【合格体験】20時間でFP3級に合格するため、実際にやった勉強方法と反省点
9月8日。三級ファイナンシャル・プランニング技能検定(以下、FP3級)を受験し、合格しました。
この記事では、合格のために行った勉強と反省点についてまとめますので
- これから受験を予定している方
- 受験を考えている方
- FP3級に興味がある方
の参考にしていただければと思います。
結論。FP3級の受験について
- 投資経験と民法の基礎知識の学習経験があれば、忘れていても20時間で合格できた
- 時短とコスパを考えるなら、格安の通信講座を利用するのも手
- やはり合格できるだけでは、深く理解できているとはいえない
- 過去問だけで合格を目指すことは可能
勉強開始前のスペック
まず、受験勉強前のスペックについて。
- 民法を行政書士試験で学習した経験あり(5年前。その後この知識はほぼ利用していない)
- まともな投資経験は1年(一応、初めて株を買ったのは10年くらい前)
- 保険・年金制度についてはほぼ理解していない
行政書士試験の合格経験があるので、再学習すれば、民法関連だけは比較的スムーズに進みます。
ただし、実際に勉強したら、初見の問題で民法関連の知識が活かされたのはかなり稀でした(2回目からはスムーズに解けた)。むしろ投資関連の方が、初見から解ける問題は多かったです。
実際に利用した教材
FP3級合格のため、利用した教材は1つのみです。
スタディング FP3級合格コース
正直言うと、【オンスク.JP】とどちらを利用するべきか迷いました。
オンスクと比較したスタディングの費用
オンスク.JPのウケホーダイプランなら月額1,078円。一方、スタディングのFP3級は翌年1月31日まで有効で3974円(私が申し込んだ2019年時点)。
価格でいえばオンスク.JPに軍配が上がります。
そのうえで、私が「スタディング FP講座」を選んだ理由は以下の通りです。
- 忙しい時期と勉強期間が被る
- 忙しいので、受験を断念する可能性がある(月額だと出費が増える可能性あり)
- 受験後でも学習できる教材が欲しかった
これらの理由を考慮し、学習期間の縛りが緩いスタディングのFP3級を選択しました(2020年1月受験にも利用できるし、ダウンロードした講義音声とコピーしたWEBテキストは期間後も使える)。
ちなみに、はっきり言ってしまえばFP3級は過去問を勉強することで、無料でも合格可能だと思います。
しかし、体系的に知識を学べること、ネットの過去問よりも使い勝手が良いこと(3時間も節約できれば、余裕でコスパが良い)を考慮すると、あえて無料で合格を目指すメリットがないと判断しました。
FP3級合格に、実際にかかった費用
実際にかかった費用は以下の通りです。
- 教材:3974円(スタディングの「FP3級合格コース」)
- 受験費:6,000円
- 合計:9,974円
近所での受験であったため、交通費は無料。食事は自宅から持参したコーヒーのみです。
FP3級合格までの勉強時間
実際にFP3級のために使った勉強時間は20時間3分40秒。期間は約2週間です。
7月中に3時間かけて、使い勝手を確認し、本格的に学習を開始したのは8月末頃から。本格的な学習時間だけだと、おおむね勉強時間は17時間程度となります。
結局時間がなかったので、ほとんど問題演習だけで学習を進めましたが、合格できました。
短期合格の場合、完全な初心者からでも30時間程度で合格できたという人は少なからずいらっしゃいます。合格率が安定するかまではわかりませんが、30時間あれば「合格だけ」を目指すなら、可能性は十分といえるでしょう。
FP3級合格のために、実際に行った学習
主な学習の流れは以下の通りです(序盤のお試しでやった学習は除く)。
- 問題を一通り解く(学科の問題演習は、スタディングの「問題横断復習機能」を利用)
- 間違えた問題のみ繰り返し、全て正解するまで解く(4回目で終了)
- 全問解く(2回繰り返す)
- 実技試験の問題(25問)を全て正解するまで解く(2回目で終了)
- 直近で間違えた問題+チェックをつけた問題を全て解く(3回繰り返す)
- 正解率の低い問題を60問解く
- 直近で間違えた問題+チェックをつけた問題を全て解く(4回目)
- 全問解こうとする(時間がないため、265問/405問で終了)
