技術士第一次試験 情報工学部門(専門科目)のおすすめの勉強方法

2月 9, 2021技術士

この記事では、技術士第一次試験の情報工学部門(専門科目のみ)の勉強方法についてまとめています。

技術士第一次試験を情報工学部門で受験される方の、参考にしていただければ幸いです。

技術士第一次試験 専門科目の特徴

まずは、前提条件として、技術士第一次試験の専門科目の特徴をまとめます。

ご存じの方は、次の「情報工学部門(専門科目)の勉強準備」まで飛ばしてください。

全問を解く必要はない(35問中10問は戦略的に問題を捨てられる)

最大の特徴は「35問中25問を選択して解答する」というところ(令和2年時点)。

つまり、約28%は全く分からない問題が出ても、採点に影響がありません

例えば、そこそこ出題回数の多いJavaやC言語の問題も、どうしても苦手であれば勉強する必要はありません

もちろん、頻出問題は流用が期待しやすいため捨てない方が得策ではあります。ですが、学習が長時間化する可能性が高いのであれば、学習段階から捨てる戦略も有効と言えます。

ただし、間違えて26問以上解答してしまうと、解答の正誤に関わらず失格となります。その点だけは注意しましょう。

過去問の流用・類似問題が登場する

技術士第一次試験の専門科目(情報工学部門)では、過去問の類似・流用問題が登場します。

正確な割合は不明ですが、過去問4年から一部抜粋で学習した自分でも、本番で35問中6問は完全な流用・類似の問題があることがわかりました

頻出問題を中心に過去問演習を幅広く行えば、より多くの流用・類似問題に反応できるようになるでしょう。

基本情報技術者・応用情報技術者試験の午前問題と近い内容

情報処理といえば有名な「基本情報技術者試験」と「応用情報技術者試験」。これらの試験の午前で出題される内容と比較的近い問題が、情報工学部門では出題されます。実際、受験者の中には「応用情報技術者試験の参考書で合格した」という人もいる程です(まともな参考書がない影響ですが)。

JavaやC言語、Linux関連の知識が出題されやすいなど、出題傾向に違いがありますが、過去に応用情報技術者試験に合格した人であれば、比較的合格ラインを突破しやすいといえます(私も前年に応用情報の午前問題をやっていたため、初見から合格ラインを突破できました)。

免除の制度がある

情報工学部門の専門科目の場合、免除の制度があります。

令和2年の試験の場合、「情報処理安全確保支援士試験」か「情報処理技術者試験の高度試験(情報セキュリティスペシャリスト除く)」に合格している場合、免除が可能です。

理由は明確ではありませんが、情報セキュリティスペシャリスト試験の場合は免除できませんので、注意しましょう。

まともな参考書がない

一番厄介なところです。まともな参考書がありません

ギリギリ使えるのが後述する1冊ですが、Amazonのレビューは物凄く悪いです。

合格ラインは35問中25問解答し、13正解

最後に、合格ラインについて。

全体で35問出題され、その中から25問に挑み、13問の正解で合格ラインを突破できます。

つまり、極端にいえば「確実に正解できる問題が全体の4割弱あれば合格」できる試験です。

技術士第一次試験 情報工学部門(専門科目)の勉強準備

参考書・教材を準備する

技術士第一次試験「情報工学部門」専門科目 問題と対策

念のためですが、Amazonのレビューで「絶対に買ってはいけない最悪の対策本」とまで書かれている書籍です。評価も星1~3のみで、4~5は一つもありません。

この参考書以外に真っ当な過去問解説があれば、私もこの書籍を薦めることはまずないです。

それでもあえて、以下の2点から、この書籍をおすすめします。

  • 傾向分析が掲載されている
  • 市販されている中では、過去問を利用して学習できる唯一の参考書(2021年2月9日時点)

まず、傾向分析が掲載されているところ。内容は平成24~28年と限定されていますが、概ねどの分野の学習を重点的に行えば、どの程度の点数がとれそうかという目安になり、この参考書を使えば計画的な学習が可能になります

一応、過去問は公開されているため、誰でも傾向分析は可能です。

しかし、自分で傾向分析するより参考書を買った方がコスパが良いのは確かです。

また「過去問を利用して学習できる」という一見当たり前の内容が大きなメリット。過去問の流用があり、実際の試験と同じ傾向で学習できるため、応用情報技術者試験のテキストを利用するよりは、学習効率が高くなります。

