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【史跡】「ブルー・プラーク」とは? 日本人でも知っていそうなロンドンのブルー・プラークをまとめてみた

8月 25, 2023海外旅行【海外】古民家

イギリスの観光中に稀に見かける、建物についた丸い看板。とくにロンドン観光中に現れることが多く、主に青い色をしています。

この記事では、この丸い看板「ブルー・プラーク」の概要と、「日本人でも知っていそうな有名人のブルー・プラーク」をまとめます。

「イギリス旅行(とくにロンドン)を予定している方」「ブルー・プラーク巡りをやってみたい方」などの参考になれば嬉しいです。

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ブルー・プラークとは?

ブルー・プラーク」は、イギリス国内の建物に掲げられた史跡の案内板です。

多くの場合、「この家に○○さん(著名人)が住んでいた」ということを示すもので、その他にも「歴史的な出来事があった場所」や「重要な機関が建っていた場所」にも取り付けられていることがあります。大きさは48センチほどの円形で、多くの物は青地に白い文字の看板になっています(初期のものは焦げ茶色で、青色になったのは1937年、現在と同様のデザインになったのは1939年から)。

人物に対するブルー・プラークは、以下の様な基準で設置されています。

  • 死後20年、または生後100年が過ぎている
  • 人類の繁栄と幸福に重要かつ積極的な貢献をしている
  • 非凡かつ傑出した個性を持っている

また、新規に認定される人物については、原則1人1箇所にブルー・プラークが設置されますが、過去に設置された事がある人物の場合は、新規に新しいものが設置されることがあります。

2023年は、参政権運動家である「ソフィア・デュリープ・シン王女」ジャーナリストで反人種差別活動家の「クローディア・ジョーンズ」。20世紀の有名なヴァイオリニストの「ユーディ・メニューイン」。女性参政権者の「エミリー・ワイルディング・デイヴィソン」などが対象となり、現在も毎年約20か所に設置されています。

ロンドンのブルー・プラークについては、イングリッシュ・ヘリテッジが運営しており、その歴史は1866年まで遡る古いもので、首都全域で990件を超える看板が設置されています(少数ですが、ロンドン外にもあります。カンタベリーの観光でも見つけました)。

ちなみに、ロンドンの街は日本と違い、古い家を壊さずに使い続ける傾向が顕著なため、「昔の著名人が住んでいた家」が残り続けています。このような事情があるからこそ、ブルー・プラークの制度が成立するという側面もあります(一方で、老朽化した住宅が多かったり、集合住宅が極端に少ないので住宅価格がかなり高騰しています)。

軽井沢ブルー・プラーク

この記事で紹介するものとは別物ですが「ロンドンの街は日本と違い……」と言っておきながら、実は日本にもブルー・プラーク制度が存在します

それが「軽井沢ブルー・プラーク」これは、イギリスのブルー・プラーク制度をモデルに作られたもので、建築的価値や歴史的価値のある建造物を後世に残していくために作られました。

軽井沢観光の際は、青い丸看板を探しながら街を散策してみるのも面白いかと思います。

ブルー・プラークの探し方

ブルー・プラークの探し方は、いくつかありますが、その中からいくつか紹介します。

ブルー・プラークの探し方

  • イングリッシュ・ヘリテッジのページがから検索
  • Googleマップで検索
  • ブルー・プラークの書籍を購入する
  • ネットでブルー・プラークを紹介しているページを利用
  • 徒歩で歩きながら探す

まずロンドン内であればイングリッシュ・ヘリテッジのページから、名前やキーワード、ジャンル、地域などで見つけたいブルー・プラークを絞り込むことができます。知っているブルー・プラークの実際に設置されている建物の画像を確認でき、また周辺のブルー・プラークの情報も確認できる点がメリットです。ただし、ロンドン外のブルー・プラークについては検索で出てきませんでしたし、ロンドン内であっても、一部のブルー・プラークは検索で確認できませんでした(「Jack the Ripper」のブルー・プラークなど)。

手あたり次第、地図上でブルー・プラークを発見したいなら、Googleマップがおすすめです。確認したい場所を地図で表示し「blue plaque」と検索すれば、一気に周辺のブルー・プラークの位置を確認できます。デメリットは、反映されていないブルー・プラークも多い事。また、目的別で調べる事も難しく、せいぜい「blue plaque ○○(○○は調べたい人のアルファベット表記)」といった形で検索し、運が良ければ発見できるといった具合です。

有料の方法になりますし、売られているブルー・プラークの解説本を利用するという手もあります。

書籍は何通りも販売されているので、検討する際は一度無料の範囲で確認してから、一番気に入ったものを選びましょう。ちなにに、分野別の著名人を紹介しているシリーズ(全9巻)であれば、Kindle Unlimitedで無料です。

この他、日本人にも有名なブルー・プラークであれば、日本語のネット情報を活用するのがおすすめです。このページでも、私が勝手に選んだ人ですが、ロンドンで見つかる有名人のブルー・プラークを紹介しています。