- 直近で間違えた問題+チェックをつけた問題を解こうとする(時間がないため、42問/62問解いて終了)
- 学科試験を受ける
- 実技試験対策の講義を全て2倍速で聴きながら、資料を読む
- 実技試験の問題25問を眺める
- 実技試験を受ける
かなり項目が多いですが、詳細に全て書くとこのようになります(ザックリ書けば、わかるまで繰り返す。復習は苦手な問題を中心とするとなります)。
序盤:問題を全て正解するまで解く(約6時間)
学習を開始したのは8月27日(7月中の記録は、使い方の確認によるものです)。
最初はとりあえず全問解くところから始めようとしたのですが……実はこの際、出題方法の設定を間違えてしまい、全問出題される設定になっていませんでした(405問中318問しか出てこない)。
その上で、初見での正解率は58.49%の結果。最初からほぼ合格ラインに達している状態ですが、FP3級は2択、3択ばかりであるため、運の影響が大きいのは確かです。
そこから間違えた問題とチェックをつけた問題(ほぼチェックはつけませんでしたが)のみ出題する設定で3回解き、全問一度は正解するまでこぎつけます。ここまで約6時間。
中盤:問題を3周させ、実技試験問題に取り組む
今度こそ全問出題される設定にして、2周目の問題演習。
問題を2周すると「FP3級がどういった問題を出題しているのか?」の全体像がつかめてきました。2周時点では、まだ個別の用語や数値は他のものと混同することが多い状況ですが、それでも1度解いた問題なので、2周目の正解率は81.48%でした。
3周目では紛らわしい問題、理解の低い問題に積極的にチェックをつけていきます。ここまでくると、問題に見慣れてくるため、回答時間だけでいえば、3周目は1問17.86秒。正解率は88.64%となりました。
3周目が終了し、残り3日の時点で実技試験の問題を解いていきます(全25問。これは問題横断復習機能を利用できないので、履歴には載ってません)。
実技試験問題の初見での正解率は60%。合格できるかちょっと心配な数値ではありましたが、まだ3日あるので大丈夫だろうと判断しました。
終盤:間違えた問題・チェックをつけた問題を中心に演習
9月6日。試験まで残り2日の段階から、間違えた問題・チェックをつけた問題を中心に演習をしていきます。
この時点で、紛らわしい用語や混同しやすい数値を整理していきます。
例えば、FP3級で必須の6つの係数(終価係数、現価係数、減債基金係数、資本回収係数、年金終価係数、年金現価係数)もこの時期に覚えた知識。こういった「なんとなく苦手」という部分も繰り返し問題を解けば把握できるので、最後に潰しやすいです。
また、控除額や税率など、数値に関する問題もよく混同してしまうため、そのあたりも集中的に暗記を進めます。本当にしっかり学習するのであれば、どこかにメモして数値系の暗記対象を全てまとめておくと良かったのですが、時間もありませんでしたので今回は割愛。
最後に5回、チェックを付けておいた問題を演習し、本番の試験へ。
当日:学科試験と実技試験の間で、実技試験対策を90分
9月8日。試験本番の学習。
学科試験は時間が十分余るので、途中退室すれば実技試験まで90分ほど勉強時間があります。
退室後はスタディングの「FP3級合格コース」の実技試験講座の音声を2倍速で聴きながら、試験会場を散策していました。このタイミングで初めて実技試験対策の講義音声を聴きましたが、2倍速で再生していたので、学科試験と実技試験の間で聴き終わりました(たまに気になったところは巻き戻して再生)。
1時間10分ほどで聴き終わってからは、試験会場前で問題を眺めながら待機。この間で20分ほど追加学習。試験会場が利用できるようになり次第、入室して試験を待ちました。
FP3級の受験体験と試験結果
自分の試験会場は青山学院大学のキャンパス。行政書士試験に合格したときにも利用した、個人的には縁起のいい会場です。
当日はFP3級以外にも、多くの試験が行われていました。
試験は9:40集合で、10:00開始。9:30までは試験会場が開いていないため、廊下で待つことになりました。
持ち物
試験のために実際に使ったものは、以下の通りです。
- 受験票(写真添付なし)
- 文房具(HBの鉛筆2本とシャーペン、消しゴム二つ)
- 本人確認書類(パスポート)
- 電卓(古い!低機能!)
