【体験記】ビジネス実務マナー技能検定2級に合格した際の勉強方法・時間・テキスト(参考書)について
2021年06月20日、ビジネス実務マナー技能検定2級を受験し、無事合格しました。
この記事では、主に以下の内容についてまとめたいと思います。
- ビジネス実務マナー技能検定2級に合格するまでにかかった勉強時間
- ビジネス実務マナー技能検定2級に挑んだ際の勉強方法・参考書
- そもそもビジネス実務マナー技能検定2級の概要や利用価値は?
ビジネス実務マナー技能検定2級、合格体験記のまとめ
- 勉強時間は2時間38分。ただし、危うかった。
- 合格だけなら、過去問1冊で十分狙える。心配ならもう一冊。
- テキスト(公式の受験ガイド)は、「用語まとめ」と「事後学習の書籍リスト」として活用
- 資格を就活などで活用するなら「何を学び取り、その後どうしたか?」の方が圧倒的に重要だと思う
受験前のスペック
私の勉強開始前のスペック(経歴)は以下の通りです。
- 2008~11年度:大学でIT関連を学習。アルバイトはスーパーで1年、大学の実験補助で1年。
- 2016年2月~:卒業後、4年弱別業界で仕事し、結局、IT業界に就職。内容はネットワークの保守・運用
- 関連しそうな資格で持っているのは、ビジネス能力検定2級(2017年合格)
基本的エンジニアとして働いていたため、「営業」や「事務」としてのビジネス系の知識はほぼ無しです。
強いて言えば、社会人として5年過ごす中で、最低限の社会人としての考え方が身に付いた程度。平均的な大学生よりは有利、バイトの内容によっては、大学生以下といったところです。
ビジネス実務マナー技能検定2級合格までの勉強時間は、2時間38分
勉強時間は2時間38分です(Studyplusで計測。下の図は週毎の勉強時間です)
より詳細を書くと、6/7に1時間53分かけて受験ガイドを読み、6/20(試験当日)に45分かけて過去問を読んだだけです。
勉強時間が極端に短くなった理由は以下の通りです。
- 最初から合格ラインを突破できる水準だった(ただし、危うさはある)
- 6月は仕事などが忙しすぎた為、意図的に試験の勉強を減らした
ビジネス実務マナー技能検定2級で実際に利用した参考書
ビジネス実務マナー検定受験ガイド2級
公式の受験ガイドです。問題演習、出題内容の要点、出題の視点などが掲載されています。
残念な点としては、この受験ガイドだけで2級は網羅できず、3級のガイドも必要になるところ。とはいえ、私は3級のガイドは購入しませんでした(2級ガイドの難易度から、無くても合格可能だと思ったので)。
そもそも試験に合格するだけなら公式ガイドは不要だと思います。
ただし、覚えるべき用語(コンピュータ関連用語、時候の挨拶など)が部分的に表になって掲載されているため、暗記には便利です。
また、「自分を成長させるための勉強(試験関係なく)」としては、過去問より効果的な書籍だと感じました。
というのも、このガイドでは解説を通して、膨大な参考文献が掲載されており。そこではテスト用の知識の暗記にとらわれない学習が可能だからです(その分、やはりガイドはあまり試験向きではない)。
とくに試験の事後学習で、継続的に社会人としての心構えを学びたい場合は、これらの参考文献を読んで見ることをおすすめします。
ビジネス実務マナー検定1・2級実問題集
公式の過去問題集で5回分が収録されています。1級も含めた問題集となるため、2級のみ受験の場合は、1級部分は飛ばして進めましょう。
正直、合格するだけならこの1冊で十分だと思います。
また、合格が心配な場合「受験ガイド」ではなく、一つ古い過去問を追加購入するという選択肢もアリだと思います。
用語のまとめを活用したい場合は、受験ガイド。問題演習を徹底したい場合は、過去問の追加購入といった形で判断するといいでしょう。
ビジネス実務マナー技能検定2級の勉強方法
実際に私が行った勉強方法は以下の通りです(といっても、2時間38分ですが……)
受験ガイドを読む(1時間53分)
受験ガイドの利用目的は、以下の通りです。
- ビジネス実務マナー技能検定について、試験の内容の再確認
- 実際に問題を見て、難易度を判断する
- どこを勉強すべきか?を判断する。
試験内容は「理論」と「実技」にわかれ、「実技」では単語・短文レベルで記述式も出題されます。
実際に問題を見た際の難易度は「合格だけなら勉強なしでもいける。安全のために追加で勉強はしておく」という手応え。
自分が苦手なのは「実技」でした。「理論」については「何となく」で解ける問題ばかりなのですが、「実技」は知識系の問題が出題されるため、そこが点数を左右すると感じました。
ちなみに、ここまでの調査だけであれば、1時間あれば目的は達成できが、所々に掲載されている参考文献に興味を惹かれたため、うっかり倍近く時間をかけてしまいました。
実際に勉強した時の感想がこちら。
過去問に取り組む(45分)
