CCNP Routing & Switching 合格のために実際にやった勉強方法と反省点
この記事では、主に「CCNP Routing & Switching(以降、CCNP)」に私が合格した際、実際に行った勉強方法や利用した教材、反省点について解説します。

・CCNPの学習方法について知りたい人
・CCNPの学習における注意点について知りたい人
の参考にしていただければ幸いです。
シスコ技術者認定は、2020年2月24日より改訂されました。
新試験の内容については、以下の記事を参考にしていただければと思います。
CCNP受験時のスペック
前提条件として、CCNP受験時の私のスペックは以下のとおりです。
- CCNA取得直後
- ネットワーク業務経験は、研修やPCのキッティング含めて2.5ヶ月
- 応用情報技術者試験・情報セキュリティスペシャリスト試験などの合格経験あり
「新人がCCNAを取得し、すぐにCCNPに取り掛かった」という状況です。その他の試験の合格経験はありますが、あまり出題内容がかぶらないので、影響は少ないです。
ちなみに研修などではほぼ実機に触れたことがありませんでした。仕事の内容も監視・保守なので、業務で直接実機を触れたこともなく、設計・構築の経験はありません。
CCNP受験の動機
凄く簡単に行ってしまえば「CCNP取って」という期待が高かったから。
いわゆる客先常駐という立場で始まった私のネットワークエンジニア生活ですが、お客様にも「資格マニアが来るぞ!」と知れ渡っていたようで(情報セキュリティスペシャリストのインパクトがそこそこあったっぽい)、結果的に「CCNAは当たり前だよね。CCNPもすぐ取るよね」という期待がのしかかってきました。
当時、あまり真面目な社会人になりたくなかった私ですが「可能な限りゆっくり」CCNP合格を目指した上でも、結局は1年未満で合格を目指すことになりました。
どの科目からCCNPを攻めるか?
CCNPは、3科目に合格することで取得が可能です。
試験の科目は
- ROUTE
- SWITCH
- TSHOOT
の3つ。人によって色々と受験する順番には意見があります。最も多数派である意見に従い
- 最初に最難関のROUTEに合格
- 次に2番目に難しいSWITCHに合格
- 最後に、ROUTEとSWITCHの両方の知識が浅く問われるTSHOOTに合格
という流れを選びました。結果的には「ROUTE」と「SWITCH」については逆の順番でも問題なかったかと思います。「TSHOOT」は両方の知識を学習してからの方がスムーズに学習できますので、これは最後の方がいいと考えています。

CCNP合格までの流れ
まずは「Ping-t」で徹底的に問題演習を行い、Webテキストで足りない知識をカバー
CCNA受験の際にも利用した「Web版の問題集」です。
CCNAでは、基礎知識からの学習を行いましたが、CCNPについては、最初から「Ping-t」で学習をすすめました。
理由としては以下のとおりです。
- CCNAの学習が、そのまま基礎の学習に利用できている
- 自分の学習スタイルとして、問題演習をしながら、わからない知識や関連知識を吸収する方が、経験上効率がいい
- 無料で利用できるWebテキストとして「CCNPイージス」と「ネットワークエンジニアとして」が優秀なので、ネットで試験に必要な知識はだいたい調べられる
まずは「Pint-t」を徹底的にやりこみ、全ての問題で金(連続2回正解)を取得できるようにしました。
また、単に連続2回正解だけでは不安があったため、ランダムに問題を解いて95%以上の正解率で安定するまでは試験を受けず、学習を継続しました。
CCNP ROUTEで1回不合格
3ヶ月弱の期間勉強を行い、Ping-tで95%(実際にはそれ以上)の正解率で安定したところで、CCNPのROUTEを受験しました。
そして結果は、合格点790点のところ、780点で不合格。
ハッキリいって「日本語が正しければ合格できたのでは?」という点差です(こういう事があると、シスコ技術者認定も悪質な資格商法に思えてしまう…)。
ただ「日本語の問題」で全ての問題を落としたわけでないのは確かです。完全にわからなかった問題もそこそこありました。一定数わからない問題が紛れ込むことはやむを得ないですが、明らかに「もっと理解が深ければ合格できていた」という手応えではありました。