受験票の写真については、適切な本人確認書類(受験票に利用できるものが記載されている)を利用すれば不要ですので、私はパスポートを利用して、本人確認を行いました。
ちなみに、パスポートを利用した場合、受験中にページをめくるという処理が必要となります。試験に集中したいなら、運転免許証や学生証、個人番号カードなどを利用した方がいいでしょう。
また、電卓は下の写真のものを使いました。
かなりの年代物です。自分が生まれる前から実家にあった気がします。試験当日まで「電卓は不要だろ?あったら使うけど」と考えていたので、いざ探してみたらこんなのしかありませんでした。
小さいので押し間違えるし、ボタンを押せたか指の感触でわからないし、ちょっとソーラーパネル部分を隠すと計算結果が消えてやり直しだし、7桁目と8桁目の表示が欠けてるし……。
めっちゃ使いにくかったです!
途中から、押し間違えを気にして、暗算と電卓の答えを比較し始める始末…。もはや何のための電卓かわかりません。皆さん、電卓の準備はしっかり行いましょう。
FP3級の学科試験について
まず学科試験。かなりなめてかかったので、出題数さえ確認せずに受験しました。
実際に問題を解いてみると、やはり問題集だけでは行き届かない問題も登場しましたが、それでもわかった問題だけで、合格ラインは突破(スタディングは合格の効率を優先している教材であるため、問題集はあまり網羅的ではない)。
少し前に受験したWebデザイン技能検定2級では、自信のない問題全問不正解という驚異的な結果を出したので(合格はできましたが)、理解できる問題の数だけで合格ラインを突破できたのは、実技試験への安心感にもつながりました。
とはいえ、FP3級の学科試験は、半分は2択、残り半分も3択です。本当にどうしようもなく運が悪くない限り、自信の無い問題全問が不正解ということは起こらないと思っていいでしょう。
40分で見直しも含めて完了し、軽く睡眠をとってから1時間経過時点で退室しました。
FP3級の実技試験について
途中休憩(というか、追加学習)をはさんで、13:30からは実技試験。実技試験は途中退室できません。
ちなみに「実技試験」という名称ですが、学科より実践的な内容が問われるというだけで、3級は選択式です(2級になると記述式になります)。
試験直前の学習で気づきましたが(遅い)、実技試験は出題パターンが毎回似通っているため、試験としての難易度は学科試験以下です。
こちらは30分経過時点で終了。あとは休憩して終了を待ちました。
試験の結果
17:30発表の解答速報から、試験の結果は以下の通りです。
- 学科試験:43点/60点(約71.7%)
- 実技試験:80点/100点
そして、後日届いた試験結果がこちら。
各分野の得点は、おおむね偏りが少ない感じでした。
見直してみると、学科試験で勘違いによるケアレスミスが散見されました。試験に対する集中力の問題もありますが、やはり短期・短時間での受験であったための演習不足が影響している感じです。
今回、20時間でも十分合格できることが確認できましたが、より安定感を求めるのであれば、初心者はやはり30時間は目途に勉強しておいた方がいいかと思います。
FP3級受験における反省点
主な反省点は以下の通りです
- 事前調査を怠った(半分意図的)
- 金融リテラシーがつけられたかは微妙
事前調査については、資格試験において非常に重要なことがわかっていながら、毎回調査のどこかに手抜かりがある感じです。
今回の事前調査の手抜きについては、半分意図的です(事前調査する時間がないくらい忙しく、またその必要性を感じない程度の難易度だと判断した)。ただ、やはり「実技試験の内容と傾向」程度は抑えておくべきだったと思います(直前まで「実技という名前だけど、実質学科みたいなもの」という認識しかなかった)。
また、今回の学習によって、金融リテラシーが付いたかはやや疑問があります。勉強開始前と後では、多くの考え方や知識が身につきましたが、やはり体系的な知識が身についたかについては微妙です。この点は、後日余裕が出てから、再学習したいところです(ネットワークスペシャリスト試験があるので、たぶん11月中旬以降)。
とりあえず、キャッシュフロー表だけでも作ってみて、自分のライフプランニングをしてみたいと思います。