「.com Master ADVANCE」のおすすめの勉強方法
この記事では以下の内容についてまとめています。
- 「.com Master ADVANCE」における事前知識レベルの判断方法
- 「.com Master ADVANCE」の目的別のおすすめ学習方法
- 状況に応じたおすすめの教材
受験予定の方・受験を考えている方に役立てていただければ幸いです。
この記事は、2019年10月中旬に改訂した試験を対象に記載しています。
初心者か? 基礎を学習済みか?
まず、当たり前ですが「どの程度の知識をもった状況から学習を開始するか?」によって差が出ます。
「.com Master ADVANCE」において、初心者レベルかの判断は、ザックリ以下の条件で判断して差し支えないです。
- CCNAレベルの内容であれば、既に理解している。または、勉強すればすぐ理解できる → 基礎は学習済みの人
- CCNAレベルが理解できない。OSI参照モデル? TCP/IP? なにそれ?
→ 基礎から学習が必要な人
念のためですが「.com Master ADVANCE」は、ルータやスイッチの設定に関する知識だけでは合格できません。また、特定のベンダー機器の設定を行う出題は登場しませんので、Cisco機器のコマンドを覚えていても、直接的には役に立ちません。
しかし、最大の出題範囲がTCP/IPであり、難易度も他の範囲と比較して高めのため(とくにダブルスターの範囲)、ここの基礎知識の有無によって、大幅に学習時間に差が出ることが予想されます。
また、出題数は若干下がりますが、「セキュリティ」も重要テーマの一つです。暗号方式や攻撃手法などが問われますので、それらに関する事前知識がどれだけ備わっているかも勉強時間に差をつけます。「TCP/IPはあまり学習したことがないけど、セキュリティは得意」という人も、基礎を学習済みと考えていいと思います。
では、ここから先は「目的と学習レベルに応じたおすすめの勉強方法」をまとめていきます。
シングルスターのみで十分な場合
初心者の場合
教材は「.com Master教科書 .com Master ADVANCE 第3版」のみで十分です。
理由としては「シングルスター範囲は簡単な内容が多く、参考書付属の模擬問題や、公式アプリなどの流用・類似問題が多いから」です。
勉強に自信がある人は最初から問題演習から始めて、解説を読みながら暗記していくとスムーズです。
勉強に自信がない場合でも、テキストを1読して、章末問題に取り組めば「なんとなく解説が理解できる」程度には達すると思います。そこからは解説と問題を往復する形で学習を進めれば、十分合格を狙えます。
基礎を学習済みの場合
経験者の場合も「.com Master教科書 .com Master ADVANCE 第3版」でOKです。速度を重視するなら「インターネット検定.com Master ADVANCE 問題+総まとめ 公式テキスト」だけでもいいでしょう。
いずれにしても、試験範囲が広く、ネット上の過去問を利用できるタイプの試験でもないため、参考書1冊はほぼ必須と言えます。
やるべきことは問題演習のみ。基礎知識を学習済みであれば、シングルスターレベルの解説を読みこなすのは苦もないことと思います。
ちなみにシングルスターの合格基準は6割。基礎を学習済みの人であれば「.com Master教科書」を1読しただけで8割取れても不思議ではない難易度です。
短期でダブルスター合格を目指す場合の勉強方法
初心者の場合
ダブルスターまで狙って短期合格を目指す場合、教材は以下の内容をおすすめします。
- 「.com Master教科書 .com Master ADVANCE 第3版」
- 「インターネット検定.com Master ADVANCE 問題+総まとめ 公式テキスト」または「インターネット検定 .com Master ADVANCE 公式アプリ」
学習の流れとしては、まず「.com Master教科書 .com Master ADVANCE 第3版」を利用して、一通り学習範囲を進めます。1読後は、章末問題と模擬問題を解きながら、わからない場所は本文に戻って学習するようにして、苦手分野や理解の足りないところをつぶします。
出題範囲が膨大であるため、1読しただけで合格基準に達することは困難であると思いますが、繰り返し問題と本文を往復し、シングルスター範囲で8割以上、ダブルスター範囲で5割以上を目指しましょう。
理解が十分に進んだら、仕上げに「インターネット検定.com Master ADVANCE 問題+総まとめ 公式テキスト」を利用して、より問題演習を積んでおくと効果的です。本番の試験では、ある程度流用や類似問題が登場することがありますので、問題数をこなし、見慣れた出題パターンを増やしておくといいでしょう。
問題演習について、時間がない場合や、予算をかけたくない場合は「インターネット検定 .com Master ADVANCE 公式アプリ」での代用がおすすめです。問題数は少ないですが、最後の仕上げには利用価値があります。ただし、現状では第3版対応の内容になっていないため、試験範囲を網羅できない点には注意しましょう。
基礎を学習済みの場合
基礎を学習済みで短期合格を目指す場合、以下の教材でいいと思います。