黒本の演習を追加する
理解を深めるために利用した方法が「黒本(問題集の方」での追加学習です。
この方法は、結果的に後に続くSWITCH、TSHOOTでも利用しました。まずは「Ping-t」で95%以上の正解率で安定させ、並行して黒本の問題集でも95%以上で安定させるという方法です。
Ping-tには膨大な問題数が収録されていますが、何度も解いていればどうしても見慣れた問題が出てきてしまい、うっかりすると理解度が低くても点が取れてしまう状況に陥ります。
そこで「本当に自分は理解できているのか?」を確認するセカンドオピニオン的な存在として、黒本を利用していきました。
結果的に、黒本を利用してからは一度も不合格にならず「ROUTE」「SWITCH」「TSHOOT」の順番で、ストレートに合格することができました。
ちなみに、黒本の問題集は以下のとおりです。
ROUTE | |
---|---|
SWITCH | |
TSHOOT |
CCNP合格までの学習の流れ
実際に私が行った学習の流れを大まかにまとめると、以下のとおりです。
基本的にはROUTEもSWITCHもTSHOOTも同じ方法を淡々と繰り返して合格したという内容です。
- 「Ping-t」で学習し、Webテキストで詳細な知識をつける
- 「Ping-t」の正解率を95%以上にする
- 1回不合格になる
- 「Ping-t」と並行して「黒本」で学習し、両方で正解率95%以上にする
- 2回目の受験で合格(おおむね4ヶ月)
- 「Ping-t」で学習し、Webテキストで詳細な知識をつける
- 「Ping-t」が95%程度に達した時点から、「黒本」も利用して学習を進める。両方で正解率95%以上にする
- 1回目の受験で合格(おおむね3ヶ月)
- 「Ping-t」で学習し、Webテキストで詳細な知識をつける
- 「Ping-t」が95%程度に達した時点から、「黒本」も利用して学習を進める。両方で正解率95%以上にする
- 1回目の受験で合格(おおむね1.5ヶ月)
CCNP合格までの勉強時間・勉強期間
CCNP合格までの勉強期間は、おおむね9か月でした。
CCNPまでを1年以内に終わらせるという目標もあったので、すでにCCNAに2.5ヶ月使っていた私としては、途中からけっこう焦りました。結果的には、最後にまわした「TSHOOT」が想像以上に簡単であったため、なんとか遅れを取り戻し、1年以内で合格CCNPに合格することができました。
正確な勉強時間は測定していませんでしたが、おおむね以下のとおりです。
- ROUTE:100時間程度
- SWITCH:70時間程度
- TSHOOT:50時間程度
- 合計:200~250時間程度
TSHOOTは、50時間もかからなかったかもしれません。そのくらいに、他の試験に比べて短時間で終了しました。
合計の勉強時間は、CCNAも合計すると、300~400時間程度はかかりました。
CCNPの学習における反省点
入社直後の目標のとおり、CCNPを1年以内に取得することには成功しました。短い人ならもっと短期間で取得に至りますが、新人ネットワークエンジニアとしては、悪くないスタートだったと思います。
CCNPの勉強における反省点をあげるとすれば、以下のとおりです。
- 一度不合格になってしまったこと(受験料3万円以上が無駄に)
- 危うく全額自分で負担するところだった
CCNPでは、久しぶりの不合格を味わいました。しかも、いい加減に受験しての不合格であれば、学生時代に何度かありましたが、資格試験に慣れてから本気を出した試験の中では、最初の不合格です。受験料が高いことは把握していたのに、焦って未熟なまま受験してしまったことはやはり反省点の一つといえるでしょう。
また、非常に個人的な内容とはなりますが「危うく全額受験料を自分が負担する」ところでした。受験直前に知りましたが、私の勤める会社では、高額な報奨金の場合は特別な申請が必要でした。
幸い、私はシフト勤務で平日日中帯の受験だったので、上司に電話で連絡し、受験会場に向かう途中で承認を取ることができました。これが受験後だったら、承認が降りないところでしたので、10万円以上(不合格と教材含めると15万円以上)の出費を、全額自分で負担するところでした。会社によってはこういうこともありますので、受験前には一度報奨金の制度について、詳細に確認しておくようにしましょう。