過去問演習は、試験会場に到着してから実施。45分で苦手な「実技」の5年分の読み込み、知識を補充しました。
全ての過去問をしっかり読む余裕はなかったので「答えから読んで、気になったところだけ本文も含めて確認する」という方法を使いました。
この方法なら「自分の知らない知識」「間違いそうな問題」だけに集中でき、45分でも5年分の過去問を確認することは可能です。
ただ、細かな暗記や、過去問から想定される出題パターンを考えた暗記まで行いたい場合は、その分多く時間を取る必要はあります。
とくに以下のような知識問題については、知らないものは優先的に覚えておくといいでしょう。
- コンピュータ関連の用語
- 弔事に関する用語
- 時候の挨拶
- 手紙で使われる慣用語
- 手紙・封筒のサイズと
- 文書の名称と意味(念書、誓約書、委任状など)
- 郵便サービスの名称と内容
出題分野ごとの対応は、深く考える必要なし
ちなみに、ビジネス実務マナー技能検定の筆記試験は第60回から、以下の5つの分野に区分されています(1級は面接試験あり)。
- 必要とされる資質(理論)
- 企業実務(理論)
- 対人関係(実技)
- 電話実務(実技。第60回から追加された分野)
- 技能(実技)
この内、理論で合計60%以上の得点、実技3で合計60%以上の得点を、両方達成すると合格になります。
なので、一応は「分野ごとの点数を考慮する必要がある」のですが、そうなると結局「間違えたところを中心に暗記する」ということになります。
暗記の時間を含めないなら、過去問1回あたり45分もあれば大丈夫だと思います(実際、本番は見直し含めて45分でした)。その際に間違えた問題に印をつけ、そこを重点的に攻めるという方法が合格への最短ルートだと思います。
試験当日(実は極限状態)
00:00~12:30頃 会社で仕事をする
試験当日。夜勤により00:00~12:30まで仕事。前日16:00頃から寝ていません。
完全な自業自得ですが、退職前に休日出勤を請け負い過ぎた為、こんな状態からのスタートです。
12:30~13:30頃 会場に移動し、到着
急ぎ会場へ移動。歩行が主だったため、参考書では勉強せず、主に音声で関係ないこと(主にメンタル面)を学習していました。
受験票に書かれている建物に到着すると「ななめ向かいのビルが会場です」とご案内頂きました。コロナ対策で急きょ変更があったのでしょうか?
13:30~14:50頃 過去問演習と瞑想
ここから過去問演習するのです。が……。
流石に体力尽き、少しでも回復するために瞑想に切り替えました(この時点で、前回の起床から22時間20分程度経過)。
14:50~16:10頃 試験前の解説~試験本番~終了
まずは、試験前に10分程度かけて、試験に関する注意が行われます。
試験時間は14:50~17:00となっていますが、実際には受験上の注意が10分含まれています(なので、本当の試験時間は120分)
マークシートの氏名や受験番号の記入などは、試験時間ではなく、この試験実施前の時間で行われました。
試験時間は2時間ありましたが、実際には見直し含めて45分あれば十分でした。
その後、試験会場でも瞑想して、16:10には試験終了となりました(この時点で、24時間以上の連続稼働)。
そんなわけで、休日出勤からの試験が無事終了。が、翌日は朝から休日出勤でした\(^o^)/
試験の結果(点数)
無事合格はできたのですが、正確な点数は公表されませんでした。
試験終了後、模範解答が一定期間掲載されていますので、それを基準に採点すると、以下の通りです。
- 理論の想定得点:75%(12問中9問正解)
- 実技の想定得点:約68.1%(22問中15問正解)
想像以上にギリギリの点数でした。
「全問同じ得点」「最後の記述問題は、全て正解で1問分の点数」と計算した場合で見積もっているので、実際には前後するかもしれませんが、実技は2問不正解で不合格になっていた可能性があります。
ちなみに、失点が多かったのは「対人関係」の部分。この点については勉強不足が露見したかたちです。
ビジネス実務マナー技能検定2級の反省点
今回の最大の反省点は「電話対応の教育資料の作成には、全く貢献しなかった」こと。
「教育資料?突然何を言い出すんだ?」と思われるかもしれませんが、そもそも私の受験動機は「新人教育向けで電話対応の資料を作ろう!」と思っていたときに「そもそも自分が教えられるほど学んでない……」と思ったためです。
ビジネス実務マナー技能検定では、第60回から「電話実務」が取り入れられたため、それを仕事に活かそう……と思ったのですが、想像以上に「これって、単に敬語とか謙譲語の問題じゃないだろうか?」というものが多く、正直自分の仕事には向きませんでした。
また、そもそも仕事の資料として知識を活かすだけの余裕もなく、結局「合格するためだけに受験した」という状態になってしまったのが残念です。
そもそもビジネス実務マナー技能検定とは?