最後に、ロンドンの中心地であれば、普通に歩いているだけでもブルー・プラークが見つかる事があります。私は大英博物館周辺で、Googleマップの検索では見つからなかったブルー・プラークを発見しました。ただし、ロンドン中心地以外はブルー・プラークの密度が低いので1時間歩いても1つも見つからない可能性が高いです。

日本人でも知っていそうな人(作品関連)のブルー・プラーク

著名人の住んでいた場所に設置されるブルー・プラークですが、実際にはイギリス人でさえランダムにブルー・プラークを見た場合、知らない人の看板であることの方が圧倒的に多いそうです。当然「地元で有名な政治家」程度のブルー・プラークでは、日本人は知らないのが普通です。

そこで、ロンドン中心部にあるブルー・プラークの中で、比較的日本人でも知っていそうな人物(作品)のブルー・プラークをまとめてみたところ、以下のようになりました。

人物住所備考
夏目漱石81 The Chase, London SW4 0NR イギリス2023年6月時点で、日本人で唯一のブルー・プラーク
Vincent Van Gogh87 Hackford Rd, London SW9 0RE イギリス画家。代表作『ひまわり』は、この住所の北にあるナショナル・ギャラリーにあります。
Oscar Wilde34 Tite St, London SW3 4JA イギリス詩人。代表作は『ラヴェンナ』『サロメ』など。
Mark Twain (Samuel L Clemens)23 Tedworth Square, London SW3 4DR イギリス米国の作家。代表作は『トムソーヤーの冒険』
Bram Stoker19 St. Leonard’s Terrace, London SW3 4QG イギリスアイルランド人作家。代表作は『吸血鬼ドラキュラ』
Alan Alexander Milne13 Mallord St, London SW3 6DT イギリスイギリス人作家。代表作は『クマのプーさん』。A・A・ミルンの名で有名。
Princess DianaFlat 60, Coleherne Court, Old Brompton Rd, London SW5 0EF イギリスダイアナ妃。1997年、交通事故によりにパリで不慮の死を遂げた。
Alfred Hitchcock153 Cromwell Rd, London SW5 0TQ イギリスイギリスの映画監督。代表作は『サイコ』『裏窓』『知り過ぎていた男』など。
Winston Churchill28 Hyde Park Gate, South Kensington, London SW7 5DJ イギリスイギリスの政治家。第二次世界大戦を勝利に導いた。
Agatha Christie58 Sheffield Terrace, London W8 7NA イギリスイギリスの推理作家。代表作はそして誰もいなくなったオリエント急行の殺人』など。
Jack the Ripper351 Kensington High St, London W8 6NW イギリス1888年のロンドンに現れた正体不明の連続殺人犯
Vivien Leigh54 Eaton Square, London SW1W 9BE イギリスイギリスの映画女優。代表作は『風と共に去りぬ』。
T.E. Lawrence14 Barton St, London SW1P 3NE イギリスイギリスの軍人。映画『アラビアのロレンス』の主人公のモデル。
Scotland Yard4 Whitehall Pl, London SW1A 2HP イギリスロンドンのほぼ全体を管轄する警察組織。
Napoleon III1 King St, St. James’s, London SW1Y 6QG イギリスフランス第二帝政の皇帝。クリミア戦争ではイギリスとの同盟により対ロシアとの戦いに勝利した。
Isaac Newton6jd, 87 Jermyn St, St. James’s, London SW1Y 6JD イギリスイングランド学者万有引力の法則を発見したことで有名。
Florence Nightingale10 South St, London W1K 1DF イギリスイギリスの看護師。社会起業家、統計学者でもあり、統計学の業績についても高く評価されている。
Jimi Hendrix23 Brook Street, London W1K 4HA イギリスアメリカのギタリスト。日本では「ジミヘン」の愛称で知られる。
Karl Marx30 Dean St, London W1D 3RZ イギリスドイツの学者。主な著書は共産党宣言』『資本論』など。
Wolfgang Amadeus Mozart20 Frith St, London W1D 4RL イギリス音楽家。代表作は魔笛フィガロの結婚アイネ・クライネ・ナハトムジーク』など。
John Lennon George Harrison94 Baker St, London W1U 6FZ イギリスビートルズが設立した、アップルレコードの会社があった建物です。
Sherlock Holmes221B Baker St, London NW1 6XE イギリス架空の人物「シャーロックホームズ」が下宿している住所の建物に、ブルー・プラークがあります。

ちなみに、上記のブルー・プラークは「ケンジントン」「チェルシー」「ウェストミンスター」「メイフェア」「ソーホー」「メアリルボーン」の地域(テムズ川の北側で、ロンドンアイより西側)に集中しています。ただし、夏目漱石とゴッホのブルー・プラークは、テムズ川の南側です。

8月 25, 2023海外旅行【海外】古民家