていて、剣道、居合道、柔道、空手、弓道、古武道の他、禊、研修会もできる文武両道の修行道場です。
本殿への階段の途中には、敵討ちのエピソードで武士の鑑として有名な曽我兄弟を祀った「曽我神社」もありました(写真が酷かったので掲載しません)。ちなみに、私が訪れた際は、曽我兄弟830年祭として、宝物殿で「曽我兄弟と箱根信仰」の企画展がありました。
11:15分頃。階段を上り、本殿前に到着(ここまで駐車場から15分ちょっと)。
しかし、本殿の撮影を忘れました。
箱根は外国人観光客も多く、本殿横にある絵馬には英語のものも多くありました(流石に失礼なので、内容は読みませんでしたが)。
こちらは本殿横にあった「高根神社」と「駒形神社」。どちらも明治期に複数の社が合祀されました。
看板を呼んだ限りでは、箱根権現と高値権現、駒形権現の関連性は不明でした(関連が深いならこの社は「摂社」、客分の神様なら「末社」のはず)。
「高根神社」と「駒形神社」の社前を通過すると、「九頭竜神社の新宮」があります(写真は、通過した場所ではなく、神社正面から改めて撮影したもの)。
九頭竜神社は、芦ノ湖の守護神である九頭竜大神を祀る社です。九頭竜神社の本宮は、九頭竜大神誕生の聖地とされる場所にあり(結構場所が離れてます)、こちらの新宮は湖水祭斎場の聖地に建てられたものです(湖水祭は、7月31日夕方に行われます)。
九頭竜神社前にあった手水舎(?)。ちゃんと9つ頭があります。
箱根神社(九頭竜神社)の正面の境内にはいくつもの立派なスギの気があります。
写真はその中でも「安産杉」と呼ばれるご神木で樹齢は1000年以上。古来から安産祈願で信仰されており、源頼朝が北条政子の安産祈願のため、1182年と1192年に訪れていたことが『吾妻鏡』に記されているそうです。
本殿前から階段を使わず、本殿側から向かって右側にある坂を下っていったら、途中に「恵比寿社」がありました。箱根七福神の一つらしいです(残りは守源寺、興福院、本還寺、駒形神社、阿字ヶ池弁財天、山王神社。詳細はこちら)。
坂を下りると宝物庫の入り口があるのですが(車いすの場合は、坂の上から入れる)、一旦スルー。上の写真は、お休処前にあった「弁財天社」。例大祭は1月10日だそう。
お休処前では、お土産の販売もありました。
で、こちらのお休処「権現からめもち」。「俺のうどん」でU-1グランプリ(うどん日本一決定戦)3位を受賞した経験があり、観光地の神社のお休処とは思えないクオリティの高さです。
赤いうどんですが、決して辛くはなく、ラーメンかと思うしっかりした味わい深いスープ。それでいて、スッキリとしたつゆの味はうどんらしいです。俺の一味(また、凄いネーミングだ)を入れて辛くしたり、後入れ柚子でも楽しめます。
12:10頃(駐車場から1時間10分経過)。うどんを堪能し、最後は「宝物殿」。入場料はかかりますが(500円)、30分以上は楽しめました。
内部は、1階が受付とトイレ、2階が常設展で、3階が企画展です。
私が訪れた際は、「曽我兄弟と箱根進行」の企画展が行われていました。
常設展は、箱根神社らしく「箱根権現縁起絵巻」や「箱根権現御影」といった、箱根神社に直接的に関するものや、「親鸞聖人像」(凄く穏やかな顔が印象的)、「役行者・前鬼・後鬼像」(鬼の顔よりも、役行者の顔が猿っぽかったのが印象的)などの像、日本で唯一現存する「白磁洞簫」などがありました。
企画展の方は、まず曽我兄弟が何者なのかが分かるような展示がありました(私は曽我兄弟を全く知らなかった)。敵討ちのエピソードから「親孝行者」「武士の鏡」として評価されているそうで、能、文楽、歌舞伎などの演じられ、曽我兄弟を扱った作品を「曾我物」と呼ぶそうです。
が、物語を読む前に察しましたが「現代的にはただの野蛮人では?」という印象はありました。実際、親孝行というけど、母親の言うこと聞かず勝手に敵討ちして、結果死んでるとか、現代人の母親目線では親不孝者じゃあ……。
まあ、その辺は歴史的背景があるので一旦無視するとして、内容としては、曽我物関連の展示や、宝刀である「微塵丸」「薄緑丸」などの刀などが展示されていました。
帰りは「第三鳥居」側の通路を通らず、本殿正面の階段をひたすら降り、湖の中に立つ「箱根神社 平和の鳥居」側へ。
上の写真の通り、撮影スポットとなっており、この日は平日にもかかわらず、かなりの列になっていたので諦めました。湖に立つ鳥居は神秘的で、映える写真が撮れるスポットだと思います。
周囲の観光情報
以前、「箱根関所」周辺の観光スポットをまとめたことがありますが、位置的に箱根神社も同様の観光スポットが周囲にあります。念のため、掲載すると以下の通りです。
- 芦ノ湖
- 箱根関所
- 箱根寄木細工 関所からくり美術館
- 恩賜箱根公園
- 箱根駅伝ミュージアム
- 箱根旧街道杉並木
- お玉ヶ池
- 箱根湿生花園
- 大涌谷
ただ、上記観光地は箱根神社から南と北に分散しているため、箱根神社からスタートして、1日で全体を回るのは難しいでしょう。
もしも「箱根神社」をより楽しみたいのであれば、離れていますが「九頭竜神社本宮」や箱根神社の裏参道鳥居の方に行ってみてもいいでしょう(ただし、裏参道鳥居の近くにあるバス停「神社上」はほとんどバスが無い)。
九頭竜神社本宮へのアクセス
九頭竜神社本宮へのアクセス方法は主に以下の通りです。
- 徒歩(自転車可)
- モーターボート
- 芦ノ湖遊覧船(毎月13日のみ)
九頭竜神社本宮へアクセスする場合は、陸路は途中に「九頭竜の森」があるため、自動車での接近は不可。徒歩の移動となり、少なくとも徒歩なら片道30分は必要です(自転車可。近隣の「ホテル ザ・プリンス箱根芦ノ湖」で電動アシスト付き自転車のレンタルもできる)。
他の方法なら、モーターボートで九頭龍神社本宮桟橋まで送ってもらうこともできますが、こちらは1~4名で7,000円。神社の参拝は15分程度ということでしたので、どちらかと言えば遊覧を楽しみたい人向けです(芦ノ湖一周の遊覧付きガイドツアーもある)。
裏技的な方法では、「芦ノ湖遊覧船」が毎月13日の月次祭にあわせて参拝船を運行させています(近くに「箱根海賊船」もありますが、こっちは参拝船はありません)。ただし、往路1便、復路2便で、時間の制約もかなり厳しいですし、往復で1,500円はかかります(その分、九頭竜の森の入場料600円は不要)。
いずれにしても、訪れる日付、時間帯、料金、目的などに合わせて調整するのが良いかと思います。