最後になりますが、念のため「ビジネス実務マナー技能検定」について一通り概要をまとめます。
実際に受験する際は、公式で最新情報の確認をお願いします。
ビジネス実務マナー技能検定の正式な名称
実は、ここまで紹介した参考書やホームページでは「ビジネス実務マナー検定」という名称になっています。
しかし、合格証明書などに記載されている名称は「ビジネス実務マナー技能検定」。
どういった使い分けが行われているのか、実務技能検定協会に問い合わせたところ、正式名称は「ビジネス実務マナー技能検定」であり、伝わりやすく「技能」を省略してホームページなどには記載しているとのことです。
ちなみに、この点については「秘書検定」「ビジネス文書」についても同様です。
ビジネス実務マナー技能検定の試験日・受験費用・合格率
- 試験日:年に2回、6月と11月
- 受験費用:4,100円(2級の場合)
- 合格率:58.4%(令和元年度。1級は38.9%、3級は60.8%)
ちなみに、申込みはだいたい2.5~1カ月程前の期間でした。勉強時間は少なくても合格可能ですが、申込み締め切りには注意しましょう。
ビジネス実務マナー技能検定2級の受験資格と試験の方式
受験資格はありません。これは3級も1級も同様です。
方式は筆記試験です(五肢択一が8~9割、記述式が約1~2割)。3級は2級と同様ですが、1級は筆記試験の合格者が面接試験も行います。
試験時間は120分です(3級は110分、1級の筆記は140分)
秘書検定、サービス接遇検定との違い
類似する資格に「秘書検定」や「サービス接遇検定」があります。
実施団体は同じで、公益財団法人 実務技能検定協会が主催する「ビジネス系検定」の1つです。
ビジネス実務マナー技能検定も含め、これら三つはどれも「マナー」「話し方」「態度・振る舞い」などを扱う試験ですが、以下のような特徴があります。
- 秘書検定:「感じの良い」人柄育成(必ずしも「秘書」ではない問題もある)
- ビジネス実務マナー技能検定:「ビジネス社会の基本ルール」の育成(「B to B」向け出題が多い。「会社内での判断・行動の適切さ」も問われる)
- サービス接遇検定:「サービスマインド」の育成(いわゆる「B to C」のサービス業向け。「おもてなしの心」なども問われる)
ちなみに、ビジネス系検定には、他にビジネス文書検定があります(2級なら持ってます)。
合格後のメリット・履歴書への書き方
履歴書には「文部科学省後援 ビジネス実務マナー技能検定試験」と記載するよう、公式の「閲覧件数の多いご質問」に掲載されています。
また、2級以上に合格した場合は、日本秘書クラブに入ることもできます。(秘書・ビジネス文書・ビジネス実務マナー・サービス接遇の2級、ビジネス電話の知識A級も同様)。
何が身に付くか?就活での利用価値は?
ビジネス実務マナー技能検定2級を受験する人には、就職活動を控えた学生の方も多いと思います。
「就職活動でビジネス実務マナー技能検定2級が役に立つか?」と問われれば、「資格を持っているだけでは、就活でのアピールは難しい」と思います。
今回、私はビジネスマナーを意識する仕事についていないにもかかわらず、3時間足らずで試験に合格できました。恐らく、平均的なレベルの大学生で、アルバイトの経験もあるのなら、勉強なしでも合格できる人も多いでしょう。
つまり「ビジネス実務マナー技能検定2級を持っていることは、それだけではほぼ評価されない(無いよりマシ)」と考えても差し支えないと思います。
もしも就職活動でビジネス実務マナー技能検定を役立てたいのであれば「勉強から何を学び取り、その後どうしたか?」という面のアピールしましょう。
知識面で言えば、短時間でも十分合格できてしまう試験です。しかし「心構え」のような「言うだけなら単純なもの」ほど、本質的な習得は困難です。
つまり、本当に大切なのは「社会人として(というか、人間として)の心構えが備わったか?」というところです。
もし受験ガイドで気になった分野があれば、その分野の参考文献からより深く学び取り、日々の生活の中で実践してみましょう。「資格の勉強が継続的な研鑽へ繋がり、○○を習得した」というエピソードにもできますし、実際に自分自身が成長できる面でもメリットがあります。