技術士第一次試験 基礎科目のおすすめの勉強方法

2月 5, 2021技術士

この記事では、技術士第一次試験基礎科目の勉強方法についてまとめます。

技術士第一次試験を受験予定の方の、参考にしていただければ幸いです。

技術士第一次試験 基礎科目の特徴

まずは、前提条件として、技術士第一次試験の基礎科目の特徴をまとめます。

このサイトの他の記事で紹介している内容とも被りますので、既にご存じの方は、次の「基礎科目の勉強準備」まで飛ばしてください。

出題内容は科学の広い範囲であり、1~5群にわかれる

出題範囲は幅広い科学関係の分野であり、以下の5つの群にわかれています。

基礎科目の分野

  • 1群:設計・計画に関するもの
  • 2群:情報・論理に関するもの
  • 3群:解析に関するもの
  • 4群:材料・科学・バイオに関するもの
  • 5群:環境・エネルギー・技術に関するもの

このうち、一番イメージしやすいものは3・4群。3群は「数学と物理」4群は「生物と化学」です。

また、2群はコンピュータサイエンスの勉強です。情報処理技術者試験でいえば、2群は基本情報・応用情報技術者試験の午前問題に近い内容となっています。

一方、ややイメージしにくいものが1群。具体的には以下のようになります。

1群の出題例

  • バリアフリーやユニバーサルデザインなどに関する問題
  • 材料力学関係の計算・用語問題
  • 製図法に関する問題
  • 損益計算(原料の在庫から、どのように生産すれば利益が上がるか?など)
  • 信頼度の計算問題(個別の故障率から、システム全体が使用できない確率を求めるなど)

また、5群の「環境・エネルギー・技術に関するもの」は「環境・エネルギーに関する国の制度や統計。技術史」などが出題されてきます。

全問を解く必要はない(戦略的に問題を捨てることができる)

基礎科目の特徴は、各群から6問出題されるうち、3問選択すればいいところです。

つまり、各群の半分の苦手・難関問題は捨てても点数に影響しません

ですので、学習の初期から戦略的に捨てることを考えておくと、効率的な学習が行えます。

難易度はおおむね高校の基礎~大学レベル

出題される問題の難易度は、おおむね「高校の基礎~大学レベル」となっています。

ですので、理系科目が苦手でも、高校の基礎レベルの問題で正解が狙えます

1~2群、5群は高校ではあまり勉強しない内容ですが、実際に学習した経験から言えば、3~4群より難易度が低いです。計算問題は3群ほど複雑な公式は出ませんし、その他も単純な暗記で対策は可能です。

過去問の類似・流用問題が登場する

技術士第一次試験の基礎科目では、過去問の類似・流用問題が登場します。

過去問4年から一部抜粋で学習した自分としては、完全な類似・流用で解けた問題は2問でしたが、同じテーマからの出題は多いので「過去問のおかげで選択肢を絞り込める」ということも期待できます。

ただし、過去問の流用を期待するより、苦手な問題を切り捨てて、簡単な問題で確実に点を稼いだ方が遥かに効率がいいです。過去問の類似・流用だけで合格を目指すのはやめた方がいいでしょう(過去問の流用を狙うとなると、演習する問題が多くなりすぎます)。

合格ラインは30問中15問解答し、8問正解

最後に、合格ラインについて。

全体で30問出題されますが、各群6問から3問ずつ解答するため、実際に挑むのは15問です。

また、15問解答し、50%以上の正解が必要であるため、合格には8問の正解が必要となります。

技術士第一次試験 基礎科目の勉強準備

勉強の方針

ここまでの前提条件から、勉強の方針をまとめると、以下のようになります。

勉強の方針

  • 自分の理解度に応じて、問題の取捨選択をすることが最優先
  • 各群により出題分野が違うため、群による違いを取捨選択の際に考慮する
  • 高校の基礎レベルで解ける問題は、できるだけ優先する
  • 合格ライン突破は、8問正解でOK
  • 4年分程度学習すれば、過去問の流用で2問程度は正解できると考える