「.com Master教科書 .com Master ADVANCE 第3版」または
「インターネット検定.com Master ADVANCE 問題+総まとめ 公式テキスト」
あくまで合格だけを目指すのであればシングルスター範囲で8割以上、ダブルスター範囲で6割以上を確実にとれれば全く問題ありません(むしろ、すこし余裕が出ます)。
学習の流れとしては「.com Master教科書 .com Master ADVANCE 第3版」を購入する場合も、本文は参考資料として扱い、最初から問題演習から取り組みます。最初は解けない問題の方が多いと思いますが、解説さえ理解できれば、すぐに問題に慣れていくはずです。
シングルスター範囲は流用・類似が多めのため、問題演習をしっかりこなせば、容易に8割に到達できます。一方、ダブルスター範囲は深く広い出題となり、高得点を狙うのは学習効率が悪いため、6割を確実に拾えれば十分です。
無料なので、公式アプリも併用して学習して問題ありませんが、あくまで「短期合格」を目指す場合ですので、あえて利用せず、参考書だけに集中してしまっても問題ないでしょう。
ダブルスターで高得点を目指す場合の勉強方法
高得点の定義が難しいですが、900点/1000点以上を目指す場合で考えます。
教材は、初心者も基礎を学習済みの人も同じく、以下全て揃えた方が効果的だと思います。
- 「.com Master教科書 .com Master ADVANCE 第3版」
- 「インターネット検定.com Master ADVANCE 問題+総まとめ 公式テキスト」
- 「インターネット検定 .com Master ADVANCE 公式アプリ」
- 「NTTコミュニケーションズインターネット検定 .com Master ADVANCE公式テキスト【第3版】」
- (適宜ネットでの追加調査。とくにダブルスター範囲)
追加されているのは、ネットの調査と公式テキストです。
理由としては、以下2点があげられます。
- 流用・類似問題が散見されるため、できるだけ多く問題演習した方が良い
- ダブルスター範囲は流用・類似が少ないため、公式のテキストを利用して深く学習した方が良い
初心者の場合
まずは地道に学習を進める必要があります。
基本は「短期合格を目指す場合の勉強方法」と同じく
- 「.com Master教科書 .com Master ADVANCE 第3版」の本文を一読
- 「.com Master教科書 .com Master ADVANCE 第3版」付属の模擬問題を解く
- 問題演習と本文を往復して理解を深める
- 慣れてきたら他の問題集を利用して演習量を増やす
といった流れで大丈夫です。
これに追加して、ダブルスター範囲の理解を深めるために、わからない内容や、その関連知識を公式テキストから吸収してください。もちろん、ネットを利用してもいいですが「どこまで深く勉強するべきかわからない!」という事態を避けるため、公式テキストの利用をおすすめします。
数問は公式テキストレベルを超えたものも出題される可能性がありますが、そういった問題は捨ててしまった方が現実的です。どうしても解きたい場合、ネットでの調査を深めにしてみると良いでしょう。
基礎を学習済みの場合
こちらも基本の流れは「短期合格を目指す場合の勉強方法」と同じでOKです。
内容をまとめると、以下のようになります。
- 「.com Master教科書 .com Master ADVANCE 第3版」か「インターネット検定.com Master ADVANCE 問題+総まとめ 公式テキスト」で、問題演習を行う
- 問題演習の数をこなすため、上記2冊の両方に取り組み、更に公式アプリの問題も解いておく
- わからない内容については、公式テキストを利用して更に深める
基礎知識があるのであれば、この方法が最短かつ高得点を狙える学習方法だと思います。
注意点としては、理解できない場所・理解が不足している場所に遭遇したら、いったん立ち止まってテキストを読み込み、理解すること。
「.com Master」は出題形式がやや特殊であり、また類似問題としての出題も多い傾向があります。高得点を目指すのであれば、問題に変化があっても十分に対応できるよう理解を深めておいてください。
無理に高得点を目指す必要はない
今回、基礎学力と目的に応じて、おすすめの勉強方法をまとめました。
実際に試験を経験した上での結論としては「あえて高得点を目指す必要はない」と私は考えています。
もちろん、点数は高いにこしたことはないと思いますが、試験のために完璧を目指すことはあまり有意義とはいえません。800~900点が狙えそうなのであれば、「幅広い範囲のネットワーク関連学習を行う」という目標は十分に達成されたと思っていいでしょう。
私の場合、受験の目的は「ネットワークスペシャリスト試験の準備」でした。
「ネットワークスペシャリスト試験」の準備としては、800点程度の合格であっても、十分に幅広い内容を学習することが可能です(事実、役に立ちました)。また、そこから上の点数を目指すくらいなら、率直にネットワークスペシャリスト試験の対策を行った方が有効です。
あくまでも「幅広い範囲のネットワーク知識を身に着ける」ことを目標に、試験に挑んでいただければと思います。