とはいえ、やはり内容に間違いが多いのは残念なところ

私自身この参考書で勉強する中で、正解が納得できずに無駄な時間を使い、結局答えが間違っていることに気づいたことが2度ありました。

一応、正誤表がネット上に公開されていますが、それだけではまだ複数の誤りが残るため、疑問に思ったらすぐに調査するようにしましょう。

公式の過去問

公式でも、過去問が公開されています。

正解も公開されていますが、残念ながら解説までは公開されていません

全ての問題の解説を調べることは困難だと思いますので、比較的解説が調べやすいもの(最も不適切な選択肢を選ぶ問題など)を優先的に学習し、正解の理由が判断しにくいものは学習しない方針で利用することをおすすめします。

技術士第一次試験 基礎科目のおすすめの勉強方法

【手順1】まずは実力診断

技術士第一次試験のどの科目も同じですが、まずは実力診断をしましょう。

私は「技術士第一次試験「情報工学部門」専門科目 問題と対策」で解説されている平成28年の問題から取り組みましたが、直近の過去問から解き始めてもOKです。

ただし、解説がない場合「自分の想定通り正解できたか?偶然正解だったか?」がわからないため、可能であれば参考書を買って、平成28年の過去問を解くことをおすすめします。

【手順2】優先順位を付けて問題を抽出する

試験の難易度を把握した上で、以下のような優先順位の高い問題から学習をすすめます。

優先順位の高い問題

  • 解説がわかるもの・調べやすいもの
  • 勉強すれば解けそうになるもの
  • 出題頻度の高い傾向のもの

「勉強すれば解けそうなもの」と「出題頻度の高い傾向のもの」は、どんな試験でも同じでしょう。

重要なところは「解説がわかるもの、調べやすいもの」を優先するというところ

先にも解説しましたが、技術士第一次試験の情報工学部門は、あまり良い参考書がありません。しかし、過去問の流用・類似問題が期待できることから、過去問を使わないというのは合理的ではありません。

そこで「解説がわかるもの・調べやすいもの」を優先して学習することが求められます。

技術士第一次試験「情報工学部門」専門科目 問題と対策」で解説されているものであれば、多くの場合調べる必要はありません。

重要なのは、公式の過去問を使って勉強する場合。選択肢が全て解説文になっている問題は、比較的容易に正誤の理由が調査できます。一方、状態遷移の過程や数字などが選択肢になっている問題では、ある程度知識が無いと正解の理由を判断することが難しい傾向があります。

また「適切な解説文を選ぶ」問題よりも「不適切な解説文を選ぶ問題」の方が、調べる手間が1回で済むので、調査の時間を削減できます。

とはいえ、このように効率化しても「問題の抽出と、自分で正解の理由を調べる作業」に、勉強全体で最も時間を取られる可能性があります。余裕を持った勉強時間を確保しましょう。

【手順3】抽出した勉強すべき内容だけ、過去問学習

手順2で抽出した「優先順位が高い問題」を、あとはひたすら演習です。

私の場合、暗記カードアプリを利用し、隙間時間で抽出した問題を繰り返し勉強しました。

【手順4(どうしても知識が足りない場合)】応用情報のテキストを参考に使う

手順3までの内容だけで、合格ラインを超えられる可能性は高いのです。

ただ、全く情報工学の知識が無い状態から学習を開始した場合は、知識不足で合格ラインに届かない可能性もあります。

こういった場合のみ、応用情報技術者試験のテキストを使いましょう

ただし、あくまでも本番の試験を想定して学習を行うため、出題傾向の高い問題を中心に、理解を深める目的で利用しましょう。実際の過去問演習で理解が深まったか確認し、より万全に仕上げて頂ければと思います。

情報工学部門(専門科目)は準備の時間を多めにかける

「情報工学部門」については、ここまで解説してきた通り「良い参考書がない」ところが最大の難点になります。

過去問の流用・類似問題が出題される以上、過去問は無視しないことが得策ですが、幅広く過去問に挑むには「過去問の正解を自力で調査する」ことがどうしても求められると思います。

ですので、情報工学部門の専門科目については、他の科目より多めに時間を確保し、勉強の準備(問題の調査)を十分に行うといいでしょう。

条件を満たすことで免除も可能ですが「技術士第一次試験に合格するため、情報処理技術者試験の高度区分に合格する」というのは合理的な判断ではありません。とくに、技術士になる手段によっては、技術士第一次試験に早めに合格することが、技術士になる近道になります。

技術士を目指す人は、免除可能になってから受験するよりも、免除なしでの受験をおすすめします。