参考書・教材を準備する

技術士 第一次試験 基礎科目ナビ 適正科目ナビ

技術士の一次試験で、基礎を学習するなら、一番おすすめです。このサイトだけで、十分合格を目指せます。

  • 無料で最新の過去問~平成21年まで学習できる
  • 書籍の過去問と比べて、解説に大差はない
  • 無料(書籍を使うと2,000円以上)
  • 書籍の過去問よりも通勤・通学で使いやすい(個人的には重要)
  • 暗記カードにコピペで落とし込める(個人的には最重要)

個人的に最大のメリットは、暗記カードアプリにコピペで落とし込めたところ

私は暗記カードアプリとしてAnkiDroidを利用していますが、このサイトから「過去問4年分の中から、暗記で対応できそうな問題」を抽出し、後はこのアプリだけで勉強していました。AnkiDroidは移動中にも利用可能で、理解度に応じた復習タイミングをアプリが管理してくれるのでおすすめです。

技術士教科書 技術士 第一次試験問題集 基礎・適性科目パーフェクト 2020年版

定番の参考書です。

メリットは、重要度が掲載されているところです。ただ、過去問4年分を学習する際に、重要度を参照して取捨選択しましたが、流用・類似問題はその内2問でした。あえて、利用しなくても良かったかなという印象です。

ちなみに、収録問題数が多い分、解説はそれほど深堀されていません。3~4群の計算問題には、解説だけでは理解できないものも多い印象です(高校数学の基礎に苦戦する自分には無理でした…)。

技術士第一次試験 基礎科目のおすすめの勉強方法

【手順1】まずは実力診断

技術士第一次試験の基礎科目は、高校レベルの問題もあるため、初見でも点が取れる問題がそこそこ出てきます。

ですので、まずは自分の実力を過去問で診断しつつ、苦手な問題・苦手な群を判断していきます。

初見から合格ライン前後であれば、実力診断は最初の一度で充分です。

【手順2】優先すべき問題を抽出する

ここまで述べてきた通り、苦手・難関問題を捨てることが適正科目では重要になります。

例えば、理系が苦手な人が、短期間で高難易度の理系問題で正解を目指すのは、時間の無駄が大きすぎます。

そこで優先すべき問題の順位を以下の通り設定し、学習を進めます。

問題の優先順位

  1. 簡単な計算・論理で解ける問題
  2. 簡単な暗記系問題
  3. 難しい暗記系問題
  4. 難しい計算・論理で解ける問題

暗記系問題は、勉強自体は簡単ですが、流用・類似レベルの出題以外は確実な正解にはつながりにくいです(選択肢を絞り込める可能性はあります)。

一方、計算系は変化に対応しやすいため、一度身につけば得点につながりやすいところがポイント。ただし、難易度によっては身につくまで大量の時間を消耗します。

「簡単」「難しい」は自分の体感で判断してOKです。単純に「ちょっと勉強すれば理解できそう」であれば簡単、「理解まで時間がかかる・理解しても忘れそう」であれば難しいと判断しましょう。

1群(設計・計画)が苦手な人が優先したい問題

1群は比較的簡単な計算問題と、暗記問題で構成されています。

おすすめは計算問題。信頼度の計算と損益の計算は、比較的簡単な計算で解けますので、内容が変化しても対応しやすいです。

後は単純な暗記で対応できる問題を学習しておいて、1問程度拾えるように学習を進めましょう。

2群(情報・論理)が苦手な人が優先したい問題

2群も、1群と同様におすすめは計算問題です。

真理値表、2進数、メモリのアクセス時間の計算などは、解き方さえ覚えれば変化にも対応しやすいです。ただ、情報系に馴染みがないと、慣れない考え方を身に着けるため時間がかかる可能性もあります。どうしても苦手意識があれば全てを学習する必要はありません。

暗記系は、流用や類似問題でないと正解が難しいと思います。上記の計算系で2問以上取れる自信があれば、無理して勉強しなくてOKです(情報処理試験を勉強していた私も、暗記系はちょっと自信がないものが多かったです)。

3群(解析)が苦手な人が優先したい問題

3群は数学や物理がメインなので、計算や式の組み立てがメインになる上に、計算内容が難しいです。

理系が苦手な人の場合、おすすめは微分積分と行列の基礎です。

この辺りは高校で軽く触れた人も多いですし、初歩レベルであれば身に着けるのは比較的容易です。そして、初歩レベルだけ確実におさえ、本番で1問以上の正解を目指すといいでしょう。

もちろん、数学・物理が得意であれば、復習して得点源にしてしまいしょう。

4群(解析)が苦手な人が優先したい問題

4群は生物と化学がメイン。計算系と暗記系で半々程度の印象です。

計算は、分子量や化学反応式などが中心です。馴染みは少ない人が多いと思いますが、計算自体は簡単であるものが多いので、復習して解けそうな問題は確実におさえておきましょう

後は比較的簡単な暗記系問題(高校で見聞きしたレベル)を中心に暗記を進めましょう。暗記系と計算系から、それぞれ1問以上正解できれば理想的です。

5群(環境・エネルギー・技術)が苦手な人が優先したい問題

5群はほぼ暗記問題です。以下の2点について考慮しつつ、大量の問題をこなすことが必要だと思います。

  • トレンドのある問題を優先する(令和2年なら、プラスチックごみについて出題がありました)
  • 明らかに古い問題は学ばない(古い政府方針や統計データは、意味がないので出ないはず)

注意点として、合格だけを目指すのであれば、無理して膨大な過去問を解く必要は低いこと。基礎科目の勉強時間は長く見ても20時間程度です。その時間の多くを5群だけに使うことは効率的ではありません。多く考えても、6回分の過去問を演習すれば十分だと思います。

ちなみに、トレンドについては、5群以外でも意識した方がいいと思います。過去にも出題実績のあるPCR法に関する問題ですが、新型コロナの影響か、令和2年で再出題されました。

【手順3】抽出した勉強すべき内容だけ、過去問を学習

優先すべき問題を切り分けたら、あとはひたすら過去問演習です。

私の場合、2群は勉強不要と判断したため、残った群のうち「簡単な計算問題」と「簡単な暗記問題」を中心にした暗記カードを作成しました(AnkiDroidを利用)。

そして、その暗記カードを通勤や隙間時間でひたすら繰り返して勉強していました。

狒々山
狒々山
私の場合、暗記カードを作ってからは、試験まで暗記カード以外使いませんでした。それでも15問中で14問正解できたので、やはり過去問演習が効果的だと思います。

【手順4(心配な場合)】試験の少し前に実力診断

もしも、初見の過去問で合格点まで大きな差があった場合、試験の前にもう一度実力診断しておきましょう。

実力診断の結果次第では、学習する過去問を増やすこともあるかと思いますので、遅くても1週間ほど前には実施することをおすすめします。

技術士第一次試験 基礎科目はあまり時間をかけるべきではない

最後に、技術士第一次試験の基礎科目は、あまり勉強時間をかけるべきではありません

出題内容に難しい問題はありますが、試験制度上、自信を持って正解できる問題が7問選択できるだけで、ほぼ合格が狙えます。

得意分野に極端な偏りがあると厳しいですが、例えば1・2群で6問中2問正解できる自信があれば、3~5群は6問中1問の正解で、高確率で合格ラインに達します

技術士第一次試験で時間をかけるのであれば、専門科目の方が重要です。

実際、多くの合格体験記を読んでも、専門科目の方が勉強時間が多くかかっていますし、私自身、適正・基礎科目の合計よりも、専門科目の方に多く時間をかけました(それでも専門科目の方が点数が低かった)。

理系が苦手な人でも、基礎科目には時間をかけすぎないよう、バランスをとって勉強することをおすすめします。